妖 姫達磨(あやかし ひめだるま)



 「ウォラーーーッ!!!!」
 「アヒーーーッ・・・。」

 森の中に甲高い気合いと悲鳴が響く。子供の様な影を女の影が追い掛けている。女はその身体に似つかわしくない、大刀と言うよりも遥かに大きな刀を振るっている。その刀で子供を斬ろうとしているのだ。その刀は途中の樹を切り倒し、岩をも裂いてしまう程の威力だった。

 「た、助けてくれ、繭。儂(わし)の話を聞け。」
 「もう沢山じゃ。お前の虚言で父も母様も・・・。」

 追われている子供は人間ではなかった。背は童子の様に低いが、その顔の皺は子供ではなく、飛び出た大きな目はまるで蛙の様である。刀を避けつつあちこちと逃げ回っているのだ。そして刀を振るっている女はまだ若いがそれも普通の人間ではなかった。長い髪がボロ布の様に逆立ち、目は爛々と光り、そして悪鬼の様な形相だった。しかしスタイルは素晴らしく、暴れ回りながら、時々胸が裸けてしまうのだが、そこには巨乳と言うべき良い形の乳房が揺れていた。しかし裾が割れる時、股間には女性に相応しくない大いなる逸物が突き出るのだった。

 「私は騙されぬ。お前を斬り殺してこの呪を解く。待てーっ!」

 女は激しく刀を振った。童子はかろうじて刀を避けたが、その刀の勢いは激しく、空間を切り裂いたのだった。




 「ウワーッ、遅刻!」

 心生学園中等部一年、姫乃達麻。例にもれず小柄の美少年で、やや長い髪をなびかせている。

 「まずい。あと五分。」

 腕時計を見ながらまだ先の校門を見ながら息を切らせて走っていた。そしてその時、壁に不思議な切れ目を見付けた。壁の向こう側は確かに木々が植えられているが、それでもその隙間から見える光景はまるで深い山の様に樹が入り組んでいる。しかし遅刻寸前の達麻にとり、それは近道としか思えなかった。

 「しめた。」

 達麻の壁の隙間を通り抜け、中に入った。




 「繭! 助けてくれ。何でも主の言う通りにする。」
 「それなら死ね! 死んで呪を解け!」
 「ヒャーッ!!」

 童子は振り下ろされる刀を避けながら逃げまどった。そしてハッとして不思議な少年の存在に気付いた。童子にとり、それが魔の者であろうと人間であろうと構わなかった。その少年の陰に隠れる。

 「な・・・、何?」

 少年は不思議な面様の童子に慌て、そして自分にめがけて凄さまじい勢いで刀を振り下ろしてくる女に悲鳴を上げた。

 「どけーーーっ!」
 「キャーーーッ!」

 意味は分からないが、それでも女の放っている氣が激しい殺気である事は分かった。ほんの瞬間ではあったが、まるでスローモーションの様に刀が振り下ろされてくる。それは理不尽な死を予感させた。凄さまじい勢いの刀が達麻を切り裂いた・・・、と思った瞬間、なぜか刃先が弾かれる様に流れて岩を切り裂いた。

 「何?」

 女に焦りの表情があった。しかしそれ以上に強い憎しみを感じる。達麻の後ろの魔童子は震えたまま達麻にしがみついていた。

 「貴様、邪魔するな!」

 女は太刀を抱え、達麻越しにその童子を貫こうとかまえた。

 「ワーーーッ!」

 キーンという鋭い音がして、刀が達麻に突き刺さった・・・、筈だったが、やはり達麻の寸前で弾かれ、刀は岩に深く喰い込んでしまった。

 「ウッ・・・?!」
 「しめた・・・。」

 その隙に魔童子は達麻の影から抜け出し、一目散に逃げ出した。

 「アッ、待てーーっ!!」

 女は慌てて岩から刀を引き抜こうとしたが、深く刺さった刀は簡単には抜けなかった。
 達麻は失禁したまましゃがみ込んでいた。



 「貴様、何者だ?」

 女は達麻の胸ぐらを掴んで揺すった。

 「あ・・・、助けて・・・。殺さないで・・・。」
 「お前も魔の者か? そうではないな。破魔の剣を弾くのだから。しかしなぜ邪魔をした? 千載一遇の・・・。ウーッ、怒りが、悔しさが募る。」

 女はますます顔をひきつらせて震えていた。

 「女のくせに私の願いを砕きおって・・・。その報いは・・・。」
 「女? ボクの事? ボクは女じゃない。男だ。」

 言葉はハッキリしていたが、それでも恐怖に震えていた。

 「男? 貴様、男? それでは・・・。」

 なぜか困った様な表情が浮かんできた。そして震え出していた。

 「男? ウウーッ、私の『男』がたぎる。このままでは・・・。爺! 居ないのか? ウッ、ダメだ・・・。このままでは・・・。いや、やっぱり貴様は女だ。しかし・・・。」

 女は達麻の襟を掴んだまま激しい形相をしている。

 「このままでは・・・『妖』に飲み込まれてしまう。爺、後始末を・・・。」

 血走っている目で達麻に凄む。

 「女、変わった衣服だが、異国の者だな? 脱げ!」
 「お・・・女じゃないよ・・・。」
 「うるさい! 自分で脱ぐか? それても我に殺されて脱がされるか?」

 達麻は女に激しい殺気を感じた。震える手でベルトを緩めるのだった。なぜかは分からないが、自分を女と思い込んでいるのを質さないと本当に殺されてしまうと思えたのだ。

 「エッ・・・?」

 達麻がズボンを下ろし、失禁で濡れていて縮み上がっているペニスが見えた時、その女は驚きと絶望の様な声を上げた。

 「男・・・? 間に合わない・・・。このままでは私は・・・。」

 一瞬力の抜けた女だったが、首を振るって精神を立て直した。そして女は着物の裾を裸けた。

 「エッ?」

 達麻は女の股間から突き上げていた『腕』に呆然とした

 「男でも構わない。これだけ女と見紛う様な童であるなら。私の『怒り』を、『妖』を、『男』を治めないと・・・。」

 達麻は恐怖で震えていたが、いきなりその『腕』を口に突き込まれた。それでもまだ達麻には意味が分からずに恐怖が勝っていた。女が達麻の顔を掴んで腰を前後させた時、やっと意味が分かり悲鳴を上げるのだった。しかしその時には既に口の中の異物が大きく膨張していて、僅かな音にしかならなかった。

 (ヒーッ、オチンチン? イヤーーーッ!)

 達麻は焦って女を振り解こうとし、口の中の嫌悪すべき『物』を吐き出そうとしたが、女の強い力に押さえ込まれ、物理的にも吐き出せる大きさではなくなっていた。

 (ギャーーッ、ボクの口でセックス? ヒーッ、生臭い液が・・・。ワーッ、ボクの口の中に出されてしまう・・・!!)

 激しくもがくのだが、その瞬間はすぐにやってきた。熱い粘液が達麻の喉に突き刺さる。口内一杯に填まり込んだ『物』の為に空間は無く、突出した液体は塊となって喉に捻込まれるのだった。

 「グォーーーーッ・・・。」

 唸りの様な悲鳴とともに達麻は意識を失うのだった。




 達麻は嗚咽とともに意識を取り戻した。口の中にはまだ汚らわしい感触が残っていて、飲まされた汚物を吐き戻そうとした。手を動かそうとしたが、後ろ手に縛られていた。

 「ヒーッ・・・、何を?」
 「目が覚めたか?」

 達麻はハッとして恐ろしい女を見つめた。しかしその女は先程迄の鬼女ではなかった。まだ恐ろしい形相は残っているものの、美しい女性である。達麻は幾分恐ろしさが消えたものの、それでも精液を飲まされた汚辱に震え続けていた。

 「フーッ、少しは治まったが、まだまだ『男』のたぎりが治まらぬ。それにしてもやはり口では物足りぬ。とは言え困った。私の顔を見られてしまっているからのう。爺の術で治められるか・・・。」

 達麻は後ろ手をモゾモゾさせながら恐ろしい中で口を開いた。

 「お・・・お姉さん・・・なの? 誰? ここは?」
 「ウフフ・・・、私の秘密を知られてしまったからのう。このままでは済まぬぞ。それよりも不可思議な服装じゃな。この国の者ではないのか?」
 「この国? ボクは日本人だよ。ここは? 東京ではないの?」
 「ニホン? トウキョウ? 何だ? やはり異国の者か。ここは多分『若菜』と『春山』の国境辺りだろう。」
 「ワカ・・・? どこ? そうだ、さっきの変な・・・。」
 「ほう。知らぬのか・・・。だとすると私の事も知らない様だな。ウーッ、ダメだ・・・。また、募ってきた。」

 女がブルッと身を震わせた時、座っている衣服の隙間から突き上げたペニスが顔を出した。

 「イヤーッ、オチンチン喰わえさせないで!」
 「さっきのは特別じゃ。あのままでは私は『妖』に堕ちてしまったからだ。それに出せたとはいえ、それ程気持ちの良いものではなかった。やはり女との交合いでないと良くない。」

 達麻はまともにペニスを見ていられない。

 「お姉さん・・・、ニューハーフ? アッ、オカマ・・・。」

 達麻はズボンを脱がされていて、尻が丸出しになっているのに気が付き、後ずさりした。

 「ニュー・・・? 何の事だ?」
 「だって・・・、お姉さん、男なんでしょ? イヤだ、オカマ掘らないで。」

 女は少しムッとした顔で達麻を睨んだ。

 「私は女だ。この男根は呪で付けられたものだ。お前が邪魔をしたあの魔物にな。あの魔を殺せばこの呪が解け、女に戻れたものを・・・。ウッ、ダメッ・・・、怒りが募ると・・・。」

 女は必死に落ち着こうとしていた。

 「子供、お前の名は? どうせ爺の術でお前の記憶を消さねばならぬ。私の秘密は守らねばならぬからな。異国の話を聞く事で、私の『妖』の募りが紛れる。私は繭(まゆ)という。」
 「ボク・・・、姫乃達麻(ひめの たつま)・・・。」
 「達麻? どこの姫のものなのだ? 玩具にされているのか?」
 「違う・・・。苗字。」
 「不思議な名前だな。やはり異国の者か・・・。」

 繭の表情が少しずつ解れていき、段々と優しい女性になっていく。達麻の恐怖心は少しずつ減っていくが、口内射精をされてしまった恥辱感が強まっていく。

 「お願い、解いて・・・。ズボンを・・・返して。」
 「逃がす訳にはいかぬ。爺が来たら、お前の記憶を消して貰わねばならぬ。大人しくしておいた方がいいぞ。まだまだ私の『妖』はたぎっている。怒りが戻ると、私はお前を殺してしまうかも知れぬ。人間としての私はお前を殺したくない。しかし『妖』の私はそうではない。」

 達麻は大人しくせざるを得なかった。

 「ところで先程、私の事を何とか言っていたな? お前の国にも私の様な呪を受けてしまった者が居るのか?」
 「呪? それって・・・? 男の人で、胸を大きくして女みたいに成っている人? ニューハーフの事?」
 「呪を知らぬのか? しかしどこにも可哀想な者は居るのだな。」
 「可哀想・・・って、自分から手術を受けるのだから・・・。」

 繭は少し驚いて達麻を見つめた。

 「お前・・・、嘘を言っている目ではないな。自ら? 望んで女に成るというのか? 信じられん・・・。交合いの感覚からは分かる気もするが・・・。確かに男根のその瞬間の感覚は素晴らしい。私は魔童子を倒して女に戻りたいのは本当だが、それでも男根の良さが無くなってしまうのは惜しい気もする。乳房の良さと男根の良さは別物だからな。」

 達麻は突き上げている繭のペニスを恐ろしそうに見つめているのを繭は怪訝そうにしていた。

 「心配するな。さっき精を飲ませたのはやむを得ない事だった。もうすぐ私の従者が女を拐かしてくるだろう。私の『男』がたぎってしまうと、女と交合わねば治まらぬ。特にもうすぐ満月じゃ。その時期は普段でもつらいからのう。」
 「拐かし?」
 「それも心配は不要。爺の術で記憶は残さぬ。私の父も同じ呪を受けていたので、母と夫婦となる迄は爺が父の為に毎月女を拐かしてきていたそうな。私の場合は絶対に知られてはならぬので、二日程犯せば元に戻す。女にとっては神隠しにあった様なものだ。大体私は呪を受けているからここは男なのだぞ。男がどうしてなよなよしているとはいえ男を犯す事が出来るのじゃ。」
 「だって・・・、オカマは・・・。」
 「オカマ? それは何じゃ?」
 「知らないの? 男の人と男の人で・・・。」
 「まさか・・・、一体どうやって結ばれる? マンコは無いのだぞ。まさか尻の穴で・・・。」

 繭は自分としては冗談を言っていたつもりだった。しかし達麻がビクッとして、無意識に尻を隠そうとしているのを見て驚くのだった。

 「本当なのか? 考えた事もなかった。大体尻の穴では便が付き・・・。それよりも大きさが違う。男根が入るとは・・・。まあ、大便も太い物であれば・・・。それにしてもきつくて・・・。きついのはいいのか・・・。ただ、私の男根は『犬』の呪だから・・・。フム、一度位なら試してみるのも良いか。どうせ記憶を消してしまうのだから。」

 繭が舌嘗めずりをしながら達麻に近付いてきたので、達麻は悲鳴を上げた。

 「ダメーッ! よしてよーっ!」

 繭は強い力で達麻を後ろ向きに引き寄せた。ズボンを脱がされているので、繭のヌメッとしたペニスが尻に触れた。

 「ヒーッ・・・。」

 そしてハッとした時には肛門に強い痛みが走っていた。

 「ギーーッ・・・。」

 逃れようとする達麻を更に引き寄せ、肛門におぞましい異物が押し込まれてくる。激しい便意と汚辱感に全身の水分が汗となり涙となって溢れ出た。

 「グフッ・・・、ギブッ・・・。」

 肛門がメリメリと音を立てているが、直腸の中で亀頭が大きく膨れ上がった。

 「フムッ・・・、やっぱりきついけれど、意外に良いものだ・・・。」

 達麻はただ痛みに耐えているだけだった。肛門に緊張を与えると裂けてしまいそうだった。しかし繭が腰を前後に動かし始めた時、それが何を意味するのかが分かり、達麻は激しい悲鳴を上げるのだった。

 「イヤーッ、ダメーッ・・・。しないでーーーっ!」

 そしていきなり大腸の中に熱い迸りを受けるのだった。

 「ハァッ・・・。」

 達麻にとって、それが自分の『男』を否定する汚辱の異物であった。オカマを掘られる事は激しい陵辱ではあるが、体内に精液を受け入れるという事でそれが確定してしまった。悲鳴も途切れ、僅かな嗚咽と溢れ続ける涙のまま精神作用がストップしてしまった。最初の激しい勢いの放精の後も繭のペニスはトクトクと精を溢れさせ続けている。精液は勢いを失いながらも少しずつ達麻の大腸を逆流していく。

 「フーッ、大分治まった。それにしても予想外に良いものだな。」

 繭は胡座(あぐら)座りになり、達麻を抱き抱える。すると繭の幾分弾力性を取り戻したペニスは先端が細く鋭くなり、ずるっとS字結腸を通り抜ける。

 「グキッ・・・。」

 強い鈍痛と、下痢の様な激しい便意が起きるのだが、達麻にとってはオカマを掘られてしまったという事の方が強いショックであり、相変わらず放心状態だった。

 「フーン。男根の気持ち良さはあまりないのに、こんなに嬉しいのはなぜ? 女壺での抜き挿しをしてこそ気持ちが良いのに、尻の穴はきつ過ぎて無理。いつもの様に手足を絞られた女でこその陵辱感の筈なのに、この様に暴れていても楽しいのは・・・? 乳房を掴み上げ、嬲りながらの交合いでないのに、この高まりは?」

 繭は達麻の体内のペニスに再び高まりを感じた。

 「ああ・・・、顔か? いつもは顔に革袋を被せているからのう。それでも良いものだったが・・・。私を見られてはならないからなあ・・・。父が母様を愛し続けていたのも今の私には分かる。」

 しかし大きく首を震った。

 「それと魔童子の呪とは別物。この男根は父の呪と同じだから、同じ影響を受けているだけ。半妖半人であっても、私は女。女としての幸せを得たい。だけど・・・。」

 繭はペニスの抜き挿しをしたいのだが、アナルセックスに繭の巨根では無理だった。それでも激しい迸りをするのだった。

 「グヒーーーッ!」

 いきなりの大量の塊が達麻の大腸を逆流する。腹部がその形にプクッと膨れ上がり、意識を失ってしまうのだった。




 「姫! 繭姫!」

 老人が大きな鎧櫃(よろいびつ)を背負って走っていた。明らかに重い物が入れられているのだが、その足取りは人間業ではなかった。深山の闇の坂道をヒョイヒョイと跳ぶ様に走り上がってくる。

 「権爺(ごんじい)、こっちじゃ。」

 その老人の気配に気付いた繭が声を上げた。大きな声ではないが、老人はすぐに気付き、繭の方へ走り寄った。

 「姫、こちらでし・・・? ウッ、既に・・・?」
 「済まぬ。魔童子には逃げられてしまった。その怒りが激しくて、爺の拐かしを待っておられなんだ。」
 「困りましたのう。満月にはあと一週間ありました故、準備しておりませなんだ。魔童子を追われたからには、念の為と女を用意しましたが・・・。顔を見られてしまった女では、儂の術も時間が掛かりますぞ。それにこの拐かしてきた女も、術と薬で発情(さか)らせてありますで、繭姫様の精を施さねば死なせてしまいます。やむを得ませんのう。こちらの女にいつもの様に交合って下さりませ。そちらの女にはその間に術と薬で強く発情らせておきます。革袋の代えは在りませんでのう。」
 「それがのう・・・。」

 繭は頭を掻きながら、失神している達麻の顔をひねって爺に向けた。

 「はあ、その様な童を・・・。姫様の逸物では・・・。」
 「そうではない。」

 身体をひねって爺の方に正面を向かせた。

 「エッ? ・・・アアッ・・・。」
 「そうなのじゃ。男なのじゃ。」
 「男・・・。姫様、鶏姦なぞ・・・。」

 爺は唖然として照れ臭そうにしている繭と失神している達麻を見回した。

 「しかし・・・。確かに女子の様な顔の男じゃが、いくらたぎっていた姫様でも男と女の区別は・・・。第一、女壺が無いのじゃから、交合う時には分かるでしょうに・・・。」
 「済まぬ。下履きを脱せる迄気が付かなかった。しかし魔童子に逃げられた怒りが強過ぎて、男でも仕方なく、口に喰わえさせた。しかし爺も女子と見間違う程に可愛らしい童じゃ。しかも破魔の剣で切り裂いた異界の隙間から来た者らしい。まさか男でこの様に精を施すとは思わなんだ。」
 「じゃが・・・、姫様、この者を如何なさります? 術は効きませぬぞ。」
 「効かぬ? 男ではダメなのか?」
 「左様で・・・。女には薬を女壺に塗り込み、発情らせておいて繭様の逸物を突き込みますのう。女は我を忘れて良がり狂います。そして記憶すら失う程に激しく良がるのですぞ。男では・・・、女壺が無ければ発情らせられませぬ。どの程度迄薬が効くものか・・・。」

 繭は眉をしかめた。

 「では、どうすれば良い?」
 「一番簡単なのは死なす事。異界の者というならば、それが一番確実でしょう。」
 「それはダメッ。異界の者とて人間には違いない。私に人を殺す事は出来ぬ。たとえ爺にでも・・・。」
 「しかし記憶を無くせねば・・・。あとは下人として、従者とするしかありませぬなあ・・・。」
 「従者? それなら良い。退魔屋としての仕事は無理じゃろうが、こういう可愛い少年を手元に置くのは良い。それに・・・。」

 繭はちょっと顔を赤らめた。

 「鶏姦というのか? これも思ったより楽しい。別の男では気色が悪いが、この子は良い。満月の時に私がたぎった場合はやはり女でなければならぬのだろうが、普段の時ならこの少年で楽しみたい。」
 「繭姫様、この子供で? ずっと精を施す為に随伴なさると?」
 「ダメか? いつも精を出しておければ、満月でも女を拐かさずに済むであろう?」
 「それはそうですが・・・。まあ、繭姫様のご所望とあらば・・・。それでも術には時間が掛かりますのう。まあ、宜しい。この女の革袋を使用せねばなりませぬ。こちらの女に精を。終わる迄は逃げられぬ様に縛っておきますで。」

 繭はゆっくりと達麻の肛門からペニスを引き抜いた。大腸に直接圧入された精液は、肛門が拡がりっ放しであるにも関わらず、流れ出ていない。権爺は細い革紐で達麻のペニスの付け根の部分を睾丸の向こう側で縛るのだった。そして紐の端は背負っていた鎧櫃の一端に縛り付けた。

 「フーム、この童が女だったら、ずっと填め続けていたいのにのう。父が母様としていた様に・・・。」
 「姫様!」
 「私ではない。この男根に呪がそう思わせるのじゃ。爺、良いか?」

 縛り終えたのを確認し、爺は鎧櫃の蓋を開けた。

 「ムム・・・フ・・・。」

 中から僅かな嗚咽が漏れる。そして爺が引っ張り上げたのは、顔をスッポリと黒い革袋で覆われ、すっ裸で、手足は折り曲げられてやはり黒い革袋に入れられ、動けなくされている女だった。顔の部分は鼻の穴だけが開いていて、口には何か押し込まれている。喘ぎながら、既に薬で発情させられていて、股間から愛液を流していた。

 「ヒーッ、ムフ・・・。」

 その僅かな喘ぎ声と女臭さに達麻は意識を取り戻した。

 「エッ?」
 「おお、童、目が覚めたか。」
 「な、何?」

 そしてまだ後ろ手に縛られていて、ペニスも縛られている事に気付き、逃げようとした。

 「童、無理じゃ。見た目には細い紐じゃが、人間には絶対に切れぬ。妖狐の皮の紐じゃからのう。」

 達麻はまだ繭が側に居るのにも気付き、尻を隠す様にして辺りを見回した。そしてやはり拘束されている女を繭が犯そうとしているのに、声を飲むのだった。

 「童、済まぬのう。儂が間に合っておれば、お前の尻などに精を施さずに済んだのじゃが・・・。」
 「あ・・・、あの人・・・。」
 「そうじゃのう・・・。暫くは付き合って貰わねばならぬし、姫の事も知っておいた方が良いかのう。術が効けば記憶は無くなるし、そうでなくとも・・・。」
 「ムニーーーッ・・・。」

 女は革袋越しに悲鳴を上げた。しかしそれは達麻にも苦痛の悲鳴ではないのが分かる。繭が巨根を女の股間に押し込んだのだが、女の方から腰を押し付けているのだ。

 「姫様は可哀想なお方なのじゃ。妖狐の父君と人間の母君の間に産まれた半妖半人なのじゃ。」
 「妖狐?」
 「知らぬのか? おお、そう言えば異界の者と言うておったな。儂とて地位は低いが妖狐の端くれぞ。」

 繭に巨根を填め込まれている女は激しく喘ぎ続けていた。それをチラチラ見ている達麻に、

 「順を追って話さねば分からぬじゃろう。巧くすればお前の記憶を消す事が出来るで、どんなに詳しく話しても構わぬからのう・・・。」




 繭の父親は妖狐ではあったが、それ程の力もなく、単に妖の一員であった。妖はそれ程大きな組織ではなかったが、妖狼を長とする一団だった。人間界との接触はそれ程多くはなく、変化(へんげ)能力で人間界との軋轢はなかった。そこにいつしか魔界の者が現れ、人間に害を為していった。妖は人間を守る、と言うよりも自分達の世界の侵入者に立ち向かっていた。妖狼には強い武器があった。それが破魔の剣であり、魔の長との決戦の結果、相打ちとなった。本来なら絶対多数の魔の方が強い筈だったが、魔の中の低い地位の一人が魔を裏切り、妖の側についていた。それが魔童子であった。あわよくば妖と魔の相打ちを狙い、両界の長に就こうとしていたのだ。そしてそれが成功した。そして破魔の剣を手に入れようとしたのだが、その時に少し目論見が外れてしまった。妖狼の手から魔の剣を奪おうとしたのだが、魔童子には触れる事が出来なかった。魔の者であるからと言うよりも、剣が持ち主を選ぶのだった。地位の高い別の妖狼も触れる事が出来ず、従者の一人であった繭の父の妖狐のみが触れられるのだった。

 魔の者は更に数を増やしてこの世界になだれ込んできた。敵討ちと言うよりも、妖の長を倒して新たな魔の長と成る為に。そして裏切り者の魔童子を倒す為に。しかし妖の方は地位の低い妖狐を、しかも臆病である狐を長とは認めず、結束は薄れていく。魔童子は一計を案じ、妖狐に呪を施す事とした。破魔の剣に触れる事が出来なくても、長としての妖狐を操れば、やがて魔を消し去り、そして呪によってこの世界を握る事が出来る。そしてその序が妖狐に妖犬の呪を施す事だった。妖狼の方が力は強いのだが、あまり強過ぎては魔童子の手に負えなくなるし、警戒心が強い狼では、なかなかその懐には入り込めない。手なづけるには妖犬の呪が良かったのだ。犬であれば仲間意識が強く、いわゆるお人好し的な性格からも操りやすいのだ。ただ、妖犬の呪には強さの他に別の副作用がある。それが強い男根だった。特に妖の力の強まる満月前後には強い性欲となって現れ、繭の父は人間の女を犯さねばならなかった。しかしそれでは人間界の恐怖を呼び、この世界を握れないと知った魔童子は、生け贄として差し出させた小さな城の姫に新たな呪を施したのだ。それが『姫達磨』の呪であった。

 繭の母は恐ろしい妖狐をなだめる為、そして妖狐が魔の物を払ってくれる為の生け贄として捧げられたのだ。覚悟はしていたものの、魔童子の呪を受けた母は半狂乱となってしまうのだった。それは父の妖狐の精を治める為の凄さまじい身体への変化であったからだった。

 手足が全く無くなり、と言うよりも最初から手足の無かった様な姿にされてしまった。そして乳房と尻が大きくされ、父の性欲を解消する為だけの身体に成ってしまったのだ。ただ、性の悦楽は凄さまじく、交合いをされてしまうとただの性器となってしまうのだった。その頃から権爺は父の従者として、母を顔の出る鎧櫃に納めて戦いの場に赴いていた。父は人間からは妖怪であっても、魔を退治してくれる神の様な存在になっていった。いつも父はその巨根に母を填め込んでいて、常に精を施していた。そんな母の姿に哀れみはしてくれていても、父の単なる慰み者、或いは妖か魔の一員としてしか見られていなかったが、それでも父の妻としては見ていた。

 魔童子としては巧く両親を操っていた。

 やがて母は繭を産み落とす。しかし繭は村人とは付き合えなかった。半妖半人という事で疎外されていたし、母の恥ずかしい姿を知られていては、とても付き合えるものではなかった。性を巧く処理していた父は退魔屋として人間界で働いていた。互いにバラバラに悪行を為している魔物なので、父一人で充分だった。

 「母様。母様は人間なのでしょう? そして父に、そんな姿にされてしまったのでしょう?」
 「繭、あなたの言いたい事は分かりますよ。普通に見れば私の姿は浅ましく、恥ずかしい姿です。そしていつでも父様と交合い続けているのですから。今、母は父様と離れていますが、身体は父様を求めていて、凄くつらいのです。確かに初めはつらく、悔しかったですよ。でも私には繭が居ます。私がこの姿に成ったからこそ、繭、あなたが居るのですよ。それにはしたないかも知れませんが、私は父様との交合いが嬉しい。この身体は父様の性処理の為の身体という事でしたが、それは間違いです。この身体は、女としての一番素晴らしい性の快楽を受ける身体なのです。」
 「私はイヤだ。母様には普通の人間の姿に戻って欲しい。そして二人で手を繋いで歩きたい。」
 「それは無理ですね。確かにこの呪を施した魔童子殿を討ち倒せば戻れるという事です。ですが父様はそれを望まないでしょう。そして私も・・・。」
 「母様・・・。」


 繭にとってはそれ程不幸せではなかった。父も常には人間の姿で居るので、むしろ母の方が妖魔に近い姿だった。しかしその僅かな幸せもやがて破られる。

 父により少しずつだが倒されていた魔物が強い魔物の登場により、一致団結して父に立ち向かってきたのだ。そしてその影の立役者が再び裏切り者としての魔童子だったのだ。魔童子は父が強くなり過ぎるのを恐れ、密かに魔物達と通じていた。破魔の剣は魔童子にとり、難しい存在だった。剣が持ち主を選ぶのだが、魔童子には触れられない。と言って父が倒された後、新たな主人が現れねば、妖は魔に駆逐されてしまい、魔を裏切った魔童子には不利となる。バランスをとりながら、妖魔のそれぞれの長の共倒れを謀り、段々と力を弱めていくという方法を考えていたのだ。そして、やがて完全に操る事の出来る長になった時、魔童子が人間界を牛耳る事が出来るのだ。



 妖の物は満月の時に一番妖力が高まる。魔の物は逆に新月の時に魔力が高まる。だから先代の長が破魔の剣を擁していても、魔の長と相打ちになったのは新月の時であった。父が退魔屋として魔を倒すのは満月の前後だった。長年の習慣は父に油断を呼んでいた。

 ある満月の夜、いつもの様に激しい睦み合いの最中、いきなり魔物が襲ってきたのだった。そのタイミングも父が達する寸前という、一番無警戒の時だった。最初に致命的な一撃を受けては父の破魔の剣もそれ程の威力は発揮せず、無念の最期を迎える事となった。まだ幼い繭は一度に両親を失ってしまった。

 しかし魔童子の目論見はまたも狂ってしまった。破魔の剣に触れられたのは妖の者ではなく、繭だったのだ。半妖半人とはいえ、まだ幼い繭に巨大な破魔の剣を操れるとは思えなかった。魔童子は焦った。もし魔の物が再び妖を襲ってくれば、繭では太刀打ち出来ない。しかし魔の側に戻る事は、一度裏切っている以上、まともな位置に就く事は出来ない。しかし妖の側からすれば功労者の筈なのだ。繭が妖の長となる迄の間、巧く魔から身を隠し、呪によって繭を強くすれば良いと考え、大きな賭けに出たのだ。

 それは繭に、父と同じ妖犬の呪を施すという事だった。同意は求めない。女の子に父と同じ逸物を与えるのだ。当然拒絶するだろう。魔童子には自分の命が掛かっており、女の子に父と同じ強さを与え、しかも本人は絶対に望まない呪であるから、魔童子は必死に呪力を高め、母の持っていたこけしにその呪を封じたのだった。



 「繭様、これはお母上がお持ちになっていた人形ですぞ。お父上に差し上げた物で、蔵の中から出てきました。ご両親の思い出として・・・。」

 そのこけしからは異念を感じたが、なぜか父の匂いと感じられたので、素直に受け取った。

 生前はそれ程好きではなかった父だったが、大好きな母の愛していた父である。そのこけしは両親の思い出として、繭は常に手元に置いていた。そしてある夜、そのこけしを抱いて眠っていた時、たまたまこけしが腹の所に転がり、繭のまだ未成熟な女の部分に触れた。

 「ハッ・・・? キャーーーーッ・・・?!」

 夜具をはね上げ、裾の割れ目から突き上がっているこけしを掴んだ。しかし、そのこけしは繭の下腹部にしっかりとくっ付いたままだった。そしてそのこけしは、こけしの形からスーッとペニスの形へと変化したのだ。

 「イヤーーーッ・・・!」

 それは父の股間にいつも見ていた物と同じ物だった。繭は半狂乱でペニスを引き抜こうとしたが、既にその肉体は繭の肉体であり、女としての割れ目は既に無く、その部分だけは少女ではなかった。人間のペニスとも少し異なり、それは犬のペニスだった。ヌメヌメとした赤黒い亀頭は鋭く長いが、全体には巨根であるので、繭の目の前に卑猥に揺れているのだった。



 「繭様、お嘆きは分かりますが、これはお父上のご遺志かと思われます。」
 「父の?」
 「そしてお母上もその様にお望みなのかと。」
 「嘘だ! 母が私を男に・・・、しかも父の様にしたいなどと・・・。」
 「そうでこざいましょうな。お母上が繭様の女の幸せを無くす事を望まれるとは思えませぬ。しかし現実をお考えなされ。お父上の亡き今、魔の者は妖の者の全滅を図る事でしょう。破魔の剣は繭様を選びました。しかし今迄の繭様では到底操れませぬ。お父上は繭様だけでもその身を守らせようと・・・。ですから繭様がお強く成られる迄はお父上がその力をお与えになったのではと・・・。」
 「でも、イヤッ! アウッ・・・?」

 そこに繭の悲鳴を聞きつけた権爺が飛び込んできた。

 「繭姫様! アウッ・・・。」

 爺は繭の股間に突き上げている逸物を見、唖然とした。そして魔童子に詰め寄る。

 「貴様! 姫様に呪を?!」

 いつもは優しく大人しい権爺の剣幕に魔童子は驚いた。妖狐らしからぬ妖狐なのだったが、魔童子に掴み掛かった爺は変化を解き、荒ぶる妖狐だった。

 「ち、違う・・・。こ・・・これは・・・多分お父上様の魂が・・・。選ばれたとはいえ繭様は今のままでは破魔の剣は扱えぬ。それで・・・。」
 「姫様!」
 「権、お父上の魂となると、今宵は満月じゃ。物は壺に納めぬと治まらぬ。」
 「イヤーッ、私が女の人を犯すなんて・・・。」

 繭はペニスを揉みしだき、激しく喘いでいた。

 「分かりました。しかしそのままでは妖魔に堕ちる事となります。魔童子、繭様を頼む。」
 「お主は?」
 「分かり切った事。女壺を拐かしてくる。以前のご主人様の時の道具は仕舞ってある。頼むぞ。」
 「アッ、権爺!」

 爺はさっと飛び出して行ってしまった。魔童子はコソコソと逃げ出すのだった。


 爺は近郷の女に術を掛けて運んできた。人間の理性を失っている繭は、ただ男根の意のままに女にペニスを突き立てるのだった。





 「フーッ、治まったわ。」

 達麻は繭の変貌に目を見開いていた。着衣を直し、こちらを向いた繭は美人の女性だった。ただ、胸は着物越しでも分かる巨乳だが、ペニスはすっかり治まっていて、身体全体からも女らしさを醸し出している。革袋を被せられた女はずっと悶えたままで、恥ずかし気もなく股間を開き、愛液を噴き出しながらペニスを求めているのだ。

 「坊や、ごめんなさいね。ああなってしまうと、私は私でなくなってしまうのよ。」
 「しかし繭姫様、このままではまだ・・・。」
 「そうですね・・・。私の『男』のたぎりはこの少年に受けて貰いましたので、かなり減っていたのですね。少し待って下さい。満月に近いのですから、押さえておかねばたぎりも高まるでしょう。」

 達麻は言葉遣い迄すっかり変わってしまった繭に驚きを感じていた。

 「お姉さん・・・。」
 「本当にごめんなさいね。権爺にも面倒を掛けます。」

 その姿からは達麻を犯した巨根の持ち主には見えなかった。

 「お願い、外して。」

 繭は優しい笑顔だったが、困った様な表情をしていた。

 「ごめんなさいね。あなた外界の者という事は分かりましたが、それでも私の事をここで知られてしまっては具合が悪いの。ずるいと思われるかも知れませんが、私が退魔屋として、魔の者を滅するのに、私自身の事が知られてしまうと・・・。この女の様に、何カ月かに一度は私のたぎりの限度を超え、精を施さねばならないのです。でも、記憶を消して戻すので、単なる悪夢、淫夢としてしかの記憶にしかならないでしょう。申し訳ないのですが、私の為に・・・。あなたには何の恨みもないのですが、それでも、僅かにでも私の秘密が漏れてしまう事は・・・。ですからあなたの記憶を消さねばならないのです。」
 「言わないよ。言わないから・・・。」
 「僅かの可能性も消さねばならないのです。」
 「分かったよ・・・。」

 達麻は仕方なく引き下がった。

 「お爺さんが催眠術か何かで? それなら早くしてよ。ボク、学校へ・・・。そうだ、ここはどこ?」

 権爺も繭と顔を見合わせて困っていた。

 「童、達麻とか言うたの? 催眠術を知っているとは驚いたが、儂のは催淫術なのじゃ。しかも女子にしか効かぬ。男子に試した事はないし、果たして効くかどうか・・・。それでも試みてみるが、それでもこの女を戻してからでないと、道具が揃わぬ。別の物も在るには在るのじゃが、ここからは遠いのじゃ。行って戻るに十日は掛かるじゃろう。じゃからこの女を戻してから始める。効くにしても女よりは日数が掛かるじゃろうな。」
 「その女の人の? 道具? まさか・・・。」
 「私としては日数が掛かるのは決して厭う事ではない。初めて鶏姦をしたが、意外と良いものでした。」
 「け・・・、鶏姦? オカマの事? 日数が掛かるって? まだ・・・。」

 達麻の悲鳴と泣き声に繭は顔をしかめた。

 「爺、填め込んでいた時の悲鳴は心地良いのに、今のは心に障りますね。」

 僅かだったが繭の顔に怒りの表情が現れると同時に正座していた繭の股間が持ち上がってきた。

 「達麻とやら・・・。」

 繭が片膝を立てて立ち上がろうとするのに、達麻は悲鳴を飲み込んだ。

 「繭姫様、どうせならそちらの女子の方に・・・。」
 「そうですね。私としてはどうせ悲鳴を聞くなら、填め込んだまま聞く方が宜しいのですが、この女子も戻さねばなりませぬ。達麻、私に怒りを起こさせないで下さい。爺の術は男子には効き難いらしい。その術を施す間、私の心に障りをもたらすとお前に精を施すしか術(すべ)はありませぬ。」

 達麻は尻を押さえて頷くだけだった。

 繭の交合いは異様なものだった。達麻を襲った時の悪鬼の様相ではなく、美人の、清楚とも感じさせる繭がすっ裸に拘束されている女を押さえ込んでいるのだ。顔を覆われてはいるが、その女の激しい良がりも達麻には不思議だった。そして甲高い悲鳴の様な声とともにガックリとした。

 「いききった様ですね。」
 「繭姫、宜しいのですか?」
 「ええ、私の方は。たぎりは治まっていますので、この女に忘我の境地を与えるだけでしたから。」
 「左様で・・・。それでは戻して参りましょう。」

 権爺はグッタリとしている女を持ち上げ、運んできた時の鎧櫃に戻すのだった。

 「爺、どの位で戻れます?」
 「そうですのう。街道に出るのに五里程ですが、その手前に具合の良いお堂がござります。そこに寝かせて参りますので、一時程で。」
 「五里? 往復で・・・四十キロ? そこを二時間?」
 「そうじゃ。権爺とて妖狐。その位は何でもない事。」
 「それでは姫様。」
 「爺、薬は在りますか?」
 「花薬の事で? ござりますが・・・。その童に? しかし蜜壺に使う薬でございます故、効き目の方は・・・。」
 「良いのです。滑りが良くなる効能はあるのですから。」
 「左様ですか。」

 権爺は懐から小さな壺を渡し、女の入っている鎧櫃を背負い、さっと消えていった。

 「さて・・・。」

 繭は舌嘗めずりをしていた。それが何を意味するのかは達麻にも分かる。

 「ヒッ、お・・・お姉さん・・・。」
 「達麻、どちらでも良いですよ。」
 「どちら? しないで! お爺さんが来る迄大人しくしてる。」
 「何を勘違いしているのです。」

 達麻は少し顔を赤らめた。再びオカマを掘られるのかと思ってしまっていた事を恥ずかしく思うのだった。

 「ああ、そうでした。坊は私が鶏姦をするかしないかと問うたと思ったのですね?」
 「そうだよ。お姉さんが不思議な妖怪だとは知らなかったけれど、あんな事を・・・。」
 「私も驚きました。『男』がたぎっておりました故、激しく精を催していましたが、まさか坊の様な男の子に精を施すなどと思いもよりませなんだ。今はすっかりたぎりは治まっています。満月はまだ先ですので、私が理性を無くすとしてももう少し先ですね。」

 達麻はホッとしていた。とにかく大人しくしていないと繭に怒りが起き、下手をするとまたオカマを掘られてしまうのだ。気付いてみると肛門がヒリヒリと痛んでいる。途轍もない巨根を捻込まれ、幾分裂けて出血している気配なのだ。

 「済まぬ事をしたと思っています。しかし私には使命があります。こればかりは理不尽と思われても良い、絶対に達成せねばならぬ故、坊の悲しみを敢えて振り捨てているのです。ところで尻の具合は?」
 「べ・・・別に・・・。」
 「血が出ている様ですね。ごめんなさいね。記憶を消す前に謝っておきます。この薬を塗りますので、向こうを向いて。」
 「い・・・いいです。」
 「坊や、私は自分の非をいつ迄も残しておきたくないのです。それは私自身に怒りを向けることとなり、それが表に現れてしまうと・・・。」
 「ウッ、そういう事じゃ・・・。だけど恥ずかしいよ。」

 繭は笑っていた。

 「そうですね。確かに・・・。ですが私は坊やに鶏姦をしているのですよ。その方がもっと恥ずかしい事なのでは? それに自分では見えないでしょうし、手は解いて上げられませぬでのう。」

 達麻としては素直にしているしかなく、うつ伏せになって尻を突き上げるのだった。しかし薬壺を見た時ハッとした。

 「お姉さん、その薬・・・、女の人を・・・。」
 「そうです。」
 「イヤッ、ダメッ、ボクも変になってしまう・・・。」
 「ホホホ・・・、確かに女には発情(さかり)をつける媚薬ですが、それは女壺の場合。私の男根は並みの殿御よりも大きいので、女壺が裂けてしまう事もあります。それを防ぐ薬なのです。場合によっては未通女(おぼこ)の場合もあり、出血してしまう事もあります。そのままでは爺の術でも夢とは思われぬ故、血止めの効果も高い物なのです。」
 「クヒッ・・・?」

 肛門の周りに塗られると思っていたのだが、いきなり指を突き込まれ、中と外から摘まれてしまい、更に奥深く迄指を挿れられてしまっていた。ビクッとして尻を引いた。

 「これは・・・。申し訳ない事をしてしまいました。随分と血が出てしまって・・・。」
 「そんなに?」
 「大丈夫です。この薬ならこの程度の傷であればすぐに直ります。母様の場合は私が産まれる以前からずっと父と・・・、アッ、何でもありません。もっと塗っておけばすぐに・・・。」

 美しい女性に尻を嬲られるのは恥ずかしいのだが、それでもズキズキとした痛みが心地良い疼きに変わっていくのが内心は嬉しく、それが自分のペニスに現れてしまうのだった。それは達麻よりも先に繭に気付かれてしまった。

 「おやおや、坊やは・・・。」

 チョコンと勃起してしまったペニスをつつかれ、達麻は顔を赤らめながらも口を尖らせた。

 「ち・・・違うよ。お尻をいじられたら誰だって・・・。」
 「ウフフ・・・、宜しいでしょう。傷口は塞がった様です。血も止まりましたよ。痛みは?」
 「エッ? アッ、本当だ。ヘーッ、凄い薬。だけど・・・。」
 「だけど?」
 「お尻に力が入らないみたいで・・・、あんなに太いのを挿れられたから、緩んだままみたいで気持ち悪い・・・。」

 言ってから更に顔を赤らめてしまう。

 「緩んだままですか・・・。それでは。」

 繭はスッと立ち上がり、裾を開いた。怪訝そうにしている達麻の目の前で壺の薬を掌に取り、その手で股間の逸物に塗り付け始めたのだ。

 「クッ・・・、お姉さん・・・?」
 「この薬には滑りを良くする効果もあるのです。私の『物』にも塗っておけば、坊やの腸にも傷をつけ難くなりますので。」
 「ヒッ、イヤーッ。しないって言ったでしょ?」
 「誰が? ああ、私が尋ねたのは鶏姦の有無ではありませぬ。爺が戻る迄の間、口淫にするか鶏姦にするかの問いですよ。折角尻が緩んでいるのですから、私もその方が宜しい。」

 悲鳴を上げながら逃げようとする達麻を繭は形相を強ばらせていた。

 「分かっているのですか? 半妖とはいえ、私も妖狐の血を引く者。 妖が過ぎれば私には人間としての理性が失われてしまいます。同時に『男』のたぎりも激しいものとなるのは坊も知っている筈ですね。私の『男』は坊の中に填まっていたいのです。その方が私も人間としていられます。今ならまだ私の理性で『男』の大きさはこの程度で済ませていられます。坊にも痛みは少なくて済むでしょう。分かりますね?」

 確かに達麻にもそれは良く分かっていた。最初のアナルセックスの時の繭のペニスは今、目の前のペニスとは比べ物にならない程の巨根であり、つらく苦痛であった。どうせ挿れられてしまうなら、まだそれ程の大きさではない『物』の方がずっとましだった。そして美人で優しい笑顔の繭の方が良いのも。

 心に抵抗はあるものの、達麻はうつ伏せのまま尻を上げ、降伏の意思を示した。繭はニッコリと微笑んで達麻の尻に手を添えるのだった。

 ヌプッ・・・。

 「アウッ・・・。」

 再び肛門が押し拡げられ、柔らかいが弾力性の強い異物が押し入ってくる。

 「どうですか? これなら痛くはないでしょう。」
 「痛くはないけど・・・、ウウッ・・・。」

 直腸から大腸に向かって異物が填まり込み、達麻は強い便意を催すのだった。意識としては太い大便が切れないという様な感じだった。無意識に息張ってしまうのだが、その度に繭のペニスの侵入がた易くなるのだった。

 「お姉さん、動かさないで・・・。」

 達麻にも体内に納まっている繭のペニスを締め付ける事が勃起を促してしまう事が分かる。すんなりと填まり込んだとはいえ、直腸は限界近く拡げられており、薬の効果で痛みは少ないのだが、ペニスが段々と太くなり、先端が大腸の奥深くへ伸びていく。

 「ハーッ、達麻の尻は良いですね。『男』がたぎってきます。」
 「アーッ、ダメーッ!!」
 「でも不思議なのです。心は落ち着いていて、『妖』は出ておりませぬ。いつもだと爺の拐かしてきた女に『男』と『妖』の限りを放ちました。その時は私の女の心など在りませなんだ。今は自分でも分かります。今の私は本来の私。ですがその女の私が『男』のたぎりを心地良く思っています。だけどごめんなさいね。薬を塗っているから痛みは少ないと思いますが、やはり交合いの時の様に・・・。」

 後背位の形で繋がっていた繭は少し申し訳なさそうに躊躇していたが、すぐに腰を前後し始めたのだ。

 「アキッ・・・。イヤーーーッ!」

 繭はペニスの抜き挿しを始めたのだ。限界以上に拡げられた直腸と肛門なのだが、薬の効果で裂ける事はない。達麻は逃げ出そうともがくのだが、薬の効果で限界以上に拡がった肛門とはいえ、更にそれを越える大きさになっている亀頭は引っ掛かってしまい、どんなにもがこうともペニスが達麻から抜ける事はなかった。そして繭の高まりの荒い息と、ペニスの先から流れ出ている先走りの液、そして何よりもペニスの強い脈動がその瞬間を分からせた。

 「ヒキーーーッ・・・!!」

 大量の熱い物が塊となって大腸を押し拡げて逆流した。達麻は腹の中に熱湯を注ぎ込まれた様な熱さに悲鳴を上げ、全身を硬直させた。



 達麻は涙を滴らせたまま、繭の膝の上に座っていた。ずっとペニスは填め込まれたままで、満足そうな笑みを浮かべた繭とは対照的だった。

 「坊や、恥ずかしいでしょうが今だけですから。爺があなたに術を掛ければ、今迄の事をすっかり忘れられます。私としてはすっかり達麻を気に入ったのですが、私の使命の為にはやむを得ません。この様に心が落ち着いた状態で精を施すという事がこれ程素晴らしいとは・・・。父の事が少しは分かった様な気がします。坊や、今は交合っているという事よりも、自分の意志で精を施すという事が嬉しいのです。爺が戻る迄あと少し、このままで精を施します。少し我慢して下さいね。」
 「お姉さん・・・。本当に忘れられるの? 痛くしないで・・・。」
 「オホホ・・・、すっかり信用が無くなってしまいましたね。仕方のない事ですが。『妖』は治まっていますので、私の意思で『男』をたぎらせられます。このままでも精を施せるとは私にも初めての経験です。むん・・・!」

 大腸噴門の部分が少し太くなった様な気がするが、それでもペニス全体は殆ど変化しない。しかしいきなり大腸に再び熱い塊が湧き出すのだった。

 「ヒェーーーッ?!」

 ビックリした達麻はいきなり立ち上がってしまい、肛門に亀頭が引っ掛かる迄繭のペニスを引き抜いてしまった。そして引っ掛かった反動で尻餅をつき、激しい勢いで大腸噴門を突き抜けたペニスの痛みでもう一度立ち上がろうとする。

 「ヒキーーッ・・・。」
 「これ、達麻・・・。」

 その動きはまるで達麻自身がピストンをしているのだった。繭のペニスは繭の意識を離れて急に元気を出してしまい、繭としてはやむを得ずペニスの意志に従い、後背位の形でアナルセックスを始めるのだった。

 「イヤーッ、もうダメーーッ・・・。」
 「坊やが悪いのですよ。私としては静かに精を施す様に我慢していましたのに。ハーッ、だけどやはりこの方が良い・・・。」



 権爺が戻る迄、繭はずっと放精を続けていた。『妖』の様相は全く消え、権爺が驚く程清楚な繭であった。しかしその前に繋がっている達麻から溢れている『妖』の氣の多さに、どれ程の精を施したのかにも驚くのだった。

 「繭姫様、戻りましたが・・・。」
 「そうですか・・・。残念ですね。達麻の記憶を消さねばなりませぬか・・・。」

 達麻は大量の精液で腹を膨らまされ、不快な膨満感でいっぱいだった。しかしペニスを抜かれて、息張っても精液は流れ出てこない。

 「お願い、お爺さん、早くボクの記憶を消して・・・。こんなに美人のお姉さんにずっとオカマを掘られていたなんて・・・つらい。」

 権爺は少し困った顔をしていた。

 「早くと言われても・・・。女子に対してなら儂の術は完璧という自負はある。それでも顔を見られ、言葉を交わしてしまっていた女子では結構手間が掛かるのじゃ。それが男では・・・、かなり・・・。しかし、せねばなりませぬからな。」

 権爺は背負っていた鎧櫃から、先程迄拐かされ、犯されていた女の着けていた革袋を取り出した。

 「エッ? それは女の人を犯すのに使う物でしょ?」
 「そうじゃ。だから男に対しての効果にはちと自信がないが・・・。」
 「だって・・・、催眠術なんでしょう?」
 「いかにも。普通は女子にいきなり催眠術を掛け、儂の姿も見られぬ様にしてこの袋を被せる。目覚めた時には花薬を女壺に塗り付けておくで、発情った状態になっておる。果たしてこの童も発情がつくか・・・。それが問題じゃのう。」
 「ま・・・、待ってよ。そしたらボクをあの女の人みたいにして、お姉さんに犯され続けるの?」
 「巧くいけば良いが・・・。繭姫様、一応術は掛けてみまするが、ハッキリ申し上げて、自信がありませぬ。」
 「面倒を掛けますね。これも私の理性の弱さの為せる技。私もひたすら精を施し、忘我の境に至らせましょう。」
 「しかし・・・、それでも難しい事が・・・。期限がございます。せいぜい七日間、少々無理をしても十日で終えねば・・・。」
 「はて、なぜです? 男ですから、時間が掛かっても念入りに精を施しておけば・・・。」

 権爺は姿勢を正した。

 「お母上の事を思い出して下され。お母上様はお食事をなさりませなんだ。お父上様の精を栄養と為されておりました。それはお母上様がお食事をなさらないのではなく、なされぬお身体だったのです。」
 「それはお母様より聞いていますが・・・。」
 「お母上は生け贄としてお父上の元に参られましたが、最初は単に陵辱の意で口淫や鶏姦もなされておりました。女壺より溢れ出る程の精を注がれ、それなら身体全てに精を注ぐという事で・・・。お母上様は民の為に我慢をなされていたのですが、『呪』による妖犬の男根より迸る精はお母上の身体を中からも変化させたのです。基より妖のお父上は人間よりも遥かに精の力が強く、まして呪による精の力は・・・。お母上様は精以外の物を口に出来ぬお身体に・・・。」
 「そうだったのですか・・・。だけどそれが私と?」
 「お母上様の場合は女壺での精の施しが多かったのでござりまするが、この童ですと、当然ながら鶏姦でしか・・・。口は塞ぎます故、繭様の精でこの童の内部は満ち溢れる事でしょう。いつもの女であれば女壺だけ故、更にせいぜい三日程度ですから空腹を感じる事もなく良がり続けております。しかし男では花薬が強くは効きませぬ。理性も戻るでしょう。しかも口からの食事が出来ぬ以上、繭様の精を消化するしかなく、お母上の場合よりもずっと短い期間で・・・。そうなると、巧く術がなったとしてもこの童は食を摂れぬ事となり、餓死は免れぬかと・・・。」
 「それは・・・、困ります。それでは三日程度で忘我を迎えさせれば・・・。」

 達麻は悲鳴を上げた。

 「イヤだっ! それを被せて三日もオカマを掘るの?」
 「左様。この袋を被せれば、目も見えず、耳も聞こえず、ただ嬲られるだけなのじゃ。本来であれば発情っている女はただ男根を待ち望むのじゃが、そうでないとつらいかも知れぬ。まあ、やってみるしかないがのう。」

 権爺は革袋を持って達麻に近付いた。

 「ダメーッ、よしてーーーっメv

 権爺は達麻に顔を近付けた。爺の目が金色に輝いたかと思った途端、意識が一瞬途絶えた。そしてハッと気付いた時、辺りは真っ暗だった。顔がひきつり、革袋を被されているのが分かった。

 「マゥファ・・・?!」
 (エッ、いつの間に? 口の中に何かが・・・。声が出せない。ウッ、手と足に・・・。あの女の人と同じ様に・・・。ワーッ、お姉さん、居るんでしょ? 外してーーっ!)

 達麻は身体を揺すって自由を取り戻そうとするが、肘と膝で四つん這いにさせられている。そして尻に繭の手の感触を感じた時、再び肛門に強い異物感を押し込まれるのだった。


 「フーッ、権爺。私が私である時に交合いを見られるのは初めてですね。こんなに照れ臭いものとは・・・。」
 「儂も繭姫様をお世話していて、あの魔童子の奴の呪以来、以前の繭様を久しぶりに見ます。それにしてもやはり男の子ですのう。女子の様には巧く発情らせられぬ。術がならぬ場合、如何致しましょうぞ。」
 「そうですね・・・。三日では難しいかも・・・。それにそのすぐあとが満月ですから、私の『男』は強まりましょう。もう一人の女を拐かしてきたとしても、私は達麻の方に精を施していたい。多分三日ではやめられぬでしょう。とすると・・・。」

 権爺はニヤッと笑った。

 「結論は出ておりまするな。繭姫様は当分は達麻を伴っていたいのでしょう。私としても毎回女を拐かし、術を施すよりは一人をずっと繭様の精を受ける者として伴っておいた方が繭姫様のお心の痛みを減らすものと存じます。繭姫様から逃げれば餓死するのであれば、その子は逃げ出す事もありますまい。まして異界の者であれば身寄りもないし、行く宛もありますまい。それに毎日精を出しておりますれば、いつもの様に満月近くに氣の荒れる事も少ないかと・・・。」
 「そうですか。良かった・・・。どちらにしても私はこの子の尻が気に入りました。沢山精を施し、退魔屋としての使命を全うしましょう。」

 繭は嬉しそうに腰を動かし、殆ど悲鳴の出せない達麻の肛門で激しいピストンを繰り返すのだった。



 (ボクは一体いつ迄・・・。音も聞こえないし、目も見えない。ずっとお尻にお姉さんのオチンチンが填め込まれている。気絶してしまうのか、気が付いている時はずっとお尻に填め込まれてる。グッ、気持ち悪い・・・。お姉さんの精液がおなか一杯に入っている。ゲップも精液臭い。グッ、また・・・。またお姉さんが射精した・・・。ヒーッ、精液が上がってくる・・・。アグッ、やっとオチンチンを抜いてくれた・・・。クーッ、痒い。肛門がヒリヒリしている。拡がっているのが戻るので、血液がやっと流れ始めるせいか・・・。ん? これはお爺さんの手? ボクを持ち上げて・・・。ウッ、あの箱の中に入れるの? ボクはあの女の人みたいにお姉さんの性欲を治める為だけの道具? アッ、運ばれているのか・・・。だとすると・・・。ボクをどこかに・・・。変だな。ボクの記憶は消えていない。だけど良かった。きっとどこかに運んで、あの二人は居なくなるのか。三日経ったのかな? ずっとアナルセックスされていて、どれ位経ったか分からない。一週間以上されると、ボクは普通の食事が出来なくて餓死してしまうと言ってたから・・・。)

 達麻は鎧櫃の中で、いつ出して貰えるか、ジッと待っていた。

 (おかしい・・・。あのお爺さんは凄く早く走れる筈だ。だけどこの感じだとゆっくりとしか歩いていない。ボクを放り出す為に運んでいるのではないの? ウーッ、気持ち悪い・・・。まるで船酔いみたいで・・・。精液が上がってくる・・・。お尻も痛いし・・・。痛いと言うよりムズムズする。薬は塗られているけれど、ひょっとして痔になっちゃったのかな? お尻の中もムズムズする。チクショー、手が自由なら掻く事が出来るのに・・・。)

 暫くして歩が停まり、平らな場所に置かれたのが分かった。蓋が開いたらしく、冷たい風を感じた。そして権爺の手で持ち上げられた時、やっと自由が戻ると思った。

 (良く分からないけれど、どこか建物の中かな? 木の床だから・・・。早く解いて・・・。)

 達麻はジッと大人しく待っていた。しかし尻に繭の掌を感じた途端、肛門にグッと熱い物が填まり込んできた。

 (イヤーッ、自由にしてくれるんじゃ? ギッ、太い! ワーッ、ダメーッ!!)


 「やはり女とは違いますね。良がり狂うという事がない。」
 「左様ですなあ。この様子はやはりイヤがっている様にしか見えませぬのう。身体はすっかり馴染んでいるというのに。」
 「そうなのですか?」
 「既に五日間、精を施し続けていられますが、少しでも溢れましたか? 今宵は満月です。しかし精の量は以前からかなりのものと思われますが、全く流れ出ておりませぬな。儂はお母上様の場合も見ておりましたが、鶏姦の精の量だけで言えばお母上様の時よりも多いと思います。惨い程に施された精は口からも尻からも溢れ出たものです。それがこの童では・・・。食として身体に吸収されているとしか・・・。お母上様の場合では約一月は掛かりました。ですから鶏姦だけの子では七日程と思ったのですが・・・。おそらく既に・・・。」

 繭はニコッと微笑んだ。

 「だとすると、もう達麻は私の精だけでしか活きていけぬと?」
 「しかし身体だけでしょう。心迄は・・・。」
 「そうですか・・・。私の『男』はまだ二、三日はたぎりが強いでしょうね。治まる迄はこのままで、治まってから躾けをする事としましょう。」
 「躾け・・・と申されますと?」
 「達麻から私の男根を求める様な躾けです。」
 「その様な事が・・・?」
 「出来ねば私の『男』を治める為の肉壺には成りませぬ。そうとなれば、もっと精を施しましょう。」



 (もう何日経ったの? お姉さんはもうオチンチンを太いままにしている。それなのにズボズボ填まり込んで・・・。ボクのお尻、拡がっちゃう。おなかの中は精液だけ・・・。時々はオシッコもされているみたいだ。痛みはなくなったけれど、直腸も大腸もオチンチンで直接擦られ、すっかり慣れてしまった。お姉さん、お願い。お尻でセックスは我慢する。だけど顔の袋だけは外して・・・。何も見えず、何も聞こえないと気が狂いそう。ボクの感覚はオカマを掘られるのを感じているだけなのだから。ウクッ、またお姉さんが射精した。精液が身体に滲み込んでいくのが分かる。フーッ、どうしてお姉さんはそんなに続けて出来るの? まだオカマを掘り続けるの? お姉さんの下腹部がボクのお尻とぶつかり合っている。あんなに太いオチンチンが、スポスポ入ってしまうなんて・・・。そしてそれを気持ち良く感じてしまうなんて・・・。)

 「フーッ、それにしても随分と出せました。」
 「いかがでございますか? 繭姫様の今迄の交合いでもこれ程に精を施した事はございませなんだ。しかも『妖』を治めたままで。お父上様とてお母上様を生け贄として得た時と、魔童子めにお母上にも『呪』を為されての時並みですな。生け贄の時はお父上は『男』も『妖』も激しくたぎっておりました時でございましたが、『姫達磨の呪』の時はお慰めの意もあり、お父上様は『妖』を押さえておられました。」
 「私もその様だと?」
 「はい。やはりその童に哀れみと・・・、しかし素晴らしい肉壺を得た嬉しさを隠す為だったのかも知れませぬが。」
 「そうですか・・・。私もここに父の呪と同じ呪を受けてやっと父の心が分かりました。『男』のたぎりがこれ程に理不尽に心を乱すという事を。だから私は魔童子を許せませぬ。父母の心を乱し、あまつさえ裏切ってその命を奪い、私にも同じ苦しみを・・・。おっと、怒りが増すとたぎりが・・・。ですが今はすぐにたぎりを押さえられます。」
 そう言いながら繭はいとおしそうに達麻の尻を押さえてピストンを始めるのだった。






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