実際には十日程だったが、達麻にとり、暗闇と無音の中でのアナルセックスだけの生活は極めて長い期間だった。目覚めている間はペニスを填め込まれ、精液を体内に送り込まれていた。それが日常と化していたので、達麻にとっては一月、或いはそれ以上の期間を犯され続けていた感覚だった。だから手足の拘束はそのままでも、顔の袋を外された時は嬉しさと感激でただ涙を流し続けていた。

 「お姉さん、ボク、大人しくしています。だから二度と袋を被せないで。」

 繭は少し呆気にとられていた。嫌がって当然のアナルセックスに対して抵抗を示さなくなったので、試しに袋を外しただけだったのだ。

 「分かった様ね? 達麻、大人しくしていれば顔だけは外しておいて上げるけれど、手足はそのままよ。」
 「大人しくしています。闇の中に居るのは恐い。お姉さんとお爺さんが居るのは分かっていても、お姉さんがボクのお尻を掴んでいるのが分かっていても凄く寂しくてつらい。オチンチンをお尻に挿れられている時だけはお姉さんが一緒に居るのが分かる。だからもう暗闇はイヤッ・・・。」

 泣き続ける達麻を見ながら、繭と権爺はニヤッと笑っていた。

 〈予想外でしたな。〉
 〈本当。この程度でここ迄躾けられるとは思いませんでしたね。これなら本当に肉壺として使えます。〉
 〈だとしますと、もうお仕事を始められますな?〉
 〈少し試してみましょう。ダメであれば、もう一度袋を被せれば良いでしょう。〉

 「達麻、私は退魔屋として魔物を退治するのが仕事です。権爺はその手伝い。達麻、あなたは何ですか?」
 「何・・・って・・・。」
 「私は半妖であり、呪によって力を得ました。しかしその為に『男』がたぎってしまうと、以前ならば女を拐かしてきて治めました。どうしても魔物を討つ時には『妖』が高ぶり、『男』もたぎります。毎回女を拐かす訳にはいきませんから、高ぶりが自然に治まる迄待つしかありませんでした。私はこれから本来の仕事である退魔に出掛けます。戻れば当然『男』がたぎっている筈です。達麻、あなたはその時どうすれば良いのですか? 返答如何により、もう一度闇と無音の中で私の精を受け続けるだけとなりますよ。」
 「イヤッ、もうしないで。分かっています。お姉さんの精をボクのお尻で受けるのでしょう? つらいけれど、暗闇はもうイヤ。」
 「そうですか。それでは私はこれから出掛けます。爺は残っていて良いでしょう。感じる魔氣は弱い。すぐに片が付きましょう。」
 「分かりました。暫くぶりの仕事ですな。お食事の準備をしておきましょう。」
 「お願いしますね。」

 繭はニッコリとして、身体程もある破魔の剣を背負って小屋を出て行くのだった。



 「お爺さん、いつ迄ボクは縛られているの?」
 「小僧、それはお前の心掛け次第じゃな。儂とて姫様が稚児相手の衆道を続けるという事には心が痛む。早く呪を解いて女の幸せを得て貰いと思う。その為には出来るだけ魔を討たねばならぬのじゃ。」
 「どうして? あの魔童子を討てばいいのでしょう?」
 「そうなのじゃが、あ奴は逃げ足が早い。この前も寸前迄は追い詰めたのじゃが・・・。儂達だけではなかなか足取りが掴めぬ。魔童子は儂達の敵ではあるが、魔物から見れば裏切り者じゃ。繭姫様に魔を討つ力を与えたのじゃからのう。儂達が魔を退治すればする程、魔物達からの恨みを買うのは必定。さすれば魔からも追われる。行き場が無くなれば再び儂らの前にも現れよう。」
 「じゃあ、ボクはそれ迄?」
 「そうじゃのう・・・。鶏姦はずっと続けざるを得まい。しかし大人しく姫様に従うのであれば、手足の拘束は解いて貰えるかも知れぬ。しかしそれも姫様のお心次第じゃがの。」

 権爺は女を運ぶ為の鎧櫃に小刀を当て、何か作り直し、繕っていた。達麻は座ったまま、ジッと自分の拘束された姿を見て涙していた。どうやら自分の世界とは異なる世界に来てしまっている事は分かっていた。タイムスリップの様に、別の時代に来たのではないのは、魔物とか妖怪が現実に居る事で分かる。そして地名は全く分からず、どの時代の日本でもない事も。

 繭が出掛けてから一時間位した頃、達麻は尻のムズ痒さに耐えきれなくなっていた。尻をモゾモゾさせて、床に擦り付けようとしていた。

 「ん、小僧、どうした?」
 「クーッ、お尻が痒い・・・。お爺さん、ボク逃げないから手を解いて・・・。痒くてつらい。」
 「それは出来ぬな。」
 「本当だよ。逃げない。それにオチンチンだって縛られているから、逃げられないよ。」
 「ウーム、そういう意味ではないのじゃが。本当に痒いと思っているのか?」
 「本当だよ。痒くて・・・。」
 「本当に痒いのか? 手を解けば自分で掻いて痒みはとれるのか?」
 「掻ければ・・・。」
 「違うじゃろう。繭姫の『男』が填まり込んでおらぬからつらいのじゃろう?」
 「違うよ! ウッ・・・?!」

 達麻は今迄のアナルセックスを思い出していた。恥辱としてのつらさが沸き上がる・・・筈だったが、更にムズ痒さが強くなる。肛門だけでなく、直腸や大腸迄も痒みが出てくるのだった。そしてハッキリ悟った。指では肛門壁は掻けるが、内部迄は無理なのだ。そのつらい痒みを治めるには繭のペニスで内部を擦って貰わねばならないと。

 「良いわ。絹姫様・・・、繭姫様のお母上じゃが、やはり父上様との交合いの結果、同じじゃった。妖犬の呪はそうなるらしい。あ奴目の呪は二つしかないが、その分強い呪じゃ。」
 「呪?」
 「知らないのじゃろうな。一つは繭姫様に為された呪、強い男根の呪。本来は変化の術の変形なのじゃろうが、己に施す術でなく、他に施す呪じゃ。『妖』はそれぞれ変化の法を生得しているので、別の変化の法を施すのは難しい。じゃから肉体の一部にしか効かぬのじゃが、それにしても魔童子の呪は並外れて強い。人間に対しての呪となると更に強くなる。絹姫様の場合は手足が無くなってしまう程じゃからのう。」
 「そんな・・・、危険な・・・。」
 「いやいや、呪を為すには己の魔力、妖力を相当に削らねばならぬ。念呪と言ってのう、長い間依代(よりしろ)に念を集めねばならぬのじゃ。それは己の命を縮める事になる。そう何度も出来るものではないのじゃよ。本来呪は妖の力なのじゃが、魔童子は魔の力で呪を為す。呪の力だけは刮目するものがある。」
 「やっぱりボクはずっとお姉さんにオカマを掘られ続けないと・・・。」
 「やむを得ぬのう。それにしても小僧には悪いが、お前は本当に繭姫様に役に立つ。今迄は『男』の呪に悩んでおられたが、何かお前との交合いを楽しんでおられる。それにたぎりが少ないせいか、元気で明るい。それは退魔屋としても良い事じゃ。これからは女を拐かさずに済みそうじゃ。そうすれば繭姫様の大きな悩みも無くなる。」
 「ボクは・・・? ボクの事は?」
 「ほれ、この鎧櫃は小僧の為に直しておるのじゃぞ。以前は絹姫様もこの様な櫃で運んでおったのじゃ。」
 「ボクを? イヤだ・・・。」
 「拐かす女の場合とは違う。この様に上に蓋が在るから、そこから顔を出せるし、下にも蓋が在る。こちらは繭姫様の『男』を填め込む為じゃ。」
 「そんな・・・。ボクはずっとその中に入れられて?」
 「イヤ、運ぶ時だけじゃ。まさかすっ裸で四つん這いのまま、人が周りに居る中での鶏姦は望まぬじゃろう? 女の時は見られずに運ぶ為じゃが、これは小僧が見られないで済み、儂が運んでやる為の物なのじゃぞ。儂ら妖の者に比べると、人は足が遅い。お前は更に華奢じゃからのう。」
 「ボクは本当にお姉さんのセックス道具なんだねえ・・・。」

 達麻は尻を床に擦りながら涙を流していた。

 「ただ今。」
 「おっ、繭姫様? 随分とお早く・・・。」

 繭は大きな米俵などを軽々と担いできた。

 「如何なされました? 魔を討ってきたのでは? それにしても・・・。」
 「権爺にも分かりますか? 今日は自分自身でも凄く巧くやれたと思いますよ。これが今回の分のお礼です。庄屋様の家だったので、すっかり喜ばれて。それに理性がハッキリしていました。たぎりで目が曇る事もなく、冷静に戦えました。きっと充分に精を抜いていたからでしょうね。」
 「それにしてもこれ程にお早く・・・。食事の準備もしておりませなんだ。すぐに準備しますで・・・。」
 「まだ陽も高いのですから、鎧櫃を早く・・・。この調子だと、すぐにも次の村へと向かえそうですから。」
 「左様でございますな。それでは・・・。」

 権爺は鎧櫃の細工を続けるのだった。達麻は尻をモゾモゾさせていた。自分からは言い出せないでいたのだが、その様子に繭の方から尋ねるのだった。

 「達麻、どうしました?」
 「お姉さん、お願い。手を解いて。」
 「それはダメです。お前はわが仇敵を逃がしてしまったという大きな罪を負っているのです。」
 「逃げないよ。お尻が・・・、お尻が痒くて・・・。」
 「痒い? それが何なのですか? 本来なら魔童子と一緒に突き殺していたものを。」

 達麻は泣き出してしまった。

 「お願い。意地悪しないで・・・。お尻が・・・、お尻の中が・・・。」
 「素直に言いなさい。私に鶏姦をして欲しいのでしょう?」
 「お願いします。お姉さんが居ない間、ずっとつらかったの。」
 「それで宜しい。お前は私の精を処理する肉壺なのですからね。とはいえ、私はまだ催していません。私が精を施すのは私の都合です。お前に合わせて精を施したりはしません。」
 「ごめんなさい。お姉さん、本当につらいの・・・。だから・・・。」
 「私が催せば施して上げますよ。だったら、私を催させなさい。」
 「エッ・・・? だけど・・・。」

 達麻は焦った。繭を催させるという事は、繭のペニスを揉んで勃起させるという事なのだ。しかし両手を後ろに縛られていてはそれも出来ない。

 「分かりませんか? 手でなくても宜しいのですよ。お前には最初に精を施した時、その可愛らしいお口にでしたね?」
 「口? まさかフェラチオ?」
 「ふぇ・・・? 口淫の事です。まあ、イヤなら宜しいですよ。確かに男としてはつらいでしょうが、鶏姦とても男としては恥辱の筈。どちらが良いかはお前次第ですね。」

 達麻に選択の余地はなかった。尻のうづきは既に耐えられなくつらいものだった。達麻は擦り寄って、座っている繭の股間に顔を近付け、裾を拡げるのだった。繭は少し驚き、権爺を見た。権も驚いていたが、大きく頷く。繭のペニスはブランと垂れ下がっていたが、達麻が顔を近付けると、ムクムクと起き上がってきた。

 「ウフッ、私の男根はよほど坊やが好きらしいわ。この様な感じは初めて。」

 躊躇していた達麻だったが、グロテスクな筈の巨根がなぜかいとおしさを感じてしまう。口を大きく開け、パクッと亀頭を喰わえた途端、その亀頭がいきなり達麻の口の中で膨れ上がるのだった。

 「マゴァ・・・!」
 「ハウッ・・・? アッ・・・。」

 繭自身ですら驚く程の高まりがいきなり来たのだった。

 (ワーッ、何? 口の中でオチンチンが・・・。アッ、抜けないよ。ヒーッ、汁が出てきた。ウッ、このままじゃ・・・。)

 達麻は慌てて顔を引き、ペニスを吐き出そうとしたが、口より大きく成っている亀頭が抜ける事はない。そして繭が達麻の頭を押さえ、腰を前後し始めたのだ。

 (ダメーッ、お姉さん・・・。ワーーッ・・・。)

 喉の奥にいきなり熱くて苦い塊が突き刺さった。達麻はただ飲み込むしかなかった。
 やがて繭自身の意思で亀頭を細くし、やっと口から出せた時には、のざえても精液を吐き出す事は出来なかった。

 「お姉さん、ひどいよ・・・。お尻に挿れてくれる筈なのに・・・。」
 「ウーム、ごめんなさいね。まさか私だってあんなに激しく来てしまうなんて・・・。とてもいとおしい感じがしたと思ったら・・・。きっと父もお母様をあの様に・・・。お母様が父の男根から美味しそうに精を飲んでいるのを見ていても信じられなかった。私は父が無理矢理お母様に飲ませているのだと思っていたけれど、お互いに・・・。」
 「気持ち悪いよ。精液だなんて・・・。」
 「左様でございますなあ。儂とてお母上様がお父上様に口に施されているのは見慣れておりましたが、わが身には無関係の事とて・・・。今のこの小僧は男児ゆえ、そのおぞましさは分かります。」
 「エッ、おぞましい事なのですか? お母様は少し苦いけれど、とても美味しいとおっしゃっていましたが・・・。」
 「当たり前だよ。精液なんて・・・、気持ち悪・・・い・・・だけ・・・。エッ?!」

 達麻は飲み下した精液の感覚を思い出し、そしてまだ少し口に残っている分を舌で嘗めていた。そしてブルブルと震え出した。

 「どうしました?」
 「おかしいよ・・・。精液って・・・、気持ち悪い筈なのに・・・。」
 「ほう・・・。」

 権爺は感心した様に達麻を見て頷いた。繭は怪訝そうに権を見た。

 「権爺、何か?」
 「お母上様の場合よりも・・・。」
 「お母様が?」
 「はい。繭姫様がお生まれになった時には既に『姫達磨』でございましたが、最初に生け贄として参られました時は当然普通のお身体でございました。その身を犠牲にしてお父上様の『男』を治められる覚悟でございました。しかしはやり若い女子の身として、お心はつらくすさまれました。お父上様にしても、いつ迄も心を閉じたままのお母上様に業を煮やし、拐かし女に使う革袋で責めたのでございます。」
 「ええ。私もお母様に聞いております。辛苦と恥辱の日々であったと。だから私は拐かした女に花薬を用い、発情らせて、しかも長くとも三日に押さえています。」
 「しかし達麻には半月以上用いましたな。お母上様の場合は三月ではございましたが、口淫、鶏姦にて体内に直接精を施した量では達麻の方が多いでしょう。お母上様の場合は一時的に精神的におかしくおなりになり、その時にあの魔童子めが『姫達磨の呪』を掛けたのです。お母上様が正常な意識を取り戻された時には既にあのお姿で・・・、そして再び正気を失われて・・・。やがて回復為された時にはお父上様の精を食として・・・。」
 「良く分かりませぬが・・・。お母様の話が達麻とどんな・・・?」
 「この坊主もお母上様と同じで、いや、ずっと早く精を食と為す身体に成ったのでございましょう。さすればもう姫様から逃げ出せぬ身体に。」
 「本当ですか? それなら・・・。」

 繭の顔に輝きが増した。そしてペニスにも一段と力が篭り、キョトンとしている達麻を後ろ向きにしていきなり肛門に突き立てるのだった。

 「アウッ、もっとゆっくり・・・。」

 心では嫌がっていたセックスの道具であったが、肉体の快感はその心を麻痺させていた。肛門から突き立てられ、直腸を一杯に拡げられ、大腸に迄填まり込んでいる熱い肉棒に達麻は完全に性の虜と化していた。



 「フーッ、女壺の良さはないけれど、心の繋がりの良さは素晴らしいわ。」

 繭は達麻にペニスを挿れたまま抱いていた。達麻もうっとりとした表情で涙を流していたが、それは温かい涙だった。

 「お姉さん・・・、ボク・・・。」
 「エッ?」
 「オカマを掘られるのは凄くイヤだった筈なのに、お姉さんが出掛けている間、ボクは凄くつらかった。お尻にオチンチンを挿れられていないとつらい・・・。どうしよう、ボク、もうお姉さんと離れられない・・・。」
 「その心配は不要よ。私が離さない。私の大願成就には達麻が必要。たとえ達麻が逃げ出そうとしても私が逃がさないわ。お母様が入っておられた鎧櫃と同じ物を権爺に作らせたのもその為よ。」
 「エッ、ボクも? ボクは逃げないよ。だから暗い箱の中はイヤだ。」
 「顔を出せるわよ。それに逃がさない目的ではあったけれど、それでも入っていないとつらいわよ。私達の足は人間よりずっと早い。達麻が一緒に着いてなど来られない。それにここは山中ですけれど、村にも行かねばならないのよ。大勢の人達の前ですっ裸のお前と鶏姦を出来る? 私はいいわ。私は父の子の半妖という事は知れ渡っている。父の子であれば、父と同じだと思われるだけですから。」
 「お父さん? 同じって・・・。」
 「そう。私には恥ずかしい、忌まわしい事だった。父は『姫達磨』のお母様を剥き出しのまま男根に突き挿して、平然としていたの。どんなに他人が居てもよ。お母様だって平気で父の男根に良がっていたわ。私が半妖とバカにされ、蔑まれたのもそんな両親のせい。今なら分かるわ。他人が居ても、たぎってしまえば多分私だって達麻と繋がっていたいと思う。だから鎧櫃に入れておけば、それ程目立たなくて済むと・・・。」
 「エッ、ずっと・・・? ボクは戻れないの?」
 「お前は異界から来たのではないのか? この世界のどこに戻る所があるの? 異界との隙間が出来ねば戻れないではないですか。」
 「お姉さんがその刀で・・・。」
 「界の狭間を作るのは確かにこの刀ですが、それは私の意思で出来る事ではないのです。あの時は魔童子を討つべく、私の『妖』が激しく高まり、怒りの念の爆発で開いたのです。そう出来るにはやはり魔童子を倒す時でないと無理かと・・・。それにその狭間が達麻の界の狭間かは分かりませぬ。魔界の狭間を作ってしまう事の方が多い筈ですから。それに・・・。」

 繭はニヤッとした笑いを浮かべた。

 「もしその狭間が出来る時は、私の『妖』だけでなく、『男』のたぎりは凄さまじいでしょう。ちょうどお前が現れた時の様に。鶏姦など考えもしなかった私が、たぎりの勢いに任せて、お前を男だと知ってなお犯したのです。そんなにたぎっているのにお前を放す訳がない。私の呪が消える迄は無理ですね。」
 「お姉さんの呪が・・・。だけど、今だってボクは変なんですよ。このままずっとオカマを掘られていたら、ボクはお姉さんのオチンチンが入っていないと狂ってしまう。そうなってからお姉さんが女に成ってしまったら・・・。」
 「坊主、儂とて繭様の逸物には及ばぬが、自慢出来る逸物が在るぞ。」
 「ゲッ、お爺さんなんかイヤッ! ボクはお姉さんのオチンチンが好きなんだから。それに美味しい精を出してくれるんだから。」
 「美味しい?」

 繭の言葉に達麻はハッとして口を閉じた。しかしニヤニヤしている繭に達麻は開き直るしかなかった。

 「いいよ。ずっとお姉さんと一緒に居なくてはならないんだから。お姉さんの精液は美味しいよ。お尻から入れられていても美味しいよ。ボクはずっと革袋を被せられていた間、お姉さんの精液しか身体に入らなかった。それもお尻からだけ。それなのにご飯を食べなくても平気だった。きっと精液を消化しているんだよ。さっき飲まされたけど、凄く美味しかった。お姉さん、ボクは精液が好き。だからいいでしょ? 時々は飲ませてね。」
 「時々? 時々でいいの?」
 「だって、気持ちいいのはお尻の方だもの。」
 「そうではないのよ。お前がお母様の様に精を食とするなら・・・。」
 「繭姫様、言い難ければ儂から・・・。坊主、お前が精を好ましいと感じるのであれば、普通の食事は出来ぬ。」
 「そしたらおなかがすいて・・・。」
 「そうではない。お前の身体は・・・、既に口が変化してしまっているのじゃ。お前は繭姫様の精を飲むと言ったが、それは間違いじゃ。姫様の精しか飲めないのじゃ。儂達が他の物を飲ませぬのではない。お前自身が繭姫様の男根以外を口には出来ぬのじゃよ。まさか『姫達磨』の呪を受けてはおらぬのにその様に成ってしまうとは・・・。儂は絹姫様の場合、『姫達磨』の呪の為と思っておったが、『こけし』の呪による精が基であったか・・・。」
 「どういう事? ボクが食事出来ないって? だって、精液だけでは栄養が・・・。水だって・・・。」
 「水は良い。繭姫様とて水は出す。お前も尻から入れて貰っておったじゃろう。やはりお母上様と同じ様に儂がお世話せねばならぬかのう。」
 「水? お姉さまの水? まさか、オシッコ?」
 「そうじゃ。お母上様の場合、やはりお父上が長い旅に出た時には儂が張り型でお慰めし、食事は尻から入れて差し上げておった。時には酒席では飲み過ぎて顔を真っ赤にされていたり・・・。」
 「お酒? それもお尻から?」
 「そうじゃよ。最初は嘆き悲しみ、嫌がっておられたので、酒でお慰めせねばならなかったでのう。」
 「イヤーーーッ!」
 「爺、この坊やは説明だけでは納得しませんよ。その水を。」

 権爺は腰にぶら下げていた竹筒を繭に手渡した。繭はその口を開け、達麻の口に宛てがうのだった。

 「どう?」

 達麻にとり、口に入る物は繭の精液以外は久しぶりの物だった。水音のする竹筒に口を当て、流れ出る水を口に含んだ。

 「ブアーーッ・・・。」

 達麻はその水を噴き出してしまった。

 「ひどいよ。腐ってる。」
 「やはりね。」

 繭はその竹筒を自分の口に持っていき、わざとらしく飲み込むのだった。達麻は驚きの目で見つめていた。

 「フーッ、どう? 普通の水よ。お前の口は、私の呪による男根の精により変化してしまっています。もはや口からの食事は出来ませぬ。」
 「イヤダーッ、解いて! ボク、帰るーーっ!!」
 「姫、納得させる為、大人しくさせる為にはこれを。」

 権は酒の壺を繭に渡した。繭は泣き叫び、暴れている達麻からペニスを引き抜き、ピクピクと痙攣している様な状態の肛門に壺の口を突き込んだ。

 「ンゲッ?!」

 そして二人掛かりで達麻を抱えてひっくり返した。酒壺が天辺になり、コポコポと音を立てて酒が達麻の体内に流れ込んできた。

 「ワーッ、何? やめてーっ!」

 達麻は暴れて壺を振り飛ばそうとするが、二人でしっかり押さえ込まれている。その間に達麻の予想以上のスピードで流れ込むのだ。精液とは違い、サラッとした液体なのだが、直腸、大腸からの吸収が早い。

 「アフッ、お酒? イヤーーッ!」

 自分でも酔いの回りが分かる。体温が上がり、鼓動も早くなる。そして息その物が酒臭くなっていたのだ。やっと酒の壺を抜いて貰った時、三合程度入っていた酒は既に達麻の大腸に送り込まれていた。息張ろうとしても、アルコールの影響と言うよりも、達麻の内臓が排泄をする方法を忘れてしまっているという様な状態だった。

 「アブッ・・・、お酒・・・、出せない? お尻からお酒を飲まされたの?」

 四つん這いに戻された達麻はまともに起き上がれない。フラフラしながら起き上がろうとするのだが、涎を流したまま突っ伏してしまう。

 「何と酒に弱い・・・。お母上様とて酒には強いお方ではなかったが、それでもこの様な状態になるには一升程お飲みになってからじゃったが・・・。」
 「本当に酔っている様ですね。童とはいえ・・・。しかし大人しくはなりますね。己の身を嘆き騒ぐ時には酒で静かに出来ましょう。」
 「左様で・・・。しかし儂の勘からすると、お母上様の時よりもずっとお早いかと・・・。お母上様は肉体の変化の後にお父上様を愛されましたが、この小僧の場合、なぜか繭姫様に強い好意を感じておりまするな。鶏姦がその引き金かとも思われまするが、案外本人の気付かぬ悦びであったのかも・・・。」
 「鶏姦が? まさか・・・。」
 「いや、異界の者ですで、儂らとは、この世の人間とも異なりまするかと・・・。」

 達麻はいきなりの大量の酒の注腸ですっかり酔ってしまい、突っ伏したまま眠ってしまっていた。




 「ウーッ、気持ち悪い・・・。」
 「目覚めましたか・・・。」
 「アッ、お姉さん・・・?」
 「達麻は随分と酒に弱い様ですね。」
 「お酒? アッ・・・。」

 やっと注腸で酔ってしまった事を思い出した。

 「お酒・・・、飲んだ事ないもの・・・。それをお尻からだなんて・・・。」
 「おやおや、初めての酒が尻からだったという訳ですか。それは申し訳ないというか・・・、これからもずっと尻で酒をたしなんで貰うのですね。」
 「イヤだ。ウーッ、気持ち悪い・・・。」
 「あの様に泣き喚く時には酒で静かにして貰いますよ。しかし二日酔いの様ですね。二日酔いには水が宜しいでしょう。どちらからにします?」
 「どちら・・・から?」
 「お口からにするか、お尻からにするかという事ですよ。」
 「グッ・・・、口からでいいの? ずっとお尻からって言ってたから・・・。」
 「水は宜しいのですよ。」
 「だけど・・・、昨日は不味くて、とても・・・。」
 「昨日のは私達の水。お前の飲む水はこちらですよ。」

 繭は微笑みながら裾をまくった。

 「ワッ、オシッコ?」
 「そうですよ。さあ、口からと言いましたね? 飲みなさい。達麻、私は飲めと言いました。あなたはどうしますか?」

 繭の言葉には強い念を感じた。達麻は泣き出してしまっていたが、それでも素直に繭の股間ににじり寄るしかなかった。萎えても巨根であるペニスを喰わえると、少しムクムクとしてくる。

 「ちょっと待ちなさい。喰わえさせての小便は慣れていないので・・・。」

 ちょっと息んで繭の逸物の先端から生暖かい液体が溢れ出てきた。達麻はその汚辱から早く解放されたいと思っていたが、身体の水分不足の影響もあり、意外と良い味わいの『水』にちょっと驚いた。

 (まあ、私のオシッコを美味しそうに飲んでいる。爺の言った事は本当なのね。)

 達麻は飲み終えると、身体がスッキリと目覚めたのを感じた。二日酔いが解消すると、急に空腹感に襲われた。そして勃起しているペニスが目の前に在る。

 (エッ? ボク・・・、お姉さんの精液が飲みたい? フーッ、美味しそう・・・。美味しそう? まさか・・・。だけど・・・。きっと『呪』のせいだ。だけど・・・。)

 「お姉さん、あのう・・・。精も飲みたい・・・。」
 「エッ、精を?」
 「おなかすいたから・・・。」
 「私はいいけれど・・・。」

 驚きの中、達麻はもう一度亀頭を喰わえた。そして舌で嘗め上げ、顔を前後に動かし、勃起を促進させる。

 「ハッ。上手ね・・・。ハウッ・・・!」

 繭自身、驚く程の高まりで放精してしまうのだった。それを達麻はひたすら吸い上げていた。

 「フーッ、美味しかった。」

 達麻は照れ臭そうに微笑んだ。

 「美味しかったの? 昨日迄はあれ程嫌がっていたのに。」
 「ボクも・・・分からない・・・。だけど・・・変なの。お姉さん、お尻にも欲しい・・・。」
 「まあっ!」

 繭は嬉しそうに達麻を抱き上げた。その時権が釜を持って入ってきた。

 「朝飯の準備が出来ました。」
 「アッ、爺。先に達麻に精を施してしまいますから・・・。」
 「ハアッ?」

 二人が微笑んでいるのを訝しそうにしていた。

 「達麻が精を欲しいって・・・。」
 「ほう・・・、そこ迄・・・。じゃとすると・・・。繭姫様、坊主の為には重湯を用意しましょうか?」
 「重湯?」
 「母上様もそうじゃったが、いきなり飯は食えませぬ。食で言えば赤子同然ですからのう。精はいわば乳。赤子も最初は重湯からですじゃ。」
 「そうですか。お願いしますね。」

 繭はまだ権が居るのだが、恥ずかし気もなく達麻の肛門にペニスを突き立てるのだった。

 「ハウッ・・・!」
 「フーッ、いいのはいいのだけれど・・・。」
 「アハッ、お姉さん、なあに?」
 「達麻、お前が女だったら・・・。尻もそれなりに良いけれど、女壺であれば男根の抜き挿しが気持ち良い。それにどうしても後ろ向きだから。今迄は女を拐かしていたから顔は袋で覆っていたが、達麻の良がり顔は見られる。だが後ろ向きでは嬉しさが減る。それに乳房を嬲りながら良がらせる楽しみもなくて・・・。」
 「アッ、お姉さん、それはやだよ。」
 「いや? 何が?」
 「ハウッ・・・、お姉さんのお母さんの『姫達磨の呪』をボクにしたりしないで。」
 「アハハ・・・。」

 繭は大きな声で笑い出した。

 「それも良いのう。しかしそれは無理じゃ。お母様の呪はあの魔童子が精魂込めた呪じゃ。そして女でなければ無理。大体あの呪は手足を乳房と女壺に変化させる呪。達麻は小さいとはいえ男根が在り、女壺も乳房も無い。無い物を大きくさせる事は無理じゃ。それに・・・。」
 「それに?」
 「お母様の呪を施す時、父がその呪を助ける念を放ったという。変化の呪は元々が『妖』の技ですから。しかしお前にその呪を施される様な事があったとしたら、私がそれを助けねばならぬ。しかしそれは私の『こけしの呪』がそのままになってしまうかも知れぬ。私は女に戻りたい。魔童子を討ち果たせば女に戻れるのに、自らその機会を放棄したりはしない。」
 「そうだよね・・・。良かった。」
 「分からぬぞ。私の事と無関係にお前が『姫達磨』に成る事は構わぬ。そうすれば私の精はいつでも抜いていられるからのう。」
 「冗談! イヤだよ。アクーーーッ!」

 熱い粘液の塊が大腸を膨らませた。逆流していく精液が体内に滲み込むのを達麻はジッと楽しんでいた。

 「繭姫様、宜しいか?」
 「アッ、済みませぬ。施し終えました。」
 「それではこちらへ。暫くぶりに米だけの飯ですわい。」
 「それは・・・、贅沢な。」
 「贅沢? お米だけって・・・?」
 「何? 達麻には贅沢ではないのか? 麦ですら混ぜないのじゃぞ。ウーン、良い匂い。」
 「だって、ご飯って、白米でしょ? 麦なんか混ぜたら、身体に良いのは知っているけど、不味いし・・・。」

 繭は達麻を見つめて驚いていた。

 「異界の者としても・・・。そうか、貴族の出か? そうじゃな。それなら分かる。男子なのにこれ程華奢で可愛いのですね。アハハ・・・。」
 「繭姫様、何が?」
 「爺、私と達麻は、男女こそ違うが両親と同じですね。」
 「ご両親と?」
 「父は荒ぶる妖怪でした。母は小さき国とはいえ、一国の姫。私は姫と呼ばれてはいても、半妖で、父と同じに魔を討っています。そしてその精を受ける高貴な達麻。」
 「高貴って・・・、そんな事ないよ。」
 「良い。名からしても『姫乃』であろう? 『姫』と言う文字には高貴を意味する。達麻という男らしい名前もそうじゃのう。どういう文字じゃ?」
 「『達する』の『達』と『麻布』の『麻』」
 「ほう。『麻』も貴族の男子の好んで使う文字じゃ。」
 「姫様!」

 権が驚いて口を開いた。

 「どうした? 爺。」
 「『姫乃達麻』と申されましたな?」
 「そうですが?」
 「これは・・・。偶然とは・・・。」
 「だからどうしたのです?」
 「『達麻』の文字は『達磨』の文字より『石』を削った文字。『姫乃達麻』は『姫達磨』と・・・。」
 「エッ? アアッ・・・!!」
 「お母様の・・・。」

 繭は驚き、嬉しそうに達麻を見つめていた。

 「名前だけはお母様の呪と・・・。確かに姫と呼ばれる私の授けられた『達磨』。」
 「姫様?」

 繭は自分から腰を動かしていた。

 「爺、済まぬ。もう少し・・・待って・・・。」

 二人のアナルセックスはいつ迄も続くのだった。



 「爺、済まぬ。すっかり飯も冷えてしまった様ですね。」
 「よほどこの子がお気に召しました様で・・・。儂としては衆道であっても、姫様のたぎりを治めるのに、喜んで精を施せる者であれば・・・。儂としても『妖』のたぎった姫様を見るのはつらい。これ程長い事、お優しい姫様を見ているのは初めてですじゃ。やはり姫様はお優しい笑顔が一番ですからのう。」

 繭が準備されていてすっかり冷えた食事をとろうとしていると、権は暖め直した重湯を壺に入れていた。

 「それは?」
 「これはこの子の食です。尻から入れまする。お母上様も最初はそうでした。泣き疲れ、食を口にしませなんだ頃、無理にでも食をという事で。しかしこの子は既に食を口に出来ませぬ故、尻から入れます。姫様はお先に。」
 「そうはいきません。達麻は私の・・・、オホン、私のたぎりを治める肉壺、つまり私の道具です。自分の道具は自分で手入れしないと。それにその穴は私の男根を納める大事な部分です。ですから自分でします。」
 「左様ですな。」

 権は笑いながら重湯の入った壺を渡した。そしてまだ惚けている達麻をひっくり返し、繭が尻に壺を突き立てる。

 「アヒッ、何?」
 「やっと気が付いたの? お前の食事です。」
 「食事? お尻から? イヤーッ、流れ込む。」
 「静かに。大人しくしていなさい!」

 繭の強い語気に達麻は黙ってしまった。それに重湯であるなら汚辱感が少なく、そして意外にすんなりと流れ込んでいくのだった。

 「フーッ、久しぶりの食事・・・。」
 「エッ、達麻は尻からの食事をしていた事があるの?」
 「違うよ。こんなのは初めて。そうじゃなくて、お姉さんのオシッコと精液以外がおなかに入るのは、お酒以外は久しぶりだって事。だけど・・・、変だよ。お尻でも味が分かる様な・・・。」
 「ウフフ・・・、ますます『姫達磨』ですね。お母様もそうでした。」
 「しかし姫様、お母上の場合はずっと後の事でした。姫達磨に成られてから、更に数カ月後、諦めというか、お心を割り切られてからでした。」
 「順番が逆という事ですね?」
 「左様ですな。しかし儂にとっては懐かしい気持ちです。」
 「懐かしい?」
 「はい。儂はお父上様の従者をしておりました時、力のある妖狐でしたが、荒ぶる妖狐は儂にとっては力の上下による支配でしかありませなんだ。元々のお優しいお父上を知る儂としては、こけしの呪による変化、特にお心の変化は見ていてもつらかった。何度離れようとした事か・・・。確かに魔を討つ力は凄いものじゃったが、情を失った様なお父上は・・・。しかしお母上様がいらっしゃってからは・・・。特に姫達磨と成られたお母上様を得られてからのお父上は本来のお優しい心が戻られ、儂としても一緒にお仕事をするのがとても楽しかった。まあ、お二人の呪の睦み合いにはいささか閉口しましたが、それでも村人に喜ばれ、尊敬されるお二人に仕える儂も鼻が高かった。繭姫様は嫌がっておられたが、お父上様がお出掛けの間、お母上様だけが社(やしろ)に居られた時は儂がお世話しておりました。しかし儂も出掛けねばならぬ時は村人にお願いしておりました。その場合でもお母上様はお召し物を着ておられませなんだ。」
 「そう、あれはとてもイヤでした。」
 「慣れた儂が見てもお母上様は扇情的でしたが、村人には更にでしょう。しかし誰も・・・。まあ、お父上様の怒りも恐ろしいが、それ以上にお母上様が神々しかったのですじゃ。お父上のご不在時には女壺にお父上様の代わりの張り型を填め込んだ浅ましいとさえ思われるお姿でもですぞ。お乳がつらい時には搾って頂いてもいらした。最初は蔑まれた妖魔に見られておりましたが、本来の変化のお姿のお父上の奥方様じゃ。神様扱いでした。あの社はお二人を祭る神社でもありましたのじゃ。」

 達麻はおなかに入れて貰った重湯が消化されていくのを感じながら権爺の話をジッと聞いていた。なかなか想像が及ばないが、それでも繭の巨根がその証拠だった。

 「爺、もういいでしょう。その様な母であっても、因果が魔童子に・・・。」
 「そうでしたな。この坊主には無関係の事。姫様、食事を。」

 達麻の脇で二人は食事を始めたのだが、食事の出来ない達麻に不憫さを感じてはいないのは良く分かる。

 (やっぱり本当なんだなあ。お姉さんのお母さんは食事が出来なかったという。ちょうど今のボクの様に。)

 「さて、姫様、明日は如何致しましょう。」
 「そうですね。いつもですと一日休んでからでしたが、それは『男』のたぎりを治める為でした。でも今回はその必要はありません。それと魔を退治した庄屋の話ですと、更に隣の村にも出没しているらしく、やはり退魔をして欲しいと依頼を受けました。その依頼の一部として、いつもよりも多くのお礼を頂いて参りました。」
 「左様でしたか。姫様が宜しければそう致しましょうぞ。小物とはいえあちこちに出ておりますからのう。」
 「たまには社でゆっくりとしたいものです。それに楽しみもありますし・・・。」

 繭は自分の股間と達麻に視線を動かすのだった。



 「ご馳走様でした。この様にゆったりした食事は久しぶりですね。」
 「まことに。第一、この様に食事を致します時は、姫様の退魔が済んでからでございますから、『妖』のたぎりの強い内でございますからのう。儂も姫様の強い妖気で『妖』が出てしまいます。この様な和やかな気分ではおりませんからのう。」
 「それでは爺、達麻の鎧櫃を直しておいて下さい。申し訳ないのですが、私は・・・。」

 繭は少し顔を赤らめていたが、着物がかなり持ち上がっていた。

 「いやいや、姫様も明日の退魔の準備をして頂きませぬとな。儂とて嬉しい事なのですじゃ。」
 「それでは・・・。」

 達麻は肘と膝での四つん這いのまま、素直に尻を向けるのだった。そして繭は着物の裾を割り、少し前屈みで填め込むのだった。

 「ハウッ・・・!」

 ゆっくりとした抜き挿しから段々と周期が早くなる。

 「アッ、ハッ、ハッ・・・。」

 二人の喘ぎ声は権爺にも好ましいものだった。微笑みを浮かべながら鎧櫃の補修を続けるのだった。



 「フーッ、お姉さん、随分出したね。」
 「本当。こんなに疲れたのは久しぶりよ。それに達麻のお尻も凄く具合が良くなってきたわ。」
 「ねえ、お姉さん、ボクが逃げないのは分かったでしょう? だから解いてよ。」
 「それはダメッ。達麻が逃げ出せば飢え死にしてしまうから、絶対に逃げないのは分かります。」
 「ね、だから・・・。」

 繭の表情が少し険しくなってきたので、達麻は口をつぐんだ。

 「坊主、姫様に掛けられた呪はお父上様に掛けられた呪と同じじゃ。いや、お父上様の呪をそのまま移されたと言っても良い。お父上様の男根はずっと姫達磨にされたお母上様の蜜壺に挿れられておった。本当なら手足の無いお主の肉壺に挿れられたいのじゃが、そうもいくまい。手足を縮めて黒い革袋に納めているのはそういう訳なのじゃよ。今迄の拐かし女の場合もそうじゃったが、その姿にしておく事で繭姫様は心地良く精を施す事が出来るのじゃ。それにのう・・・。」

 権爺は含み笑いを漏らしていた。

 「姫様の呪は『妖犬』の呪じゃ。犬には犬の精の施し方がある。その形が一番犬らしい姿なのじゃよ。」
 「私の男根は独占欲が強い。私は達麻が逃げ出さないのは分かっていますが、しかし男根はそうではないの。達麻が逃げ難い形だと、男根も安心するのでしょう。お前の手足を自由にすると逃げられてしまうと感じ、男根はひたすらお前の中に突き込み、抜けなくする事で逃亡を妨げようとします。そして女であればひたすらいき続けさせ、逃げる気力を萎えさせようとします。つまり、私の『男』のたぎりが激しくなってしまうの。フッ・・・、達麻がその様な事を言うものだから、高まりが・・・。」

 それは達麻にも分かる。大腸噴門を押し拡げて填まり込んでいる亀頭が大きくなり、引っ掛かる様になる。文字通り内臓を掻き回される鈍痛が一種の快感となっていた。そして突き込まれる感覚で精液が押し込まれると、達麻は自力では四つん這いになっていられない程のショックで突っ伏してしまうのだった。



 「ウッ?」

 達麻は暗く狭い空間の中で目を覚ました。鎧櫃の中に入れられて運ばれているのだ。

 「イヤッ!」

 慌てて身を伸ばすと、頭の部分がスッと持ち上がり、外の明るい光が見えた。

 「ウフフ・・・、達麻、やっと起きたのね。」
 「アレッ、これは?」

 達麻は鎧櫃に入れられて、権爺が背負っているのだった。鎧櫃の揺れから感じるとゆっくりと歩いている様なのに、回りの景色の流れが異常に早い。脇を歩いている繭も同じで、ゆったりとした歩の進みなのに、その移動のスピードはまるでマラソン選手並みなのだ。

 「な、何なの?」
 「達麻は初めてだから驚いているのですね。なぜ私がお前を鎧櫃に入れて運ぶのかが分かったでしょう? 私達『妖』の者はゆっくり歩いていても人間よりはずっと早いのですよ。達麻では着いてくるのは大変でしょう。」
 「『妖』って・・・。こんなに早く・・・。」

 達麻は感動すら覚えていた。

 「繭姫様、儂はお母上様以来久しぶりでござりまするが、懐かしく嬉しゅうございます。お父上様とともに退魔の旅をしていた頃を思い出します。」
 「私にも今分かりました。何度かは父の退魔の旅に同行しましたが、その時、お母様がその鎧櫃から顔を出されるのがイヤだった。如何にも姫達磨という事が分かるのですから。ですが、達麻がそこから顔を出していると、そうですね・・・、ちょうど玩具を持ったまま旅をしている様な不思議な嬉しさを感じます。」
 「ボク・・・玩具?」

 ちょっとふてくされる達麻ではあったが、事実そうなのだ。心では反発しても、肉体はそうではない事を良く分かっている。しかしそれ以上に辺りの景色に不思議な感動を覚えるのだった。

 「坊主、そんなに不思議か?」
 「うん。お姉さん達の歩きの早いのには・・・。だけどこの辺は?」
 「既に春山に入ったかのう。」
 「春山・・・。どの辺りなの? ボクの居た所とは随分違う・・・。」
 「異界の国とは異なるじゃろう。春山の向こうが『秋奈』の国。南に『泉谷』、北に『白山』。手前が『若菜』じゃが、その向こうは『絹邦』。」
 「首都・・・、この国の都は?」
 「都? まあ、一番大きな国は『幾邦』じゃがのう。」

 やはり達麻には全然分からない地名だった。

 「星空はもの凄くきれいだったけれど、見慣れた星だったしなあ。地球である事は間違いないんだけど・・・。」



 「さあ、そこですよ。」

 ハッとして達麻が彼方を見ると、いかにも庄屋風の屋敷が見えた。そして数人の農民が田の草取りらしい事をしている。そして向こうも繭達に気付いた様だった。そしていかにも慌てている様子だったが、達麻も自分の恥ずかしい姿に慌てて首を引っ込めた。外の騒がしい声を不思議に思った。

 (悲鳴? 退魔屋って、魔を退治するのだから、退魔屋は喜ばれこそすれ、恐ろしがられる事は・・・。ああ、お姉さんは『妖』が高まると妖狐の姿に成るから。)

 しかし騒々しい声の内容は少し違うのだった。女達を避難させる様な叫び声だった。達麻は少し顔を出し、権に尋ねた。

 「おじさん、どういう事? 『女は家に隠れろ』って言っているみたいだけれど。」
 「ムフフ・・・。それとなく知られておる様じゃのう。お父上様の時も最初はそうじゃったが、繭姫様も退魔を始めてから、男のたぎりを治める為に、かなりの女を拐かしたから、どうしても噂は広がるわい。」
 「でも、それも大丈夫でしょう。」
 「そうですじゃ。儂がお母上様を背負ってお供をする様になってからは、女を拐かす必要はなくなりましたからのう。」

 繭達は庄屋の家に訪れ、挨拶をした。声の気配からは数人の男達が出迎えている様だった。

 「分かりました。あの山の中腹ですね?」
 「左様でござります。既に何人か殺されまして・・・。」
 「権爺、さほどの魔ではない様です。ちょっと済ませてきてしまいましょう。」
 「繭姫様、儂は如何致しましょう。」
 「すぐに済みますから、待っていて下さい。」
 「分かりました。」

 繭はスッと走り去っていた。

 「ご従者様、それではこちらで・・・。」

 権は鎧櫃を背負って奥の間に通された。お茶と菓子を持って来たのも男達だった。

 「庄屋様。まことに申し訳なかったが、お気付きの通り、繭姫様は退魔の後、女を必要となされていた。しかしその心配はご無用になりました。」
 「無用と? すると、以前の絹姫様の様な・・・?」
 「ウーム、そうと言えばそうなのじゃが、違うと言えば違うし・・・。この櫃の中に繭姫様のお相手が居られる。」
 「おじさん!」

 達麻は慌てて声を上げた。

 「良いではないか。これからも坊主は姫様と一緒に出掛ける事もある。達麻の事を知らせておいた方が、女衆の不安が無くなるでのう。」
 「あのう、権様、坊主・・・と? 男で?」
 「そうなのじゃ。ちと不思議ないきさつで、異界の少年を繭様の肉壺として手に入れました。」

 庄屋達の声にならない声が不審を表していた。

 「これ、達麻。顔を出せ。」
 「イヤーッ!」
 「それなら鎧櫃から放り出すぞ。顔だけなら良いじゃろうが。」

 すっ裸で手足を拘束された姿は晒したくなかった。渋々顔を出すと、驚いた顔の年寄り達が達麻を見つめていた。そしてホーッと溜息をもらした。

 「男・・・でございますか? 確かに髪型は・・・。」
 「そうじゃろう。儂も顔だけ見た時は女子じゃと思ったで。これで里の女子衆も安心出来るじゃろう。とはいえ、どの様な噂かは知らぬが、以前のお館様の様な非道はしておりませぬぞ。この辺りの女子のお世話にはならなんだが、『妖』のたぎった時のお姿はお館様を思い起こさせましたからのう。」
 「そう言えば・・・。以前退魔をお願い致しました時の姫様とは随分とご様子が異なりましたのう。」
 「そうじゃのう。まるで巫女様の様な・・・。」
 「あれが本来の繭姫様なのじゃ。」

 達麻は櫃の中で恥ずかしさに耐えていた。その時、急に会話が途切れた。

 「あれ、姫様?」
 「どうしました?」

 達麻はそっと顔を出し、回りの様子を見た。庄屋達は驚いた顔で繭を見つめていた。

 「済みましたよ。」
 「済んだ・・・? 退魔が?」
 「そうですよ。」
 「しかし・・・。」

 権が笑いながら話し掛けた。

 「姫様。以前の退魔との違いでございます。以前であれば退魔の前から姫様はたぎりが強かったが、今は退魔が済んでもそのご様子。どうじゃ、庄屋様。絹姫様を伴っておった時のお館様と同じでございましょう。」
 「いかにも・・・。」
 「ああ、爺。達麻の事を話したのですね? もう変な噂の如き事はありませぬ。お陰で退魔そのものも落ち着いて確実に出来ますから。」

 庄屋達はホッとして、互いに顔を見合わせていた。

 「それは宜しゅうございました。それにしても、あれ程の魔をいとも簡単に・・・。先代よりも凄い力かと・・・。これ程早くとは思いませなんだで、準備しておりませなんだ。すぐ用意させますで、しばしお待ちを。」

 男達は慌てて立ち上がった。そして奥に隠れている女達に酒席の用意をさせるのだった。



 酒宴は賑やかなものだった。繭達も楽しそうな声を上げて話をしている。女達も安心してお酌をしていたのだ。以前の繭とは異なり、いかにも優しい女らしい姿なので、誰もが安心出来ていた。しかし達麻にはつらい時間だった。鎧櫃の中でジッと待つだけなのだ。村人をあれ程恐怖させていた魔がいとも簡単に討ち果たされ、恐怖の去った嬉しさで酒宴は盛り上がり、誰もが気持ち良く酔っている。そんな中で庄屋の娘らしい女が繭に話をする。

 「姫様、その櫃の中の子って、どんな方ですの?」
 「達麻?」
 「ええ。こう言っては申し訳ないのですが、姫様は先代様と同じ呪を受けてしまって、男の物をお持ちになっているとか。それを治めなさっているのが男の子と聞きましたが、ちょっと・・・。」

 好奇心の強い声だった。周りの者はその失礼を納めようとしていたが、しかし好奇心は同じ様に強そうであった。

 「そうじゃのう。儂も不思議に思いましたぞ。しかし姫様の伴侶とあらば、先代の奥方様と同様、一緒に酒宴を楽しんで頂きませぬと。今宵は祭りですぞ。あの恐ろしき魔が居なくなったのじゃ。」
 「ええ、しかし達麻は酒に弱いので・・・。」
 「左様で・・・。それならば折角の馳走じゃ、たんと召し上がって頂かねば。」
 「それも・・・。母様と同じで・・・。」
 「左様でございましたか。それでは先代様と同じ方が宜しいのでしょうか?」

 繭は小さく頷いたが、それでも何かモジモジしていた。

 「確かに繭様の場合、ちょっと予想はしておりませなんだが、先代様と同じ呪であるなら、当然の事でござりましょう。儂達は先代様の時から見慣れておりまするで、結構でございます。」
 「ええ、私としても・・・。」

 達麻は櫃の隙間から繭を見ていたが、繭が膝を崩しているのはペニスがいきり勃っているからだと分かった。

 「庄屋殿。御先代様の場合も、いきなり奥方様と酒席をともにはしませなんだ。奥方様でさえ、あの呪を受けて仕舞われてからですからのう。この子の場合は呪を受けてはおりませぬ。ごく普通の少年ですから、酔ってでもいなければ無理でしょう。」
 「爺・・・。」
 「ハッ?」
 「達麻を酔わせてくれませんか? 私の『男』が・・・。」
 「ああ、左様で。庄屋殿、やはり姫様も先代のお館様と同じ様になさりたいそうじゃが、本当に宜しいので?」
 「勿論でござりましょう。」

 酒に酔っている庄屋は赤ら顔で笑っていた。

 「今宵はただ魔を討って頂いただけではありませぬ。先代様の時の様に、姫様がいらっしゃる限り、もう魔物は恐れて現れませぬ。こんなめでたい事がありましょうや。」
 「それでは・・・。」

 権は鎧櫃の蓋の隙間から達麻に声を掛けた。

 「坊主、話は聞いておったの?」
 「お爺さん、ボク、お酒はダメだよ。」
 「おお、それなら別に酒は飲まぬでも良い。出て参れ。姫様のお相手を。」
 「エッ?」

 満座の前で自分の姿を晒す事は出来ない。驚いている達麻に権は話を続ける。

 「じゃろう? じゃから酒に酔っておれば・・・。」

 権は鎧櫃をひっくり返した。

 「ウギッ・・・?」

 手足の自由にならない達麻は逆様にされてもがいていた。そして尻の方の蓋を開かれ、明かりが漏れてくる。周りの好奇に満ちたざわめきの中、肛門に冷たい物を押し当てられ、いきなりズブッと填め込まれるのだった。

 「イヤーッ、何ーーっ?」

 囃し立てる様な歓声の中、尻に挿し込まれた物から温かい液体が注ぎ込まれてくる。

 「ウワッ、お酒・・・。ヒーーッ!」

 コポコポと音を立てて直腸から大腸へと流れ込んでいく。達麻は櫃の中で暴れるのだが、それはより酒を体内に導いてしまう事となるのだった。周りでは里人が囃し立てている。そして逆様にされている事で、酒の注入も早く、酔いも早くなるのだった。

 「ウグッ、ダメーーッ・・・。」
 「権様、あまり酒に強くないとの事ですじゃで、揺すれば早く酔いが回るのでは?」
 「おお、そうじゃな。」
 「ギェーーー!」

 権は櫃を抱え上げ、まるでシェーカーを振る様に揺すり始めた。それは達麻を一気に泥酔状態にさせてしまうのだった。

 櫃の蓋を開け、ゴロンと放り出された達麻に里人は歓声を上げた。達麻にはもう恥辱感はなかった。それよりも目が回り、理性も霧散していた。繭が転がっている達麻を抱え上げ、女達が好奇の眼差しで注視する中、驚きの声を上げさせながらその巨根を達麻の肛門に捻込むと、不思議な歓声に満ち溢れた。

 「フーッ・・・。」

 繭はため息を付きながら達麻を揺すり始めた。

 「凄い・・・。」
 「あんな・・・。」

 宴会の場は興奮の場と化した。

 「ムフッ・・・。」

 泥酔の気分の悪さが、肛門への太いペニスが押し込まれる事によって解消していくのだった。泥酔でなければ心地良い酔いだった。

 「確かに男の子よね?」
 「あそこだけはね。だけど・・・。」

 繭の巨根に喘いでいる達麻の表情は少女と見紛う可愛らしさだった。年かさの者達には以前見ていた繭の両親達と同じ行為であり、あまりのあから様さに驚きはするものの、妖狐の血を引く繭であってはある程度理解されている。しかし若い者達には衝撃であった。アナルセックスではあっても、その様な行為を平然と衆人の中で行う事、そしてそれが卑猥さよりも強い愛を感じさせる事にであった。

 「アフーン・・・。」

 達麻が繭の突き上げる迸りに歓喜の声を上げた時、里人達にも歓喜の感情が爆発した。声にならない歓声が響くのだった。

 「名主様・・・。申し訳ありません。」
 「エッ・・・? アッ・・・。」
 「私は父と母が皆様達の前で行っていた恥ずべき行為を、自らしてしまう身体に成っています。」

 繭はまだ達麻に突き挿したまま、恥ずかしそうに謝るのだった。

 「いえ、その様な・・・。しかし・・・。」
 「これからもこの様な痴態をお見せしてしまう事となるでしょうが、お許しを・・・。」
 「許しだなどと・・・。こんな事を言っては申し訳ないのじゃが、儂らとしては楽しいものを見させて頂いた気分じゃ。先代様の時にも実は楽しませて頂いておった。しかし姫様に迄拝見させて頂くとは思いませなんだ。それにしても・・・、本当に不思議な気分ですじゃ。お美しい繭様と、その男の子の不思議な組み合わせ。本当に神々しさすら感じますでのう。」
 「そうなのじゃ。その子が男とは信じられぬ。」
 「しかし繭様には良き伴侶であられる。となると、これからは繭様の退魔の力もずっと強くなるでしょうなあ。ますますこの村は安泰じゃ。この村だけではない。近隣諸国の魔は残らず退散する事でしょう。」

 里人達の喜びの歓声は、達して惚けている達麻への賛美の声でもあり、心地良い酔いを更に心地良くさせていた。



 「坊・・・。」
 「ん?」

 幾分二日酔いの体(てい)を表していた達麻は繭ではない女の声に目を覚ました。肉体的には繭との事を為していたので落ち着いてはいるが、アルデヒドが残っているのか、まだ目眩の気がある。

 「ワッ! ボク・・・。」

 鎧櫃から出されたままで、恥ずかしい姿を若い女達が囲んでいたのだ。中には少女もおり、興味深そうに裸の達麻を見つめているのだ。達麻は慌てて身を縮めるのだが、自分で隠したと思える程には身を隠せないでいる。

 「ワーッ、お姉さん、戻して! お爺さん、櫃の中に!」
 「達麻、宜しいではありませぬか。」

 繭も権もまだ村の衆と杯を交わしていた。

 「イヤーッ、早く!」

 達麻は肘と膝の四つん這いで鎧櫃の方へと動こうとするのだが、酒の入った女達はネズミを弄ぶ猫の様に、達麻の小さなペニスを掴んで引き戻すのだった。そして仰向けに転がされ、身体中を撫でられるのだった。

 「ヒーッ・・・。」
 「私は達麻という良き玩具を手に入れました。新しき玩具を得た童は自ら楽しんだ後はどうすると思います? 当然の事ながらその玩具を自慢し、見せびらかすでしょう。私もそう。皆が羨む事も私の喜び。」
 「ボクは・・・玩具じゃない!」
 「それにしても姫様・・・。この子は確かに男ではありますが・・・。」

 村の女は達麻の身体を撫で回しながらその肌に感心している様だった。

 「この肌の美しさは・・・女子でもなかなか・・・。それにあそこが無ければ・・・。姫様、もしかして・・・。」
 「もしかとは?」
 「姫様にはご無礼かとは・・・、つまり、この童も姫様と同じに呪を受けた女の子では?」

 繭は笑い出した。いかにも楽しそうな笑い声だった。

 「本当に・・・。そう思う方が自然かも知れませぬ。『妖』は変化を得意とする者は多い。私が半妖でなければ達麻の本質が分からなかったかも知れぬ。『妖』であれば呪や変化はすぐに分かります。達麻は純粋に人間ですし、完全に男の子なのです。ただ、異界の者ですので、この地の男の子とはいささか異なる様ですが。」
 「異界?」

 女達はビクッとして達麻から手を離した。

 「異界と言っても魔界の事ではありませぬ。『妖』も『魔』も居ない人間界です。その様な異界では男の子ですらこの様な姿らしいとか・・・。」

 村人達は感心していた。名主が大きく頷きながら感嘆していた。

 「左様でござりましたか・・・。『妖』も『魔』も居ない世界であれば戦は無かろう。と言う事は彼岸、神の国、仏の国であろうか・・・。男の子でこの美しさであれば、天女の美しさは更に推し量れまする。しかし姫様、神の子、仏の子を姫様の・・・。神罰、仏罰を得ませぬでしょうか?」
 「ホホホ・・・、今の私は罰などは恐れませぬ。よしんば罰を受けるとしても、達麻を手放す位なら、喜んで罰を受けましょう。」

 村の衆は皆素直に頷いていた。そして達麻の肌触りを楽しみ、小さいながらも弄ばれて勃起しているペニスを悪戯していた。

 達麻は神の国の子として認知され、その達麻を性処理の道具にしている繭の地位も更に神に近い存在として受け入れられているのだった。




 「爺、鎧櫃を。」

 繭達は街道を歩いていた。社に戻る途中なのだが、ずっと山道という訳ではなく、どうしても人家の多い道を歩まねばならない時もある。そういう時はさすがに『妖』と悟られぬ様に、人と同じ様に歩く。達麻は人が居ない時には櫃から顔を出しているのだが、街内ではずっと隠れている。街道を数時間歩いていると、やはり繭としては溜まり過ぎてしまうのだった。

 「ハッ、姫様。」
 「お・・・お姉さん、ここだと・・・。」

 そっと隙間から外を覗くと、やはりかなりの人が歩いている。

 「達麻、櫃の中のままで宜しい。」

 繭は権爺から櫃を受け取り、座って膝の上に下ろした。櫃の下の蓋を開き、そこから太いペニスを挿れてくる。達麻は恥ずかしさで心臓を高鳴らせているが、それでも尻をつつかれていると、自然に尻たぶを拡げてその太いペニスを受け入れるのだった。

 (ハフッ・・・。 細かい抜き挿し・・・。アハッ、そうだよね。あんまり大きく抜き挿しは出来ないもの。)

 むしろ達麻の方が櫃の内部で身体を伸び縮みさせ、大きなピストン運動にしているのだった。

 「ほう・・・、姫様・・・。」
 「何ですか、権爺。」
 「良く知っている儂が見ても分かりませぬのう。」

 繭も自然を装っているが、それでも少し息が荒く、顔も赤らんでいた。そして二人のアナルセックスにしては少し長い時間の後、繭は小刻みに震えた。そして大きくため息をついてニッコリとした。

 「空の櫃を抱えているとしか見えませぬのう。」
 「達麻が上手に動いてくれます故。」
 「左様で・・・。それでは負ぶい紐も用意せねばなりませぬか?」
 「まだそこ迄は・・・。母様と父上の場合と違い、重さが違い過ぎます。それに達麻が後ろ向きでは・・・。」
 「ですが、この様な街道でなければ良いかも・・・。」

 達麻はまだ繭のペニスを楽しみながらも二人の話を聞いていた。

 「お姉さん、『負ぶい紐』って?」

 繭は櫃に顔を近付けて囁いた。

 「父上は母様を紐で身体を支え、常に交合っていたのです。山の中とか社の中ででしたけれど、私にはイヤでした。ですが今の私には・・・。勝手なものですね。でも、体格が違い過ぎます。とても達麻を貫いたままで支える事は無理。」

 達麻は苦笑いしていた。さすがにそこ迄の変態に成ってはいない。それは繭にも感じられていた。

 「落ち着きました。櫃の中での交合いも良いが、やはり私は達麻の顔を見ながらの方が宜しい。早く社に戻り、存分に楽しみたい。」
 「姫様、そろそろ参りましょうか。この街を抜ければ暫くは山道。急ぐ事が出来ましょう。」
 「そうですね。これ程戻るのが嬉しいとは・・・。」

 繭は人目をはばかってゆっくり歩くのだが、それでもかなりのスピードになり、権爺に袖を引かれて気が付くのだった。繭は焦れったさそうな顔だったが、それでも嬉しさに輝いた顔だった。




 社に着いたのは深夜だった。今迄であれば、闇を恐れない『妖』の者であっても、深い山道は昼の間に通るのだった。それを繭達は昼間以上の早さで駆け抜けたのだった。

 「姫様、さすがに参りましたぞ・・・。」

 社に着くなり権爺はへたり込んでしまった。手拭いで汗を拭きながら息を整える。

 「そうですね。いつもですと三日掛かるところを一日半でしたね。つい嬉しくて・・・。」

 権爺はやっと立ち上がり、鎧櫃を居間の方へ運んだ。

 「坊主、着いたぞ・・・? ん? 何じゃ、儂らがこんなに急いで戻ったに眠っておるのか。」
 「宜しいでしょう。並みの人間です。この時間では・・・。私としてもすぐに楽しみたいとは思いますが、旅支度のままでは。色々と支度もありましょう。その間は寝かせておきましょう。スッキリとした目覚めの後の方が、私の方も嬉しい。」
 「左様ですか・・・。それでは儂も暫くぶりの社ですし、あちこち掃除をせねばならぬ。」

 権は鎧櫃をそのままにし、別の部屋へと向かった。繭は箒で掃除を始め、ニコニコしながら畳を二枚並べた。社は二人が居ない間は村人が掃除しており、それ程の埃もない。そして繭が畳を敷くという事は、ある特別な意味があるのだった。軽々と櫃を運んで、その畳の上に置き、そっと達麻を寝かせ、上から綺麗な夜着を被せた。繭は自分の旅支度を解き、表の井戸に向かうのだった。

 「ウフフ・・・、何だか初夜の様・・・。既に何度も鶏姦にて交合っているのに。」

 繭はそのまま水を浴びるのだった。

 「繭姫様?」

 権が釜を抱えてきたのだが、繭が行水をしているので、屋内に戻るのだった。

 「権爺、すぐに終わります。」
 「左様で・・・。儂は朝飯の準備をしております。」



 髪をすきながら、米を研いでいる権の後ろから話し掛けた。

 「とても不思議な気がします。」
 「何が・・・でございますか?」
 「今迄はただ魔童子を討つ事だけの為に生きていました。この様な楽しい気分というのは何時以来でしょう。」
 「左様でございますなあ・・・。儂とて同じですじゃ。飛び跳ねてしまいそうな程に気持ちが軽うて。繭姫様が魔童子を討ち漏らした時、まさかこの様な結果になるとは・・・。」
 「そうですね。ただ魔童子を討ち漏らしただけなら、多分今の私は激しく荒れ狂っていた事でしょう。確かに討ち漏らした悔しさはあるのですが、達麻を得た嬉しさの方が強い。ウフフ・・・。」
 「おうおう、姫様、見ないでも分かりますぞ。『淫』の氣が溢れ出ておりますのう。」
 「爺! だけど言い返せないわ。達麻が起きるかどうか分からないけれど、添い寝するだけでも嬉しい。」

 そう言いながら、繭は部屋へと向かうのだった。そしてその股間はしっかりと持ち上がっているのだった。





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