夕方になり、繭が戻った。

 「おう、姫様、ご苦労様でした。」
 「やはり大した魔ではありませんでした。それよりも達麻の方は?」

 繭は心配そうに、急いで部屋に入った。

 「おや、姫様。お早いお帰りで。そんだば、わたしも急いで夕餉の支度をしますで。」

 梅は達麻の乳房のこね上げをやめ、土間の方へ向かった。

 「あら・・・?」
 「姫様。分かりますな?」
 「なぜ・・・? たった一日で、この念の・・・。」
 「そうですじゃ。儂も驚きましたが、こんなにも早く念が移動してしまうとは。梅の手際が良い事もありますが、やはり坊主の姫様への想いの強さかと。以前もこの革袋を被せて躾けなさった時と同様、坊主の逃げ込む先は姫様しかない訳ですからのう。」
 「でも・・・、本当にいいのでしょうか・・・。確かに私は達麻と夫婦には成りたい。達麻もそうだと思います。でも、母様から聞かされた、最初のこのつらさを今、達麻が受けているかと思うと・・・。」
 「姫様。お館様はその時にはどうなされたか、お聞きですな?」
 「それは・・・。」
 「確かに酷いかも知れませぬが、その後のお二人を見ていれば、それはむしろ睦まじくなられる為の試練かと。それにお館様も心の痛みを少しでも忘れる為に交合いに励まれましたからのう。そして奥方様ものう。」
 「ああ、達麻がいとおしい・・・。」

 喘ぎ続けていた達麻は、中途半端の高まりに身悶えしていた。梅の仕事は今はただ高め続けているだけなので、愛液が張り型の隙間から滴り続けているのだった。

 (クーーッ、つらいよ・・・。オッパイの先がジンジンしている。オマンコの中の棒を動かして・・・。お願い・・・、梅さん・・・。)

 達麻の意識は乳房と膣だけにしかなかった。女としての絶頂などは絶対に受けたくないと思ってはいたが、肉体の方はそうではなかった。心が肉体に変化をもたらすのだが、また肉体も心に変化をもたらす。女の肉体の極端な欲求不満は、達麻の心を女性化する方向になだれ込むのだった。

 繭は達麻の胴体を掴み上げた。

 (ワーッ、イヤだ! またオマンコとお尻に突き立てられて、お尻で立つ練習・・・、アッ、この手は・・・・? お姉さん? ワッ、お姉さんの匂い。お願い、挿れてーーっ!)

 達麻の望み通り、繭はいきり勃っている逸物を達麻の下腹部に突き挿すのだった。

 (ハウーーーッ。やっぱり・・・、お姉さんのオチンチンは・・・いい・・・。)

 繭はすぐに激しく抜き挿しを始めた。既に愛液で満ち溢れているので、いきなりのピストンに達麻はあっという間にアクメに達してしまうのだった。それでもまだ繭は腰を動かし続けていた。

 (アヒッ。何・・・? これ・・・。ヒャーッ、身体が・・・溶ける・・・。)

 全身から汗を吹き出し、痙攣の様に激しく身体を揺らしながら、達麻は悶え続けた。そして強い突き込みと同時に、達麻の体内に激しいほとばしりを受けた時、革袋越しでも激しい悲鳴の様な絶頂の声を上げ、意識を失うのだった。


 「これは・・・。」

 繭は達麻の蜜壺に感動しつつも、不思議な感覚に陶然としていた。

 「姫様・・・。如何なされました?」

 ちょっと心配そうに権が問い掛ける。

 「こんな・・・。達麻の壺が・・・。」
 「まあ、元は男である事だで、それに梅が今日一日訓練を続けましたで、少々荒れておるかも知れませぬで・・・。」
 「左様でござりましょう。見た目は奥方様とよく似ておられますだが、まだ姫達磨に成り立てでしょう。この梅が、精一杯鍛練を重ねますで。」

 繭はまだ達麻を貫いたまま、頬を染めた。

 「そうではないのです。今迄に数多くの女子と交合いました。しかし・・・、これ程の蜜壺の女子はおりませんでした。今、達麻は気をやってしまい、意識はない筈。されど、私の物をしっかりと握りしめたままなのです。」
 「ほう・・・。それは・・・。お館様に伺った事がござりまするが、奥方様の場合、一年以上先の事だった筈でござりまするが。」
 「うむ。このわらしの場合は既に姫様に心を開いておるでのう。お母上様の場合よりは早いかと・・・。」

 繭の頬に涙が一滴、したたり落ちた。

 「私は幸せ者です。私をこの様に慕ってくれる者に囲まれて・・・。」

 そして繭はニコッとした。

 「私は父上の様に、達麻を交合いの虜にできましょう。既に身体の方は・・・。あとは心ですね。少し不安なのですが・・・。いつ迄もこの姫達磨の身体を嘆き、彼岸の国に戻りたいという心が強ければ・・・。私は本当に達麻と本当の夫婦になりたい。一刻も早く・・・。」


 達麻が意識を取り戻した時、再び梅の手で乳房を揉まれていた。

 (アウッ・・・、お姉さんから・・・離れてる・・・。少しは慣れたけれど、オッパイを揉まれるのはつらいよ・・・。本当にボクは女に・・・、いや、姫達磨になってしまった事を・・・、思い知らされる・・・。フーッ、オマンコに挿れられてるやつ・・・、お姉さんのオチンチン程ではないけれど、気持ちがいいのもつらい・・・。ボクは一体、どうなるんだろう。このままずっと姫達磨のままで、お姉さんのセックスの道具として生きていくの? もう、戻る事ができないのに・・・。戻る? 戻るってどこへ? こんな姿では戻れない。ボクはどこにも行けない。それどころか、一人で生きていく事もできない。ボクはお姉さんだけが頼りなのに、お姉さんに嫌われて・・・。ああ、つらいよ・・・。身体もつらいけど、心が・・・もっと・・・。)


 「姫様、思いの外、かなり早いと思いまするが・・・。」
 「私の欲目でしょうか。早く達麻と本当の夫婦となりたいと思っているせいか、目が曇っているのかしら。手足の念がほとんど・・・。」
 「いや、左様ではござりますまい。しかしこんなに早くとは・・・。」
 「ねえ、権爺。明日辺りでは如何でしょうか。」
 「ウーム・・・、まだ蜜壺は完璧とは言えぬでしょうし、歩く事もままならぬ。」
 「それは私から・・・。」
 「まあ、宜しいでしょう。この坊主は、ことの外この革袋には耐えられぬ事ですで、逆らいおったら、また被せると言えば大人しゅうなりましょう。」
 「私としても、我が男根にて懐かせるという事には心が痛みますが。」
 「いや、それは問題ありますまい。奥方様の場合とて、最初はお館様との肉体の繋がりから始まりなすった。それでいて、あの仲睦まじいお二人になられた。」
 「分かります。私も精を尽くして達麻を我が妻と・・・。」



 翌朝、達麻は革袋を外された。

 「アフッ・・・。」

 梅がにらみ付けていた。

 「おう、坊主。私は今日は庄屋様のお仕事で一緒におられぬで、鍛えは中止じゃ。夜には戻るでのう。」

 革袋を外された事と、つらい仕打ちがない事ではホッとするのだが、自分の身体を見る事はもっとつらい事だった。

 「ヒーッ、オッパイが・・・でかい・・・。ウッ、無くなってしまってはいても、手足の感覚が・・・。」

 手足を動かすという感覚迄が無くなっていたのだ。達麻は敷き藁の上で嗚咽を上げているだけだった。

 そして権もまた達麻に冷淡に遇していた。そう装っていたのだ。実際には、達麻と会話を交わすと、笑い出しそうになってしまうので、極力離れていようとしていたのだ。


 (ウウッ、オマンコがつらい・・・。どうして・・・、こんな・・・。ああ・・・、ボクはただお姉さんのセックス道具に過ぎないの? ヒーッ、つらいよ・・・。)

 見ないでも分かる程に愛液が吹き出し続けていた。箱の縁に股間を押し付け、擦る程度しかできないが、欲情はいつ迄も続いてしまうのだった。




 「ただ今戻りました。」

 繭は権にささやく。

 「お帰りなされませ。」
 「達麻は・・・どんな具合ですか?」
 「それはもう・・・。姫様に治めて欲しいらしく、ずっと姫様を呼び続け、ちと、可哀想な状態ですじゃ。」
 「そうですか・・・。私としてはすぐにでも抱きしめたい程にいとおしいのですが・・・。それでも、やはり心での繋がりがないと・・・。」
 「お確かめなされ。うまくいかねば、何度でも革袋の躾けをすればやがては・・・。」
 「無理矢理というのは・・・。母様と同じであっても・・・。いえ、すぐに確かめましょう。」

 意を決した様に繭はキッとした顔付きになった。



 社に戻った繭は支度を解き、達麻の居る部屋に入ってきた。

 「アッ、お姉さん! お願い。」
 「何が?」
 「ごめんなさい。ボクが悪かったの。だから・・・。」
 「はて。達麻は私に何か悪い事でもしたのですか?」
 「ボクはお姉さんを嫌ったりしていないよ。大好きだよ! ボクはお姉さんに見放されたら、こんな身体でどうしようもない。」
 「それが私はイヤなのです!」

 繭は声を荒げた。

 「その身体は私の母様と同じ。私にとっては懐かしいお姿。それを嫌うという事は私の母を嫌うという事。母様が悦んでいた身体を厭うという事は、母様を厭うという事。そんな達麻が私を好きな筈がありません。」
 「違う・・・。ボクは・・・男だったボクがこんな・・・アッ、ごめんなさい。男だったボクは男で居たかったんだよ。女に成ったら・・・。」
 「達麻は私と夫婦に成りたいと言っていましたね? 私の呪は解けず、男根はそのままです。そんな私と男の達麻とどうして本当の夫婦に成れましょう。それが呪の力とはいえ、私と夫婦に成れる身体に成ったのに、ひたすら泣き続ける。私には達麻が本気で私と夫婦に成ろうと思っていたとは思えません。」
 「だって・・・、手も足も・・・。」
 「母様はそうでした。ですがとても幸せでしたよ。」
 「ボクは男で・・・。」
 「私は女。夫婦とは男女で交わる事。私と達麻で当然だと思っていました。確かに男根と女陰は逆ですが、それでも交合いは可能。しかもどちらも素晴らしい性器。私は達麻も喜んで私と夫婦に成ってくれるものと信じていました。それが・・・。」

 繭は手で顔を覆った。その姿は達麻の心を乱すのだった。

 「アッ、やっぱりごめんなさい。お姉さん、泣かないで。お姉さんを悲しませるボクが悪かったの。」
 「でも、信じられません。爺、お食事を。」
 「お姉さん、ボクにも・・・。」

 達麻は愛液の噴き出しに耐えられなくなっていた。手足が在れば、飛び出していって、繭の袴を剥いでしまっていただろう。

 「達麻はその身体がイヤなのでしょう? 私だってそれでは萎えてしまいます。肉体的にはとにかく、心の方が・・・。」
 「お願い、お姉さん。虐めないで。ボクはお姉さんと交合いたいよ。お姉さんを悦ばせたいし、ボクも・・・。」
 「本当かしら? では試してみましょう。」

 繭は部屋の中央に座って胡座をかいた。そして帯を緩め、屹立したペニスを突き出した。

 「お姉さん?」
 「本当に私と交合いたいなら、そこから出て、自分で填め込みなさい。」
 「無理だよ。ボクには手足が無いんだよ。身体を動かす事だって出来ない。」
 「私の母様は出来ました。達麻に出来ない筈がありません。それは本当に私と夫婦に成りたいと思っていないからです。」
 「ヒーン・・・!」

 目の前に突き出されているペニスに膣口は激しく痙攣していた。達麻には自分でセックスする事が繭への愛の証であると思えていた。必死に巣箱から乗り出し、何とか転げ落ちる事が出来たが、乳房と股間で這いずりながら繭に近付こうとしても、なかなか近寄れなかった。

 「繭姫様・・・。」
 「シッ!」

 権が心配そうにしていたが、繭の方もウズウズしているのだった。芋虫の様に這う達麻の後には愛液が床を濡らしていた。涙と汗と愛液にまみれた達麻がやっと繭に辿り着いた時、繭は堪えきれずに泣き出し、達麻を抱き上げるのだった。

 「達麻、私こそごめんなさい。こんなに意地悪をしてしまって。」
 「エッ、お姉さん?」
 「私は達麻が大好きよ。勿論心から好き。だけど不安だったの。達麻の身体は凄く交合いに感じる身体なのよ。ただ、身体だけで私を好きになっているのではないかって。交合いの無い夫婦は本物の夫婦ではないけれど、交合いだけの夫婦では絶対に本物の夫婦ではないわ。分かってはいたけれど、どうしても試したかったのよ。」

 繭は達麻にのし掛かり、涙を流しながらペニスを捻込むのだった。

 「ハヒーーーッ・・・!!!」

 待ちに待った繭のペニスはまるで達麻の背骨だった。填まり込んでいるのが当たり前で、やっと達麻は通常状態になったのだ。二人とも涙を流しながら腰を動かしていた。そして繭のペニスが爆発した時、達麻の心は決定されていた。もう元には戻れない、いや戻らない、そして戻りたくないと。




 「繭姫様、達麻の事でございますが・・・。」

 社の縁側では巫女姿の繭が膝の上に姫達磨の達麻を座らせていた。風呂敷の様な布を首から巻かれているだけだが、今の達麻にはそれで充分に衣服だった。そしてペニスで支えられていて、眩しそうに日光浴をしていた。

 「ボクの事?」
 「村の者からの問いに、確かにと思われまして・・・。」
 「何でしょうか?」
 「達麻の名前の事でござります。姫様と達麻とはやがて・・・いや既に夫婦でござりまするな?」
 「私はそう思っておりますが?」
 「ボクだって。」
 「さて、どちらが夫で、どちらが妻でござりましょうや。」
 「オホホホ・・・、確かに。ですがやがて産まれる子の親であれば、私が父、達麻が母と成るでしょうね。」
 「エッ? ボクが子供を産む?」
 「当然でしょう? 私は子種を達麻に施す。達麻は子を孕む。そうだとすると、私が夫、達麻が妻でしょうね。」
 「左様でござりましょうな。しかし繭姫様は産まれながら繭姫様であり、夫であられてもやはり繭姫様。しかし達麻となると・・・。確かに元は男でも、今の姿からはどう見ても・・・。それに母御と成られるとなると・・・。」
 「そうですね・・・。確かに母が達麻では・・・。」
 「だけど・・・。」

 達麻には不満だった。しかし確かに自分は今は女だった。まだ実感は湧かないが、それでも子供を産むかも知れない。その時に母が『達麻』と言う名はそぐわない感じもする。

 「では、何とお呼びすれば・・・?」
 「タ・ツ・マ・・・。確かに男の名前・・・。ウフフ・・・、後の二文字は妻・・・。達麻、お前は名前からして『妻』に成る定めだったのね。ウーン、タ・・・マ・・・。玉? いいわねえ。爺、『玉』と言うのは?」
 「玉・・・、でござりまするか・・・。玉姫様ですな?」
 「玉姫? ボクが?」
 「良い名ではないですか。名は体を表すと言うし。」
 「だけどお姉さんが繭姫で、ボクが玉姫? 姫と姫で夫婦なの?」
 「アハハ・・・、確かに。でも仕方ありませんね。達麻だって・・・、いいえ、玉姫だって私を『お姉さん』と呼んでいるではありませんか。私は気持ちでは今でも女なのですから。」
 「ボクだって気持ちでは男だよ。」
 「はて、いつ迄続く事やら。こうすれば達麻・・・玉姫はすぐに女に成る。」

 繭は達麻の胴を上下させた。すると達麻はすぐに良がり声を上げて喘いでしまうのだった。



 「お姉さん・・・。」
 「どうしたの? 達麻。」
 「胸が・・・、オッパイが・・・。自分では触れないから分からないんだけれど、何だか大きく成っていく様な感じで・・・。」
 「大きく? ウーン、達麻のオッパイは呪を受けた時から母上様よりも大きいけれど、そのままの様ですけれど・・・。」

 繭は達麻の巨乳をあちこちさすり、撫で上げた。

 「アフン・・・。 どうしてこんなに気持ち良くなってしまうの?」
 「それが姫達磨の呪。母様もそうでしたが、これだけは私も羨ましいと思いますよ。特に達麻のオッパイには。私だって乳房は在り、乳房の気持ち良さは分かります。だけど達麻の乳房にはとてもかなわない。男だった達麻にね。」

 そう言いながら繭は乳房を撫で上げ、膣内のペニスを蠢かし、達麻の集中力を削いでいた。

 (早く『成呪』させないと・・・。手足の念が少なくなってきた分、確かに乳房の念は大きく成った。だけどまだまだ。沢山精を注ぎ、乳房を良く揉んで上げて、うんと気持ち良くさせて上げれば、達麻は悦び、念は育つ筈。)

 手足の念が完全に消えた時、繭にとっては本当の夫婦に成ったという事なのだ。



 ・・・・ボクは異世界から迷い込んできた筈・・・。でも、姫達磨の呪でこんな姿に成ってしまった。元の世界には戻れないし、戻ろうとも思わない。この身体はひたすらセックスの悦びを感じる身体・・・。ううん、肉体の悦びだけじゃない。お姉さんとの心の結びつきはずっと強い。ボクは・・・、あれ? ボクはまだ男だった時の心を引きずっている。お姉さんにとっての最愛の奥さん、そう・・・。変な夫婦だけど、私は・・・、ちょっと恥ずかしい気もするけれど、私はお姉さんの奥さんとして、そして女性として生きていくのね・・・。
 元の世界・・・? 私にとってはちょっと変な夢を見ていたのよ。そう、この素晴らしい世界が現実。ああ・・・、身体の中を貫いている芯こそが私の存在感・・・。
 ああ・・・・。


 「オッ? 姫様!」

 「エッ? アアッ・・・。」

 権に声を掛けられ、繭がトローンとした表情の達麻を見ると、妖の者でないと分からないのだが、達麻の手足の念が完全に消えている事に気付いた。

 「こんなに・・・早く・・・。」

 繭は涙を流しながら、達麻をギュッと抱きしめる。そして達麻は膣で繭のペニスを強く握り、まだぎこちない動きながらも、乳房で繭にしがみ付くのだった。

 権の笑顔にも一筋の涙が光るのだった。




・・・・・・・・完・・・・・





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