「なあ、テール。オッパイ吸われるのは気持ちよくていいんだけどさ、チンチンの方は凄く疲れるんだよ。」
 《気持ちよくない?》
 「程度問題だよ。気持ちはいいけど、続けざまだと・・・。」
 《私、身体が大きくなったせいで、栄養がたくさん必要なの。それとどうしても女性ホルモンの影響が出てしまうのね。》

 「こんにちは。」

 弥生が部屋に入ってきた。さすがに素っ裸でいる訳にはいかず、シーツで身体を覆う。

 「さて、今日はお待ちかねのリョウちゃんですよ。」
 「エッ、リョウが来てるの?」

 ドアから悪戯っぽい顔でリョウが覗き込んでいた。

 「おっす、ミキさん。ワーッ、すっかり凄い女になったねえ。」
 「バカヤロ! 俺は男だ!! オッパイは大きくなっちまったけど、まだちゃんとした男だ。」
 「だけどオマンコができたって聞いたけど。」
 「ウッ・・・。」
 「お尻の方はテールが入っていてできないでしょ? そしたらオマンコでやるしかないじゃない。」
 「うるさい!!」

 その時テールのセンサーの尻尾が大きく振り回された。

 《ダメよ、お姉ちゃん。せっかくセックスしてくれるのに・・・。》
 「俺に女としてのセックスをしろと言うのか?」
 《私も幸せにしてくれるって言ったじゃない。精液不足で精神がおかしくなったって知らないわよ。》
 「脅すつもりか?」
 《脅しじゃないわよ。本当に危険なのよ。もし私の精神が弾けてしまったら、本能で動くかもしれないのよ。私はパパの改造能力を特化されているのよ。そうしたら、きっとお姉ちゃんをママみたいな身体にして、誰とでもセックスしてたくさんの精液を得ようとするかもしれない。時々、強引にそうしてしまいたいって衝動に駆られる事もあるの。》

 愛しているとは言え、今はまだテルのようなダルマにはなりたくなかった。渋っているのだが、テールはセンサー触手をリョウに向けた。それは触れる事によって意志を伝えたいという事だった。

 《リョウちゃん、お願い。ミキちゃんに精液を入れて上げて。》
 「おい、何を・・・。」
 《ほら、オマンコの所の私の皮膚を開いたわ。そこから入れて上げて。》
 「アハッ、本当にオマンコできてたんだ。」
 「ワッ、よせっ!! 俺はまだ処女なんだ。出産はしたけれど、セックスとしては処女・・・。処女? 俺が・・・処女? ワーーーッ!!!」

 ニヤニヤしながらリョウはズボンを脱ぎ始めた。既に準備完了の巨根が激しくいきり立っていた。

 「ワッ、やめろ。リョウ、落ち着け!!」

 ベッドの上で後ずさりするミキだが、いきなり覆い被さってきたリョウに乳房を掴まれた時、悲鳴とともに力が出なくなってしまう。リョウよりも体格のいいミキで、力もずっと強いはずなのに、閉じようとしていた足の間に入り込まれてしまう。そして一段と大きな悲鳴が響いた。



 「ねえ、ミキさん、どうだった?」

 ミキは惚けたようになっていて、身体も動かせないし、声も出せないでいた。そしてまだ固いままのリョウのベニスの鼓動が膣内に感じている。

 《お姉ちゃんは凄く感じているのよ。と言っても、オマンコでの初めてのセックスで、快感が快感って分かっていないの。》

 (俺・・・、セックスされてしまった・・・。女になってしまったって事なのか? お尻でのセックスとは全然違う。ああ・・・、リョウのチンチンが俺の中でピクピクしてる。頭が真っ白だ・・・。)

 「それでは2回戦といこうか。」

 リョウは身体を起こし、ゆっくりと動き始める。

 《テール、分かっているな? テルのデータの内、快感の部分を強くフィードバックするんだぞ。》
 《はい、パパ。ちゃんとやるわよ。リョウちゃんへのセックス依存症にしてしまわないと、私もパパみたいになれない。ママのようにセックスの為の素晴らしい身体に成る事が、本当に幸せになる事だもの。お姉ちゃんが幸せになるっという事が私にとっても一番幸せだし、パパの言っていたデーモン人の更に前からの本能だと思うわ。今だって嬉しくて嬉しくて、もっと嬉しくなりたい。》

 「ヒヤーーーッ!!!」

 ゆっくりとしたピストンなのだが、ミキは手足をばたつかせ、激しく喘ぎ始める。

 (飛んでる・・・。ワーーッ、目が回る。何? 俺・・・、どうして・・・。)

 白目をむき、痙攣しながら激しすぎる快感の渦に翻弄され続けていた。



 だらしない格好で意識の弾けているミキにタオルケットを被せると、テールが尻尾を伸ばしてきた。

 《リョウちゃん、ありがとう。》
 (ああ、菊野さんにある程度は聞いてる。ボクとしてもやっぱり・・・。)

 テールのニヤニヤする意識が伝わってきた。

 (それで本当にできるのか?)
 《できるのかではないわ。もうほとんどできているのよ。あとはリョウちゃんが目一杯お姉ちゃんとセックスして上げればいいだけ。》
 (わかった。ボク専用のセックス道具にする為に頑張るよ。)
 《あら、セックスはリョウちゃんだけでは足りないのよ。》
 (うん、それも分かってる。おじさんと同じなのは仕方ないけど・・・。)
 《そろそろ目を覚まさせますから、続きもよろしくね。》
 (おう、任せとけ。)

 ミキは気だるい中で目を覚ました。何が起こったのかが分からないように目を瞬かせ、辺りを見回していた。そしてハッと気付いて顔を真っ赤にして震えだした。

 「リョウ・・・、俺・・・。」
 「ミキさん、激しくいっちゃったようだね。」
 「いった? あれが?」
 「テルさんにも聞いた事があるけど、男と女とでは全然違うでしょ。」

 ミキは無意識に頷いていた。

 「この大きなオッパイがいいんだよね。」
 「アフッ・・・。」

 リョウはミキの乳房を撫でながら片方の乳首を軽く噛んだ。

 (ああ・・・、気持ちいい・・・。オマンコみたいな激しさはないけれど、身体全体が暖かい。これが女のセックスなのか・・・。背中に触れているリョウの手もいい。全身のどこを触られていても気持ちいい・・・。欲しい・・・。リョウのオチンチンがおなかに当たっている・・・。固くなってる・・・。そう・・・。入れて・・・。ハフッ・・・。)

 ゆっくりとした挿入にミキは全身が性感帯だった。

 (クッ、太い・・・。あ、入った・・・。これが・・・女のセックスなのか・・・。ハフッ・・・、なんて素晴らしい・・・。身体が浮き上がる・・・。ああ・・・回るよ・・・。キーッ、おかしいよ。ダメッ! 変だよ・・・。アーッ、やめて・・・。やめないで・・・、もっと・・・。)

 再び激しい悦楽に喘ぎ声が悲鳴のように響き渡る。そして強い一突きでリョウとミキの下腹部が完全に密着した時、熱い塊がミキの子宮に押し込まれた。

 「ウオーーーーーッ・・・!!」



 「凄いよ・・・リョウ・・・。ママがなぜあの身体に満足しているのかが少し分かった。」
 「そりゃそうだよ。あの身体ってセックスする為だけの身体だもの。ボクもこっそりおじさん達のセックスを覗いたけれど、凄かったよ。おじさんの方もかなりいいらしいけれど、テルさんは今のミキさんどこじゃないよ。」
 「ああ、俺もよく見てるから知ってる。何であんなに凄いのかが分かったよ。」
 「イヤ、ミキさんにはまだ分かってないよ。ボク達のセックスってあのレベルには全然及ばない。」
 「全然・・・って?」
 「だってミキさんはテルさんみたいな完璧な身体じゃない。ふたなりだけど女じゃないし・・・。ボクがセックスするのに、ミキさんのオチンチンが邪魔になってるし・・・。オッパイだってかなり大きいとは思うけれど、テルさん程じゃない。テルさんの話だとオッパイの気持ち良さはオマンコとは全然別らしいよ。あれだけ大きいと、気持ち良さは生半可じゃないらしい・・・。ボクとしてはテルさんみたいな身体の人とセックスしたい。だから・・・。」
 「だから・・・何?」
 「あっ、いいよ・・・。」
 「途中でやめるなよ。気になるじゃないか・・・。」

 リョウは困ったような顔をしていた。

 「あのさ・・・、ボクは菊野さんの血をひくし、おじさんとも親戚だよ。だからセックスに関してはかなりの変態だし、性的能力は並はずれていると思ってる。」
 「ああ・・・、それは認めるよ。」
 「だからボクは本当にテルさんみたいな人とセックスをしたい。だから菊野さんにお願いして、テルさんみたいな身体の人を作ってもらっている。」
 「何・・・?!」
 「デーモンさんの力を借りればすぐだからね。ボクももうすぐ中学生だから、そのお祝いにってね。」
 「じゃあ・・・俺とは・・・?」
 「今日はせっかく女になったミキさんと最初で最後のセックスをしに来たんだよ。」

 ミキは再び頭が真っ白になった。それは絶望に近い感覚だった。そしてなぜか激しい催しにおそわれた。

 「そんな・・・、クッ・・・、つらい・・・。頼む・・・、もう一度・・・。」

 ミキの股間からはまるで小便のように液体が滴っている。

 「ダメだよ。ボクはテルさんみたいな身体の人としたいんだから。」
 「俺が中途半端だからなの?」
 「そうだよ。まだまだオッパイが小さいし、テルさんのようなダルマの身体の人を知っているから、絶対に無理。」
 「もし・・・もし俺が・・・ママみたいになれば・・・。」
 「そりゃ嬉しいよ。元々ミキさんの事は大好きだし、後ろも前もボクが最初だったでしょ。テールちゃんという宇宙人に取り憑かれているって事も知ってるしね。だけどミキさんとしては大変だね。誰が別の人とセックスして貰うにしても、その秘密を守って貰わなくてはならないし。」
 「無理だよ・・・。そんな・・・。」
 「じゃあね。結構楽しかった。菊野さんに頼んであるボクのダルマ、どの程度迄できてるかなあ。」
 「待ってくれ!! 俺の方が早い・・・。」
 「早い? 何が?」
 「俺が・・・俺がママみたいな身体に成るほうがだ・・・。」
 「それだってダメだよ。単にボクにセックスして貰いたいからの一時しのぎでしょ? ミキさんのママみたいになるって事は、とにかく凄いセックスができ、確かに素晴らしい幸せが待っているとは言え、ボクのセックス道具になってしまうって事だよ。ボクはセックスが大好きだから、いつでもどこでもしたくなったらミキさんを外してダルマにし、何度も何度も絶頂に導かせてしまうんだよ。凄いセックスで喘ぎ続けさせられるんだよ。そんな事をミキさんが望む筈がないじゃないか。本当にテルさんのような身体に成って、ボクと一生幸せでいたいって思っていなければ無理だよ。」
 「思うよ・・・。確かに俺は中途半端だ・・・。ママみたいになっても・・・違う・・・、ママみたいになってこそ幸せになれるんだよ。頼むよ。リョウ、俺から離れないでよ。」
 「フーン、どうかな。」
 「本当だよ。テール、聞いてるな? 俺をママみたいにできるのか?」

 テールが尻尾を伸ばしてきたので、リョウはそれに触れた。

 《そりゃ、ボクはパパの子供ですから可能よ。だけどお姉ちゃんはママみたいにはなりたくなかったでしょう? 私はこの肉体を得ただけでも満足なのよ。確かにママを見ていれば素晴らしいって事は知ってるわ。だけどあの身体に成るだけではダメなのよ。あの素晴らしいセックスにはそれなりの訓練が必要だったのよ。いまのお姉ちゃんには絶対に無理よ。》
 「何が無理・・・なんだ。」
 《肉体的にはセックス依存症なのよ。それにママの感覚って一度身をもって感じたでしょう。あんな凄い快感に耐えられる様になるって、かなりつらい訓練を必要とするのよ。》
 「ウッ・・・、いいよ。リョウとセックスしていられるなら・・・、つらいよ・・・。つらいからリョウの望む身体にしてくれって言ってるんじゃない・・・。俺もママみたいに・・・幸せになりたいんだよ・・・。」
 「本当かな、ミキさん。じゃあ、試してみようか。ちょっと待ってて。」
 「試す? おい、リョウ・・・。」

 リョウは部屋のクローゼットからテルが使っていた搾乳台を引っ張り出してきた。それはミキの家にもあった物と似ているが、テルはそれを使う事を極端に嫌がっていた代物なのだ。

 「ミキさんにこれが使えるかな?」
 「それって・・・ママがSMで使うやつでしょ?」
 「そうだよ。テルさんの場合、ここでオッパイを搾られながら、お尻とオマンコにピストンバイブを突っ込まれ、激しく喘ぐのさ。」

 既にミキは意を決していた。確かにつらそうだが、リョウの望む姿になるという事を見せないとならないと思っていた。

 「それを使えば・・・、リョウは俺と一緒に・・・居てくれるんだな?」
 「そうだよ。」
 「それなら・・・。」

 ミキは激しい催しを我慢し、その搾乳台に近寄った。

 「あ、そのままじゃダメだよ。」
 「エッ?」
 「テルさんと同じ格好でないと、それは使えない。」
 「だから、このままオッパイをこの穴に入れればいいんだろう?」
 「違うんだよね。テール、確認したよね。」
 《ええ、確認したわ。私、嬉しい・・・。》
 「それじゃ、分離!!」

 ミキは自分の意志ではなく、背筋を伸ばして立ち上がった。

 「エッ?」

 手足とベニスの感覚が無くなった。しかし自分のキュッと締まったウエストはしっかりと掴まれている。そして肛門からテールの脳部分に当たる核が抜け出ていく。そして自分の意志ではなく、搾乳台にうつ伏せに乗せられた。乳房がスポッと入った途端、いきなり吸引が始まる。

 「な・・・、何? リョウ、俺に何をした?」

 リョウも目を丸くしてミキを見つめている。

 「何で俺がここに? エッ、そこに居るのは・・・、デーモン? 何で起きあがれないんだ?」

 ミキを外したテールはふらつきながら、固定式の二穴ピストンバイブを尻の方に寄せている。動けないミキは何も分からないかのようにキョロキョロしていたが、両方の穴に異物を感じ、そして激しい悲鳴を上げるのだった。



 「なあテール。分離っていつしたの?」
 《もうとっくによ。ただ、駆動とか触覚は私が直接お姉ちゃんの脳に戻していたから、お姉ちゃんは分離しているって分からなかったのよ。》
 「そうなのか。これでミキさんは俺のセックス道具なんだね。」
 《ええ、だからたくさんセックスしてね。リョウちゃんの精液はとても美味しいのよ。そしてお姉ちゃんの快感の感情は私にも分かるから、とっても嬉しいの。》
 「あの機械でもいいのか?」
 《あれはまだダメ。確かに快感はあるでしょうけれど、刺激が強すぎてお姉ちゃんには分からないと思うわ。パパの話だけど、あの機械で快感の限度を上げるのよ。手足が動かせない分、膣筋の強化が図れるって。そしてもっとウエストを搾り、オッパイを大きくできるのよ。》
 「あれ、ミキさんのオッパイはあの程度でもいいって言ってなかった?」
 《あら、リョウちゃんの望む姿形って言ってたじゃない。やっぱりママと同じ程度にはしないと美しくないでしょ。ママもそうだけれど、やっぱり本物の方がいいのよ。機械は効率よく高めてくれるけれど、心がないのは当然でしょ。ママ達が時々夫婦喧嘩すると、ツトムパパがテルさんをあの機械に取り付けるのよ。凄くつらいらしいけれど、その後セックスするとすぐ仲直り。リョウちゃんだってお姉ちゃんと喧嘩したら、これを使うとすぐにセックス道具だって思い知らされる事になるわ。特にお姉ちゃんの方が年上だから、リョウちゃんへ上から目線で物を言うと思うから、素直にさせる効果もあるわよ。》

 ミキは搾乳台に取り付けられ、乳搾りのマッサージを受けながら、アナルと膣へ振動しながら抜き差しされているピストンバイブに悲鳴を上げ続けていた。そして何度絶頂に達しても終わらないアクメに翻弄され続けていた。

 (助けてーっ!! 目が回ってるよ。オマンコ、きつい・・・。ヒーッ、堕ちる・・・。止めてーーっ!! 身体中がオマンコになってる・・・。アヒーーーーッ!!)

 「なんだか可哀相だね。」
 《仕方ないのよ。ママの場合もそうだったのよ。私が直接知ってる訳ではないの。パパの記憶なの。それに・・・。》
 「それに?」
 《SMって楽しいのよ。リョウちゃんだって楽しいでしょ? あんなにセックスしていたのに、もうオチンチンが固く突き上げてるわよ。》
 「アハッ、テールには分かっちゃうんだな。確かに見てると楽しいよ。いつも兄貴面しているミキさんが、あの台の上で激しく喘いで居るんだから。」
 《それと自分が女のセックス道具になったって言う事を身をもって知るのよ。だからこれからのセックスは女としてのミキさんとできる事になるのよ。》
 「それはいいね。ボクの下でダルマ女が蠢く訳だ。早くセックス道具として完成しないかな。」
 《ママの時よりはずっと早いわよ。だってミキさんはずっとママを見ていたし、私も肉体改造に特化されて生まれたしね。》

 既に限界に達し、失神したままでも肉体は激しい快感に苛まれ続けていた。テールは機械の速度を落とし、ゆっくりとしたピストン、そして弱い吸引にした。



 「イテテ・・・。」

 ミキが目覚めた時、全身疲労で身体はガクガクしていた。ベッドの上で両手を上げ、大きく伸びをする。

 「あれっ? 昨日は・・・。」

 そこにニコニコしながらリョウが入ってきた。

 「ミキさん、お早う。」
 「おう、お早う・・・。あれ・・・? えっと・・・。」

 ミキは手足を少し動かして不思議そうな顔をしていた。

 「おい、テール・・・。」
 《なあに、お姉ちゃん。》
 「俺ってさ、夕べ何か・・・。」
 《何かって何よ。リョウちゃんと一緒に居たいからってママと同じ身体に成ったんじゃない。》
 「エエッ・・・? アーーーーーッ!!!」

 ミキは両手を見つめながらブルブル震えていた。

 「あれって・・・夢じゃなかったのか。本当に俺はダルマになったのか? テール!! お前は俺をダルマにしたのか?」
 《あら、お姉ちゃんがなりたいって頼んだのよ。リョウちゃんといいセックスをしたいからママと同じにしてくれって。だからオチンチンも外したし、オッパイだってリョウちゃんの希望通りにしてって言うから、ママと同じ程度に大きくしたのよ。》
 「オッパイ・・・? ワーッ、なんだこの大きさ・・・。あっ、チンチンは・・・?」

 ベッドから飛び降り、パジャマのズボンを脱いだ。そして覗き込もうとしたのだが爆乳に遮られ、見る事ができない。部屋の隅の姿見を覗いて悲鳴を上げるのだった。

 下腹部にペニスはなかった。そしてテールの皮膚に包まれている真っ黒な物が膣に填り込んでいる。

 《それは元々お姉ちゃんのオチンチンだった物よ。今は私に取り込んで、お姉ちゃんを慰めて上げてるの。ただ、元々が小さかったから、リョウちゃんの物と迄はいかないけれど、大きくして入れて上げてるの。》
 「な・・・なんで・・・。」
 《だから、リョウちゃんの望むような身体にして上げてるのよ。リョウちゃんとセックスしていない時はそれを入れておいて上げるのよ。そうすればリョウちゃんの希望通り、オチンチンが抜けているとつらくなるから、すぐにリョウちゃんとセックスしたいって事になるのね。セックス依存症のセックス道具にしたいって事だから。》
 「テール!! お前・・・。」
 《だから何度も聞いたでしょう。ママみたいになりたいのかって。》

 「テール、ミキさんはまだ道具になっていないの?」

 リョウはミキに近寄り、尻尾を握った。

 《ええ、そうみたいなの。》
 「そうか、それじゃあもう一度躾をしないとね。」
 《はい、分かったわ。》
 「ワーーッ、やめろ!!」

 ミキはパジャマを脱ぎ始めた。もちろんミキの意志ではない。そして搾乳機の方へ歩んでいき、ウエストを両手で押さえる。

 「ダメーーーッ!! この機械、イヤーーーッ!!」

 しかしテールはミキを引き上げ、そのまま搾乳台に押し付ける。

 「リョウ!! やめさせて!! これは・・・。ワーーーッ!!」

 ピストンバイブを押し込まれ、スタートされる。

 「ギャーーーッ!! リョウのセックス道具になってもいい・・・。だからやめさせてーーっ!!」
 「なってもいい・・じゃないんだよ。ミキさんはもうボクの性処理専用の道具なんだ。テルさんと同じになるって言ったからにはテルさんと同じようにセックス依存症になって貰わないとね。だってそれはミキさんの希望でもあったんだよ。」

 既にミキには聞こえていなかった。悲鳴を上げ、のたうち回りながら愛液と涎と涙をまき散らすだけだった。

 何回かのアクメに達した時、バイブが止まった。そしてテール本体がミキを持ち上げ、ベッドに移動する。

 「ミキさん、ダルマでセックスするよ。もし嫌がるようなら、もう一度躾をするからね。」

 ミキは涎の泡を流していて返事ができない。汗だくになっているミキの尻を軽く持ち上げ、ギンギンのペニスを押し付ける。そして一気に貫いた。

 「ハフッ・・・。」

 軽い鼻息を漏らし、ミキは嬉しそうにリョウを迎え入れるのだった。

 (そう・・・、これがリョウ・・・。機械よりもずっといい。弾力のある堅さ・・・。私のオマンコにピッタリのリョウのオチンチン・・・。来て・・・。もっと突いて。リョウを抱きしめ、足を絡める事ができないのが悔しいけど、いいの・・・。リョウ・・・、もっと・・・。)

 ミキの意識は女のセックスダルマになっていた。



 「どうだ? ミキ。」

 まだ繋がったままでリョウが微笑んでいた。そしてミキは顔を赤らめ、照れ臭そうにしていた。

 「いじわる・・・。」
 「どうしてボクがミキをテルさんみたいにしたかったか分かった?」
 「ええ・・・、ママから聞いてはいたけれど、実際になってみて、ママの言う事が分かった・・・。」
 「いいか。ミキはボクの性処理の為の道具なんだぞ。素直になればいつでもセックスしてやる。学校では・・・、もうすぐミキは高校生、ボクは中学生で先輩後輩だけど、家に戻ったらミキはボクの道具だ。分かってるよな?」
 「ええ、分かってます。こんな素晴らしいセックスしてもらえるなら私は喜んで道具でいます。」
 《ね、お姉ちゃん。私の言っていた事がやっと分かって貰えたようね。》
 「分かった・・・。本当にテールは私の事を心配していてくれたのね。」
 「あれ? ミキ、女言葉?」
 「エッ? あ、本当だわ。私って身体は女でも心は男だった筈だけれど・・・。」
 《ウフフ、お姉ちゃん。セックスしている時は女でしょう? 私がコントロールしているのよ。これからもセックスしている時は完全に女になって貰うわよ。常時制御できる訳ではないので、私に組み込まれている時は男の心に戻しますけど。》
 「イヤ、そんなのイヤ。」
 《ダメよ。リョウちゃんは私の旦那様でもあるのよ。いいセックスをして、たくさん精液を出して貰うにはお姉ちゃんはいい女でなければならないの。私とお姉ちゃんは二人で一人だけど、年下でも旦那様の希望に添うような女でいるの。ね、リョウちゃん。どんな希望でも叶えて上げたいのよ。それがいいセックスになる限りはね。》



 「はい、ミキちゃん、これが高等部の制服よ。」
 「エーッ、これは女子用の制服じゃないかよ。」
 「だってあなたは女子生徒なのよ。それにこの服は胸繰りも大きくしてあるから、着るのは楽よ。男子用のブレザーではとても前を留める事なんて無理よ。」
 「それにスカートだとテールが目立っちゃうよ。」
 《あら、私は少しでも表に出られる部分の多い方が気持ちいいわ。》
 「それに気付かないの? あなたの足、かかとを。」
 「かかと? ワッ、テール、ハイヒールみたいになってる。」
 《そうよ。ママ程ではないけれど、高いヒールでしょ。ミキみたいにスタイルのいい娘なら当然ハイヒールでないとね。》
 「こんなんじゃ歩きにくいし、サッカーの時はどうするんだよ。足その物はテールの身体になってるけど、感覚は俺に戻しているだろ。そういう約束だし。」
 《サッカーの時は元に戻すわよ。それに歩きにくいっていっても、私が動きを補助するのよ。ハイヒールだと、胸を少し突き出して歩くようにしないとバランスがとりにくいから、姿勢も良くなるわ。》
 「そうね。ママのヒールはピンヒールなのよ。ほとんどつま先立ち。デーモンさんは平らにしてなんかくれないのよ。」
 《当たり前だ。私とテールとでは立場が違う。テルは私に寄生しているだけの栄養供給器官なのだ。テールは共生の意識が強い。むしろミキに対して快感供給者の立場か。》
 「意地悪言うんだから・・・。でも不便はないし、私もいい姿勢でいられるから、胸の重さで肩こりもしないで済むし。」
 《それにスカートでないとセックスするのに不便なのよ。学校のある日はリョウちゃんと半日以上離れているのよ。それだと私の栄養が不足するのよ。誰かに精液補充して貰わないとならないのよ。》
 「ウッ、それって・・・リョウ以外の男とセックスするって事なのか。」
 《当然でしょ。リョウちゃんだって了解してくれているのよ。ねえ、ママ。ママだってツトムパパ以外の人ともセックスしているものね。》
 「そうよ。どうしてもパパだけではデーモンさんの栄養が足りないから。でもそれってセックスではないわ。ただ精液を出して貰っているだけ。パパとは心の繋がりがあるからこそのセックスなのよ。」      

 渋々制服を着ているところにリョウが入ってきた。

 「こんにちは! ワーッ、ミキさん、格好いい。」
 「ウッ・・・。」
 「高等部の制服って可愛いんだけど、ミキさんが着てると凄いセクシー。」

 ジッと制服を見つめるリョウの視線はミキの胸に集中している。

 「な・・・、なんだよ。どこ見てるんだよ。」
 「エヘヘ、それだけ大きいオッパイだと、ブレザーには入らないんだね。だけどワイシャツに引っ張られる様な皺が出ないのは女物だからなのかな?」
 「ああ、私とかミキ用の服は特注なのよ。どんなに巨乳用の服にしても、ピッタリの物なんか無いの。超立体縫製の乳袋になってるのよ。ブラは必要のないオッパイですけれど、どうしてもお乳が少し滲む事があるので、吸水パットは使いますけどね。」
 「いいなあ・・・。こんなセクシーなミキさんが、ダルマになってボクの下で喘ぐんだから。」
 「この野郎、リョウ!! 誰のせいで俺がこんな羽目になったのか分かってるのかよ。」
 「誰のせいって・・・。そりゃミキさんがボクといいセックスしたいからでしょ。」
 「お前とテールに騙されてこんな事になってるんだぞ。」
 《あ、お姉ちゃん、ずるい。あんなに喜んでくれたのに。リョウちゃん、これはお仕置きが必要ね。》
 「そうだな。テルさん、ちょっとの間だけど娘さんに躾をしますけどいいですよね?」
 「ワッ、ダメッ!! ママ、笑ってないでやめさせろ!」
 「ミキちゃん。あなたの旦那様のご希望なのよ。」
 「イヤだーーっ!!」

 着たばかりの制服をミキは脱ぎ始めた。泣き叫びながら首を左右に振る以外はミキの身体の自由は利かない。そして搾乳台に歩み寄る。

 「ママとしては見ているには忍びないから、皆さんでお楽しみなさいね。」
 「ママーーッ!!」



 《テル、やはり母親としては見ている事がつらいのか?》
 「うーん、少し違うわね。確かに私にはまだ男だった時の記憶が残っているわ。男だったら見ていて楽しいSMよ。だけど自分の息子・・・娘だったわ。娘が自分と同じ様な犯され方をしているのを見るのはつらい。でもそれだけじゃないの。羨ましいというか妬ましいというか・・・。」
 《羨ましい? しかしテルもあの器具に関しては嫌悪感が強い筈だが。》
 「大嫌いよ。ちょっとツトムの機嫌が悪いと、すぐに私をあの台に乗せるでしょ。そしてデーモンさんも喜んでるし。全くとんでもないSM異星人で。」
 《それは仕方がない。目覚めさせたのはお前達地球人なのだから。それにテールからの精神波は私経由でテルも見ている。楽しんでいるのはテルの濡れ方で分かっているのだぞ。》
 「そうよね。デーモンさんは何もかもお見通し。私の時はつらく苦しかったけれど、今は衝撃的な思い出よ。私が羨ましいのはそのつらい時間がミキには短くて済むという事なのよ。」
 《そういう事か。》
 「テールちゃんはミキに私が分離された時のイメージを潜在意識として刷り込んでいたでしょう。だからミキにはある程度の耐性が備わっているし、その後の私の快感も刷り込んであるようね。だから心では嫌がっていても、快感に翻弄されているのは私にも分かります。ただ、その激しすぎる快感に慣れていないだけなのよ。」
 《しかし菊野に言われた通りに準備していたが、こうも簡単にテールがミキの身体を引き継げるとは思えなかったな。》
 「あの人に任せておけば、誰もが幸せになれるわ。ただ、かなり変態ですけどね。」
 《そうだな。菊野にとっては幸せな変態セックスという事が至上の喜びなのだから。ああ、やっとミキは解放されたようだな。》
 「まだまだ高等部への準備があるのに、今日はダメね。リョウちゃんと始まってしまったら、リョウちゃんが充分に満足したとしても、ミキの方から求め続けるもの。」
 《テル、お前もだぞ。》
 「エッ?」
 《ツトムが家でイライラして待っている。搾乳台の前でふてくされてる。》
 「ワーッ、ツトムが・・・。どうしよう。またあれに乗せられたら私は・・・。エッ? アッ、デーモン。私を勝手に走らせないでよ。このスケベ宇宙人!!」



 「ごめんなさい、リョウちゃん。あの機械はイヤ。ハアッ・・・、やっばりリョウちゃんのがいい・・・。」
 「どうだミキ。ボクといいセックスしたいからこの身体にして欲しかったんだろ?」
 「ずるい・・・。フッ・・・、リョウちゃんとセックスしていると、自分でも自分が分からなくなってしまう。そう、もっと頂戴・・・。本当は・・・分かっているの・・・。私はこういうセックスの為に・・・この身体にして・・・貰えたのよ。アハーーン・・・。」

 リョウは片側の乳房をしゃぶっていたが、反対側にはテールの尻尾が絡み付き、乳首を吸い上げていた。

 「どうだかなあ。ミキはテルさんと違い、ダルマの時は完全に女だけど、テールと一緒の時は男に戻っちゃうから。」
 「そんな事・・・ないわ・・・。」
 《私もお姉ちゃんにはずっと女でいて貰いたいけれど、お姉ちゃんの幸せからすれば、お姉ちゃん自身で決めて貰いたいわ。》
 「テール、ダメだよ。ミキはもう聞いてないよ。ああ、本当に気持ちのいいお人形だよ。テール、ダメだぞ、ミキに言っては。躾の為にちょっと荒っぽく扱ってるけど、ミキさんを大好きだった事を。ミキさんもボクを好きなんだろうけれど、まだダルマになったって事で精神不安定だからね。」
 《ええ、分かってるわ。お姉ちゃんにしてもリョウちゃんは大好きなのよ。そしてもちろんセックスもね。ただ、今迄年下の弟みたいに思っていたリョウちゃんをご主人様として対応する事に抵抗があるのよ。だから私と一体の時は年上なんだという事を示したいのよ。》



 「ママ、やっぱり俺・・・。」
 「ダメよ。入学式から休む訳にはいかないの。」
 「だってさあ、よその中学から来たやつも少しは居るけど、ほとんどが中等部からの持ち上がりで、俺の事を知ってる連中ばかりだよ。」
 「だからみんなはミキちゃんの事を知ってるのよ。ママの病気が遺伝したって事になってるし。」
 「だけど恥ずかしくて・・・。」
 「仕方ないわね。テールちゃん、ミキを学校迄歩かせてね。」

 ミキは颯爽と歩き始めた。

 「ワッ、テール!! やめろ!」
 《ダメよ。私だってお姉ちゃんがちゃんとした高校生になって欲しいもの。それに堂々としていてこそ誰もがちゃんとした女子高生って見てくれるのよ。》
 「分かったよ。どうせ俺が嫌がっても歩かせられるなら、自分で歩くよ。それにテールは俺を歩かせるのに、やたらと胸を突き出させる。」
 《それだって考えての事よ。みんなの視線を胸に集める事で、私本体への関心が減るのよ。》
 「そうね。私よりもずっと背が高いから、凄くいいスタイルよ。ほら、周りを見てご覧なさい。みんなミキちゃんを見つめてる。」
 「そうじゃないと思うよ。爆乳親子が珍しいんだ。」
 「ええ、それでも注目を浴びている事には間違いないわ。」

 ミキ達の側にやはり新入生らして少年が近付いてきた。

 「あのう・・・、もしかして・・・山口?」
 「おう、山崎。」
 「山口・・・キャプテンなのか?」
 「ああ、暫くぶり。病気で3年の後半は出られなかったけど、やっと高等部入学式には間に合った。」
 「だけど・・・。」
 「変な顔するなよ。確かに俺は病気ですっかりかわっちまったけど、中身は元のままだ。」

 山崎はピョコッとお辞儀をし、他の新入生達の方へ走っていってしまった。

 「なんだ、変なやつ・・・。」
 「仕方ないわよ。ミキちゃんの変化って自分で思っているよりずっと凄いのよ。」

 そのまま講堂で入学式が始まる。中等部の時と同様、すぐ飽きてしまうが、それでもほとんどが持ち上がりなので、式はすぐに終了し、新しいクラスへと移動する。中等部の時は父母同伴だったが、さすがに高等部となると父母達はそのまま解散。ただ、かなりの人数が控え室になっている特別教室で待機している。父母控え室ではテルが注目されているが、新1年生の教室ではミキが注目の的だった。他のクラスの生徒や上級生迄が覗きに来ていた。

 自己紹介は名簿順なので、ミキはかなり後の方になる。

 「オッス、山口ミキです。中等部ではサッカー部のキャプテンやってました。」

 教室内がざわめく。

 「知っての通り、俺も母さんからの遺伝で、女になっちまいました。母さんの話によると外見は女でも遺伝子は男なんで、女子サッカー部は無理だそうで、俺としても女子サッカーには入る気はないし、男子のサッカー部に入りたいと思ってます。そんな訳でこれからもよろしく。」

 シーンとしていたクラスに拍手がわき起こった。



 オリエンテーションが終わり、皆がそれぞれ帰り支度をしていると、上級生が教室に入ってきた。

 「サッカー部でーす。山口ってのは?」
 「あ、俺ですけど。」
 「イヤ、中等部でキャプテンやってた山口だ。」
 「それが俺ですけど。」

 上級生は硬直し、そしてゆっくりとミキの姿を上から下へと見つめる。

 「お前があの・・・山口か?」
 「はい、そうです。中等部の時からはちょっと身体付きが変わりましたが、高等部でもサッカー部にお世話になりたいと思ってます。」

 そして別のクラスになっていた山崎が顔を出した。

 「中等部のキャプテンの山口に間違いないです。」
 「じゃあ、あの噂通り・・・。」
 「大学の山口教授の息子さん・・・娘さん? ですけど。夏休みに発症してしまって・・・。」
 「そうか・・・、だけどその身体だとサッカーは・・・。中等部の時はいい線いってたんだけどなあ・・・。」
 「お願いします。力は落ちてないと思いますが。」
 「そうかもしれないが、男ばっかりの中にお前みたいのが入ったら、その・・・。並の女よりもずっと凄いお前が・・・。」
 「中身は男なんてすよ。お願いします。」
 「あ、ああ・・・。前例がないからなあ・・・。顧問に相談し、協会に確認をとらないとならないな。一応、部としては山口を入れようって話になっていたが、こればっかりはなあ・・・。取りあえず仮入部とし、OKが出たら正式に入部ってことでいいか?」
 「いいですよ。」
 「分かった。あ、それとユニホームだけど今のお前に合うサイズは無さそうだけどどうする?」
 「制服だって合うのはないですよ。全部特注なんです。だからユニホームも作ってもらいます。」
 「そうか・・・。新入生歓迎会は来週だ。その時に歓迎試合をする。例年通り桜岡高校の新入生との交流試合だ。今年こそって思ってたんだけどなあ・・・。」
 「今年こそ・・・って?」
 「交流試合が始まって今年で8年目なんだが、全敗なんだ。山口が入ってくれば一矢報えると思っていたんだ。」
 「頑張りますよ。」
 「おう。期待してるぞ。」

 そう言ってはいるが、明らかにガッカリしている様子がうかがえた。

 「なあ、山口・・・。」
 「ん?」
 「本当にお前の病気は治ったのか?」
 「ウーン、治ったと言うよりも治まってるって事かな。」
 「そうか、ちょっと残念だな。」
 「あ、この野郎。試合前の・・・特効薬を・・・。」
 「今はあの時程は必要としていないが、それでも特効薬には違いないけどな。」
 「何?」

 山崎の顔が輝くのを見て、ミキは山口の腹に軽く一発かますのだった。



 交流試合のメンバー表を交換する。桜岡の監督が一度ベンチに戻ったが、すぐに心性学園側のベンチに走ってきた。

 「心性さん。このメンバー、11番ってあの生徒ですか?」
 「ああ、そうですよ。中等部がキャプテンをしていた山口です。」
 「あの女子生徒が?」
 「アハハ・・・、そう見えますよね。でもあれは病気で女の身体になっただけで、中身は男ですから。」
 「しかし・・・。」
 「当学園の大学の山口教授をご存じですか? そのご子息・・・というかご令嬢というか、とにかく山口教授のお子さんで、遺伝で同じ病気になったらしいですよ。」
 「ああ、あの山口教授の・・・。しかし女だろうが手加減はしませんよ。」
 「おや、私は山口のお陰で連敗が止まると思っているのですが。」
 「まさか。まあ、少しは楽しませてくださいよ。」

 どちらの監督もニヤニヤしていた。



 「エッ? あいつ、女じゃないんですか?」
 「だそうだ。病気とかであんな身体になったらしい。しかし姿形が女であっても手加減するなよ。」
 「チャージングが多くなりそうですね。」
 「おう、反則をとられない程度にな。」

 しかし試合開始とともにミキの凄さは両チームを驚愕させた。心性学園の監督で、ミキの事をかなり分かっている監督でもミキの爆乳でのスピードの低下を考慮し、ハーフバックとしてスタートさせていた。しかし相変わらずのノールックパスや、ゴール前の競り合いでもミキは常にいい位置でディフェンスをしていた。

 0対0で前半を終えた。

 「山口、確かにお前の力は落ちてないな。後半はポジションを変える。お前はセンターホワードに回れ。」
 「はい。」
 「これでオフェンス陣は中等部のサッカー部のメンバーだな。山口を攻撃のメインにする。山口、何か言っておく事は・・・。」
 「あのう・・・。」

 ミキは照れ臭そうにしながら、

 「中等部の最後の試合でも分かっていると思うけど、あの時よりもトラップに関してはちょっと落ちてる。だから俺へのパスは上か足下へ・・・。」
 「どういう意味だ?」
 「監督。山口は凄く視野が広くてノールックのボレーがうまいけど、胸でのトラップが鬼門なんですよ。」
 「エッ? ああそうか。確かにそうだな。」

 心性ベンチは笑いに包まれていた。

 (テール、今日は調子いいな。お前が俺を助けているのは分かってる。)
 《ええ、私にとっても初めてサッカーに参加できてるから楽しいわ。でもお姉ちゃんの意志で動いているのよ。私の身体ができたから見える範囲が広くなっているのがいいのかしら。》
 (そうだよ。それがかなり大きい。今度はオフェンスだから、目一杯動くぞ。)

 後半が始まり、ミキの動きは更に良くなっていた。ステップバックしてディフェンスが引き寄せられた途端、再度をすり抜けペナルティーエリアに飛び込む。そこに高めのパスが送られる。

 《お姉ちゃん、オーバーヘッドキック!!》
 「おう!!」

 ミキの身体が回転しながら宙を舞う。そして・・・。

 「すげーーっ!!」
 「山口!!」

 「思ってた以上にやるな。ノールックシュートが得意だと聞いている。あいつに二人付け。イヤ、三人必要かも。とにかく絶対フリーにはさせるな。」

 さすがにガードがきつくなると、ミキへのパスは減ってしまう。その分ミキ以外へのパスが多くなるのだが、すぐにインターセプトされてしまうのだ。

 「もう1点欲しい。残り時間が少ないが、無理を承知で山口にパスを送れ。いいな、山口。」
 「はい。」



 《お姉ちゃん、もうほとんど残り時間無いよ。》
 (分かってる。しかしこれだけガードされると・・・。オッ、来るぞ。)

 低く鋭いパスがゴール前に来る。ミキが飛び込んでいく。しかしディフェンダーの伸ばした足がボールの軌道を変えた。ミキの胸元へと飛んできた。そしてテールの意志でミキの身体は大きくひねられた。
 ミキの巨乳がそのボールを弾き飛ばし、ゴールネットを揺らすのだった。

 (イテーーーッ、テール、この野郎・・・。)
 《だって私だって勝ちたかったんだもの・・・。》

 桜岡の監督が走り込んできて、しきりにレフリーに抗議していた。そして試合終了のホイッスルが響く。それでもまだ監督の抗議は続いていた。



 「なあ、向こうの監督はなんだって抗議してるんだ?」
 「良く分からないですが、最後のシュートが反則じゃないかって事らしいですよ。」
 「反則? 別にオッパイでシュートしても反則にはならんと思うが。まあ、あのオッパイは完全に反則だけどな。」

 心性ベンチは再び笑い声に包まれた。

 「向こうの言い分はドーピングとか肉体改造の違反とか・・・。豊胸手術で膨らませてるんじゃないかとか・・・。」
 「あ、レフリーが来ます。」

 「すみません。あの11番の選手ですが。本当に男なんですか?」
 「男ですよ。しかし女子であったにしても男子サッカーに女子が入ってもいい事になっている筈ですが。」
 「それは」協会でも確認済みです。ただ、あの胸が試合に有利に働くような手術をしているのではないかという抗議なのです。あるいはユニホームの下に何か入れているのではと・・・。」
 「なるほど。おい、山口。確認させてやれよ。」

 しかしレフリーは困った顔をしていた。

 「はい、いいですよ。脱ぎますから調べてください。」
 「イヤ・・・そうは言っても。」

 そこに桜岡のマネージャーの女子生徒が走ってきた。

 「監督が私ならいいだろうって・・・。」
 「俺なら誰でもいいのに・・・。」
 「そうはいきません。こちらの女子更衣室へ来てください。」
 「女子更衣室? なんだか気恥ずかしいな。」

 マネージャーがミキの手を引っ張って走っていった。



 「脱ごうか?」
 「いえ、捲り上げるだけでいいです。乳房が見えればいいですが。」
 「ウーン、オッパイにピッタリとした縫製にしてあるから外しにくい。」
 「あら、中身は本物の乳房なんですね。」
 「ああ、ただお乳が出ちゃうので吸水パットは使ってるけど。」
 「お乳が出る? 本当ですか?」
 「そうだよ。本物だからね。ほら・・・。」

 ミキははだけた乳房を揉みながら乳首をちょっと引っ張る。すると真っ白の液体が糸を引いたように噴き出すのだった。

 「ウワッ・・・、本当なんですね? こんなオッパイでも男なんですか?」
 「元々が男なんだけど、母親からの遺伝で肉体的には女になっちゃってるけどね。ああ、俺の母も元々は男だったんだ。女になってしまう遺伝なんだよ。ほら、ここの大学の性転換した教授って話を聞いた事がない? 俺はその教授の息子で、今は娘かな。」

 マネージャーの女子生徒は呆然としていたが、すぐに飛び出していった。



 「それで相手は納得したの?」
 「さあな・・・。まあ、親善試合だから問題にはならないと思うけど。さて、シャワーを浴びて・・・。」
 「おい、ミキ。なんでボクがここで待ってたか分かってるよな。」
 「分かってるよ。しかしどうして俺がお前のようなちびっ子に命令されないと・・・。ワッ、テールやめろ!!」

 テールがミキを外し、ベッドに転がした。

 「本当なら搾乳台で躾をしたいんだけど、ボクの方が我慢できないからね。それに汗まみれのミキって凄くいい匂いだから。」
 「アーン、リョウちゃん、意地悪・・・。来て・・・。」

 剥き出しの股間は既に膣口が開き、愛液が糸を引いて流れ出していた。



 「ねえ、デーモンさん。ミキちゃんはあれでいいの?」
 《あれとは?》
 「ほら、リョウちゃんとセックスしている時は完全に女になっているけれど、そうでない時は以前のがさつな男の子よ。私から見てもセクシーなのに、女らしさが全然無いのよ。」
 《そういう点には私にも良く分からない。ただ、菊野はあれで良しとしている。》
 「あれでいいの?」
 《菊野の言によると、リョウはSでもあるがMの気もあるそうだ。だから普段はミキが上位で、セックスの時はリョウが上位になるらしい。それがリョウの気質だそうだ。これも興味深い面白い夫婦であるな。おい、テル。ツトムがまた催しているぞ。》
 「キャッ、大変。早く行かないと・・・。」

 ミキもいそいそと寝室に向かうのだった。


 「フウ・・・。まだまだボクって子供なんだよなあ・・・。」
 「あら、リョウちゃん・・・。」

 リョウはダルマのミキと繋がったまま、乳房をまさぐっている。

 「だってさ、気持ちはまだまだやりたいのに、疲れちゃってさあ・・・。」
 「あらあら、4回も連続で出してくれたのに。それに固いままよ。私が男だった時、テールに搾り出されていたけれど、とてもこんなには出せなかったわ。」
 「それにおじさんみたいにテルさんを持ち上げたままでのセックスはまだできないし。」
 「それはそうね。ママは小柄だから私よりはずいぶん軽い筈よ。」
 「それだけじゃないんだよ。テルさんは大学教授だよ。デーモンの力を借りてるとはいえ、凄いと思う。ミキにしたってサッカーは凄いし、目立たないとはいえ勉強だって凄いよ。たとえテールの力を借りなくたって、ボクよりはずっと上だ。」
 「どうしたの? ずいぶん弱気だけど。」
 「正直なところ、ボクは心配なんだよ。凄いセクシーなミキと小さなボク・・・。釣り合いがとれなくて、いつかミキが別の男の人を・・・。」
 「アハハハハ・・・。」

 ミキが大きな笑い声を上げるとリョウは顔をしかめる。

 「そんな事、全然心配じゃないわよ。だってリョウちゃんはどんな男性にも負けないわ。だって、私の中に入れてくれている物だけでも私の方から離さないわよ。」
 「ミキもテルさんみたいに教授になるの?」
 「それはまだ分からない。」
 《私だってパパ程ではないけれど、デーモン星の科学の知識はあるわ。お手伝いできるわよ。》
 「それはダメよ。デーモンさんは生物学者として遺伝子解析の専門家だけど、ママはその方面の研究をしていないのはなぜだと思う? あまりにも地球の科学とかけ離れて進んでいるのよ。だから今の先端科学でもデーモンさんから見れば遙か昔の科学なのよ。ママはあまり目立った成果を上げてはいけないの。ほんの少し先程度でいいのよ。」


 「ミキだってかなり頭がいいし、テールちゃんだってデーモンさんの知識を受け継いでいるでしょう?」
 《そうだが、さすがにまだ早いと思っている筈だ。それに今のテールには別の仕事で忙しいしな。》
 「仕事?」
 《テールは私の子供だぞ。そしてミキの身体に成れた。そうしたら次はどうすると思う? 当然私の時と同じ筈だ。》
 「ええと・・・、エッ? まさか・・・。」
 「何っ?! まさかミキの身体の中にテールの子供を?」
 《当然だろう。まだ作ってはいないらしい。今は遺伝子改良の最中の筈だ。》
 「ダメよ、デーモンさん。ミキに迄可哀相な事をさせないで。」
 「おい、テル。確かミキが生まれる前に、言っていた事と違うぞ。」
 「やっぱり男だったのに、女になってしまうって事は凄いショックよ。それに手足を失うという事も・・・。」
 《だから次はそうならないように考えているようだ。》
 「そんな事が・・・できるのかしら・・・。」
 《テールの遺伝子工学能力はさすがに私よりも遙かに劣る。しかし地球レベルではかなり上なのだ。それを理解できる者と言えば菊野くらいだろう。だからテールは菊野に相談しながら改良しているようだ。》
 「ウワッ、菊野さんが絡んでいるのか? それじゃあ・・・。」
 「そうね・・・。ミキの子供も・・・確定なのね。」
 《そうだ。ミキの子供も私の孫と一緒に幸せになるという事だ。》

 デーモンの笑顔の感情はテルとツトムにも心地よく広がるのだった。 



    ・・・・・終わり・・・・・


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