輝はひたすら泣き続けたまま意識を失っていた。それは精神崩壊を防ぐ為の輝の脳の保護回路であった。あまりに激しい精神葛藤が通常の脳活動を出来なくなっていたからである。
 動き回っていた為に乳房が絨毯に擦られ、クリトリスも刺激を受けていたので、愛液は垂れ流しであった。そして肛門からは未消化の栄養浣腸も流れ出していた。

 《輝や菊野の美意識から見ても、この姿は美しくはない。やはり認識し、慣れる迄は無理か。意識を失っている間に栄養補給をしておこう。》

 デーモンはふらつきながら輝を抱え、搾乳機にセットする。巨大な乳房の為、手足の無い輝の重心はかなり上にあるので、胸で支えられると尻は軽く持ち上げられる。そして菊野の指示通り膣と肛門に支えをすると輝は搾乳台の上に浮き上がった形になった。

 《ほほう・・・。輝の変態意識を私もある程度理解できるようになっているが、この姿は男だった時の輝の意識フィルターを通してみるとかなり卑猥であるな。これなら菊野の言う『活きているダッチワイフ』と言う言葉が理解できる。さて、精神的な過負荷で披露しているから、肉体的には楽にしてやろう。》

 二つの穴に極太のバイブを填め込み、弱くスタートさせた。意識のない輝だったが、かすかに微笑んだ。そして搾乳機も乳搾りと言うよりも軽い愛撫程度の強さでスタートさせる。

 《さて、しばらくぶりに輝の意識が流れ込んでこない静かな状態で色々整理しなければならない。なにぶんにも得るデータが多すぎ、充分思考の整理ができていなかったからな。》

 椅子に座ったデーモンの姿は輝の抜け殻だった。



 「イヤーーーーッ!!!」

 輝の悲鳴でデーモンの思考は中断された。
 輝は搾乳台の上で激しく暴れていた。しかし乳房と股間の2つのバイブに支えられていて、腹部が揺れる程度だった。

 《やっと目覚めたか・・・。あ、私の意志は今は伝わらないのだったな。さて、菊野の思考形態で考えるとしばらくはこのまま放置しておいて良いはずだ。》

 デーモンは動かずに輝の観察をしていた。激しい感情が精神波の漏れとして感じられるが、それはただひたすら呪いにも似た悪感情だった。

 《うむ、このまま私が輝の体内にいると、さすがに私の思考を妨げるだけでなく、私の精神状態にも悪影響がある。》

 「助けてーっ!! イヤだ! 身体を戻してーーっ!!」

 宙に浮いた姿勢で支えられているので、自分がどういう姿でいるのかは分かる。そして横にある鏡でも少し見えるのだが、信じられない姿が映っていた。

 「デーモンさん、そこに居るんでしょ? お願いです、助けて・・・。声が聞こえないよ。菊野さん! 居ないの? 誰かーーーっ!!」

 《精神変動が激しくなってきたようだな。》

 デーモンは搾乳機、バイブのリモコンを強にした。

 「ウギャーーーーッ!! ダメーーーッ!! オマンコ壊れちゃう! お尻も裂けちゃう!! 止めてーーっ!! ハヒーーーッ!!!」

 デーモンに包まれていないので、バイブの隙間から愛液が霧状に吹き出していた。搾乳機もいっぱいに搾り続けていたので、輝には見えないのだが、乳汁容器にはどんどん溜まっていった。そして激しい喘ぎの中、輝は精神破壊を免れる防衛本能が働く。それは絶頂に達して失神する事だった。

 《なる程。自己防衛反応はかなりリミットより低い位置で働くのだな。まあ、デーモン族と違い、精神の脆弱さ、肉体の脆さ、そして寿命の短さから考えれば少しでもリスクを減らすというわけか。》

 動かなくなった輝への刺激は再び下げられた。その間にデーモンは肛門バイブの注入口に人工精液タンクの管を繋いで注ぎ込む。

 《確かにこれで輝は私の道具になった。しかしデーモン星に居た頃とはかなり、いや極めて状況が異なる。知性のある道具であるからだろうか。以前で言えば家畜との寿命の違いにより私の肉体のみの単体で居た事もあった。確かに家畜が存在しない時は栄養補給や家畜の抜けた肉体では重心バランスが狂い、移動に不便であるという事もあった。だがそれはあくまでも不便であると言うだけで、新たな家畜を体内に取り込めば済むという事だった。しかし今の私は輝を外した姿形が極めて不快なのだ。これが菊野の言っていた地球人の美醜の感覚なのだろうか。それは私の論理に反する考え方だ。第一にデーモン人には美醜などという意味のない不要な感情は存在しない。第二に私はまだ地球人の感情を全て理解しているわけではない。であるから美醜の感覚はまだ理解していない。単純にバランスが悪いという程度なら当然なのだが、それ以上に否定的感情なのだ。まして感情というのは地球人の精神活動であり、デーモン人にはなかったはずだ。それに一番不可解なのが、これが感情という精神活動かどうかが不明という点だ。比較対照できぬ事項は私を苛立たせる。これも感情であるのか・・・。菊野は私が異常状態での対応効果であるといった。しかし異常状態で異常な状態を維持している事はやはり異常なのではないだろうか。》

 デーモンの思考はメビウスの輪のように言ったり来たりしているだけだった。



 輝は数日間悪夢の中に居た。と言っても輝にはほとんど時間感覚はない。失神から目覚め、悲鳴を上げるたびに激しい刺激で強制的に高められ、そして失神して意識を失う。それの繰り返しの内に、段々と絶頂の高まりはより高くなっていく。そして刺激に対する感覚が鈍くなってきていた。輝には苦しみと快感の時間が長くなっていくのだった。

 「お願い、やめて・・・。このままだと死んでしまう・・・。誰も居ない中でこんな格好で・・・。つらいよ。デーモンさん、お願い。話をしてよ。ボクが泣くとひどい目に遭う事は分かりました。だから・・・大人しくしているからお話をして・・・。」

 デーモンはゆっくり立ち上がり、輝の前に歩み寄る。
 輝の外されたデーモンの姿はグロテスクだった。それでもジッと見詰めていた。そして下腹部にペニスの形が現れ、輝の口の前に突き出された。

 「これを・・・これをくわえればいいの?」

 パクッとくわえるとデーモンの精神波が跳び込んできた。

 「ムゴゴ・・・。」
 「声を出さないでも良い事は分かっているだろう。お前の考えは私に伝わるのだ。但し、私の肉体がお前の体内にある時だけだが。」
 (あ、分かります。)
 「お前は私の道具になったと言う事は理解できたか?」
 (お願いです。こんな身体では生きていけない。道具でも構わないからボクの身体を戻して。)
 「理解できていないようだな。私にお前の手足を戻す事はもう不可能なのだ。可能であったとしても戻したりはしないがな。私はお前が存在していなくても生命を維持できる。確かにこのままでは不便だが、栄養補給を続ければよいし、輝以外の地球人を新たに取り込んでも良い。しかしお前はそのままでは生きていけないだろう。私に組み込まれてこその道具なのだ。ああ、生きていける方法はあったな。」
 (エッ・・・?)
 「菊野が言っていたが、お前を単に乳搾りする為の家畜として飼育する以外に『活きたダッチワイフ』にするとか言っていた。確かにこのようなな卑猥な身体はダッチワイフとしては最高の商品だと思う。セックスに必要な器官だけあれば良いのだからな。色々な男達にドンドン精液を詰め込まれるだけのダッチワイフだ。当然歯は抜かれ、声帯も潰され、誰とも会話できないようにされるだろうが。」
 「イヤだーーーーーっ!!!」

 輝はペニスを吐き出して大声で悲鳴を上げた。そしてその悲鳴は更に続く。デーモンがリモコンを強にしたからだった。



 つらい搾乳台での責めだったが、むしろ下ろされている方が更につらかった。バイブを外され、張っている乳房もそのままにされて鏡の前に転がされている時だ。不快な空虚感が襲い、愛液が流れ続ける。自分でも分かる程、膣と肛門が痙攣しているのだ。そして目を開けると惨めなダッチワイフの姿として映し出される。
 そしてその場合は悲鳴を上げてしまうと、むしろデーモンに放置されてしまうのだった。精神的限界になるとデーモンは搾乳台に取り付けるのだが、その時には輝はほとんど失神状態になっているのだ。だから意識のある時は常につらく苦しい状態のままだった。

 目が覚める度に輝はデーモンから外され、手足の無い身体を鏡に映させられていた。そして悲しんで泣き出すとバイブを挿れられる。自分が『ダッチワイフ』である事を思い知らされるのであった。
 その時エレベーター来訪の合図が有り、ドアを開けて愛が入って来た。

 「キャッ!! イヤッ・・・。来ないで。ボクの惨めな姿を見ないで。」

 輝は泣き叫び、慌てて鏡の前から動こう、身体を隠そうとするのだが、芋虫の様に蠢くだけで、ただ乳房とクリトリスに刺激を与えるだけにしかならなかった。既に自分の身体を知られている愛にでも輝は見られたくなかったのだった
 愛は悶えている輝をチラッと見ただけで無視した。

 「デーモンさん。『ダミー』を作ってきました。」

 軽そうだが、大きな包みをテーブルに置いた。デーモンも側に寄り、包みを開いた。輝は涙を流しながらも、愛達のしている事を覗いた。包みからは肌色をした物体、良く出来た肉質人形だったが、まるで輝を型どった様な卑猥さを感じる人形だった。しかも輝と同じで、手足が無い。
 弥生は少し意地の悪い顔で輝を見た。

 「輝君。あなたはお役御免よ。あんまり聞き分けが悪いから、デーモンさんの役に立たないわ。デーモンさん、これを填め込んでみて。」

 デーモンは輝に似た人形、但し乳房はそれ程大きくはない。それを輝の代わりに填め込んだ。輝には人形と分かっているが、それでもちょっと見には一人の女性の姿であった。
 デーモンの意志は輝には伝わらないので、愛だけに話し掛けた

 《やはり人形だ。ただ空間を埋めているだけで、何の役にも立たぬむしろ感触が悪い。》

 愛はデーモンの尻尾にウインクをした。

 「良かったわ。喜んで貰えて。これで服を着て、ある程度お化粧をすれば人間として通用するわね。そしたら輝君はもう不要ですね私が頂いていって、本当に『活きたダッチワイフ』として使いますわ宜しいですか?」
 《そうか、これは輝を私のユニットにする為の物だったのだな?》
 「そうですわ。有り難う御座います。デーモンさんにはこれからも私の仕事のお手伝いをして頂きます。では、私は早速輝君を頂いて参ります。」

 輝は慌てた。このままデーモンと別れてしまう事は、合体しての人間の姿ですらなくなってしまう。輝自身にも動かせる手足を失ってしまう事になる。それよりも『活きたダッチワイフ』として使われるという言葉に恐怖を感じた。

 「愛さん・・・、どういう事? ボクはどう成るの?」
 「ええ、デーモンさんは聞き分けの無い輝君を諦めたのだそうよ。確かに輝君の方が便利だけれど、輝君自身がイヤがっているものね。だから私が輝君を私の仕事の道具として頂いていくのよ。」
 「愛さんの仕事の道具? 道具? ボクが?」
 「そうよ。きっと高く売れるわ。肉質のダッチワイフとしてね。『活きたダッチワイフ』だもの。暴れられない様に神経切除し、声が出ない様に声帯も潰すの。ゴムやビニールのダッチワイフよりはずっといいわよ。温かいし、膣は本物ですものね。」
 「イヤーーーーッ・・・!!!」

 輝は絶望で絶叫した。

 「イヤッ・・・、ボクは人間だ。こんな格好でも人間だ。デーモンさん助けて。ボクを捨てないで。デーモンさんと一緒に居れば、ボクは人間で居られる。何でも言う事を聞きます。だから・・・、だから助けて・・・。ボクは大人の玩具なんかに成りたくない。・・・・お願い・・・。」

 輝は必死でデーモンの足元ににじり寄った。乳房と下腹部で進んで来たのだ。まるでなめくじが這った跡の様に愛液の帯が伸びていた
 涙で顔をクシャクシャにして哀願した。

 「どうします、デーモンさん? 輝君がデーモンさんのユニットに成ると言うなら、その方が便利ですけれどね。」
 《さすがに菊野。思った通りだな。私の精神波が伝わらないのをいい事に、随分とひどい事を。》
 「ウフフ、そうですわね。確かにね。輝君、どんな事でもしますか?」
 「します。どんな事でも・・・。」
 「そう。本当ね? 輝君には『活きたダッチワイフ』に成って貰いますけれど、それでもいいの?」
 「グッ・・・、だって・・・。」
 「あなたはデーモンさんのユニットですが、時々は私の仕事としての『ダッチワイフ』に成って貰います。ここには改造している男の子達が居ます。その子達の性処理をして貰いますし、その他には裏組織の秘密クラブで本当にダッチワイフの代わりに色々な男の人達のお相手をして貰うわよ。それでもいいのならですけど。」

 輝は泣いていた。どちらにしても絶望的な『究極の選択』であった。しかし少しでも人間としての存在の残る、デーモンのユニットとしての道を選ぶしかなかった。

 「それでもいい・・・。ボクは・・・・、ボクは・・・。」

 後は言葉にならなかった。

 「それではデーモンさん、その『ダミー』を外して下さい。でも、それはこの部屋に置いておいて下さい。輝君が逆らうようであれば、いつでも入れ替えて下さいね。私としては輝を道具として引き取りたいですから。」

 デーモンは『ダミー』を外し、低い整理ダンスの上に飾る様に置いた。

 「さて、デーモンさん。輝君を時々はお借りしますが、その為の訓練が必要です。輝君を外した時にはこれを着けて下さい。」

 愛は別の包みからまがまがしいバイブを取り出した。

 「輝君、あなたがここに居るにはこういう物にも慣れて頂かないとね。デーモンさんに填めて貰っている時はいいのですが、外された時にもあなたの膣には挿れておきますよ。あなたはいつでもセックスしている状態に成っているのです。」
 「そんな事したら・・・、ボク狂ってしまう。」
 「そうよ。色気違い、色情狂に成るのよ。いつでもオマンコしていないといられない身体に成って貰うの。イヤとは言わないわね。イヤなら『活きたダッチワイフ』。その場合でも色情狂にするわ。どっちにしても輝君はスケベで淫乱に成るのだから。」

 愛はバイブのスイッチを入れた。ブーンと音がして、凶器の様なバイブがクネクネと蠢いていた。

 「アアーッ・・・、ダメーッ!!」

 逃げまどう輝を押さえ、愛はそのバイブを膣に押し込んだ。愛液の溢れている輝の膣は簡単にバイブを受け入れてしまった。

 「ヒーッ・・・、抜いて。こんなのイヤ・・・。」

 輝は身体をくねらせ、絨毯の上を転がり回っていた。そして意志に反して高められてしまうのだった。
 悶えている輝を楽しそうに眺めながら、愛はデーモンと話していた。

 「如何ですか? デーモンさんにはこういう楽しみは理解出来ないでしょうね。」
 《そうとも言えない。少し前だったら理解不能、理解に値しない事だった。しかし今はかなり分かる。だが他人の人格をこれ程無視し陵辱する事を可とする自分自身が不可解だ。》
 「あら? デーモンさんにもお悩みが有るのですか?」
 《分かるか? 精神波には感情は乗らない筈なのだが。私の形態では仕草から分かる事も無いだろうに。》
 「いいえ、地球人はデーモン族から見たらずっと原始的ですわ。感情表現、感受性ではずっと上だと思いますよ。」
 《そうかも知れぬ。私は感情というものを否定していた。否定と言うより、不要な物だと認識していた。それが輝に取り憑いてから以降、どうも私の中に不思議な感情が起きてしまう。感情に左右されるという事は私の理性が許さないのだ。この様な葛藤は私の正常な判断を狂わせてしまう。菊野、この異常な状態はどの様にすれば解決可能だろうか。》

 愛は微笑んでいた。

 「私はデーモンさん達の哲学を良く知りません。ですから地球人的な発想になりますが・・・。デーモンさんにとっては、精神活動の異常よりも生存環境の方がずっと異常な状態ですわね。もしデーモンさんが、その環境に適合する為に変化せざるを得ないとしたら、その精神も変化するのではないでしょうか? 変化する事が適合条件であるなら、変化する事が正常なのでしょう。もし変化しないとしたら、その方が適合不可であり、異常ではないですか?」
 《フーム。そうか・・・。この様な環境下でのデーモン族のデータなど無かった。類推出来る程の似たデータも無い。》
 「だったら、デーモンさんの変化はむしろ素直に受け入れた方がより環境への適合が図れるのでは?」
 《なる程。私は正常な精神の持ち主であると自認していた。正常な精神が環境に順応する為に変化するのは正常なのだ。いや、有り難うこれで私の精神の混乱は解消した。こんな事を言うのは失礼なのだが私は地球人を馬鹿にしていた。レベルがあまりにも低く、むしろ獣に近いとすら思っていた。しかし認識不足であった事を認める。見えない部分に精神構造の高さを感じる。まだまだデータ不足だ。勉強不足であった。》
 「そんな・・・、明らかにデーモンさんの方が上ですわ。人類としての歴史も比べものにならないし、それに・・・・、多分これは推量ですが、あなた方と敵対していたのではないのかと思いますが、私達の言う『神』と同レベル、それ以上の歴史でしょう?」

 デーモンは動きを止めた。愛のにこやかな表情をジッとセンサーの尻尾で追った。

 《なぜ分かるのだ? 百科辞典にもその様な事を匂わす程のデータも無い。ゴッド族の思考コントロールは完璧だった筈だし、『神』に対する『悪魔』としての定義付けされている。愛の知識データでもそれは見事な程に完全だった。菊野の思考レベルが高いにしてもそこ迄の判断は出来ない筈なのだが。》
 「そうでもないですわよ。『悪魔』が居るのなら、『神』が存在した事も当然の帰結。私は絶対善も絶対悪も信じません。『悪魔』が絶対悪とされたのはその相反する対象が自分を絶対善であるという事を押し付けた結果でしょう。」
 《見事。素晴らしい。菊野の思考方法は私に感銘を与える。菊野の考え方を研究させて貰いたい。あなたの思考には素直に従える。私はデーモン族という自尊心が強かった。この様に他人の判断に従うという事を潔いとはしなかった。私の精神が変化しなかったら認めなかっただろう。私の精神構造の変化は異常ではなく、むしろ向上したのだという事が分かった。》
 「良かった。私はデーモンさんが最後の線を踏み出せないのではないかと心配でした。でも、もう大丈夫ですね?」
 《最後の線?》
 「ええ、デーモンさんは地球人ではないので、地球の法律が適用されるかどうかは分かりません。これからする事・・・、既に輝君にした事は障害罪や猥褻罪になるかも知れませんが、それでも緊急避難に当たると思います。でも、これからは違います。デーモンさんの意志で淫行を行うのですから。」
 《そうか。私の意志で陵辱するのか。しかし菊野の意識構造からすると、それは楽しみに成るらしい。私も期待している。輝を見ていると不思議な感情が湧く。この上気した気分がS感覚なのだな? しかも輝の感情も幾分分かる。しかしこれは複雑だ。M感覚と言うらしいが、理解には程遠い様だ。》
 「輝君が本当にデーモンさんのお道具になったら、お手伝いを宜しくお願いします。まあ、神経伝達とでも言うのでしょうか、それを失う事は輝君には耐えられない事でしょうが。」
 《エッ? 私はそれを伝えてはいないはずだ。なぜ分かるのだ?》
 「ウーン、なぜと言われても・・・。とにかく分かるのですよね。」

 愛は微笑んでいるだけだったが、デーモンが押さえようとしている驚愕の感情の精神波が漏れてしまうのだった。

 《さすが・・・と言うべきか。私の論理に合わない事がこのようにたくさんあるとは。とにかく私は今は素直に感情を表す事ができる。そしてこれ程の知識欲を満足させる事が素直に嬉しいのだ。》

 デーモンのストレートな感情が愛にもダイレクトに伝わってくる。それを受け入れている愛の精神波がデーモンの満足感を更に高めるのだった。



 デーモンが輝のバイブを抜いた時には何回もの絶頂の後で、すっかり体力も精神力も失われていた。

 《かなり水分不足だろうな。愛液と乳汁でベタベタになっているし、よだれと涙で顔もベタベタだな。》

 輝を搾乳台に乗せ、搾乳と同時に精液浣腸を施すのだった。

 《この人工精液が乳に変換できる道具ではあるが、さすがに変換効率はかなり落ちる。とは言え効率が最優先でないと言う事はここでは当然の事らしい。この余裕というか遊びの精神も私には新鮮な感情だ。今更ではあるが、この感情というものをデーモン母星人が持っていたらあのような悲惨な結末にはならなかっただろう。》

 そして誰も居ないのだが、デーモンの精神波がまばゆく輝いた。

 《そうか・・・。そうだったのか・・・。先人達もそれを後悔し、あのような結末にならぬように地球人を・・・。おそらくデーモン人の方が先に到着したと推量される。そして地球人をまず自分達の道具としての品種改良を為した。それは成功であり、ある程度のデーモン人を寿命限界まで生き長らえさせたのだろう。しかる後に到着したゴッド人が品種改良による不具合を修正した。つまりそのままでは常時発情状態の地球人の人口爆発が起きてしまう。それを精神波による意識操作をした。そのゴッド人も悲惨な状態に陥らぬように善意であったろう。そして更にその後に到着したデーモン人がゴッド人の処置の形跡を感知し、再び行過ぎの無いように微修正したと思われる。》

 しばらく考え込んでいたデーモンだった。

 《母星消滅前に脱出した者とは権力者、財産家、そして私のような反戦主義者。全二者は当然のタキオンビームの航跡の通りの惑星へ向かったであろう。だとするとこのような未知の辺境の惑星へ来たのは当然私のようなはみ出し者のはず。そして私のようにまともなタキオンエンジン船を手に入れられぬ者。そうか。この星はデーモン人、ゴッド人の善意の存在する惑星なのだ。だとすると私の為すべき事は先人の意志を受け継ぐという事なのだ。》

 デーモンには笑うという行為は動作としてはできなかった。もし笑えたとしたら満面の笑みになっていただろう。

 《菊野の助力を受け、そして私自身がこのような変態行為を行うという事がこの惑星の未来を作れるという事なのか。いいだろう。私もこのような行為はとても新鮮であったし、興味深い。私にとって研究は興味深く楽しいものだった。しかしこれからは楽しみの為に研究しよう。こんな幸せがあるだろうか。自分が楽しむ事がこの惑星の未来を形成する事になる。アハハハハハ・・・・。》

 笑うという感情を初めて経験し、その快感に更に笑いが増すのだった。


 《デーモンさん!? どうしました?》

 いきなり心配そうな愛の精神波が届いた。

 《ああ、菊野・・・。私は今素直に嬉しいのだ。このような感情の爆発が自分では押さえられない。押さえ付ける必要もないと思っている。》
 《そうでしたか・・・。いきなり輝くだけの精神波に囲まれ、びっくりしました。》
 《笑うという行為。これは素晴らしいものだ。未だに感情の発露という事に抵抗を感じている私だが、これだけは別物だ。菊野が常に笑っている事を不思議に感じていたが、やっと理解できた気がする。そうか・・・。輝に不足のものがあると感じていたが、これだったのかも知れぬ。》
 《そうです。笑いには医学的な効果があると実証されています。精神的には勿論、肉体的にも健康を保つには必要な事なのです。》
 《それも理解した。私自身が楽しみ、輝も笑顔で居られるように努力しよう。もっとも、私の楽しみの方が遙かに上位なのだがな。》
 《それは仕方ありません。輝君はあくまでもデーモンさんのお道具なのですから。》

 二人の笑いの精神波がいつまでも交差していた。



 「デーモン・・・さん・・・。」

 意識の戻った輝が話し掛けるとデーモンはゆっくりと立ち上がり、輝の前に来た。そしてペニスを持ち上げる。それをくわえるとデーモンの精神波が届く。

 (お願い。この格好はつらい・・・。)
 「ウム、精神的ではなく、同じ姿勢の為に疲れるという事か。」
 (精神的にもつらいです。たとえデーモンさんの中でも人間らしい格好になっていた方が・・・。)
 「だがお前がお前でいるのはその格好なのだ。私に組み込まれるという事は私の道具という事なのだ。」
 (道具でもいい・・・。少しでも人間らしさが・・・。)
 「そうか。それなら私の道具として組み込むが、私の意志、そして菊野の希望でお前はダッチワイフに戻る事になるが、それでもいいのだな。」
 (ウッ・・・、でも、デーモンさんの言う事を聞かないと、ボクは生きたダッチワイフとして売られてしまう。一生この姿のままで色々な人にセックスをされ続ける。)
 「いや、私の道具になったとしても大勢の男達のダッチワイフになるのは同じだ。」
 (それでもいい・・・。デーモンさんと居る時だけは人間らしくなれるのだから・・・。)
 「分かった。しかしいつでも私に逆らう意志を示した時はこの人形を私の一部とする。その時の為に菊野にはエネルギー補給機能があり、表情を操作できる人形を作ってもらっている。」
 (絶対に逆らいませんから・・・。)
 「それともう一つ。長い間お前との精神波会話の間にお前の脳に直接精神波でアクセスできるようになっている。ある程度お前の肉体を制御できるのだ。私に組み込まれていると、そのほとんど可動域のないお前の身体の動きを制御できるという事だぞ。」
 (そんなのどうでもいいです・・・。もう手足も無くなっているのに・・・。)
 「それではこの人形と交換に填め込んでやろう。」

 デーモンはダミー人形を取り外し、輝を掴み上げる。そして体内に填め込む

 「アフッ・・・、ああ・・・お尻にデーモンさんが填る感覚・・・。気持ちいい・・・。」

 輝はうっとりとしながらデーモンが入っていく感覚に陶然としていた。

 「デーモンさんの道具でもいい・・・。だからボクを入れておいて。」
 「道具でも・・・ではない。道具その物なのだ。さて、お前が私の道具として離れたくないと思う仕様を紹介しよう。」
 「エッ・・・?」
 「自分で手足を動かし、私の身体を触ってみろ。」

 輝は立ち上がり、手で反対側の腕を触った。

 「エッ・・・、アレッ?」

 そしてトントンと足踏みをしてみた。

 「エッ・・・、何なの? 感覚が・・・。」

 手足をデーモンに奪われたからは手足の感覚は全く無かったはずだ。それが自分の掌でデーモン外皮を触っているのが分かる。そして足もピンヒールを履かされているので、爪先立ちの不安定さはあるものの、ヒールが床を叩いているのが分かる。

 「アッ、これって・・・。ボクの手足を戻してくれたの?」

 輝は嬉しそうに身体を撫で回した。

 「残念だが、そうではない。私の精神波がお前の脳に直接アクセスできるようになったので、お前の記憶から再生した感覚を私が直接脳に送り込んでいる。だからお前が私に組み込まれている限り、自分の手足としての感覚が得られるのだ。」

 ガッカリして涙が流れるが、それでも手足の感覚は輝には嬉しいものだった。

 「だよね・・・。もうボクには手足が無いのだから感じられるはずはなかった。だけど今は自分で立ち、自分で触っている。この感じは本物だよ。ありがとう、デーモンさん・・・。」

 デーモンはちょっと意外な輝の反応に戸惑っていた。それでも輝の喜びは喜びとして素直に受け入れ、デーモン自身に感情にも良い効果を現すのだった。

 「先程も言ったが、脳にダイレクトにアクセスできるという事はこういう事もできるのだ。」

 いきなり輝の口が制御を受けた。

 「デーモン星歴15342年、第一次ローメリック星探査隊出発。生存可能な惑星として登録。15344年、第一次探査隊、アメーバ病原菌による疾病にて調査続行不可能。以後生命危険星として登録変更。」

 輝は驚いて口をパクパクさせた。

 「エッ? 今・・・ボクがしゃべってたよ。」
 「そうだ。私がお前の脳経由で直接喋らせたのだ。」
 「何だか・・・変な気持ち・・・。」
 「それだけではない。菊野には話してあるが、お前はかなり頭が良くなっている。それは分校に居た時も無意識ではあるが分かっていたはずだ。なかなか記憶しにくい事項を私がお前の脳に書き込んでいたのだ。」
 「それって・・・。」
 「私は私の道具が優秀である事を好む。セックスに関しては極めて優秀だが、頭脳も優秀でなければならぬ。そうでなければこれからの社会生活に不便であるからな。」

 輝はしばらく考えていたが、何とか結論を出そうとした時に、先にデーモンが答えるのだった。

 「そうだ。地球人感覚で言えば、輝と私とで一人なのだ。少なくとも私に組み込まれている時の輝は優秀な人材でなければならぬ。そうでなければ社会的貢献もできない。だが、当然ながら活きたダッチワイフとしての仕事もこなして貰う。それを含めての地球人、出門輝なのだ。」



 《デーモンさん、輝君のしつけ具合はどうでしょうか?》
 《ああ、予想よりもずっといい道具になっている。私に逆らわなければこの手足を自分の物として使えるからな。もっとも、その分、取り外して搾乳機に掛ける時は言葉には発していないが、かなりの抵抗感を示す。しかしその心は私に届いているという事は分かっているので、仕方なくだが素直に外される。まあ、抵抗が菊野にダッチワイフとして売られてしまうという事が精神的な抑制を果たしている。》
 《そうですか。それではそろそろ学校に戻しても宜しいでしょうね。》
 《そうだな。菊野の予定では早い内に飛び級試験を受けさせたいだろう。その為にもこの分校にある書籍だけでは不足だ。大きな図書館という場所に行って知識を得たい。》
 《そうですね。しかし市立図書館では今のデーモンさんの姿ではちょっと・・・。取り敢ずは本校の大学図書館で宜しいでしょうか?》
 《ん? 今の私の姿では不具合があるのか? 衣服を着ければ普通に地球人になると思うが。》
 《それが・・・、輝君の乳房が大き過ぎて、図書館には似合わないかと・・・。》
 《あ、それが輝の知識というか考え方にある、巨乳は頭が悪い・・・というやつだな。論理的には不合理ではあるが。》
 《確かに一般的にはそう言う偏見があります。ただ、輝君の乳房は巨乳、爆乳という程度ではないので、ちょっと目立ち過ぎるのですよ。まだ一般の人に囲まれて・・・という経験は少ないですから。ですから大学の方であれば司書の先生には話が通せますし、元々輝君程ではないですが、オッパイの大きな生徒は多いですからね。まあ、巨乳で大学図書館に行く女生徒はほとんどが私どもの改造を受けています。ですからそういう生徒が輝君を見ても、激しい改造をされたという風に思いますからね。まあ、実際そうですけど。》
 《そうか。まずは慣れさせるところから始めるか。》
 《宜しくお願いします。甥のツトムも心待ちにしてるようですから。》
 《輝の交尾の最初の相手の牡だな。輝にも生のペニスを填め込ませてやりたいしな。いい家畜、道具にする為には手間を惜しんではいけないという事は良く理解した。》
 《それでは明日伺います。》

 デーモンは搾乳台で喘いでいる輝を嬉しそうに見詰めていた。そしてそういう感情に対しても心地良さを感じていた。



 「何だか恥ずかしい・・・。」
 「そんな事無いわよ。とってもセクシーだし可愛いわよ。」

 デーモンの外皮がハーフブラのような形になっている。

 「これでいいのだな。なる程この乳房の重量を支える事で輝の重心バランスの狂いを補正するのか。」
 「デーモンさんの手足も伸ばしたようですから、少し大人っぽい服にしましたよ。」
 「エッ、伸びてる? でも、感覚はあるけれどデーモンさんの身体なんだよな。」
 「いや、私の身体ではあるが、大部分の時間は輝が使用するのだぞ。」

 それでもレザーの超ミニのスカートは変わらず、胸元も大きく開いたレザーで、かなり扇情的な趣だった。

 「こんなにオッパイが目立つ服でいいの?」
 「いいのよ。それだけバストが目立つ事でデーモンさんに組み込まれているという事には逆に気付かれないの。コスプレに見せた方が、デーモンさんのセンサーが見えても自然ですからね。」
 「それでは出かけるか。」
 「でも・・・何だか・・・。」

 少し渋っている輝に

 「私が歩いていけばいいのだぞ。しかし輝の意志に任せるが・・・。」
 「エッ・・・?」
 「この身体は私の物なのだから私が歩けばいいのだ。」
 「そうじゃないよ。良く分からないけど、ボクが喜んで出かけるって・・・。アッ、ひょっとしてキャプテンに会える?」
 「む・・・。私はその様な精神波は出していない。しかし良く感知できたな。」
 「そうよ。ツトムを呼んであるのよ。出門君の新しい身体での最初のセックスはやっぱりツトムにして上げたいもの。但し・・・。」
 「やっぱり・・・。」
 「そうよ。最初はその姿でセックスさせて上げるけれど、輝君だけの姿も見せるわ。それでもいいわね? ああ、言い間違えたわ。ダッチワイフとしても使うという事を了承していたわね。ダッチワイフとしてツトムにあなたのオマンコを使わせるのよ。」

 輝は涙を拭いながらも、ツトムに会えるという事に心が弾んでいた。



 「ああ、キャプテンが来てる。」
 「ほう、臭いで分かるのか。」

 不安定な足ながらも掛け出していく。しかし実際にはデーモンの足なので、デーモンが操作しているのだが、輝への感覚としては自分で走っているように思わせている。



 「キャプテン!!」
 「お、出門! ワアッ、雰囲気変わったな。」
 「そう?」
 「何だか凄く大人っぽくなってる。」
 「ウン・・・、随分変えられた・・・、変わったから・・・。それよりも・・・、早く欲しい・・・。」
 「それは相変わらずだな。」

 ツトムはゆっくり服を脱ぎ出す。輝の方はすぐに裸になり、ジリジリしながら待っていた。ツトムが輝を招いた時には、突進するようにしてツトムを押し倒し、騎乗位ですぐに填め込み、腰を蠢かして喜悦の涙を流すのだった。



 「なあ、出門・・・。」

 ツトムはつながったままで輝の乳房を撫でていた。

 「なあに?」
 「俺、叔母さんに輝の事を聞いて居るんだが・・・。」
 「叔母さんって愛さん? ボクの事って?」

 何かツトムは言いにくそうにしていたが、大きくため息をついて言葉を続けた。

 「お前、デーモンって宇宙人に取り憑かれているって・・・。」
 「エッ・・・!!」

 絶句した輝は震えながらツトムを見詰める。

 「全部聞いてるよ。この手足はその宇宙人だって事も。」

 デーモンは何も言わず、それはデーモンも既に知っているという事なのだ。

 「ちょっと信じがたい事だけど、おまえはそのデーモンから外された時には手足の無い活きたダッチワイフだって事も・・・。」
 「何で・・・。」
 「それでだな。そのダッチワイフの優先使用権を俺が貰う事にした。」
 「ヒッ・・・。」

 その時、愛が入ってきた。

 「愛さん、どうしてキャプテンに・・・。」

 いつもながらの微笑みの愛だった。

 「あら、あなたはデーモンさんから外されている時は単にダッチワイフなのよ。デーモンさんには使用する意味がないので、ダッチワイフの占有者は私です。でも私にも使用する意味がないので、色々な男の人に使って貰い、それで収入を得る事もできるわ。だけどツトムが優先的に使いたいって事ですから、そうしてもらうの。それともその優先使用権ってのはイヤ?」
 「あ・・・当たり前だよ。ボクはそういう身体でも物じゃない・・・。」
 「そう・・・、仕方ないわね。反抗的なダッチワイフでは意味がないわ。それなら私は占有権を放棄し、デーモンさんの所有権も放棄して貰い、どこかに売る事にしましょう。きっと高値で売れるわ。」
 「ま・・・、まさか・・・。」

 輝は震え上がった。そして身体の制御がデーモンに移り、輝の意志ではなく立ち上がって飾ってあったダミー人形の方に歩き始めた。

 「ダッ・・・ダメッ!! デーモンさん、やめて!!」
 「うん? 使いやすい道具ではあるが、私の精神を逆なでするようでは不具合だ。愛に売って貰って、私は次の道具を手配して貰う。」
 「イヤだっ!! デーモンさん、お願い。ボクを捨てないで!!」
 「私にはダッチワイフとしてのお前を使う事はない。どっちにしてもダッチワイフとしてのお前は精液保管のタンクなのだが、それがそこのツトムであるか全く別人であるかの違いなのだ。」

 輝は涙を溢れさせていたが、デーモンがダミー人形を持ち上げた時、輝は悲鳴に近い声で答えた。

 「キャプテンのがいい・・・。違う。キャプテンがいい!! セックスするならキャプテンが・・・。」

 後は声にならなかった。

 「なあ、愛さん。あれ、本当にデーモンとの会話してるのか?」
 「そうよ。私には分かるけれど、精神波ですからツトムには伝わらないの。」

 するとデーモンはツトムの方を向いた。そして輝の口を操り、ツトムに話し掛けた。

 「そうだ。私がデーモン。」
 「エッ?」
 「今は輝の身体を制御し、私が話している。そして輝が私に組み込まれた道具である事を示そう。」

 輝は必死に嫌がっている表情をしているが、デーモンは話し続ける。

 「ツトムはダッチワイフとしての占有使用権者であると同時に保守担当者でもある。輝の搾乳はそこにある搾乳台で行うのだが、その処置担当者である。その内容については菊野に聞いているはずだ。ツトム次第であるが、ダッチワイフとして交尾するか、私に組み込んだ姿での交尾にするかは任せる。」

 そして輝の胴をデーモンが掴み上げ、いきなり引き抜いた。

 「イヤーーーッ!! 見ないでーーっ!!」

 ツトムは驚きの表情で固まっていた。そしてダッチワイフとしての輝の身体をベッドに転がす。

 「これ・・・。」
 「言った通りでしょう? この形の時の出門君のお世話はツトムのお仕事よ。気味が悪い?」
 「いや・・・、びっくりはしたけど、これ、俺が・・・。」
 「そう、ツトムはどう使ってもいいし、いつ使ってもいいのよ。」

 ツトムは唾を飲み込み、ベッドの上で蠢いている『ダッチワイフ』に近付く。そして持ち上げ、再び突き勃った自分のペニスに填め込むのだった。

 「イヤーーッ、こんなセックスはやめてーーーっ!!」

 しかし輝の膣は意志に従わず、ツトムのペニスを中に引っ張り込み、そして激しく蠢き、絞り上げるのだった。ダッチワイフの輝は、やはりダッチワイフであった。悲鳴はすぐに愉悦の喘ぎ声になり、自ら腰を蠢かすのだった。



 「フウーッ。これって凄くいいな。でも、オッパイが重いのか、支えるのに疲れる。」

 今度は輝をベッドに転がし、正常位で始めようとするのだが、巨乳が片方に傾いてしまう。

 「安定が悪いな。あっ、そうか。あの搾乳台に着ければ後ろからできるんだな。」

 ツトムは駅弁スタイルでつながったまま輝を搾乳台に運び、向こう向きにセットする。スポンと乳房が填り込んだ途端、搾乳機が稼働を始め、乳房の重量がほとんど感じなくなり、そのまま後背位で始めるのだった。本当はツトムは腰を前後する必要はない。輝の膣が勝手に動いてくれるからなのだ。

 「アフッ・・・、出門のマンコ・・・凄いよ・・・。」

 何度ものセックスでツトムの精液はほとんど溜まっていない。それでも輝の膣機能により素早く勃起状態にされてしまうのだった。



 「キャプテン・・・。こんな身体にされてしまったボク・・・。気持ち悪いでしょ?」

 ツトムは照れながら答える。

 「確かにデーモンに填っている出門はセクシーダイナマイトだけど、セックスするのにはこのダッチワイフのがいい。凄い陵辱感があるしな。まさかお前が、こんなセックスの為だけの身体になっているなんて信じられなかったよ。可愛い顔。でっかいオッパイ。そしてもの凄いオマンコ。これ以外は不要だものな。」
 「だけど・・・、ボク・・・、キャプテン以外の人ともセックスされるらしいんだよ。その場合は本当に活きたダッチワイフとして、好奇の目で見られながら。そしてたくさんの精液を子宮に溜め込んで、デーモンさんのエネルギーの容器として。」
 「ウーン、確かにそれは少し悔しいな。だけど、そういう約束だし・・・。お前はデーモンの道具なのを俺が借りているわけだし。」
 「そうだよね・・・。それを嫌がったら、デーモンさんと離れ、キャプテンとも離れて本当のダッチワイフになってしまう・・・。」
 「だけど綺麗だよ。」
 「綺麗? ボクが?」
 「手も足も無くなったって感じじゃないんだ。最初から無かったっていう風にスルッとしてる。最初からダッチワイフとして生まれてきたって感じなんだ。」
 「悲しい事・・・言わないで・・・。」
 「いや、俺は本当に綺麗で可愛いと思ってるよ。俺の為にこんなに可愛いダッチワイフになってくれたと思ってる。」

 涙を流している輝の頭と胸を撫でながら、ゆっくりと腰を動かし続けるツトムだった。



 「デーモンさん、ここが大学図書館です。あなたのお役に立つ程の書籍があるかどうかは疑問ですが。」
 「いや、地球の事はまだほとんど分からない事が多い。いかなる知識でも私には重要だ。」

 しかし輝は気後れしていた。

 「愛さん。やっぱりボクの格好って少し異常だよ。どんなに服で隠してもおっぱいの大きさが目立っていて・・・。」
 「確かに目立つわよ。でもね、それは凄いセクシーな女だって言う羨望の眼差しよ。だからむしろ自慢げに見せびらかすようにしていればいいのよ。」

 そしてデーモンはわざと反り返るようにし、胸を突き出させるのだった。

 「ワッ、デーモンさん、ダメ! 分かったよ。普通にしてるから。」

 大勢の注目の中、輝達は図書館に入る。そして最初に生物学の書籍のコーナーに連れられるのだが、デーモンは物理化学の方へと向かう。

 「デーモンさんの専門分野はこちらでしょう?」
 「そうなのだが、地球上の生物はあまりにも種類が多い。そして私には直接関係のない生物が多い。しかも私の母星とはまるで異なるので、輝の知識を参照しても私の星の言葉に翻訳しきれない。しかし物理や化学、あるいは数学に関してはこれはいかなる世界でも共通なのだ。まずそれを翻訳し、データ化してからの方が本職の書物の理解が進む。」
 「ああ、なる程。」

 デーモンはまず一冊取り出し、パラパラとめくった。十数秒で閉じて元に戻す。それは輝にも驚きだった。

 「エッ・・・今ので?」
 「エッ、輝君。何?」

 輝は驚きながらも愛と話すのだが、その間にもデーモンは本を取り、パラパラとめくって戻す。

 「これで全部読んで居るんだよ。」
 「今ので全部を? でもどうして出門君に分かるの?」
 「多分・・・ボクの目を通して読んでいるみたい・・・。あまりにも早く見ているのに、ボクの頭の中にも内容は全部入ってくる。ボクには良く分からなくても、内容は覚えている。」
 「それって・・・凄い。デーモンさん、そうなのですか?」
 「ああ、その通りだ。輝の目を通したデータは当然輝の脳にも記録される。本来ならすぐに消えてしまうデータであるが、私がアクセスする事により固定化される。これが以前言っていた、頭の良い道具になるという事だ。ただ、まだ理解できていないだろうが、やがて理解できるようになるだろう。」
 「凄い。出門君は途轍もない知識を得るのね。」

 頭が良くなるという事は輝には好ましい事だった。

 「ウーン・・・。物理科学というが・・・。」
 「やはりダメですか?」
 「そうではない。確かに物理科学ではあるが、私の母星では物理科学歴史学の分野だな。」
 「はあ?」
 「つまり、私の星でも物理は順番を追って発達してきた。地球で言えば天動説とかニュートン力学とか。勿論誤謬や単なる概念でしかない部分も多いが、その時代では最先端の科学だったはずだ。そしてアインシュタインの特殊相対性理論。その後の量子力学。その時代では最先端なのだが、決して過去の物理を消し去るものではない。その時代ごとの知識の集大成なのだ。ただ、私の星の物理学で言えば数万年前の科学なのだ。」
 「やはり地球人が人間と称するようになってからの歴史の差は大きいですからね。」
 「この程度であれば私の知識でも専門用語の翻訳は可能だ。それ以外の分野の書籍も調べてみたい。」
 「それなら百科事典はいかがですか? 色々な分野が網羅されていますから。」
 「そうか。それは輝にも良い効果があるだろう。」

 さすがに分厚い書籍なので、数冊テーブルに置き、初めからページをめくっていく。字が小さく、文字数も多いので、さすがにパラパラとめくるというわけにはいかないが、それでも1秒程度でめくっていく。愛は感心しながら見詰めていたが、さすがに百科事典となると相当の時間が掛かるのでデーモンを一人残して図書館を出て行った。

 しばらくして一冊目を完了し、二冊目を開こうとした時、男性が輝に声を掛けてきた。自分ではかっこいい系だと思っている男だが、アクセサリーをチャラチャラ鳴らし、にやけた表情で輝の巨乳を見詰めていた。

 「ねえ君、何回生? あ、それよりもここの学生なのかな?」
 「ボク?」
 「そのコスチューム凄いよね。中身が素晴らしいから一段と引き立つよ。」
 「ボクはここの2年生。」
 「へエーッ。気付かなかったな。俺も2回生だから・・・。ああそうか。俺は学部だけど、君は短大の方なんだ。こんなに美人で勉強家の娘が居るなんて知らなかったよ。」
 「あのう・・・、ボクは高等部の2年生なんですが。」
 「エッ、高等部? ほんとかい。高等部にこんな美人が居るなんて聞いてなかったよ。どうだい? 先輩としてお勉強教えて上げようか。」

 輝はちょっと不快だったが、デーモンは知識の習得を邪魔にされて更に不機嫌だった。

 [輝。こいつを追い返せないか?]
 [こういう軟派男は結構しつこいから・・・。]
 [そうか、輝の相手を諦めさせねばならないのだな。本人は学年が上なので、お前を指導できると思っているのだな。良し、私が相手をしよう。難問を出して答えに窮させればよい。]
 [できる? ああ、デーモンさんなら大丈夫だね。だけどいつものデーモンさんの口調だと不思議に思われるから、ボクの・・・、ううん、愛さんの口調を真似てね。]
 [了解した。]


 「大学の2年生でしたらこれを教えて欲しいのですが。」

 そのにやけ男は笑顔で輝の隣に座り、肩に手を掛けてきた。

 「いいよ。どんな問題?」

 いかにも得意げに話し掛けてくる。
 デーモンはバッグからレポート用紙とペンを取り出し、スラスラと数式を書き始めた。

 「この偏微分方程式なんですが、ここまで計算すると不定になってしまうんですよ。この先が・・・。やはり大学で習う分野だと、高校生では難しくて・・・。ここでテーラー展開をした方がいいのでしょうか?」

 男はその数式を見詰め、固まってしまった。

 「あ・・・、今・・・君・・・、こんな事やってるの?」
 「ええ、だけど解析概論はまだ半分までしかやってないのですけど。」

 [デーモンさん。カイセキガイロンって?]
 [大学の数学の授業で使っているやつだ。まあ、ほとんど理解する生徒は居ないらしいが。]

 「あ・・・、ごめん。教えて上げたいけど、ゼミが始まるんだった。また後でね。」

 やさ男はわざとらしく時計を見ながら早足で去って行った。

 [さすがデーモンさん。うまく追い払えたね。]
 [これはお前や菊野の知識から得ている処世術というやつだ。まあ、地球人的美的感覚から言うと輝の姿は牡に欲情をもたらす姿だから、これからもたくさん寄ってくるぞ。]
 [それは面倒だね。]
 [ウーン、それは私にも責任がある。お前が最初に野球部員の多数に尻での交尾をした時、私は牡に対しての好感度を上げる為にフェロモンという物質が効果的であると知り、お前の身体から女性フェロモンという物質を大量に放出するように改良したのだ。今迄にお前が出会った牡達は全てお前に好感を持ち欲情しただろう。その結果なのだ。]
 [ワーッ、そしたらずっと今みたいに?]
 [必ずしも不具合ではないぞ。ツトムという牡がお前の優先使用者だが、そんなに連続で使用できるわけではない。その場合はお前次第でどんな牡とでも交尾ができるのだ。私のエネルギー補給だけではなく、お前自身の栄養補給が必要だろう。長い間交尾しないと肉体的にも精神的にも不具合を起こすからな。]

 輝は反論できないでいた。輝の考えはすぐにデーモンに察知されてしまうし、デーモンの言う事は実行しなければならないからだ。しかし、その様な話をしてしまい、その結果としてセックスの欲求不満が出てしまっていた。

 [そうか・・・。知識習得にはある程度の精神集中が必要だが、今の輝には難しくなってきたな。どうだ? 適当な牡と交尾をするか?]
 [適当って・・・。それじゃ淫乱な色情狂だよ。]
 [そうか、知り合いの方がいいか。最初だしな。ちょっと待て。]

 デーモンは精神波で愛とのコンタクトをとる。

 [野球部の牡が数人部室という場所に居るそうだ。慣れた牡なら良いだろう。]
 [う・・・うん・・・。何度もくわえ込んだオチンチンなら・・・。]

 デーモンの意識よりも早く輝は歩き出していた。高等部と大学は校舎は離れているのだが、運動場のはずれにある野球部室は割りと近い場所になる。弾むようにして、実際に輝の巨乳は早歩きで歩くたびに大きく弾んでいた。



 「今日は。」

 輝が部室を覗いて声を掛けると大きな歓声が沸いた。

 「エエーッ!? まさか・・・出門?」
 「うん・・・。」

 ちょっと照れてはいたが愛液で溢れそうな膣が輝にしなを作らせている。

 「ウワーッ、一段と凄いな。山口から出門は女以上の完全な女に成ったって聞いてたけど、予想以上だ。」
 「ねえ・・・。ちょっと試してみない?」
 「エッ・・・、いいのか?」
 「うん。欲しい・・・。」

 そう言いながら輝は一人の部員のユニホームのベルトを外す。そして途中まで引き下ろして椅子に座り、その上に跨るのだった。

 「ワオッ!」

 愛液が溢れていなくても輝の膣はペニスを引き込む能力がある。そして座位のままでもペニスを揉みしだく事ができる。あっと言う間にその部員は達してしまうのだった。

 「ワフッ・・・、すげーっ・・・。」
 「はい、次宜しくね。」
 「まだいいのか? これなら何度でもいかされそうだよ。」
 「いいよ。待っててね。」

 ツトム以外のペニスは久しぶりで、子宮に吸い込まれた精液が心地良く揺らいでいた。
 次の部員もあっと言う間に達し、驚きの中で次々とセックスを続けるのだった。



 輝の評判は瞬く間に全学内に広まっていった。セックスが大好きな・・・と言うよりもセックス依存症、セックス中毒のニューハーフで、途轍もない巨乳。誰とでも応じてくれるという噂だった。しかし実際には輝の知り合いの野球部員以外は、輝が好ましいと思った男性だけなのだ。男からの誘いは輝の知力にびびってしまうのだ。
 そしてまず不可能と思われていた飛び級試験に簡単に合格してしまい、しかも即、大検合格。菊野愛の母が大学理事であるという事で、特例として高等部2年在籍のままで大学の授業に参加する事になった。



 「なあ、輝。」
 「なあに、ツトム?」

 輝はダッチワイフ状態でツトムとつながっていた。

 「俺さ・・・。輝を自分だけの物にしたいと・・・。」
 「あら、そうじゃない。ボクはツトムの為のダッチワイフよ。だけどダッチワイフとしては他の男性とのセックスもしなくてはならないけど。」
 「それは分かってるよ。いくら俺が頑張っても、とても足りないって事もな。だから輝がどんなに別の男とセックスしてもやむを得ない、当然だと割り切ってる。ただ・・・。」
 「ただ・・・?」
 「それは肉体だけの事だ。精神的に俺だけの物にって・・・。」
 「あら、ボクの心はツトムだけにしか向いていないわよ。それは分かってるでしょう?」
 「ウーン、こういう点だけはまだ開発されていないのか・・・。」

 ジリジリしたようなツトムだったが、意を決して言う。

 「ハッキリ言う。輝、俺と結婚して欲しい。」

 輝の子宮がギュッと窄んだままで動きを止めた。

 「イテテ・・・、強過ぎる。」
 「あ、ごめん・・・。ツトム・・・、今・・・結婚って・・・?」
 「そうだ。俺と結婚して欲しい。」

 輝の目から涙が溢れ出ていた。

 「いいの? ボクは元は男なのよ。そしてデーモンさんに組み込まれてのボクなのよ。そしてツトムとセックスする時は、こんなダッチワイフなのよ。」
 「それでいいんだよ。勿論、正直なところ最初は凄くいいセックスで俺の物にしたいと思っていたよ。だけど今はもう輝と一緒に暮らしたいんだよ。俺の心の中でのけじめを付けたいんだよ。それに・・・。」
 「それに・・・?」
 「今はまだ無理らしいけれど、将来は俺と輝の子供が欲しい。」
 「ウン・・・。それはまだ難しいわ。ボクが産まされるのは、まだデーモンさんの肉体で、菊野さんの仕事に使う物らしいの。」
 「だから、将来でいいよ。別に正式に結婚してくれと言ってるわけじゃない。実際に輝の戸籍はまだ男だし。だから輝が俺との結婚を承諾してくれればいいんだよ。」

 輝は涙を流し続けていた。

 「うん・・・。嬉しい・・・。こんなボクだけど、ツトムの奥さんになりたい。」
 「じゃあ、確認するぞ。」

 ツトムは大きく深呼吸をし、

 「輝。俺と結婚してくれ。」

 そして輝は涙を振り払い、満面の笑みで答えた。

 「はい。喜んで。」 

 ツトムは輝に抱きつく。そして輝は腕が無いのだが、意識としてはしっかりとツトムにしがみつくのだった。




 「ツトムーーーッ。遅れるわよ。私も1元からゼミだから講師が遅れるわけにはいかないのよ。早めに行かなくちゃならないのよ。」

 ツトムは眠そうな顔で服を着替えていた。

 「朝から吸われるから疲れるんだよ。」
 「はいはい、旦那が奥さんに食事提供するのは当然なのよ。」
 「分かってるけどね・・・。俺は菊野さんにミルクを届けなくちゃならないし。」
 「帰りは遅くなるわ。菊野さんの牧場で改造中の家畜達のお世話しないとならないの。」
 「わかった。たっぷり食事して来いよ。」
 「はーい。」

 輝はデーモンの尻尾を振りながら飛び出していった。

 尻尾があり、途轍もない巨乳を揺らし、真っ黒なラバースーツとピンヒールで軽やかに走る点を除けば、どこにでも居る若い新婚夫婦だった。

・・・・・・どこにでも居る・・・??? (笑)         ・・・・・・終わり・・・・・




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