数日後、開花が終わってタミオの意識がハッキリとしたのはケイの叫び声によってだった。

 「ん・・・? どうしたの? ケイさん・・・。」

 ケイは身体を捻って自分の胸を指し示していた。そこには明らかな乳房が存在していた。

 「エッ・・・、アッ・・・!!」

 タミオも自分の胸に触れてみた。まだ大きくはないが、それでもハッキリとした乳房があり、乳首もそれは既に男の乳首ではなかった。そして慌てて屈んで、透明板越しの自分の股間を見詰めた。

 「アアッ・・・!! オチンチンが・・・!!」

 元々大きくはないペニスで、しかも萎えている状態なのだが、それでもハッキリと小さくなっていた。

 「ウワーーーッ!! イヤだーーーっ!! 女になりたくないーーっ!」

 騒いでいるとメイド達が入ってきた。

 「開花時期が済んだので意識がハッキリしてきましたね。」

 「お願い。ここから外して・・・。ボクは女になりたくない!!」
 「エッ、あなた達は女にされるのではないのですよ。」
 「エッ・・・?」

 不思議そうにメイドを見ると、メイドはちょっと悪戯っぽい笑みで

 「あなた達は女にされるのではなく、活きたままのダッチワイフ、あるいはお乳搾りをされるだけの家畜になるのですから。女程度で終わるわけではありませんから。」

 そしてペニス搾り器を二人に取り付ける。

 「次の開花期前には、これも使えなくなります。それ迄は最後の男としての気持ち良さを味あわせて上げます。ただ、既に女性ホルモンの影響でかなり弱くなっていますから、精液はそれ程出ないでしょう。外して欲しい時はいつでも言って下さいね。」
 「ハヒッ・・・。やめろ!!」
 「あら、やめていいの? オチンチンを搾れるのはあと少しの期間なのよ。」
 「アウッ・・・。」

 ケイもタミオも反駁できなかった。そして器具が動作を始めると、涙を流しながら静かに受け入れるだけだった。



 「ケ・・・ケイさん。まだ続けるの? ボク・・・、何度も出して、もう・・・。」
 「俺もだけど・・・。出なくてもいい・・・。男で居る内は・・・。」

 すっかり萎えてしまっているペニスが実感できる。それでも乳房ができ始めてしまっていても、それが男としての実感である以上外すわけにはいかないと思うのだった。

 それでも夜、眠っている時にガコンという音が足元でし、それで眠りを妨げられた。

 「ん? アッ・・・、器具が外れてる? まさか・・・。」

 屈んで股間を見ると、それ迄見えていた萎んだペニスや睾丸が良く見えない。惨めに垂れ下がっている萎びた皮が見えているだけだった。

 「ワッ、ワッ!! メイドさーーん!! 来てーーーっ!!」

 その叫び声でケイも目覚めたが、ケイもタミオの悲鳴の意味が分かった。

 「お・・・俺のも・・・。」

 二人の悲鳴にメイド達が入ってきた。

 「あらあら、予想よりも早かったわね。」
 「ボクのオチンチン、萎んじゃってる。」

 そしていつもの意地の悪い笑顔で答えるメイド達。

 「萎んだのではないのよ。無くなったの。このペニス搾り器が今迄の物と同じだと思っていたの?」
 「エッ・・・?」
 「いつ迄もペニスがあるから未練たらしいのよ。その未練を断つ為に、大量のホルモン剤を送り込むだけでなく、細胞の壊死剤を送り込んだの。勿論限定的な部位にしか効きませんから、睾丸とペニスだけが無くなったのよ。これで1号室は卒業です。お隣の家畜も既にもう一段階上に進んでいますから、開いた2号室に移って頂きましょうね。皆さん、移動よ。」

 メイド達が二人を拘束している板を押して隣の部屋に移動を始めた。それは更に女性化されるという事を意味する。叫び声を上げ、暴れていても台の震動にしかならなかった。
 1号室と2号室は形状はほとんど一緒だった。しかし二人にとってはこの部屋で女に成るという部屋なのだ。タミオもケイもただ泣き叫ぶだけだった。

 「本来の成長した女の木ですと、女性ホルモン溶液が木のツタを通してペニスのあった場所に送り込まれるのですが、この木ではまだ無理ですので、私達で毎日何度も注入します。こんな具合に・・・。」

 巨大な注射器のような物を見せつける。針は付いていないらしいが、中にはタップリの液体が入っていた。それをまずケイの股間に押し当て、ペニスの抜け殻の包皮に射し込んだ。

 「ワッ・・・!! ダメッ!! やだーーーっ!!!」

 ひたすら暴れるのだが、下半身はほとんど動かない。タミオはケイの悶える姿を涙越しに見詰めていた。

 「これはゼリー状になっていますし、粘着性が高いのでほとんど漏れずに吸収されますよ。最初ですからこの程度でいいでしょう。さあ、もう一人の方も・・・。」

 タミオも暴れるのだが、いとも簡単に注射器を宛がわれ、いきなり堅さのある液体が体内に押し込まれてきた。

 「ギャーーーッ!! いやだっ! ヒーーーーッ!!」

 ペニスの部分に差し込まれているのだから、本当は尿道から膀胱へ入っていくはずなのだ。しかしそのゼリーは感じた事のない体内の部分に入っていく。そして息んでも排出する事ができない。注射器を抜かれた後も、その異物感はいつ迄も残っていた。



 「ケイさん・・・。」
 「タミーも同じか?」
 「うん、さっき入れられた薬だけど、オチンチンの場所と違う感じがする・・・。」
 「俺もだよ。チンチンと尻の穴の間の部分に入ったままって感じなんだけど。」
 「ボクもそう・・・。オチンチンと肛門の間だって言ったら・・・。」

 二人とも何かは見当が付いていた。しかし口に出せないでいた。出たのは嗚咽と涙だけだった。



 毎日何度も注入され、そしてますます空腹感が強くなって木の実をむさぼる状態だった。

 「タミー、木も随分太くなったな。俺には良く見えないけど、どんな風になってる? タミーの方と同じなのかな?」
 「ボクも自分のは良く分からないけど、ケイさんの方は木の部分は外に出ているみたい。木の付け根の部分から別な根っこが何本か垂れ下がってるから。」
 「そうか。お前の方も同じだよ。俺の胸もタミーと同じだろうと思うけど、自分で見ると良く分からない。少なくとも俺の知ってる普通の女程度のオッパイになってると思う。」
 「ここの隣の部屋の人は顔もすっかり女だったけど、ケイさんはまだボクの知ってるケイさんの顔だ。」
 「そうか? だけどタミーは元々が女っぽい顔だったから、変わっても分からないか・・・。」

 「はい、膣にホルモンを入れる時間ですよ。」

 メイドが毎日のスケジュールで入ってきた。

 「膣・・・? って事はやっぱり・・・。」
 「ケイさん・・・チツって? やっぱりって?」
 「オマンコの事だよ。俺達はもうオマンコができてるって事だ。」

 分かってはいたが、ハッキリと思い知らされると涙が溢れ出てくるのだった。

 「今日は見学者が来ますので、ちょっと大人しくして頂きますよ。」
 「見学者? アッ、ジャニーさんが?」
 「いいえ、残念でした。1号室が開いたので、今日はそこに入る男の子が来ます。今回は一人ですが、やがては仲良くセックスペットになる方ですから。」
 「そんな・・・、いくら・・・アワ・・・口・・・が・・・。」
 「エッ・・・? ボ・・・ク・・・も・・・。」
 「実際にはお薬で朦朧としていますから、あなた達が何を言おうと大丈夫だと思いますが、できるだけ大人しく取り付けを済ませたいですからね。」

 そのメイドが出て行き、しばらくすると3号室側のドアが開き、フラフラした少年が別のメイドに手を引かれて入ってきた。それは数ヶ月前の自分の姿だった。

 「ここが2号室です。今のよりもまだ木が小さいでしょう。それにまだ完全には女性化していません。それでも既に男性器は消滅していますし、女性器が形成され始めています。そして隣の1号室では男の子に女の木の種を植え付け、スタートとなるのです。」

 少年は驚いた表情でタミオ達を見詰めていた。そして何か言おうとしているらしいが、麻痺しているらしく、言葉は発せないでいた。

 「ニ・・・ゲ・・・ロ・・・。」
 「ガ・・・ン・・・バ・・・レ・・・。」

 朦朧としていても何か悟ったらしく、メイドを振り切ろうとしていた。しかしふらついた状態のまま開かれた1号室へ引き連れられていくのだった。

 二人とも涙目で閉じられる1号室のドアをジッと見詰めていた。



 やがてかすかに少年の悲鳴が聞こえてきた。それは自分達も辿ってきた道なのだ。可哀想と思うのだが、不思議な仲間意識を感じていた。

 「あいつも俺達と同じに・・・。」
 「でもボク達の方が幾分ましかも。」
 「まし・・・?」
 「ウン、ボク達は二人だからね。さっきの子は一人で訳も分からずに女にされる。」
 「俺達だって訳も分からない内に女にされるんだぞ。」
 「でも、寂しいと思うよ。」
 「俺達だってつらいよ。俺達は間違いでこんな目に遭って・・・。」
 「間違いじゃないかも知れない・・・。きっとジャニーさんやケイさんの上司の人も騙されていたんだ。ここに連れてこられた男の子はきっと全員が女にされてしまう場所なんだ。」
 「そうか・・・。あの所長の女、ここを一大風俗の星にする為に制限の多い女性達を集めるよりも、存在を消された改造女性で・・・。女だと生のセックスだと妊娠の恐れもあるし、男なら・・・。」
 「あれ・・・? それは変だよ。4号室の人達は何人か妊娠してた。」
 「あ、そうか・・・。臨月近いおなかだったよな・・・。エッ、妊娠? それって・・・まさか・・・俺達も?」

 言ったタミオも驚いていた。

 「まさか・・・、ボク達もあんな風に・・・?」
 「まさか・・・。」

 二人は再び涙を流すのだった。



 「ググッ・・・。イテテ・・・。」

 大型の注射器、と言うよりは浣腸器で女性ホルモンゼリーを注入されるのだが、毎回量が増えているように感じていた。
 ケイに注入されている時、タミオはジッと見詰めていたのだが、下腹部が異様に膨れ上がる事にも気付いていた。

 「この実を食べると痛みが減るのは分かっているけど、連中の思う壺っていうのが悔しい。」

 タミオは少し躊躇していたが、思い切って尋ねてみた。

 「ケイさん、そっちから見てボクのおなか膨れていると思わない。」
 「ん? ああ、随分ホルモンを入れられてるからね。」
 「そういう意味じゃなくて、確かにたくさん入れられてるけれど、それはボク達の身体のどの部分に入ってる? 腸の中ではないよね。」

 ケイは少し顔を暗くしていた。

 「お前だって分かってるんだろう? オマンコが作られているんだし、その先にたくさん入ってるんだよ。そしたらそれは子宮だって事だ。俺達はもうほとんど・・・、いや、既にかな、女に成っちゃってるって事だよ。体形だって女だって事は自覚してるだろう?」
 「体形?」
 「何だ、気付いてなかったのか。男に比べて女のウエストの位置は高いんだよ。だから最初の頃に比べて尻がこの穴より後ろに下がってるだろう。」
 「ああ、オッパイが大きくなったから穴に近付いたのかと思ってたけど、確かにお尻の方が動きやすくなってる。木が大きくなったから、重さで向こう側に引っ張られているのかと思ってた。」

 メイドが再びやってきたが、今度は注射器を持っていない。

 「今迄はあなた達の女性化を中心に進めてきましたけれど、これだけ木が大きくなると育ちにくくなりますからね。ですから女性化と同時に女の木の成長も促します。木はやはり真っ直ぐに育たないとならないですからね。」

 後から来たメイド達は土の入った平べったい丸い植木鉢を運んできた。

 「今の姿勢ではこの木を植えにくいので、少し下がって頂きますよ。」

 足を押さえ付けていた器具はなぜか簡単に外れる。しばらくぶりに自由になった足だが、抵抗するだけの意欲はなかった。

 「エッ・・・エッ・・・?」

 メイドがタミオ達を上から押すと身体がズズッと下がっていくのだ。穴の部分が動いている事になる。しかし今迄どれ程もがいてもビクともしない透明板だったのに。
 中腰の位置まで下げられると、両手が床に着く程度で、足も膝が付く。四つん這いの形になったところで足を広げられて再び固定された。体勢的には楽になったのだが、より屈辱的な姿勢となってしまった。



 「少しは楽になったけど、この形だと俺達はこの木を育てる為の肥料だな。」
 「うん、本当は足が自由になった時に蹴飛ばしたかった。なぜしなかったのだろう・・・。」
 「ああ、俺もそう思う。ほら、少し甘い匂いがし始まっただろう? 女の木が開花する時期だから、俺達の頭がうまく働かないんだよ。」
 「ほんとだ・・・。またこの期間はボーッとしている間により完全に女にされてしまうんだね・・・。」
 「より完全って・・・、もう完全に女なんだよな。」

 タミオはクスッと笑った。

 「何だ? 俺、何かおかしい事を言ったか?」
 「そうじゃないよ。もしボクが男のままで、今のケイさんに出会ったとしたら、おそらくこのまま犯していると思って・・・。」
 「そうだよな。顔だってすっかり女っぽく・・・、いやショートカットの女だね。俺がそうだったら、有無を言わさず填め込んでるよな。『やって下さい。』って格好だもの。」
 「ここで捕まった時から、既にセックス道具の為のしつけが始まっているんだよね。」
 「ああ・・・。確かにそうだ。悔しいという気持ちは残っているけれど、最初に裸にされて無様な姿勢で去らされた時みたいな恥ずかしいっていう気持ちは少なくなってる。」
 「でもそれは・・・、ああ、開花したみたいだね。頭がボーッとしてきたよ・・・。」
 「そうだね・・・。次に目が覚めた時は、ひょっとしたら男だったって事も・・・忘れてる・・・かも・・・。」
 「おや・・・すみ・・・。」

 肉体的には睡眠状態に入ったわけではない。動きは鈍くなるものの、目は開いており、木の実を食べる事もできる。ただ脳がほとんど働いていない状態になっているのだった。



 「アレッ?」

 素っ頓狂なケイの声でタミオは目覚めた。

 「ん? お早う・・・。エッ?」

 二人とも透明な板の拘束が外されていて、床に横たわっていた。植木鉢に据え付けられていた女の木はかなり大きくなっていて、何本もの根が鉢から溢れるように床に広がっている。その中の一本がタミオの尻に填り込んでいるのだ。

 「この場所・・・って・・・。」

 タミオも辺りを見回していた。

 「寝ている間に3号室に移されたみたい。」
 「おい、タミー・・・。お前の声・・・。アッ、俺もだ・・・。そうか・・・、いよいよ俺達は完全に女に成ってしまったんだね。」

 タミオは喉に触れてみた。元々それ程目立つ程の喉仏ではなかったのだが、スルッとした首になっていた。

 「悪いけど、ちょっとお前のオッパイとあそこ、良く見せてくれないか?」
 「いきなり・・・。自分で分かるでしょうよ。」
 「そうなんだけど、自分で自分の身体が信じられないんだよ。それにオッパイは正面から見えないし、オマンコは全然分からない。頼む。」
 「仕方ないな。後でボクにも見せてよ。」
 「ウ・・・ウン・・・、仕方ないよな。」

 恐る恐るケイはタミオの乳房に触れてきた。

 「ハヒッ!」

 タミオの悲鳴にケイは一瞬たじろぎ、手を引いた。

 「痛いのか?」
 「ううん、そうじゃないよ。自分で触った時には感じないのに、ケイさんが触ると電気で痺れたみたいに・・・。」
 「じゃ、ソーッと、ゆっくりとな。」

 「ウッ・・・。」

 ケイは掌でソッとタミオの乳房に触れた。

 「大丈夫か?」
 「ウクッ・・・。オ・・・オチンチンの先っぽに触られているみたいな・・・。」
 「そうなのか・・・、じゃあ、ちょっと俺のオッパイを触ってくれないか?」
 「ああ・・・、いいよ。ワッ、今ので漏らしちゃったよ。」

 今度はタミオがケイの乳房に手を宛がった。しかしちょっと意地悪く、いきなり強く揉み上げた。

 「ンギャーーーッ!!」

 ケイの悲鳴が響く。そして飛び退くようにタミオから離れた。

 「この野郎!! 自分で言っておきながら・・・。」
 「ごめん。だけどどうだった?」
 「ああ・・・、参ったよ。オッパイってこんな感じなのかな。」
 「あのさ・・・。」

 タミオが困ったような顔でケイを見詰めた。

 「ん? 何?」
 「ボク達は・・・セックスの為の道具にするって言ってたよね。」
 「あ・・・、ああ・・・。」
 「それで・・・、セックスされてしまう時って、オッパイも揉まれるよね・・・。」
 「アアッ!!」
 「今みたいに軽く触ってもこんなに感じるんだよ。もっと強く揉まれたら・・・。」
 「どうしよう・・・。とても耐えられないよ。気が狂ってしまうかも・・・。」
 「きっと感度も上げられているんだと思う。だとしたら、ここは・・・。」

 タミオは座ったまま足を広げた。そこにケイが覗き込む。

 「悪いけどちょっと広げておいてくれ。」
 「こう?」

 陰唇を摘んで広げた場所をケイはジッと覗き込んだ。

 「どうなの? 女に成ってるの?」

 ケイはしばらく見詰めていたが、頭を掻きながら顔を上げた。

 「ごめん・・・。俺、女のここは知らないんだよ。って言うか、やった事がないので、どうだって聞かれても・・・。」
 「そうなの・・・。実はボクも・・・。」
 「女とやった事がないまま女にされちゃうのか・・・。」

 今度はソーッと指をその秘部に近づけた。そしてちょんと指が触れた途端

 「ンヒャーーーーッ!!」

 再び絶叫が響く。

 「どうした?」

 タミオは震えたまま驚愕の表情だった。

 「ダメだよ・・・。こんなの耐えられないよ・・・。セックスって、その指よりもずっと太いのが入って・・・。ワーーーーッ!!!」
 「おい、どうした?!」
 「オ・・・オチンチンが・・・入れられると思った途端・・・、気が狂いそうな程、頭が痺れる。」
 「エッ? どういう事?」
 「じゃあ、ボクが触って上げる。そうすればどんなに恐ろしいか分かるよ。」
 「今度はちょっとだけだぞ。さっきみたいにしたら・・・。」
 「しない。こんな恐ろしい事、とてもふざけてはいられないよ。」

 今度はタミオがケイの股間に手を伸ばした。そしてちょっと触れた瞬間、ケイも絶叫を上げて仰け反るのだった。

 「ダメだ・・・。こんな状態でセックスをされたら・・・。本当にここにチンチンが挿れられ・・・ワーーーッ!!!」


 「セックスってこんな事なの?」
 「こんなにひどいはずはないよ。あのメイド達だって元々女だった人も、男から変えられた人も居たけど、こんなに凄くはなかったよ。オッパイと同じで、何か感度を上げられているんだ。」
 「だよね。それでなければみんな死んでしまうか、良くても発狂してしまう程の刺激だから。」

 二人とも冷や汗を流しながら自分の身体を調べていた。

 「なあ、俺達の尻に入っている根っこは弾力は強いけれど柔らかいよな。」
 「だけど抜いたら死ぬって・・・。今迄の人達だって抜けるものなら抜いているよ。」
 「お前、このままセックス道具にされていいのか?」

 軽く根っこを引っ張っているケイだったが、メイドが一人入ってきたのでジッとして睨み付けていた。

 「3号室に来た人は必ず根を抜こうとするのですよ。ですからそれがいかに危険な事かを知っておいて頂きたいのである実験をしましょう。」
 「実験・・・?」
 「まず、この星の地表はほとんどが珪素でできています。珪素、つまりシリコンなのです。ですから上空から見た時には鏡のように輝いていたでしょう? それでこの星の植物も極めて多くのシリコンが含まれています。根を触って頂いて、シリコンゴムのような感触だったでしょう。組成はかなり似ているのです。ただ、それは植物が生きている時にであって、枯れるとすぐにシリコン独特の堅さに戻るのです。たくさん根が生えていますので、その一本を切ってみましょうね。」

 メイドはワイヤーカッターのような大きなハサミを持っていた。

 「あなた、その根の一本の端を持っていて下さい。」

 タミオは床に広がっている根の内の一本を摘み上げた。確かにダラーンとしていて、いかにも柔らかい感触だった。それを大きなハサミでバチッと切った途端

 「アッ・・・。」

 肌色に近い色の根がスーッと灰色に変わり、しかもまるで石のようになるのだった。それを床に落とすと、カランカランと乾いた音で転がった。ケイがそれを拾い上げ、やはり恐怖の色を隠せないでいた。

 「お分かり頂けましたか? 柔らかくても切るのにはこんなハサミでないと切れない程丈夫なのです。しかし切れたら・・・。あなた達の大腸の中にいっぱいに育っている根ですが、それがその様な石になったとしたらどうなると思います? 大腸が石でいっぱいになりますから、排泄はできなくなります。手術で取り出すにしても極めて大がかりな手術が必要ですし、実際にはその前に死に到るでしょう。その根は、ある特定の方法でしか抜けないのです。それは4号室で教えて貰えますよ。簡単な方法なのですが、あなた達にはできません。勿論4号室の家畜達にも自分ではできないのです。」

 メイドはきびすを返して戻ろうとした。その時ケイが声を掛けた。

 「教えてくれ!」
 「はい、何か?」
 「俺達の身体が既に女に成ってしまったって事は分かってる。だけど身体が変なんだ。オッパイとかあそことか・・・、とにかく敏感なんだよ。これは薬か何かで?」
 「ああ、それは幾分は木の実や女の木、そしてその花の匂いで敏感になっているらしいですね。でもあなた達の先輩達の話しでも、それは僅かな程度らしいですよ。」
 「これで僅か? そしたら・・・、もし俺達がセックスされるとしたら・・・。」
 「それは『もし』ではありません。必ずですが。」
 「こんな激しい感覚では気が狂ってしまう・・・。」
 「そうだよ。自分でセックスされる事を想像するだけでも頭の中がスパークしてしまいそうで・・・。」
 「皆さんそうだったらしいですよ。でもそれは慣れて頂かないと。それだけ敏感なのは実に良い事なのです。僅かの刺激で激しく感じ、セックスを始めてしまえば自我を失う程になるでしょう。それをずっと続けていたら・・・。まず間違いなく色情狂になるでしょう。そしてセックス依存症。つまりセックスしていない事が耐えられない程苦しくなるのです。それはダッチワイフとしては絶対に必要な条件なのです。それ程心配になる程敏感だという事は、あなた達は最高のダッチワイフになれるという事なのですよ。」

 ケイは震えたまま固まってしまっているのだった。

 「ケイさん・・・、やっぱりダメなんだよ。ボク達は・・・。」
 「ああ・・・、無理なのは分かってる・・・。今の俺達の姿を見たら、もう誰だって元は男だなんて思わないよ。俺達はたくさんの男達に犯され続けるんだって・・・。信じられないし、想像もできない。だけど一生活きたダッチワイフとして犯され続けるんだ・・・。」

 二人は抱き合って泣き続けるのだった。



 「ケイさん・・・。」
 「ん? 何だ?」
 「あのさあ・・・、オシッコするなら部屋の隅か、植木鉢にしてよ。何だか床が湿っぽいよ。」
 「ちゃんとそうしてるぞ。タミーの方じゃないのか?」
 「ボクだってちゃんとしてるよ。ケイさん、立ってごらん。ほら、流れ出してる。」
 「エッ? アッ、本当だ・・・。ごめん。自分では分からなかったよ・・・って、タミー。お前だって下腹部濡れてるぞ。」
 「あらら、尿失禁なのか・・・。これもホルモンの影響なのかな。全然そんな感じはなかったけど。」
 「ウッ・・・、小便している意識が無いと言うより、小便はしていないという意識はあるぞ。だけど垂れ続けてる。」
 「本当だ。ああ、確かにオシッコじゃない。オマンコの方から流れ出してるんだ。女性ホルモンを入れられていたから、それが流れ出ているんだね。」

 ケイが身を固くしていた。

 「タミー・・・。それは違う・・・。随分長い間入れられていないぞ。そしてこの匂い・・・。覚えていないか? メイド達とやったろう? その時の匂いだ・・・。つまり女が催している時の液、愛液ってやつだ。」
 「愛液? って、ボク達が女として催してるって事?」
 「ウッ、そう思ったら・・・。つらい・・・。」
 「これって・・・。まさか・・・。」

 二人とも股間を床や女の木の根に擦り付けていた。

 「ワッ、ますます流れ出てくる。」
 「自分で何とかしないと・・・。」

 それぞれ慣れないオナニーをしていってしまおうと考えたのだ。しかし逆効果だった。ますます激しく募り、悲鳴に似た喘ぎ声を上げるのだった。

 「ああ、どうしよう・・・。タミー、俺、とんでもない妄想が頭に渦巻いてる。」
 「妄想?」
 「俺・・・、コーネル部長が・・・。アナルセックスして貰ったろう? それが・・・。」

 それはタミオも同じだった。ジャニーとセックスしているイメージが頭の中を埋め尽くしていたのだ。



 キクノ達は楽しそうに談笑していた。

 「映像を見せて貰いましたが、もうほとんど私の以前の初恋相手の恵美そのものですね。」
 「整形はしていないのですよ。」
 「いや、あれで髪が伸びれば完璧ですよ。確かにケイの面影はありますが、あくまでも面影って程度ですね。」
 「タミーの方も凄くいい女になってますね。コーネルさんと違い、俺の方はピンクを目指しているので、ちょっと時間が掛かるんですけどね。」
 「ほう・・・。ピンクさんですか・・・。確かにあれは凄いですが、条件が難しいとか。」
 「コーネルさん。ジャニーさんも一応キクノ一族なのですよ。」
 「所長、一応ってのは・・・。適合度の勘は合ってましたからね。」
 「それでは女に成った二人にぜひ祝福を。」

 キクノは笑顔で話をしている。

 「祝福? ああ、女としての実感を味あわせてやるって事ですか。」
 「まだ途中の段階ですが?」
 「はい。あの二人は既に飼い主が決まっています。大勢を相手にするダッチワイフとは少し事情が違いますからね。飼い主に良く懐かせる為にも必要な事なのですよ。今は催淫剤で激しく催しています。そこでお二人が初めての事をなさって上げると・・・。女性ですら最初の男性は忘れられないものなのです。まして男から女に成ったとすると、特にその衝撃は大きいのです。そんな状態で事をなさると、彼らは・・・いいえ、彼女でしたね。彼女達はこれからも催すたびにあなた達を思い浮かべるという事になるのです。精神的にはまだまだ男ですが、男の場合肉体的悦びから精神的悦びが湧くのです。ですからあなた達お二人が彼女達に肉体的満足を与えると、それを愛と錯覚するのです。錯覚であっても一度愛情を抱いてしまえばそれが本当の愛情に変わりますからね。」

 キクノは手を叩いてメイドを呼んだ。

 「それでは準備をしておいて下さい。」
 「はい。既に応接室2部屋を準備してあります。」
 「それとリップスティックを確実にね。」

 そしてジャニー達に向き直る。

 「宜しいですか? くれぐれもケイとタミオだという事を気付いていない風にお願いしますよ。二人とも色々と自分達の事を伝えようとするはずです。それでも無視し、ダッチワイフになる前のセックス訓練の為だという風に装って下さいね。」
 「あ、はい。分かってます。」

 コーネルは少し緊張しながら答えるのだった。



 メイド達がタミオ達の部屋で何か作業をしていた。浮き上がっている台車に女の木の鉢を乗せる。そして床に広がっている根を束ねていた。

 喘いでいる二人は不思議そうに見詰めていた。

 「あなた達のお漏らしがひどいので、ちょっと掃除をする間、別室に移動して貰いますよ。そして・・・。」

 汗と涙でベタベタになっている顔を拭ってくれるのだが、その時スティックを唇に塗るのだった。
 ちょっと嫌がるが、大した事ではないのでそれ程の抵抗をしないでいた。しかし・・・

 「ム・・・ムムル?」
 「ムモム・・・?」

 二人とも唇が接着されてしまっていた。

 (な・・・何なの・・・? 口が・・・、開かないよ。)

 ケイも同じように手で口をこじ開けようとしていた。

 「しばらくは大人しくしていて欲しいのよ。その接着剤は剥離剤を使わないと剥がれないですよ。無理して剥がそうとすると、肉がそげ落ちてしまいますからね。」

 そう言いながら台車を引っ張っていく。二人も根に引っ張られるようにしながら歩くしかなかった。そして4号室の家畜達のボーッとした顔に見送られ、その奥の部屋へと移動する。一室のドアを開けると、そこは小さいながらも宿泊施設らしい部屋だった。ケイの木の鉢はベッドの脇に下ろされ、タミオは更にその隣の部屋に連れられた。

 「家畜になるあなた達には勿体ない部屋ですが、掃除をする間だけですよ。ベッドで寝るのは久しぶりでしょう。掃除が終わる迄はゆっくりお休みなさい。当分ベッドで寝る事はないでしょうからね。」

 確かにしばらくぶりのベッドだった。弾力を楽しみながらも、募ってくる女としての高まりを押さえようがなかった。自分で慰めようとしても治める事はできず、ベッドに愛液が流れ出る事も気付かずに喘いでいた。

 誰かがタミオの肩に手を掛けた。

 「ムフッ・・・!!」

 ビックリして振り返ると、そこには既に裸になっているジャニーが笑っていた。

 「ムグーーーーッ!!」

 自分がタミオである事を必死に喋ろうとし、更に身振り手振りで示そうとしているのだが、ジャニーはタミオをベッドに押し倒してきた。

 (ジャニーさん!! ボクです。タミオです!!!)

 しかし女として発情してしまっている身体はタミオの意志に従わなかった。乳房を押さえ付けられると理性がはじけ飛んだ。悲鳴を上げるのだが、唇が接着されていて鼻から勢い良く空気が抜けるだけだった。そして足は大きく開き、ジャニーを待ち望んでいる雌としての姿だった。
 そして固く長い物が今迄に入った事のない肉体に填り込んできた時、タミオの精神は完全に弾け飛んだ。

 真っ白な空間に男だった時のタミオが笑って立っている。少し年上のタミオは白いタキシードを着ていた。真っ赤な絨毯の上を歩いている。左手に細い腕が寄り添ってきた。ウエディングドレスに包まれた女性だ。顔はベールに包まれているので良く見えないが、笑顔の口元が可愛い。

 (ああ・・・、ボクの結婚式? どんな花嫁さんかな・・・?)

 ベールを上げようとした時、その二人のシルエットがスーッと薄れながら遠ざかっていった。そして白い空間が闇で覆われた。

 (行かないで・・・。未来のボク・・・。)

 闇の中に女に成ったタミオが現れた。卑猥そうな笑みで、手招きをしている。

 (お・・・お前は・・・ボクじゃない・・・。そんな・・・。)

 その女は身をくねらせながら、乳房をこれ見よがしに突き上げ、そして足を広げて誘っている。

 「私はタミオではないわ。タミオって・・・、こういう女・・・、いいえ、ダッチワイフなのよ。」

 その女の姿が変わっていく。乳房がブワッと大きくなり、衣服の胸が裂けて飛び出してきた。ウエストがキュッと細くなり、ヒップがボンと膨れる。裸になったその女が、そして・・・・・・

 手と足が薄れていき、ゴロンと転がる。

 「これが『活きているダッチワイフ』・・・。あなたよ。」

 (イヤだ・・・。こんな悪夢・・・。目を覚ませ!)

 そして闇の空間から巨大なペニスが出現する。それがダッチワイフになった女を突き刺し、突き抜ける。

 「ムブブーーーーッ!!!」

 現実のタミオはその瞬間、女としての絶頂を迎えた。ただ、それが極端な快感という事も理解できず、精神的破綻を免れる為には意識を失う以外に方法はなかった。



 「コーネルさん、いかがでしたか?」

 キクノはベッドの上で失神しているケイを眺めていた。そして何かのスプレーをケイの眼前に噴霧した。

 「宜しいですね?」

 コーネルは頷いて耳を指差した。そこには小さなイヤホンが入っていて、コーネルが喋るべきデータが記録されている。

 ケイは意識を取り戻したのだが、あまりにも激しい精神的ショックと、全力を使い果たした事で身体を動かす事はできなかった。まだ股間にコーネルのペニスが填り込んでいるような感覚がいつ迄も体力、精神力を削り続けていた。

 「コーネルさん、いかがでしたか?」
 「まあ、新しいダッチワイフという事ですので、肝腎な部分はまだまだですね。」
 「そうでしょうね。ところでダッチワイフをお求めとか?」
 「ああ、私もまだ若いし、しばらくはのんびりしたいと思ってます。その慰めと、将来的には私も子供を欲しくなるでしょう。ですからダッチワイフであってもやがては私の妻、そして子供の母となれるようなのを欲しいとは思っていますが。」
 「あら、それは意外と難しいご注文ですね。ただのセックス処理の為の道具、そこまで行かなくても肉奴隷でしたら簡単なのですけれどね。」
 「そうなんですよ。」

 ケイは朦朧としたままで二人の会話を聞いていた。実際には聞かされているのだが。

 「私を愛してくれるのではなければ、それはただのダッチワイフですからね。強引に子供を産ませる事ができても、それでは赤ん坊を産む道具にしか過ぎない。それなら違法ではあってもクローンで育てる事もできます。」
 「でも、その前にコーネルさんが愛せるダッチワイフでないとならないでしょう? まあ、整形でコーネルさんのお好きな方に似せる事も可能ですが。お亡くなりになった奥様に似せるとか。」
 「いや、それは遠慮しましょう。私としては初恋の女性に似たダッチワイフの方がいいと思いますよ。初めて愛した女性でしたからね。彼女も既に亡くなってしまっていますが。」
 「それも可能ですわよ。」
 「いや、その必要はないでしょう。例えばこの娘。この顔がその人とそっくりなんですよ。」
 「そうでしたか・・・。」
 「会社の為に分かれたという苦い思い出です。サクラ・エミ・・・。日本人でしたが名前も顔も美しかった。」

 その時ケイの頭の中で再び閃光が走った。

 (サクラ・・・エミ? 俺のママ?)

 「私がケイを雇ったのも、まるでエミの子供のように感じたからなのですよ。まあ、エミの子供だったら半分は憎いのですがね。」
 「あら、どうしてです?」
 「それは・・・、私のエミを奪った男の子供ですからね。まあ、そんな事を言う資格はないですが。」
 「どちらにしてもこの家畜を一人前のダッチワイフに仕上げるにはかなりの時間が掛かりますから、でき上がっている家畜を整形した方が早そうですが。」
 「確かにそうですね。いよいよとなったら選ばせて頂きますよ。」

二人が部屋を出る時に声を上げたかったが、全く身動きできないでいた。ただ涙が溢れるだけだった。

 (コーネルさんが・・・、ママの初恋の人だったのか・・・。そしてダッチワイフを買うって・・・。俺もダッチワイフにされてしまうのは間違いないけど、大勢の男の性処理をさせられるのはイヤだ。どうせなら・・・。ママが愛した人と・・・。)



 「どうでした?」

 服を着替え終わったロジャーにキクノが話し掛けた。そしてケイと同じようにスプレーを嗅がせる。

 (ああ・・・、ボクは女としてセックスされてしまった・・・。女じゃないな・・・。ダッチワイフだった・・・。)

 朦朧とした意識で、身体が動かせない程疲労していた。精神的な疲労の方が大きく、動かそうという気にもならなかった。

 「まあ、まだまだ女に成りたてですからね。」
 「俺もそろそろダッチワイフを一つ欲しいかなと思いましてね。」
 「そうですか。」
 「キクノさんの仕事もかなり大きくなってきたので、俺の仕事も長距離が増えるでしょう。そんな時はやっぱり一体欲しいと思いますよ。それにバイオスーツを着ていれば俺の仕事の手伝いもさせられますからね。」
 「いいですよ。身内なのですから格安でね。」
 「ですけどね、やっぱりピンクを見てしまうと・・・。俺もああいうダッチワイフがいいなあって。」
 「ピンクさんですか・・・。あの方はこの星での自然女性化第一号ですが、非常に希な例です。今飼育中のダッチワイフにはあれ程の適合度の物はありません。」
 「そうですよね。まあ、適当なのを選んでみましょうか。」

 (ジャニーさんがダッチワイフを買う? そしてずっと一緒に? ボクは・・・? ボクもダッチワイフにされるけど、知らない大勢の男にセックスされ続ける? そんなのイヤだ!! どうせダッチワイフにされてしまうのなら知っているジャニーさんのがいい・・・。待って・・・。)

 「もしピンクみたいなのが手に入りそうなら少々時間が掛かってもいいからお願いしますよ。」
 「分かりました。でも、それにも大きな難関があるのですよ。分離型は本人の意志が大きく関わります。ピンクさんの場合の適合度は本当に100%という希有な例でした。95%以上の適合度であれば可能なのですが、それでも本人が拒絶した場合の成功率は落ちるのです。」
 「それなんですよね。でも探してみて下さい。ピンクまでといかなくても、俺にとっての理想のダッチワイフはピンクなのですから。」

 (ピンク・・・? そう言う名前のダッチワイフが居るの?)

 タミオの心にしっかりと焼き付いた。そしてジャニーの理想がピンクであるという事。そして・・・。
 自分がピンクと同じようなダッチワイフに成れればジャニーが買ってくれるかもしれないという事も。



 二人が元の3号室に戻された時、唇の接着剤は剥がされていた。しかし二人とも無言だった。互いに涙を流し、ため息をついているのだった。
 それでも僅かに年上のケイの方が口を開いた。

 「俺・・・、またコーネル部長に・・・。尻の時にも、マンコの方も捧げたって事・・・だな。」
 「ボクもジャニーさんに・・・。」
 「それで・・・、どうだった?」
 「どうって・・・。挿れられたら、もう何が何だか・・・。」
 「そうか・・・。それは俺もだ・・・。」
 「あのさ・・・、ダッチワイフの中にピンクさんって人が居るらしいけれど、知ってる?」
 「知らない・・・けど、なぜ?」
 「何だか凄いダッチワイフなんだって。ジャニーさんはそのピンクさんっていうダッチワイフみたいのが欲しいって・・・。」
 「ああ・・・お前もか・・・。」
 「お前も・・・って?」

 ケイは遠い目でため息をついていた。

 「俺達、絶対にダッチワイフにされてしまうよな。」
 「うん・・・。悔しいけど・・・。」
 「それだったら、ただのセックス道具のダッチワイフとして知らない男達の性処理をさせられるだけなんてイヤだよ。どうせなら俺はコーネル部長のダッチワイフに成りたい・・・。」
 「エッ?! ケイさん・・・。」
 「それに俺は部長の初恋の人の息子らしい。今は娘かな・・・。」

 ケイはちょっと苦笑いしていた。

 「だけどさ、ママが愛した人だ。俺だってママみたいに愛せるかもしれない。いや、部長とずっと一緒にいられるだけでもいいと思ってるんだよ。」
 「ボクも・・・。どうせならジャニーさんと一緒に暮らしたい。それに・・・。」
 「それに?」

 タミオは照れ臭そうに顔を赤らめた。

 「初めてジャニーさんにセックスして貰ったけど、凄かった・・・。その時は何が何だか分からなかったけれど、今思い返してみると・・・。まだあの凄いオチンチンが填っているみたいで・・・。キャッ!」

 言ってしまってから更に顔を赤らめるのだった。しかしケイの方も同じように顔を真っ赤にしていた。

 そこにメイドが木の実を運んできた。タミオは思い切って尋ねる事にした。

 「ウェンディーさん。」
 「はい?」
 「ウェンディーさんはピンクさんっていうダッチワイフって知ってる?」
 「ピンクさんがどうかしたの?」
 「あ・・・、さっきジャニーさんがしきりに褒めてたから・・・。」

 ウェンディーはちょっと考え込んでいた。

 「あの人はちょっと特殊な人なのよ。ここの観測所の所長さんの専用ダッチワイフだけど、実質的には奥さんね。観測所のお仕事の他に木の実とか種の採集も担当しているのよ。この星に下りる時に見たかもしれないけれど、このブロックは周囲の灌木帯からは隔離されてると言っていい程離れているでしょう。それは本来の環境を崩さない為なのよ。だけどピンクさんは別。ここが女性化する木が発見される前に野生の木で女性化した人なのよ。だからピンクさんは既にここの環境に組み込まれているの。野生のリッキーとも仲良しだから。」
 「じゃあ、ボク達が食べている実はそこから?」
 「そうよ。まだこの周囲の木では実る程育っていませんからね。」
 「それで、何が特殊なんですか?」
 「うーん、それはまだ教えて上げられないわね。だけど今日も採集を終えて戻ってきてますから、お話ししたいならいいわよ。頼んでみるわ。」
 「お願いします。」

 タミオは素直にお礼を言った。ピンクに似たダッチワイフに成れればジャニーに引き取って貰えるかもしれないという淡い期待とともに。

 二人とも気付いていなかった。女性化、ダッチワイフ化は当然として受け止め、しかも飼い主に気に入られるダッチワイフに成ろうとしている事を。それはダッチワイフ化で最も厄介な面だったのだが。



 「はい、何か私にお話があるそうね。」

 入ってきたメイドは今迄のメイドとは桁が違っていた。どのメイドも巨乳であったのだが、このメイドはその乳房の大きさが想像を遙かに超えた大きさだった。しかもその様な巨大な乳房がまん丸で、少しも垂れ下がってはいないのだ。

 「あっ・・・あなたがピンクさん?」
 「そうよ。そしてあなた達の先輩ですけどね。」
 「そんなに・・・大きなオッパイでないと・・・。」
 「ウフフ・・・。私の場合はかなり長い時間女に木に取り憑かれていたから、こうなってますけど、ご主人の趣味でもありますからね。」
 「あ・・・の・・・。ボクの知ってる人が・・・、ピンクさんみたいな特別なダッチワイフが・・・欲しいって・・・。そんなに大きなオッパイに・・・しないと・・・?」

 ピンクは笑っていた。

 「私が特別というのは多分別の事よ。でも、今はまだ教えて上げられないの。それに適合度が関係してくるし。」
 「あっ、そうだ。適合度95%以上でないとダメとか言ってた・・・。」
 「あら、良く知っているのね。その通りよ。」
 「それじゃ・・・ボクの適合度って・・・測れるんですか?」
 「それは測れるわよ。多分最初に精液を採取されたでしょう。それで初期値は出ているはず。ですけれど、それは段々と変化するのよ。まあ、女性ホルモン投与で少しは上がっていくらしいですが。」

 タミオは真剣な表情になった。

 「お願いします。ボクの適合度を教えて下さい。そしてもっと上げる方法も。」
 「いいの? 適合度が高いって事は理想的なダッチワイフに成るという事なのよ。誰に理想的かと言えば、全ての男性になのよ。どんな悲惨な未来が待っているか分からないのよ。」
 「ピンクさんは100%だったそうですよね? 今、悲惨ですか?」
 「あら、反駁できない質問だこと。確かに完璧だったらしいわ。そして今の私はとっても幸せ。ダッチワイフとしても、単なるワイフとしてもとっても幸せよ。」

 タミオは涙を流しながらも笑っていた。可能性が少しは見えてきた気がしていた。



 「タミー、本気なのか?」
 「ボクはジャニーさんと一緒に居たい。」
 「それは分かるけど、あのピンクさんの身体・・・。あんな凄いオッパイに成りたいのか?」
 「ジャニーさんが望んでいるらしいし。ねえ、ケイさん。ケイさんが男だった時、ピンクさんを見たらどう感じたろうね。」
 「うーん、確かにダイナマイトボディーだよな。でも人間離れしているよ。あんなでっかいオッパイにして貰いたいのか?」
 「ピンクさんだって元は男だったんだよ。それならボクだって可能なはずだよ。」

 ケイは肩をすくめて諦めたという顔をしていた。



 「タミー、何してるんだ?」
 「エッ、これ?」

 タミオは女の木の上部から垂れ下がっているツタのような物をくわえていた。

 「この先から甘い液が出てる。」
 「いいのか? どうせそこからも女性ホルモンが出ているんだろう?」
 「もうどんなにホルモンを摂ってもいいし。それに不思議に気分が落ち着くんだよ。麻薬みたいな成分が入っているのかもしれないけれど、ここの人達が注意しないって事は害はないと思うよ。」
 「そうか・・・。」

 ケイもそのツタのような物を吸ってみた。

 「本当だ。甘いけどサッパリしてる。確かに気分的には楽になるな。」

 精神を麻痺させるだけなのだが、それは不安を払拭する効果もあった。

 そして再び開花時期を迎える。ますます朦朧とする度合いが大きくなるのだった。その間も無意識で木の実を食べ、ツタからの樹液を飲んでいた。

 「起きてちょうだい。」

 揺すられて目覚めた二人だった。かなり大きくなった女の木が再び浮いている台車に積まれている。そして根もかなり大きく長くなっていて、それも束ねられている。

 「さあ、隣へ移動よ。」

 意識はハッキリしないが、尻の根に引かれてフラフラと歩き出し、4号室へと移動する。

 そこには既に更に別室に移されているらしく、残っている二人が女の木の根本にうずくまっているのだった。
 二人もメイド達が作業している中、そのまま植え付けられた木の下で眠りに戻るのだった。



 「アアッ、何だこれ!!」

 ケイの悲鳴のような叫び声でタミオは目覚めた。花の香りはしないので開花期は終わった事を知る。

 「どうしたの・・・。ワワッ・・・!!」

 二人の股間にツタが数本填り込んでいたのだ。そして元から居た二人も同様だった。

 「こ・・・、これ・・・、何なんですか?」

 先輩の一人が物憂げに答える。

 「女の木の花が咲くと、ちょうどピーナッツの花が実になる時に地中に入るように、私達の子宮に実を付けるの。」
 「子宮に?!!」
 「ええ、何本も入って、それぞれに実がなるの。それがあなた達も最初に入れられた種なのよ。」
 「そんな・・・。私はこれが3度目。開花が終わるたびに種を産まされるの。」
 「種・・・、産むんですか?」
 「そうよ。産むたびに身体がより女性に・・・、いいえ、家畜とかダッチワイフに成っていくの。そして心もね。今迄居た人は更に改造されて売られていくのよ。」
 「平気なんですか?」
 「私だってこの部屋に移される迄はダッチワイフとして大勢の男に陵辱されるのを嫌がっていたわ。だけどそれは昔の夢みたい。今はこんなツルでなく、本物のペニスでセックスしたいと思い続けているのよ。誰とでもいい・・・。早くダッチワイフに成りたい・・・。」

 「ワッ・・・。」

 タミオとケイは後ずさりするのだった。

 「まさか俺達もあんな風に?」
 「イヤだよ。たとえ身体がダッチワイフに成ったとしても、心まであんな風には・・・。」

 するともう一人の女がゆっくりと起き上がり、諭すように話し始めた。

 「そうよね。私もそうでした。先にここに居た人達の話を聞いても、私は絶対にそうはならないって思ったわ。だけどダメなのよ。起きている間はただセックスして貰う事しか考えられないの。誰もがそうしてダッチワイフに成っていくの。もうすぐ種が大きく育つと分かるわ。赤ちゃんではないのが残念だけど、おなかが大きくなる感覚って凄いのよ。そうなるとお乳も出始める。そしてツタでなくペニスを。種でなく精液で子宮をいっぱいにしたいって思うようになるの。それってダッチワイフには必要な事なのね。でも今は嫌がっていてもいい。その内に自分が男だった事なんて実感が無くなるし、あるいは女ですらなく、セックスの為の道具なんだって思えるようになるわ。今の内よ。短い時間だけれど、男としての心を楽しんでおくといいわ。今の内なのよ・・・。」

 その女もスーッと眠りに落ちていった。



 「ウウッ・・・、おなかが・・・。」

 大きく膨れた腹部をさすりながら目が覚めた。既にツルは抜け出ていた。

 「最初は要領が分からないからつらいわよ。ウムム・・・!!」

 その女は座ったまま息んでいた。そしてボロボロッと黒い丸い実を股間から落とすのだった。

 「フーッ、楽になったわ。どれも小さな種ね。5センチ以上ないと芽が出にくいらしいわね。」
 「アウッ・・・、痛い・・・。ケイさん・・・。」
 「お・・・俺も・・・。」

 二人とも排便をするように屈んで息むのだが

 「それでは産みにくいわよ。私の時みたいに、寝るか寄り掛かって息むといいのよ。そして痛みに合わせて力を入れる。そら、ヒーヒーフーーッ。ヒーヒーフーーッ。」

 「アウーーーッ・・・。」

 膣口が大きく開き、おぞましい黒い玉がいくつか転がり出てきた。



 「フーッ・・・、つらかったよ・・・。」
 「おれも・・・。本当の出産もこんなにつらいのかな。」
 「あら、何を言ってるのよ。まあ私もまだ先ですけれど、先輩達の話だとこんなものじゃないらしいわよ。」
 「ウワーーッ、もっと大変なの?」
 「だけどそれは奥さんとして認められた人ね。大勢を相手にするダッチワイフだったら妊娠しないように色々処置されるから、出産しないで済むかもよ。」
 「ウッ・・・、それはもっとイヤだ・・・。あれ? タミーの方の種は随分でかいな。」
 「そうなの? どれどれ。あらあ・・・、すっごい大きい。」
 「ほんとだ。5センチは遙かに超えてる。こっちのは6センチ近いな。」
 「そうよねえ・・・。私は自分のを含めて何度も見てきたけれど、こんなに大きいのは初めてよ。あっ、ティーヌさん!!」

 ちょうど入ってきたメイドに声を掛ける。

 「何かしら?」
 「ほら、見てみて。この子の産んだ種。凄いのよ。」
 「エッ・・・! 大きい・・・。そしてこんなに・・・。」
 「ええ、その子の産んだ種はみんな大きいのよ。」

 タミオはちょっと恥ずかしげだった。

 「この木のせいじゃないの? 木によって大きな種になるとか・・・。」
 「それはないわ。子宮に入り込むツルはその木だけではないのよ。この近くの木からそれぞれ入っているはず。」
 「ちょっと所長に見せてきます。この子の産んだ種はこれで全部ね。」

 ティーヌは両手でしっかりと種を抱え、急ぎ足で去っていった。

 「大きいから痛かったんだね。そのせいですっかりオマンコが緩くなった気分。」
 「すぐ戻るのよ。樹液も木の実も出産の後処理にも効果があるらしいのよ。以前にここの所長が言っていたけれど、何度も種を出産するたびに膣も子宮も強化されるらしいの。それってペニスを強く絞れるようになるらしいわよ。だからこそここで作られるダッチワイフは闇で高額で売買されるらしい。それ以上に大金持ちやお偉いさんの玩具として人気があるらしいわ。」

 そこにキクノが足音を上げて入ってきた。

 「これ、タミオが産んだの?」
 「あ・・・はい・・・。」
 「素晴らしいわ。これ程の物は灌木帯でもなかなか手に入らないのよ。ピンクさんの場合もそうだったけれど、適合度との関係もあるのかしら・・・。」
 「エッ、適合度? そうだ、所長さん、ボクの適合度ってのを教えて下さい!!」
 「なぜ? 必要ないし、適合度が高いという事はダッチワイフとしての性能が高いという事なのよ。それは凄く悲惨な状態になる可能性が高いのよ。」
 「それでもいいです。ボクは・・・ピンクさんみたいな・・・。そしてジャニーさんに・・・。」

 キクノは腕組みをしていた。

 「まあいいわ。知っていようがいまいがダッチワイフに成る事は決まっているのだし。確かにあなたはピンクさんを除けばここでの最高値だったわ。初期状態で97%。最近の値は98%を越えているわね。」

 タミオの顔が輝いた。

 「そしたら・・・ボクは・・・、ボクはジャニーさんの好みのダッチワイフになれますね?」
 「まあ、珍しいわね。確かに4号室の子って肉体的な影響で家畜や道具に成ってしまう事を諦めから受け入れているのよ。ですが、精神的に積極的にセックス道具に成ろうなんて子は居なかったわ。」
 「お願いします。ボクをピンクさんみたいに・・・。」
 「まあ、それは可能ですから、お望みとあらば希望に添うようにします。但し、かなりのリスクが伴う事を覚悟しなさい。」
 「覚悟・・・ですか?」
 「まず、あなたがピンク仕様になるという事はジャニーさんには伝えません。ですからあなたの改造が済む前にジャニーさんが別のダッチワイフを購入してしまう可能性があります。そしてピンク仕様ですと時間が掛かり掛かります。多分あと2年近く掛かりますよ。そして・・・、あなたはピンクさんの事を完全には知っていません。その為にその仕様に向かって進んだ場合、後戻りはできないのですよ。多分、あなたは本当の事を知れば驚いて拒否するでしょう。その場合でも拒否できない段階に進んでいますからね。」

 脅しとも取れるキクノの言葉だったが、タミオは大きく頷いて承諾したのだった。

 「おい、タミー。いいのか? 確かに凄いダッチワイフらしいけれど、見て分かる通り、人間離れしていると言っていい程の身体だったぞ。それに俺達には分からない何かもあるらしいし・・・。」
 「いいよ。良く考えた結果だよ。もしジャニーさんがボクを選んでくれればそれは最高に嬉しい。だけど、選ばれなかったら・・・。ぼくは本当の意味での活きたダッチワイフに成ってしまう。その場合、向こうの部屋で見た乳搾りされている人みたいにされるとか、たくさんの男の人のセックスで責め続けられる事になる。ここのメイドさん達程度の巨乳でもピンクさんみたいなとんでもないオッパイでも差がある? どうせ陽の目を見られないのだから、ボクは賭けてみたいんだよ。」
 「なる程な。適合度とかの数字はタミーがいいダッチワイフになれる指標みたいなものらしい。そういう運命なんだよな。」

 キクノが話しに割って入った。

 「分かったわ。確かにこんなに素晴らしいダッチワイフに成れる子なんて、まず居ないわね。ちなみにケイの適合度も比較的高かったけれど、78%でした。これから先、どんなに改造を施しても80%にはならないわね。そういう意味でケイの方が有利よね。」
 「有利? 俺がですか?」
 「そうよ。あなたの望みはコーネルさんに買い取って貰う事でしょう? 彼の話によれば顔は希望通りの顔らしいので整形はほとんどしないで済むわ。そして一年、あるいはそれ未満の時間で解放されます。その時にコーネルさんが買ってくれればいいのですよね。」
 「俺もお願いします。もうダッチワイフででもコーネル部長と一緒に居たい。それが今一番の望みですから。」



 「ねえ、あなた達。ここで言うダッチワイフに成るという事が全然分かっていないのね。」

 奥の木に横たわっていた女が物憂げに話し掛けた。

 「単に男の慰み者にされるという意味だけではないのよ。もう取り返しは付かないのだけれど・・・。」
 「エッ? それはどういう意味?」
 「自分の身体が他人の制御を受けるという事なのよ。」
 「はあ?」
 「ここのメイドさん達を見ていて、手足が普通の皮膚でないのは分かるわよね?」
 「はい。艶があって、薄いフィルム状の物で覆われているように・・・。」
 「あれはバイオモビルスーツとか言う物を着せられているのよ。一度着せられたら一生脱げないらしい代物よ。そして普段は自由に動けるけれど、リモコンか何かでその動きを制御されてしまうのよ。」
 「それって・・・。」
 「例えば・・・、そのリモコンで自分が望まなくても強引にセックスさせられたり、大勢の前で恥ずかしい格好を晒されたり・・・。他人の思うように動かされてしまうのよ。」
 「まさか・・・。ボク達もそのスーツを着せられるの?」
 「そうよ。必ずなの。だからこそ絶対に逆らえないセックスの為の道具にされるから、活きたダッチワイフにされるという事なのよ。」

 タミオは震えながらケイと見つめ合っていた。

 「それがどういう事かは次の開花の後あたりで分かるわね。」
 「開花の後に何が・・・?」
 「この木の根の抜ける条件って知ってる?」

 二人は首を振った。

 「それはね、妊娠する事なの。妊娠すると私の身体のホルモン状態が変わるらしいわ。それで根が抜け出るらしいのよ。今迄もここで充分に飼育された人達も妊娠させられて向こうの部屋に運び込まれたの。」
 「妊娠って・・・、ボク達も? そして・・・誰に?」
 「ああ、ちょっと意味が違うのよ。別にセックスしないでも妊娠状態であればいいわけ。言わば人工授精よ。受精卵を子宮に送り込まれるの。勿論卵子は当人のよ。あなた達だって既に卵巣もでき、卵子だってできているのよ。」
 「俺達にも?!!」
 「そ・・・それで、精子は誰の・・・?」
 「人工授精でも赤ちゃんを孕むわけではないの。さっき私はバイオモビルスーツって言ったわよね。それを産まされてしまうのよ。自分を一生拘束する為のスーツを自分で産まされるのよ。」

 タミオ達は真っ青になって震えていた。

 「あなた達がここに来る前にヒートリーって娘が向こうに連れて行かれたの。そこで胎児というかそのスーツを胎内で育てさせられるのよ。そして大体3ヶ月程度でそのスーツの出産になるのね。そしたら出産はこの部屋で、私達の目の前で見せられるの。そして産み落とされたスーツはその場で着せられるのよ。私も多分次の開花の時にそれで妊娠させられ、その後あなた達の前で着せられるわ。」

 哀れむような目で二人を見詰めていた。

 「一度でも、スーツを着せられて他人に動かされるダッチワイフを見ていたら、とても自分からそう成りたいとは言わなかったはずなのですけれどね。」

 「どうしよう・・・。そこ迄は知らなかったよ。」
 「ボクはその程度なら構わない。だってジャニーさんに買って貰えたらジャニーさんの思うままに動かして貰ってもいいと思ってるし、最悪の場合はピンクさんみたいな身体のダッチライフになってしまうのだから、逃げ出したりできない。それにもの凄く淫乱になってしまうらしいから、いつでもセックスさせられるのに、自分で動けなくても構わない。」

 ケイは驚きの表情でタミオを見詰めていた。

 「そうか・・・。そうだよな。こんな身体に成ってしまって、何を今更・・・か・・・。」





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