輝は姿見の前で泣きじゃくっていた。

 「こんな・・・。これがボクの顔? そしてこんなに大きなオッパイ・・・。そして・・・オマンコまで作られた・・・。もうボクじゃなくなっている。」

 そして足は外皮で覆われているので感覚はないが、愛液が流れ出ているのは分かる。そして治める方法は一つしかなく、そうしないと気が狂いそうになる程の精神的つらさが起きる事も。それが愛やデーモンの目論見である事も。しかしベッドの横に置いてあるダッチハズに向かうしかなかった。
 悲鳴のような声を上げ、ダッチハズに跨るのだった。


 《単なるセックス依存症なのだが、菊野の心理操作で色情狂の家畜化という意識付けがなされている。まあ、先人達が地球人を交尾依存症にしているのだから、私は僅かに進めただけなのだが。時空間のズレで更に後年デーモン族の誰かがこの星を訪れるかも知れぬ。あるいは他の星に逃れた者が更にここに来るという事も考えられる。果たして私はその者達に感心し、納得させるような進化を与えられるだろうか。科学者の一人として是非その様な成果を残してみたいものだ。》



 デーモンには山口が期待に胸を膨らませ・・・、イヤ、この言葉はふさわしくない。山口は期待に股間を膨らませ、近付いてきた事を察知した。当然ながら再び足だけを拘束し、ベットに寝かせ、足を広げさせるのだった。輝にはそれが何を意味するかが分かっている。蠢く膣が愛する山口のペニスを待ち望んでいるのだ。

 「ああ・・・、キャプテン、早く来て・・・・。そしていっぱい・・・。」

 山口は驚いて輝を見詰めていた。

 「お前・・・、出門なのか?」
 「そうだよ。整形で随分顔が変わったけれど・・・。ねえ、お願い。早く・・・。」

 シゲシゲと輝を見詰めながら、ベッドに上がってきた。

 「本当に出門なのか? どう見ても女だし・・・、オッパイは・・・随分大きくなってるけれど、確かにこの感触は・・・。」

 そう言いながら山口は突き勃った逸物を押し込んできた。

 「アハーン・・・。」
 「ウオッ、引っ張り込まれる。確かにこのマンコは出門だ。」

 《デーモンさん。ツトム君の遺伝子の解析をお願いできますか?》
 《いや、既に解析済みだ。輝との比較をする必要があったからな。しかし改めてと依頼とはなぜだ?》
 《ツトムはすっかり出門君を気に入ってます。ですからこれからもデーモンさんの食料の一部、そして出門君のセックスのお相手をさせたいのです。勿論大勢の男性ともさせるのですが、ツトムが普通にセックスしていれば他の方も猜疑心なしにできると思います。まあ、ある程度は共有という意識にはなるでしょうが、それでもそのリーダーとして。その為には出門君のセックス欲求に耐え、そして大量の精液を出せるようにして上げたいのですよ。但し、家畜化ではなく、ごく普通の地球人としての機能アップなのですが。》
 《その程度ならホルモン生成でペニス、精巣強化でできる。いつでもいいぞ。》
 《そうですか。それでは時期的には出門君が通学できるようになった時、まあ道具になる直前になってしまうでしょうが、宜しくお願いしますね、》
 《分かった。私は菊野の指示、仕様に従っていれば良い結果が得られるのだ。細かい仕様は全て委任しているしな。》
 《デーモンさんの技術があってこそですよ。》

 離れている愛からの精神波に尊敬と連帯の意識が流れてきていた。それはデーモンにとっても精神的高揚をもたらすものだった。



 「フーッ、相変わらず凄いな。抜こうにも抜けないよ。」
 「ボクも気持ちいい・・・。キャプテンの精液が子宮の中で動き回っているのがとても嬉しい。」
 「アッ・・・、まさかお前・・・・。」
 「何?」
 「妊娠されたら・・・、俺はまだ・・・。」
 「アハッ、それはいいかも。でも、子宮はできているけれど、卵巣とかはまだらしいから。どんなにセックスしても妊娠しないよ。それに確かにオマンコはあるけれど、ボクは男だし。」
 「男?」
 「うん。おっきなオッパイとオマンコはあってもオチンチンがあるんだよ。だから男・・・。」
 「ああ、ここの邪魔なやつな。これはいつ切るんだ?」
 「じょ・・・冗談じゃないよ! ボクはどんな姿でも男だよ。」
 「だけど、こんな整形したって事は女になりたいって事じゃないのか?」
 「うっ・・・、それは・・・。」
 「出門がこんな変わった服を着ているのはそのチンチンを隠し、より女らしさを目立たせる為だと思っているんだがな。なあ、もし完全に女に成ったら、やっぱり最初にやらせろよ。」

 輝には返事の仕様がなかったが、膣だけが肯定の意志を示していた。ツトムのペニスをキュッと引っ張り込み、揉み始めたのだ。

 「ワオッ! やっぱりすごい。」



 《このまま交尾させ続けていてはダメなのか?》
 《ええ、これから多分一週間は無理だと思います。ですから来週もう一度来て貰う予定です。》
 《ああ、あの牡は学校に行かねばならなかったのだな。》
 《それもありますが、出門君の精神安定迄その程度掛かると思いますので。》
 《精神安定? ああ、そうか。菊野には分かっていたのか。》
 《はい。今晩、葬式と誕生会をしますよ。》
 《おやおや、またまた不可解な儀式なのだな。意味は理解できるし、ある意味確かにそうだ。》
 《地球人は物事の節目に色々と行事を行うのですよ。節目の行事により精神的に切り替わったという事を強く認識するのです。これ程の節目ですから、どんなに小規模であっても儀式は必要です。まして出門君には最初で最後の儀式ですからね。》
 《そうだな。もう一回の別の儀式の前の小さな儀式だが。》
 《これでも本人にはとんでもない大きな儀式なのですけれどね。》



 夜になり、いつものようにダッチハズに跨っていた輝は昼間のツトムとの行為の余韻に浸りながら腰を動かしていた。
 そこに愛がお盆を持って入ってきた。

 「こんばんは。あ、そのまま続けていていいわよ。」

 愛の持ってきた物に少し訝りながらも、結合部を手で隠して続けていた。

 「これ何か分かるかな? ケーキよ。」
 「ケーキ?」

 精液以外の物を口にしていない輝は口の中によだれが溜まってきた。しかしまだ不審そうに見ていた。

 「小さいですけれどね。でも、この生クリームは特別製よ。出門君のお乳で作ったクリームよ。」
 「エエーーッ?」
 「味は凄くいいのよ。」
 「でも何だか気色悪い・・・。」
 「あなたがもっとたくさんお乳が出るようになったら、もっと大きなケーキを作って上げるわ。今日は特別な日ですから。」

 輝はダッチハズから離れて用意されたテーブルに近付いた。愛のうなずきにそのケーキを手に取り、口にする。

 「ワッ・・・、おいしい! あ、特別なって・・・?」
 「今日は出門君の誕生日。」
 「エッ・・・? 違うよ。ボクは12月の・・・。」
 「ううん、出門輝君の誕生日はそうでしょうけれど、今日は出門輝子・・・輝美・・・輝江・・・、どれがいいかな・・・。女の子としての出門君が生まれる日なのよ。」
 「・・・・・・・?」

 輝の手が止まった。そしてブルブル震え始めた・・・。

 「まさか・・・。ボクを女に・・・? 手術で・・・? アッ、このケーキに薬?」

 愛はいつもの通りに微笑んでいた。

 「それは普通のケーキよ。まあ、自分のお乳で作ったクリームのケーキが普通かどうか。それに手術なんかしないわ。ねえ、ずっと女性としてのセックスばかりだったから気が付かなかったかも知れないけれど、オチンチンの感覚はどう?」

 ハッとした輝は自分の股間に手を宛がった。デーモンの外皮で覆われている上に手も覆われているので触れた感覚では分からない。叩いてみて輝は再び震え上がった。

 「感じない・・・。叩いた震動は感じるけど、それはおなかに直接・・・。」
 「そうよ。既にオチンチンはデーモンさんの物になっているの。デーモンさん、開いて上げてね。」

 デーモンの外皮が開き始めた。首のところから、そして突き出ている乳房の周り、更におなかが見えてきた。輝は震えていた。乳房が邪魔になり下腹部が見えない。部屋の隅の姿見の前に走っていって、その瞬間を待った。下腹部が開き始めた時、輝の悲鳴が響く。

 外皮に包まれ、かなりの大きさであったペニス部が輝の身体から離れた。開いていく外皮と一緒に下に垂れ下がり、膣口まで開いた時、その部分は尻尾の付け根に存在していた。
 輝はガタガタ震えながら下腹部を撫でる。そして外皮に包まれたペニスだった部分もまさぐる。そして悲鳴と激しい鳴き声が響くのだった。



 ずっと泣いている輝の膣には本来の輝のペニスであった物が填め込まれている。しかし今回は全てデーモンの意志で動いており、当然ながら輝にはペニスの感覚は失われている。

 「ボクは・・・ボクは女に成っちゃった・・・。」
 「デーモン人は雌雄の別はなく、いわば単性生殖なのだ。当然遺伝子交換で子孫を増やすわけだが、私が遺伝子を出す場合は牡で、受け取る方は牝になるのだろう。いわゆる雌雄の差という物は感じていない。地球人の場合はかなり差があるようだな。」
 「そうだよ・・・。ボクは男だ・・・・男だった。それが今は・・・。」
 「牡である必然性は?」
 「だって・・・オチンチンが無ければボクの子供はできない。」
 「今はまだ卵巣は完成していないが、やがては子供を産めるようになる。」
 「ボクは・・・男だから・・・父親になりたかった・・・。」
 「それも可能だぞ。このペニスは分離したが、機能は保持させている。このペニスの精子で生まれた子供の場合、当然輝が父親だ。まあ、母親でもあるわけだが。そして授乳もさせられる。普通の地球人よりもずっと優れ、恵まれていると思うが。」
 「イヤだーーっ!! オチンチン、返してーーっ・・・。」

 愛の予想通り、輝はずっと泣き続けていた。しかしそれでもデーモンによる飼育の効果はあり、ダッチハズとのセックス及びフェラ式の食事は続けていた。そして乳搾りも。むしろそれらの行為により悲しみを忘れようとしていたのだが、輝にとっては逆効果だった。女性としての快感を受けてしまっていると、女性である事を受け入れてしまう事になるのだった。輝にもそれは分かっているのだ。精神と肉体の乖離がより快感を求める事に逃避してしまい、精神的に激しい振幅で疲労してしまう。考える事をやめるという事になってしまっていた。

 《精神を閉ざしてしまおうとしているが、いいのか?》
 《当然ですわ。この状態でまともにいられるはずはないのですから。たとえ、精神的には女性なのに男性であるというような、いわゆる性同一性障害の人でさえ、性器の除去には精神的苦しみが多いのです。輝君は本来ノーマルな男性ですから、ある程度の女性化ですらかなりの抵抗を感じていたはずですし、望んでいない女性化をされてしまったのですから、この程度は仕方ないですよ。ただ、デーモンさんの飼育が素晴らしいですから、私どもの改造よりもずっと短時間で精神安定に至ります。もっともそうでなければ、最終段階で精神破綻を起こしてしまいますからね。》
 《そうだろうな。私の思考実験では不可避という結果が出ていた。この段階でもかなりの確率でそうなってしまう。精神操作は私の精神波でもできるはずだったが、遙かに凌駕する力を認める。しかも精神波を使わずに行っているのだから。》
 《それは経験の差だと思いますわよ。でも、お褒めの言葉として喜んでお受けしますわ。》


 「デーモンさんは科学者なんでしょう?」
 「そうだ、遺伝子生物学のな。」
 「それならお願い・・・。たとえ一生デーモンさんの道具でもいいから、ボクを元に戻して・・・。オッパイはミルクが出るままでもいい。オマンコだってそのままでもいい。だけどオチンチンだけでも戻して・・・。」
 「私がその様な事を聞くと思うのか? たとえでなく、お前は死ぬまで私の道具なのだ。それに科学でもできる事とできない事がある。特にペニスは私の体内に取り込んでしまっている。私の組織として機能しているのだ。もうこれは除去できない。もし戻す事ができる程に科学が進歩したとしよう。そして戻した場合どうなるか・・・。それは輝にとっては悲惨な事になる。」
 「どうしてだよ。元に戻ったらボクは嬉しいよ。」
 「そうはいかないのだ。元に戻るという事はその乳の出る乳房が無くなり、セックスを楽しむ膣も無くなるという事なのだ。私の道具となる前のお前に戻るという事なのだが、今はお前は雌としての快感を知ってしまった。それを全て失い、貧弱なペニスでのほんの少しの快感だけとなる。その場合の精神的な苦痛は耐え難いものとなる。以前の快感が得られないのにそれを望む。それは精神的な色情狂なのだ。求めても得られず、肉体的に欲し、精神的に欲する。それを逃れるすべは・・・発狂して自我を失うという事なのだ。」
 「そんな・・・、そんな事はない・・・。」
 「今の性的衝動ですら耐えられないお前が、一生その衝動と戦い続けられると思うのか?」
 「だって・・・。」

 再び泣き出した輝だった。

 《菊野の錯話術はさすがだ。論理的には大きな誤謬があるのに、納得させてしまう事ができる。私も地球人の心理学を学ばねばならぬな。輝の飼育だけでなく、菊野の仕事を手伝えるようになった場合、話し方一つで相手を制御できるという事は大きな力となる。最初は菊野のような地球人を家畜とするのが理想だと考えていたが、それは誤りであった。私は最も良い方法と手順で最良の家畜を手に入れたという事なのだな。》

 「菊野さん・・・、あなたならできるでしょう? ボクみたいな改造を何度もしているって・・・。」
 「デーモンさんの言う通りね。科学的に遙かに進んだ技術ですから、私には絶対に不可能。そしてデーモンさんにも不可能という事も分かるのよ。」
 「どうしてさ。遙かに進んだ科学の事が・・・。」
 「簡単な事よ。あなたのオチンチンはデーモンさんの組織と混ざり合って保存されているの。デーモン成人といえども生命体の基本はタンパク質。地球人と同じような成分のかなりあるのよ。混じり合ってしまっているのだから、それこそ細胞レベル。あるいは分子レベルで分離しないと不可能ね。進んだ科学力ならできるかも知れないけれど、それは不可能なの。」
 「なぜ・・・、今進んだ科学力ならって言ったでしょ?」
 「そうねえ・・・。出門君に分かりやすく例えるとすると、例えばここに水と牛乳が同じ量あったとするわ。それを混ぜたら当然ながら薄い牛乳になるわね。それを元の水と牛乳に戻す事ってできるかしら? できるわよ。遠心分離器とか、蒸留とかしてね。元に戻った水と牛乳って最初の物と同じかしら? 化学的には同じ成分でしょうね、だけどそれは細胞レベルは破壊され、あるいは加熱分解され・・・。それを出門君のオチンチンでやってみる? 手間暇掛けて分離したオチンチンは細胞破壊され、熱で変性した物質の塊って事ね。だから不可能と言ったのよ。」
 《ほう、輝は抵抗しながらも納得している。返す言葉がないらしい。》
 《こういう錯話は私の得意とするところですから。》

 輝はただ震えながら涙を流しているだけだった。



 《デーモンさん、今の出門君の様子はどうですか?》
 《ああ、この精神状態はかなり諦めたという事なのかな。しかし完全に諦めたというところ迄はいっていない。しかし精神的には変動幅が少なくなっている。最初の3日は限界近くまでいっていたが、もう心配はないだろう。菊野の言葉が極めて効果的だった。リミッターを越えそうになった時に、菊野の言葉を記録しておいたので、精神波として送り込むだけで良かったからな。》
 《そうですか。それでは・・・。》
 《ああ、例の牡に交尾させるのだな。》
 《そうです。それで第2段階は終了になります。》
 《了解した。それでは発情状態維持をしておこう。》

 輝は日常になっているダッチハズからの食事を終え、再び填め込もうとした。その時デーモンの制御が掛かった。

 「エッ・・・? デーモンさんが止めたの?」
 「そうだ。しばらく我慢して貰おう。」

 欲求不満状態に置かれるのだが、輝の顔がパッと輝いた。

 「なる程、分かったのか。」
 「うん。キャプテンが来るんでしょ?」
 「そうだが、いいのか? お前が嫌がっていた雌に成った姿を見られるのだぞ。そして完全な雌としての交尾をさせられるのだぞ。」
 「だって・・・、ボクの身体はセックスしていないとつらい身体にされてるし、それなら本物のオチンチンで・・・。それがキャプテンなら・・・。」

 《なる程。あの雄の存在はかなり大きい。本来なら依存症とかで精神的な負担が大きかったはずだが、今は肉体の欲求不満に耐えられる程強い精神状態だ。そして愛液が随分流れ出ている。制御を外しても耐えられるかな?》

 ガクッと身体が動いた。デーモンは輝が自分で慰めようとした場合、再度制御しようとしていたが、輝は起き上がってドアの前でワクワクしながら待っていた。



 「ワーッ、キャプテン! 待ってたよ。早く来てーっ!」
 「ワッ、出門・・・。」

 両手を広げて、満面の笑みで迎える輝にツトムは少し驚いていた。

 「お前・・・、本当に女に成ったんだって?」
 「うん。ほら・・・。」

 輝は剥き出しの下半身を突き出した。驚きながらもツトムは服を脱いでいく。そして裸になった時にはやはり輝の待ち望んでいるベニスがギンギンに突き勃っていた。

 「なあ、その変な服は脱げないのか? それにその尻尾も変だし。」
 「イヤなの?」
 「そんな事はないけど、どうせなら本当の素っ裸でセックスしてみたいし・・・。」

 [輝。この服は体形補正の為で、もっと完璧な女性体形にする為に、あと半年は脱げないって言っておけ。]

 「あ、この服は・・・もっと完璧な女の身体になる為に着ているの。簡単に脱げないけど、あと半年で脱げるよ。そうしたら本当に裸同士でしようね。」
 「お、おう・・・。」

 前戯無しで二人はすぐにセックスを始めるの。そして二人とも、遠吠えのような喚声を上げ続けるのだった。

 《菊野、お前の予想通りだ。》
 《そうですか。それは良かった。》
 《強制雌化に関しては完璧な完了である。これで約3ヶ月は輝の自由意志で動かせるわけなのだな。》
 《はい、来週からは分校ですが、通学させます。》
 《分校についてはある程度情報を得てはいるが、輝の精神が不安定になりそうな気がするのだが。》
 《そうでしょうね。ですから出門君にも予備知識を与えるようにしますよ。どれ程出門君が恵まれた状態なのかを知れば、かなり気分的には楽になるでしょう。とは言え、生徒達を見ないと半信半疑ではあるでしょうけれど。》
 《私も菊野から視覚データは得ているが、やはり直接の観察をしてみたい。》
 《それは私からもお願いします。私の裏の仕事の状態を知って頂ければ、デーモンさんであれば、もっと完璧に仕上げられるかと。あるいは今の家畜達のさらなるバージョンアップの助言をお願いしたいのです。》
 《それはやぶさかではない。デーモン族先人の仕事の後始末でもある事であるし。》
 《はあ? どういう意味でしょうか?》
 《先人達は地球人のほんの一部を家畜として使用する為に品種改良を行った。精液を食料とする為には常時発情状態にな。しかしそれでは菊野の言う通り人口爆発で地球人類の劣化、あるいは滅亡に致る。知能の上がった地球人は常時発情であるにも関わらず妊娠をしない交尾及び交尾類似行為を行う方法を考え出した。それが・・・何と言ったかな・・・。ああ、『変態』とか言ったか。変態行為に昇華したというわけだ。とはいうものの、その変態行為も技術の進歩に従い、一般地球人からは絶対に認められない行為まで至ったわけだ。》
 《確かにそうですね。私どもの行っている事は普通に見れば犯罪です。それも極めて悪質な。ですが、当事者が犯罪でないという認識であれば犯罪には当たりません。》
 《だが、スタート時点では犯罪だと菊野は認識しているぞ。》
 《そうですよね。ですから後付で犯罪でなくしてしまうのですけれど。デーモンさんの助力があれば、最初から当事者が犯罪だと気付かない内にかなりの改造が進められ、その時点で分かったとしても不可逆改造に入っていますから、行き着くところまでいかざるを得ないという状況にできますからね。》
 《まあ、わたしにはまだ変態の楽しみは少ししか理解できていない。しかし菊野がこれ程執心する事柄であるので私も深く研究してみたいし、私の生命維持という途轍もない恩がある。菊野への助力は私の恩返しであるし、更に研究意欲であり、『変態』を更に楽しめるかも知れないという期待もある。》
 《ですからギブアンドテークと言う事で。とは言え、私からのギブに比べてテイクの方が圧倒的に多いですけれどね。》
 《いやいや、私の生命との比からは問題にならぬ。》

 二人は見えない場所から精神波で談笑しあうのだった。



 「出門君、久しぶりのツトム君、どうだった?」

 輝は相変わらずダッチハズに跨ったままで腰を蠢かしている。そして照れながら

 「やっぱりこんなお人形よりはずっと・・・。」
 「でしょうね。だけどツトム君以外の人だったらどう?」
 「それは・・・、キャプテンの方がいいけど、本物のオチンチンだったら・・・。」
 「そうよね。お相手が気持ち良くなってくれているという意識が出門君の悦びに上乗せされるのですから。来週からそうできるのよ。」
 「エッ・・・?」
 「来週の月曜から出門君は登校するのよ。」

 ビクッとし、不安なまなざしで愛を見詰める。

 「心配しなくてもいいわ。本校ではなくて分校の方へですよ。」
 「分校だって・・・、こんな格好のボクは・・・。」
 「だから心配ないの。大体こんな場所に分校って変だと思わない? それに出門君は分校があるなんて知らなかったでしょう? ここに分校がある事を知っているのはほんの一部の理事や先生。そして分校の生徒。それは・・・。」

 愛は意味深長な笑みを漏らした。

 「それは、分校の生徒の飼い主、または所有者、あるいは使用者ね。」
 「飼い主・・・?」
 「出門君は私の裏の仕事って言うのも何度も聞いているわね。今はデーモンさん主体で出門君を改造したわ。でも分校の場合は私達が改造したセックス奴隷、あるいはセックス道具の為の学校なのよ。だから分校の生徒というのは、そういう改造をされた人、あるいは改造中の人達の為の学校なのよ。」
 「まさか・・・。」
 「男で出門君みたいに女にされた人。あるいはオチンチンを途轍もなく大きくされた人。そしてオッパイを大きくされた男の子。でもさすがにデーモンさんの改造にはかなわないけれど。逆に女なのにオチンチンを付けられた子。そして誰もがセックス依存症なのよ。」
 「嘘・・・。」
 「出門君の場合はむしろ恵まれた状態ね。飼い主が居るわけではないし・・・、まあ、デーモンさんが飼い主ですけれど。普通に見れば巨乳の女の子で済むし。でも、取り合えずこの生徒一覧のアルバムを見てご覧なさい。多分CGだと思うかも知れないけれど、来週みんなに会えば本当だと分かるわ。」

 愛から手渡された写真を開き、輝は息を飲んだ。

 「な・・・何・・・これ?」
 「これが分校の生徒だそうだ。私は既に菊野からデータを得ている。」
 「だって・・・。」

 ページを捲る輝の手が震える。
 そこには一般には絶対に許されないような写真で満ちあふれている。

 「その生徒さん達の身体を良く見るのよ。普通とは全然違う身体でしょう? 裸でない生徒さんの場合も色々な器具を使っているし。」

 露骨なセックス写真に輝は生唾を飲んだ。

 「あれほど交尾好きな輝でも、他人の交尾には興奮するのか。」
 「だって・・・、自分の時は夢中だから分からないし、他の人のなんて見た事無いし・・・。」
 「みんなセックスは大好きよ。と言うよりも全員依存症ね。勿論私達の改造でそうなった人が多いけれど、そうでない人も居るわ。」
 「だけど・・・なぜ?」
 「本来セックスは秘め事と言われるように、誰にも見せないでする事だとされているわ。だけどセックス依存症の人の場合、いつでもしたいわけよ。それを隠して生活する事は精神的にはかなりつらく、精神破綻を起こしたり、ひどい場合は精神異常になるわ。だからこういうセックスのオープンな場所での生活は精神衛生上とても好ましい環境なのよ。それに私達の表の仕事、裏の仕事にも役に立つの。」
 「そうか。ここがいつもの保存精液の生産元となっているのだな。そして乳はアレルギー対策の栄養として供給しているわけか。」
 「そうですよ。そうでなければ、あれだけの精液は確保できませんからね。」

 ページをめくると、意味は分からないが不思議な器具を付けていたり、機械を取り付けられたりしている。しかし何にしろ性器に何かをされているらしい事は分かる。そして衣服を着けているにしても、どれも卑猥な代物だった。輝は夢中になり、そのアルバムを見詰めていた。
 デーモンは輝の中で蠢かせているのだが、相当高まっているにも関わらず、写真に熱中していた。



 「エーッ、こんなの着るの?」
 「当然でしょう? 今の出門君は女性なのですから。」
 「そうじゃなくて、こんなにオッパイを強調する服なんて・・・。」
 「だってあなたはデーモンさんに包まれているから、ラバースーツのような手足だし、そのピンヒールだったら当然バストを強調するような服でないとね。」
 「だけどオッパイの上半分が出てるんだよ。こんなので分校とはいえ、学校に着てくなんて。」
 「あら、それならデーモンさんの外皮だけで行く? それにその尻尾はどう見たってコスプレよ。だったらそれらしい方がデーモンさんは目立たなくなるわ。いかにも尻尾の付いたラバースーツで、しかもどう見ても肛門に填め込まれているって・・・。まあ、実際にも填っているんですけどね。」
 「こんな・・・恥ずかしいよ。」
 「仕方ないわね。最初だから、デーモンさん、お願いします。」
 「了解した。」
 「ワッ、ワッ・・・ダメッ。」

 抵抗する輝の足が勝手に動き始めた。デーモンが操作している。幾分ぎこちない動きが残るが、それでも遠目には普通に歩いているように見える。

 「ダメッ・・・、こんなの恥ずかしい。」
 「諦めなさい。例えデーモンさんの道具であってもあなたは学生なのよ。ちゃんと勉強しなくてはダメ。」

 最初は嫌がっていても無理矢理歩かされていたが、それでも学校らしい建物が見えてくると、早く隠れたいという意識で自ら早歩きになっていた。


 「お早う。」
 「お早う、ママ・・・じゃなくて、お早うございます、理事長先生。」
 「エッ、理事長?」

 輝は両手で胸を隠し、上目遣いで理事長を見た。

 「出門輝君・・・ああ、まだ名前は変えていなかったのね。私が理事長の菊野弥生。愛の母です。」
 「エッ・・・。」
 「あなたの事は良く分かっています。ここは聞いていると思いますが、変態性欲者の療養を兼ねた分校なのですよ。話では分かっていても、実際に見てみないと納得できないと思います。ですから転校初日ですのでオリエンテーションとして各クラスのお友達の見学から始めましょう。見学と言っても、結構刺激が強いはずですから、疲れたら中断して宜しいですよ。ええと、愛。見学ルートはお任せしますよ。」
 「はい、ママ・・・、理事長。」
 「ここは心性学園の分校ですけれど、保育園、幼稚園、小学部、中等部、高等部、短大、大学、そして大学病院分室もあります。それぞれの定員はこの敷地ですので、それ程多くはないですけれどね。そして本校では高等部以上には学科がありますが、ここは農学部だけです。そして酪農学科だけです。意味は分かりますか?」

 輝は不思議そうに首をかしげた。

 「まあ、追々分かるでしょう。」



 「出門君、ここは比較的ノーマルなグループの教室よ。その覗き窓から見てご覧なさい。」

 輝は渋々小さな窓に目を近づけた。
 それ程大きくない教室に数人の生徒が居る。全員が机の上のパソコンを操作していた。

 「本校での授業をインターネットで受けているの。授業が受けられなくても録画されていますから、いつ中断しても続けられるのよ。分からない所は何度も再生すればいいので、本校よりも恵まれているかも。それぞれの生徒の格好の違いが分かる?」
 「えっと・・・、あれ?」

 背中越しなので見える点の違和感は、男子生徒も含めて全員スカートであり、各人の足元には小型のスーツケースのような物が置かれていた。

 「分かったかしら? ここでは全員スカートなのよ。そしてそれぞれの生徒の脇に置かれているケース。そこから管が出ているわね。」
 「うん・・・、なんで?」
 「このクラスの生徒は全員がセックス依存症。出門君と同じよ。ただ、女の子は何度でもできるけれど、男の場合は続けて何度もってわけにはいかないのは出門君は良く分かるわね。だから男の子の場合は手術とかホルモン療法でペニスを強化させられているのよ。そして常時勃起したままなの。だからズボンだと不便なので、スカートを穿いているの。いつでもセックスできるようにね。アッ、前の女の子の机の赤ランプが点いたでしょう。そして斜め後ろの男の子の青ランプが点いたわね。」

 輝が見ていると、その二人が窓際のソファーベッドのような所に歩いて行く。ケースが引きずられていく。
 そして窓際のソファーベッドで二人は重なり合うのだった。そんな行為の中、他の生徒は全く気にしていないのが異様だった。

 「ひたすらセックスするので下腹部の清潔さはとても大切なのよ。特に排泄に関してはしっかり清潔を保つ為に、あのケースに直接吸い出しているの。ここの生徒は大便を直接する事は許されていないの。」

 《菊野、それだけではないな。》
 《やっぱりデーモンさんには分かりましたか。》
 《あの排泄処理機に別の機能があるのだな。》
 《はい。あの子達は本当はセックス依存症ではなかったのです。最初に催淫剤でひたすら催させ、セックス浸りにさせて、ここに連れてきたのです。そしてあの器具で常時催淫剤を注入させて本当にセックス依存症にさせたのです。そして良いセックスするのに必要という事で性器の改良手術を受けさせ、やがては地下の飼育室で家畜にしているのです。まあ、途中で欲しいという飼い主が現れれば、その仕様に合わせて改造を施して販売もしていますが。》
 《む、人身売買までするのか。》
 《ああ、いいえ。言葉が悪かったですわね。あくまでも良いセックスのお相手として、ただ、ほとんどの場合が変態セックスを希望される方ばかりですので、それなりの改造と、必要な器具や道具をお売りするのです。ただ、それ迄の費用も頂かねばなりませんので、それを販売という形にしているのですが。大体は家畜として仕入れてくるのですが、場合によっては最初から飼い主が改造を依頼してくる場合もあります。勿論本人には自然に変態性衝動を起こさせて、ここで治療をするという名目でですけれどね。ある程度変態性欲者が集まっていると、精神的に安定しますし、他の人の行っている治療という事で、自分が家畜にされてしまうと言う事に気付かずに改造できるのですよ。》
 《なる程。表と裏の仕事を上手く使い分けているのだな。》
 《いいえ、裏が本業で、その過程で余る物を表として使うのですよ。》

 「出門君、感想は?」
 「みんな・・・平気なんですか?」
 「そうよ。ここは変態性欲者達の療養施設。セックス依存症以外はごく普通の人達。セックスしたいのにそれを禁じていると、精神障害を起こしてしまいます。出門君もセックスさせないというのはまるで拷問に等しい程苦しかったでしょう? ですからここでは性衝動が起きたら、すぐに解消させる必要があるの。トイレに行くよりも当たり前の事なのよ。で、どうします?」
 「どう・・・って?」
 「この教室ではセックスをしたくなったら、すぐに誰とでもしていいのよ。ただ、避妊の為に女子は行為後すぐに特別のビデで精液を吸い出しますけれど。」
 「・・・って事は・・・、ボクだったら妊娠しないから精液を子宮に入れたままでもいいの?」
 「あら、入れていたいの?」
 「うん。子宮を膨らませ、中で動いている精液って、とっても嬉しくなるの。ああーん、思い出したら・・・。」
 「出門君は今セックスしたい。そして教室に居る男の子達はセックスしたくなった女の子にはすぐにして上げられる。」
 「デーモンさん、ずるい・・・。ボクがここでセックスしなくてはならないように動かすのやめちゃって・・・。」
 「じゃあ、みんなに紹介して上げますか? ただ、自己紹介に少し時間が掛かるけれど、我慢できるかしら?」
 「うん、キャプテンとのセックス以来、本物のオチンチン味わっていないから・・・。」
 「わかったわ。」



 「はーい、みんな、注目!」

 愛は教室のドアを開けて声を上げた。生徒が一斉に愛の方を向く。

 「今日は転入生が来ました。これから皆さんに挨拶して貰います。」

 生徒達は驚いた顔をしたが、それでも嬉しそうにしていた。この教室に来る生徒は自分達と同様の、仲間であるはずだからだ。

 「はい、出門君。いらっしゃい。」

 輝は恥ずかしそうに俯きながらオズオズと入ってきた。そして教室の歓声が上がる。
 愛はホワイトボードに大きく「出門輝」と書いた。

 「出門輝君です。まだ以前の名前のままですが、皆さん仲良くして上げて下さい。」

 すると生徒の一人が手を挙げた。

 「先生、以前の名前っておっしゃいましたけど、それって男の名前ですよね。」
 「はい。以前は男の子の出門君でしたが、女としてここに転入です。」

 そして輝を教卓の前に連れてきて、

 「それでは自己紹介をして貰いますけど、ここでの自己紹介というのは、あなたの過去なんてどうでもいい事なのよね。今のあなたを紹介するの。だから皆さんが一番関心のある、あなたの女に成った部分を良く見せて上げるのよ。」
 「・・・エッ・・・? ここで?」
 「そうよ。このクラスではお互い、みんなの身体の事は良く分かっているのよ。そうでないといいセックスができないですものね。それにクラスのみんななら分かると思うけれど、出門君は今かなりの発情をしているわ。皆さんで慰めて上げないとならないですよね。」

 一斉に「はーい。」という返事が響く。

 「ですから服を脱ぐのよ。そうしないと本物のオチンチンを填められないわよ。」

 そう言われると、ますます膣がキュンとなってしまう。上気した顔で輝は服を脱ぎ始めた。同時に教室にはどよめきが広がる。

 「先生、そのオッパイはシリコンですか?」
 「いいえ、ホルモン処置と遺伝子操作による本物の乳房です。そして本物ですから、たくさんのお乳が出るのよ。女生徒でもお乳の出る人が居ますけれど、ちょっと桁が違うので、出門君の場合には専用の搾乳機を用意します。」
 「お乳が出るって・・・、妊娠できるのですか?」
 「いいえ、子宮まではあるのですけれど、まだ妊娠はできません。でも、出産は経験済みですけれど。」

 更に大きなどよめきが広がった。

 「出門君、教卓に座って。皆さん、出門君を良く見て上げてね。」

 真っ赤になって少し震えている輝だったが、卓に座り、足を開いた。そこに生徒達が走り寄ってきた。

 「ヘーッ、もう愛液がこんなに流れてるよ。」
 「アレッ? 先生、この子、膣口が開いたまま・・・陰唇が無いの?」
 「その通りです。出門君はセックス家畜として育てられてますから、セックスするのに陰唇は不要。むしろ邪魔ですからね。それからこの特殊な服ですが、どうしても男の子と女の子では体形が異なります。ですからこれは体形補正と言うよりも体形矯正の服なのです。当分は脱げません。そしてこの尻尾の部分は皆さんと同じで排泄制御ですが、飼い主の意向でこういう物を使っています。あ、それともう一つ。皆さんよりも一段上の変態性欲者になっていますので、お食事も少し違います。少しは男子生徒も協力して上げて下さいね。」
 「先生、俺達の協力って何ですか?」
 「出門君はお口からは精液だけと制限されています。ですから普段は人工精液とか保存精液ですが、やはり新鮮な物の方がおいしいらしいですからね。」

 さすがに恥ずかしさで涙を流してしまう輝だった。

 「それと、普通食は口にできませんので、お尻から食事していますから、その点も考慮して下さいね。」

 更にどよめきが広がった。

 「さあさあ、出門君がつらそうよ。細かい事は歓迎会の間にするとして、みんなで落ち着かせて上げましょうね。」

 歓声とともに輝は部屋の端のソファーベッドに連れて行かれた。そして男子生徒がズラッと並ぶ。それは輝にとっては少し懐かしい雰囲気だった。合宿所で野球部員達が並んで輝とのアナルセックスを待っていた時以来のものだった。


 男子生徒達は歓声を上げながら輝にのし掛かっていった。

 「ワオッ! すげーっ! このオマンコ・・・。引っ張り込むよ。」

 女子生徒達は乳房を撫でていた。

 「凄く張りがあって、柔らかいのに弾力が凄い。」
 「こんなに大きいのに垂れ下がらないのね。」
 「お乳が出ると言うけど、乳輪も乳首も可愛いし、色も綺麗なピンク。」
 「これで元が男なの? ちょっと悔しいわね。」

 そこで男子生徒が話しに割ってきた。

 「だったら、お前もそう言うオッパイにして貰えよ。ただ、家畜になる事を覚悟でな。」
 「あら、だったら君も一緒に家畜にして貰う? 私としては大きなオチンチンになって、たくさん出して貰えればありがたいけれど。」
 「ウーン、キヨミとはセックス相性がいいから考えてもいいぞ。」
 「冗談よ。やめてよ。依存症が悪化して色情狂って程になったらセックスだけの事しか考えられなくなるから、自ら望んで手術して貰うらしいけれど、それだと人間としては終わりよ。」
 「おい、本気にするな。アッ、今度は俺の番だろ?」

 その男子生徒は輝の方に走り寄っていき、すぐに自分の逸物を押し込み、そして同じように感激の歓声を上げるのだった。

 「凄いなあ・・・。家畜仕様ってこんななのか。」
 「ねえ・・・、出門君。あなたって元は男だったのよね。それで家畜仕様って飼い主のご希望なの?」
 「アッ・・・フッ・・・。うん・・・。」
 「こんな凄いオマンコだと・・・、飼い主だけではセックス続けられないんと違うか?」

 返事に困っていると愛が話を始めた。

 「出門君の飼い主ってデーモンさんという方。日本人ではないですが。」
 《確かに私は日本人ではないけれどな。》
 「遺伝子生物学者なので、出門君をここまで改造できたのよ。でも出門君を家畜仕様に改造したのはセックスの為ではないのよ。デーモンさんは研究の為にたくさんの人から多くの精子を集めなくてはならないの。だからと言って簡単には集められないわ。それだったらたくさん集められる家畜を必要とし、出門君を改造したのよ。女の子の改造だと妊娠の危険が大きいし、避妊処置をすると妊娠しないかも知れないけれど、将来自分の子供を妊娠できない身体になってしまうかも知れない。それって人権問題よ。だけど元が男の子だったら、妊娠しないし、改造がもっと進んで子宮から先、卵巣までできたらそれはそれで新しい命を宿らせる事ができるかも知れない。これはプラス方向よね。それに出門君の精子は保存してありますから、出門君が自分の子供が欲しくなれば得る事ができるわ。場合によっては自分の卵子と自分の精子で受胎するかも知れない。これって素晴らしいわよね。」

 歓声が響く。

 「そして大量の女性ホルモンと遺伝子操作で女性以上の女性に身体になり、だからお乳も凄い量が出せるわ。そのお乳はとても役に立つのよ。今の赤ちゃんには牛乳アレルギーで粉ミルクの飲めない赤ちゃんが凄く増えてます。だけど人乳ならアレルギーが出ないので、そういう赤ちゃんを救う事ができるのよ。家畜仕様というと凄く人間性を失ったようなイメージを持たれるけれど、実際は世界に貢献できる仕様なのよ。」

 生徒達は大きくうなずいていた。輝はこのクラスのヒーロー・・・いや、ヒロインとなったのだ。ただ、若干女生徒達の嫉妬をかった事も確かだった。
 しかし愛が用意しておいた輝用の搾乳機を見る事でその感情も消えるのだった。確かにこのクラスの女生徒達は皆巨乳であるが、それを遙かに凌ぐ輝の乳房と凄まじいと感じる搾乳機を使いたいと思う女生徒は居なかった。そして出産経験というが、赤ん坊を産む事でなく、胎内で何かの合成をされたという話で輝が自分達とは別の次元の人間・・・、いや、別の生物と認識したからだった。
 それはこのクラスの生徒達を家畜に対する嫌悪を減らし、更に憧れを抱かせる事にも成功していた。そして肉体的には、男子生徒達が輝に施す精液量の多さの為に他の女生徒への不満をなくすように尻からのホルモン注入による大量の精液生産に不審を抱かせず、ますますペニス強化を図れるのだ。そして女生徒へのホルモン注入にしても、輝の御題に乳房に比べると、僅かに大きくなっていてもほとんど目立たず、乳汁が出始めたとしても、それは輝の乳房の憧れからだと思うのだった。



 「ママ、出門君の編入には凄い効果があったわ。」
 「らしいわね。このデータにもハッキリ表れているわ。」
 「この時期でこれだけの家畜予備生ができるなんてね。」
 「あの子は家畜になった後も、是非分校に居て欲しいわね。」
 「そうね。例え教育実習生という名目でもいいわよ。まだ高2だから大学迄はあと1年半。家畜として安定するのに半年として、1年早められないかしら。」
 「ママ、できるわよ。滅多にないけれど、学則には飛び級制度があるわ。それで3年生にして、大検で合格させればいいのよ。」
 「愛、そうは言うけれど、心性学園のレベルって知ってる? かなりランクが低いのよ。大勢の教官の前での口頭試問や、まして大検の試験なんて受かるはずがないわよ。」
 「何を言っているのよ。出門君にはデーモンさんが憑いているのよ。デーモンさんの知能レベルは地球人の遙かに上だし、精神波で答えを読み取る事も可能なのよ。まあ、普通の人間では精神波はほとんど出ていないらしいけれど、集中した人間からは少しは漏れ出るらしい。特に難しい試験になる程、周りの人は集中しているわけだし、他人の答えを細くした触覚で読む事もできる。それだったら少なくとも法的には大学生になれるし、この分校での教育実習も可能よ。」
 「なる程。それは素晴らしいわ。」
 「だけど出門君にもデーモンさんの導き出した答えをスムーズに理解できるようにも勉強をして貰わないと。精神波で直接出門君の脳にアクセスしてそこに書き込むという事も可能らしいですから。その力を最大限に利用させて貰いましょうね。」



 輝の学生生活は分校への転入で一気に変わった。何よりも性衝動を隠さないでいいし、仲間意識が強まっている。更に輝の方がより変態化されているのだが、それが自慢と感じられる程だった。それは勉強の方にもいい効果があった。セックスに充分満足していると、精神的にも安定し、メリハリのきいた生活になるのだ。

 各人には単にベッドがあるだけの個室はあるのだが、実際にはそこで就寝する生徒は少ない。中央のホールでの雑魚寝が普通だった。互いに相手を変えてのセックス三昧で夜が更けていく。


 「出門、もう寝る?」
 「ううん、オッパイ搾ってから。」
 「そうか。じゃその間やっててもいいな。」
 「いいよ。お願いします。」


 「この引っ張り込みと握り込みが凄いよな。」

 女性器を作られてしまった事を嘆いていた輝だが、今は褒められる事に素直に嬉しさを感じていた。

 「ハフッ・・・、搾り出されてしまったよ。あのさ、出門は精液を出さないでいいらしいけれど・・・。」
 「うん。子宮の中でチャポチャポしているって凄く気持ちがいいんだよ。」
 「俺達が続けてやっても流れ出してこないってのも凄いよな。」
 「それにお前の食事が精液だけってのも驚き。うまいのか?」
 「ウーン、おいしくはないけど、ずーっと精液だけだから慣れてるよ。それにお尻から入れられる栄養だってかなりの部分が精液なんだよ。女の家畜って精液漬けにされるらしいよ。」
 「ウワーッ、それは悲惨。出門君、それに耐えられるの?」
 「耐えるも何も、それしか入れて貰えないのだから。それに身体がそれに順応したのか、ちゃんと栄養になってるし。ここはみんながセックスしてるから気付かれないけれど、ボクの体臭ってかなり精液臭いらしいよ。」
 「そうなんだ。私達もそうなのかしらね。」
 「それはないんと違うかな。だってセックスの後、みんなはビデで吸い出されるんでしょう? 身体に吸収する分は少ないと思う。その吸い出されたのがボクの食事になっているんだと思うよ。」
 「精液をたくさん食事して、その分たくさんのミルクを出すのね。」

 輝は久しぶりに大勢の人と話をするのが嬉しかった。それも普通では絶対に話す事のできない話を。


 インターネット授業でも輝は自分でも信じられない程進むのだった。実際には覚えにくい内容でも、デーモンがそれを整理して精神波で輝の脳に書き込んでいたのだった。家畜にされてからの勉強が良く進むのは催したらすぐにセックスができ、悶々とした感情が湧かないからだと思うのだった。分校での授業は通信教育と同じ扱いになっているが、テストは本校と同時に行われる。そしてデーモン達の仕掛けにより、輝の成績はドンドン上がっていった。それはクラスメイトも羨望と尊敬のまなざしで見詰めるのだった。勿論全校発表があるので、登校していない輝の成績の上がり具合は話題になっていた。
 成績が上がれば勉強は楽しくなる。そして女としてのセックスも楽しいし、乳搾りも苦ではなくなる。
 そうして少し異常ではあるが、楽しい学生生活を過ごしていた。



 (ンーッ・・・。疲れたのかな。ここんとこ手足が少し痺れてきていて。)
 [それは私の外皮の中で成長しているから、圧迫による血流の不足かも知れぬ。]


 《菊野、だいぶ浸潤が進んだ。その影響か、違和感を感じている。》
 《そうですか。だとすると分校に居る時に気付かれるとまずいですね。それでは明日、健康診断という事で地下に入れましょう。》
 《最後の切断はいつにする? こちらはいつでも良い。》
 《ではこちらも準備しますので、準備ができ次第という事でお願いします。》
 《分かった。指示を待つ。》



 「あ、授業中ごめんなさい。出門君、ちょっと健康診断があるので、出かける支度をして下さい。」
 「出かける?」
 「分校には保健室がないので、この前の合宿所に佐渡先生に来て貰うのよ。」
 「佐渡先生? あんまり行きたくないけれど・・・。」
 「何を言ってるのよ。女性としてのセックスをいきなり激しくしているのだから、そちらの方も検査しないとならないのよ。」

 輝は渋々服を着込んだ。と言っても大した布の量ではないが。そして愛に続く。
 愛は出口の方でなく、校舎の奥の方に向かう。

 「愛さん、こっち?」
 「ええ、車で戻った方がいいでしょう? 地下の駐車場へ行くのよ。」

 そしてエレベーターに乗り込む。手元が見えないように操作しているのを訝しがったが、すぐに動き出した。しかしB1表示になっても止まらない。しばらくそのままの表示だったがなぜかBXなどと言う表示になった時にドアが開いた。

 そこは暗くて長い通路になっている。不審に思いながらも後に続く。奥のドアを開けると、そこはプーンと消毒液の臭いがした。

 「ここは?」
 「生徒達には合宿所と言ってあるけれど、本当はここは家畜の人の検査などをする場所なの。出門君はここの場所の事は誰にも言ってはダメよ。あの生徒の内の何人かは家畜にされるのよ。その改造をする場所でもあるの。だからここはごく僅かの人しか入れないのよ。出門君の場合はデーモンさんと一緒だから特別なのよ。」

 輝はちょっと気持ち悪そうに部屋を眺めた。

 「出門君はずーっとお風呂に入っていなかったでしょう。ちょっと用意しますから待っててね。」
 「あ、そうだ。でも、デーモンさんを脱がないと・・・。」
 「デーモンさん、脱げる状態にして下さいね。」
 「分かった。」
 「エッ、脱げるの?」
 「輝の体形も菊野の仕様に従った形になった。だから接続されている最後の部分を切り離せば外せるのだ。」

 輝は嬉しかったのだが、愛の愁いを帯びた瞳に言い知れぬ不安を感じる。

 「離れられるんだよね?」
 「ええ・・・、やっと輝君はデーモンさんが離れる事もできるようになったのよ・・・。」
 「愛さん、何が・・・?」
 「デーモンさん、切り離してね。」
 「変だよ。何だかおかしい。ウッ・・・?」

 輝は肩と足の付け根にピリッとした痛みを感じた。その途端に不思議な感覚が襲う。元々かなり鈍くなっていた手足の感覚が全く無くなったのだ。しかし自分の意志で動かす事はできる。恐る恐る先程痛みの走った肩に手を宛がい、デーモンの外皮との境目に指を当てた。そして・・・。

 「エッ・・・? 何で?」

 輝の肩とデーモン外皮の隙間に指が入る。慌てて反対側の肩も。そして足の付け根も・・・。

 「何で指が入るの?」

 愛の瞳から涙が一筋流れていた。

 「出門君・・・。人間の出門君、さようなら。」
「何? 何なの? 愛さん・・・。」

 意味の分からない不安感に輝は後ずさりをした。その時、テーブルの角に向こう臑を思い切りぶつけてしまったのだ。テーブルの足が外れる程の勢いであった。ガチャーンと音がし、輝は驚いて足元を見た。しかし、輝の驚きはテーブルの壊れた事ではなかった。


 「エッ、痛くない・・・。全然感じない・・・。」

 愛は涙を拭い、笑顔になった。

 「デーモンさんの道具としての出門君の誕生よ。まずは産湯の準備をしましょうね。」

 愛は赤ん坊用の小さなプラスチックの風呂桶に給湯器からお湯を入れる。

 「愛さん・・・それは・・・?」
 「これは新たに誕生したデーモンさんのお道具としての出門君のお風呂。ううん、小さくはないのよ。これからも出門君のお風呂はこれでいいのですから。」
「ヘッ? ベビーソープ? ベビーローション。ベビーパウダー・・・。これはベビークリーム。愛さん。皆赤ん坊用ですよ。」
 「いいのよ。ベビー用って、刺激が少ないし、出門君の肌は敏感ですからね。」

 輝はそれを場違いな顔で見ていた。輝が入るには、たらいにもならないのだ。せいぜい洗顔か、身体を拭うタオルを洗う事しか出来ない。それに愛はお湯を入れていた。

 「やっぱり変だよ・・・。いったい・・・。」


 「デーモンさん、出門君をこちらに。まずは洗浄しないとね。」
 「分かった。」
「それでは出門君。お風呂にしましょう。その外皮を脱ぎましょうね。」
 「本当に脱げるの? 良かった。」
「私の本体を表に出す。私は細く成るから、息め。」
 
 輝は言われた様にいきばった。暫くぶりの排泄感が心地良い。長い事デーモンの入っていた直腸は拡がり切っていたので、感覚を忘れてしまった様である。しかしデーモン自らが表に出てきたので、輝は排泄の快感をまざまざと思い起こされた。緩んでいた膣がキュッとすぼまり、愛液がジュンと溢れた。
 
 「フーッ、お尻が自由になったのは久しぶり。何だかムズ痒い・・・。」
 
 肛門はデーモンの圧迫を失い、まるで金魚が空気を求めて水面で口をパクパクさせている様に喘いでいた。
 
 「私の外皮はお前自身で脱ぐのは難しい。手足を私のコントロールで動かす。この外皮は私自身であるのだから。」

 輝は素直にしていた。確かに今迄も脱ごうとしても全く脱げなかったのだ。ただ、輝自身が手足を動かしても、その感覚が無い。デーモンの意志で動かしたとしても輝には感覚が無いのだから同じ事なのだ。

 「脱ぐのは簡単なのだ。こうすれば良い。」

 デーモンは手足の外皮ではなく、いきなり輝の腰を押さえた。そして後ろに反り返ったのだ。

 ペリッ・・・、パツッ・・・。

 不思議な音が外皮の境目から発した。輝の目の前では愛が目を見開いて輝を見つめていた。口を開けたまま、驚きの表情であった。

 「エッ・・・?」

 輝にも不思議な感覚であった。まるで宙に浮いている様で、デーモンの外皮の手の部分が自分の腰を支えているのだが、手の宛てがわれている感覚がおかしいのだ。かなり下の部分を真っ直ぐに支えられている。そんな体勢では手が届く筈が無い。
 輝は首を下に向けた。巨乳に邪魔されているが、足は見えている筈である。しかし足が見えない。手を動かそうとした。しかしデーモンがコントロールしているのか、手を動かしたという感覚が無い。輝は首を横に向け、自分の肩を見た。

 「aE・・・??? ・・・・!!!」

 肩の先には何も無かった。

 「エッ・・・? ボク、目が変なのかしら?」

 輝は夢の世界に居る様な、不思議な感覚であった。頭が巧く働かないのだ。輝自身にも自分の思考能力が極端に落ちてしまっている事が分かるのである。

 「おかしいよ・・・。ボク頭も変なの・・・? 手が見えない。足も見えないよ。愛さん、ボクおかしいよ。」

 愛は輝を見つめている。顔には優しい笑顔が浮かんでいるが、なぜかやはり目から涙が筋を引いていた。

 「さあ、輝君。お風呂に入りましょうね。生まれ変わったあなたの入るお風呂は、やはりベビーバスでいいのよ。デーモンさん。私が輝君をお風呂に入れますわ。」

 デーモンは輝の身体を愛に手渡した。輝の身体だった手足とデーモン外皮の背中の部分、それと尻尾、デーモンの本体であり、輝の直腸の中に納まっていた部分、そこから手足の無い輝が愛に手渡された。

 「ねえ・・・、愛さん・・・。ボク・・・どう成ったの? おかしいよ・・・。・・・変だよ。」

 輝は現状を飲み込めないでいる。辺りをキョロキョロし、自分の抜け殻であるデーモンの外皮を見てもその意味が分からないでいた。

 「見た目よりは重いのね。やっぱりオッパイが大きいからかしら。」

 輝を受け取った愛はお湯を満たしてあったベビーバスに輝を漬けた。

 「ああ・・・、この小さいベビーバスに入っちゃう・・・。ボクの身体だと入り切らない筈だよ。身体だけで・・・、手足迄は入らない筈だよ・・・。何で? どうしてボクがこんな小さい所に入ってしまうの? ボクの手は・・・? 足はどこ? 嘘だよね。暫くデーモンさんに取り憑かれていたから、頭が変に成っているんだよ。きっとそうだよ。」

 輝は自分自身の手足が無くなった事を認めようとはしなかった。

 《輝は混乱している。仕方が無いのだが、やはり私の心が痛む。》

 デーモンは輝と離れているので、デーモンの意志は輝には届かない。

 「仕方がないと思います。こういう体形のペットを扱った事も有るのですが、どんな方法でも、これ程の短時間で家畜あるいは道具に成る事はありませんでした。長い精神的苦痛である程度の予想と諦めを伴うのですが、出門君はいきなりですからね。でも、デーモンさんには生化学の知識と能力が有りますから、苦痛は和らげる事が出来るでしょう。それに分離したとはいえ、出門君の意志で手足を動かす事も出来るのですからね。」

 《ウム。私は輝の失った以上の幸せを償えると思う。》

 愛は半ば意識を失った輝を丁寧に洗う。小さいバスタブの中の輝は手足の無い分、よけいに乳房が大きく見える。

 「いいわねえ・・・。こんなに若い娘が『ダッチワイフ』に成るなんて。肌に張りと艶が有るわ。デーモンさんの処置がいいせいね。こんなに形のいい乳房、そうある物ではないわ。」

 デーモンは抜け殻と成った外皮の姿で洗われている輝を覗きに来た。覗くと言っても、視覚は無いので、尻尾のセンサーで伺う。

 《菊野。私の今の姿、輝を外した姿は地球人にはどう感じる?》
 「そうですねえ・・・。私は分かっているからショックは少ないのですが、初めて見る人にはちょっと・・・。」
 《そうか・・・。そうだろうな。私自身も輝が抜け出ていると、形状を保つのに力を必要とする。私の本体の成長は時間が掛かるし、それでも輝の代わりに成る程に大きく成れる訳ではない。どうだろうか、ダミーは造れないだろうか?》
 「ダミーですか?」

 愛は輝を洗い終え、タオルで拭いながら考えた。

 「私どもの技術では単なる人形ですわね。輝君の代わりに填め込んだとしても、単にデーモンさんの身体の安定には役立つかも知れませんが、とても人間に見える様には・・・。」
 《そうだろうな。しかし輝を填め込んでも通常の姿には見えぬ。服が着られぬし、同年代の女に比し、シルエットが異なり過ぎたからな。》
 「あら、それなら簡単ですよ。確かに顔は幼いですが、身体のバランスを乳房に合わせるなら、手足をもっと伸ばせばいいのです。人間は成長すると、それに合わせて手足が伸びます。ですから手足が伸びていれば、シルエット上は歳をとった様に見えますから。」
 《なる程、本体は小さくとも、手足のバランスでそう見せる事は出来る。》

 愛は輝をベッドに寝かせた。しかし手足が無い為、仰向けに寝せようとしても乳房の重みで転げてしまう。仕方なくうつ伏せにすると、殆ど反り上がってしまい、巨乳の上の小さな身体が乗る様になってしまう。

 「オホホ・・・、可哀想には違いないのだけれど、とても面白いわ。ねえ、デーモンさん。やはり輝君をユニットにするしかないのですが、輝君自身がユニットに成りたいと思わせる為にならダミーは効果が有りますね。」
 《そうか。それはいい。ぜひ頼みたい。私には時間を掛けて考える事が出来る。この地球の技術を調べてからでも良いのだ。》

 愛はベッドに転がっている輝の体形を細かく測定していた。その間も輝はずっと意識を失ったままであった。愛は計測しながら、デーモンに色々話し掛けた。

 「輝君の脳領域について伺いたいのですが、人間は本来使用されていない部位が多いらしいですね? こんな事を言っては失礼だと思いますが、デーモンさんの本体よりも、人間の脳の方が容積は多いと思うのですが。」
 《確かに体積では人間の方が大きい。私の本体の内、いわゆる脳に相当する部分はかなり小さい。一部は尻尾の方にも存在するが、全体の体積は人間の五分の一以下だろう。私がここ迄縮小する前には人間より少し大きい程度であった。しかし絶対的には密度の差だ。縮小した為に更に密度が高くなっている。人間はその大きさの脳の十分の一も使っていない。その差で私の能力は人間の二十倍以上の能力が有る。しかし菊野は別格だな。使用されている領域が多い。おそらく半分以上、場合によっては八十%以上の活動が出来る様だ。惜しむらくはその能力の最大発揮の用件が殆どセックスに関する事だけとは。》
 「誉められているのか、けなされているのか・・・。評価されているという事に受け止めますわ。ところで輝君ですけれど、手足が無くなりましたので、その部分を司る部位は働かなくなりますね? 脳が退化してしまう様な事は無いでしょうか?」
 《それは無い。確かに働きは無くなる。必要が無いからな。しかし人間の脳は代償作用が有る。輝の場合は乳房が大きく成るので、それをコントロールするのは、菊野も通常よりは大きいが、それでも輝の場合はずっと必要とする脳領域は大きい。それと快感を感ずる部分がずっと広がっている。更に私がまだ輝の知識検索を済ましてなかった内に、データを取り出す為に脳に対する活性化物質を注入したのだ。輝は脳の使い方を知らないが、目覚めれば菊野程と迄はいかぬが、かなり能力が上がる。》
 「知力が高まるという事ですか?」
 《それもあるが、これは私が冒したミスになるか・・・、私の知識、意志の構造が輝の脳に移植されてしまった可能性が高い。私の遺伝子の一部が脳に入ってしまっている。人間の脳細胞はある年齢からは再生しない様だが、デーモン族はずっと再生を続けるのだ。そして私の遺伝子の働きは強い。だから輝の脳の中でも少しずつ増殖を続ける事になる。知識、意識は輝の物でも、その中のニューロンは私の脳の組立と同じ様に成る筈だ。》
 「それでは・・・、輝君はやがてデーモンさんの意志と同じに?」
 《その可能性は低い。しかし低いとは言え、可能性は有るという事だ。私はまだ望んでいないし、輝もそうは思わないだろうが、私と輝が完全に融合し、私の脳が輝の脳の中に溶融すればそう成るかも知れぬ。》

 愛は輝を撫でながら笑みを漏らしていた。

 「これ程素晴らしい『活きたダッチワイフ』というのは初めてです。家畜としても完璧なのに、デーモンさんに組み込まれていれば知性溢れる女性になるのですからね。それこそここの分校の先生としては完璧ですわね。あるいは本校の先生、いいえ、大学の方の教授も夢ではないわ。私の裏の仕事のお仲間としての仕事もして貰えそう。被改造者でありながら改造する側になるというのは、自分の経験を生かし、被改造者の心理も良く分かるでしょうね。」
 《全く地球人の底知れぬ変態性欲には驚かされる。本当にここまで我々デーモン人の先人達の仕業とは思いがたい。》
 「とは言え、今の出門君は当分精神的にはひどい状態になるでしょうね。」
 《それは当然だ。》
 「しばらくはデーモンさんの心を傷つける程にひどい状態になると思います。その場合、少しでも出門君の心の痛みを分散させる必要がありますから、そちらの搾乳機に取り付けて下さい。」
 《ん? 今迄使っていたものとは随分違うな。》
 「搾乳機本体は同じ仕組みですが、うつぶせに浮かす構造です。そうすれば自分の姿がよく見える構造です。そして後ろ側には肛門と膣に填め込む器具がありますが、それで身体を浮かせた状態に支えるわけです。それぞれバイブを取り付けられる構造になっていますが、肛門の方には食料用の精液を入れて上げて下さい。膣の方はデーモンさんに付いているペニスでセックスして上げて下さい。」
 《そうか。だからこそそれ程強度変化の幅が大きいのか。》
 「はい。ですがバイブを最強にしたまま長い時間放置すると、本当に色情狂になってしまうかも知れませんから、しつけとして調整をお願いします。」
 《分かっている。私の道具なのだから、精神の狂った道具では困る。》

 愛は輝の身体の計測を済ませていた。

 「それでは私はおいとまします。輝君を組み込んでおいて下さい。暫くは感情不安定で泣き叫ぶでしょう。我慢して下さいね。輝君自身がデーモンさんに寄生しているユニットであるという事を理解、納得させて下さい。手足の無い身体での運動も必要ですし、デーモンさんに組み込まれている時はいつでもセックスされていて、多淫症にしてしまって下さい。多淫症に成れば、どんな変態セックスでも悦びに成りますし、『ダッチワイフ』としての意識付けも出てくるでしょう。」
 《なる程。セックスに関する専門家の言葉には説得力が有る。私も躊躇、逡巡する事無く出来そうだ。いや、しなくてはならないという使命感すら起きてきた。輝のどんな抵抗、拒絶にも動じないで済む。私の全能力を挙げ、輝のユニット化に力を注ぐ。菊野、有り難う。これからも宜しくお願いします。》

 愛は会釈をし、笑いながらエレベーターに乗った。

 《さて、輝を組み込むか。》

 デーモンはベッドに転がっている輝を抱え起こした。持ち上げ、デーモン本体を細い形状にし、輝の肛門に捻る様に挿し込み、輝の身体を揺すりながら直腸内に押し入れた。

 「アクッ・・・。」

 かなり拡張されていた輝の肛門だが、ミリミリと苦痛が輝を襲った。そのショックで輝は意識を回復したのだった。しかしまだ朦朧としている内にデーモンはペニスを輝の膣内に押し入れ、軽いピストンをさせ始めた。

 「アフッ・・・。アッ? ボクは・・・?」

 輝は下腹部を押さえ、快感の元となっているペニスを腹の上からさすった。そして乳首が突き出ている乳房を揉み上げた。

 「フーッ、気持ちいい・・・ ボク、こんなにスケベに成ってしまって・・・。」

 ベッドに腰を下ろし、足を開いてデーモンのペニスを受け入れていた。そして下腹部辺りをさすっていた時、デーモンとの境目に触れた。ビクッとし、輝は思い出したくない事を思い出してしまった。快感の中に不安感が広がる。ソーッとその境目に指を突き挿した。指の感触は全く無いのだが、指が深く、抵抗無く入り込むのを感じた。

 「・・・・まさか・・・。」

 輝は立ち上がり、部屋の隅の大きな鏡の前に立った。

 「まだ疑っているのか?」
 
境目の指を前後に動かし、明らかに大腿部が輝自身から分離している事を確認した輝は大きな悲鳴を上げた。

 「キャーーーーーー・・・・・・・。」

 デーモンはピストンを強目にしたが、その程度では輝の絶望の悲しみは治まらなかった。

 「これ・・・、夢じゃなかったの? ボクの手足・・・、本当に無くなってるの? デーモンさん。ボクの手足・・・、戻るよね。ボク・・・、いつ迄もこんな格好じゃないのでしょ? ボクがデーモンさんに逆らったからの罰だよね。ボクが素直にしていれば、許してくれるよね。オッパイは大きくてもいい。もっと大きく成ってもいい。セックスもいいよ。どんなに変な事されても我慢する。だから戻してくれますよね。お願い・・・・・。」

 輝はデーモンの尻尾をさすりながら哀願した。

 「私にはお前の素直さは不要なのだよ。大人しくしていようが泣き喚こうが、私には何の影響も無い。ただ、お前が大人しくしていれば、お前自身が幸せに成れる。私の物となった手足を使う事も出来る。しかし逆らうと、お前はとんでもない不具としてその惨めな姿を晒す事となる。お前自身、その重大さを本当には認識していない。お前の真の姿を認識し、どうすれば良いか、自分自身で答を出す事だ。」

 デーモンはそう言って、輝の腹部を支えた。そしてグイッと輝本体をデーモンから引き抜いたのだ。

 「ウワーーーーーッ・・・・!!!」

 狂った様に泣き叫ぶ輝をデーモンは鏡の前に置いた。輝は鏡の前で芋虫の様に蠢きながら、自分の姿を見て、喉が潰れる程に泣き続けていた。





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