「アー・・・ッ、ウッ・・・。」

 美奈は大きく伸びをして目を覚ました。

 「エッ、私・・・、裸? アアーーーッ!!」

 そして自分の股間にこびり着いていたリンクの精液を見て震え出し、泣き出した。

 「私・・・、リンクと・・・、犬と・・・。」

 肩を振るわせて泣いているとリンクがすり寄って来た。美奈はリンクをキッと睨み、振るえる腕を振り上げた。

 「ワン?」

 リンクには美奈の怒りが何なのか分からないでいた。昨晩の交尾の結果、リンクは美奈を自分の妻と思い込んでいたのだ。それだけ快感を与えたという満足感があったのに、なぜ自分に怒りを向けているのか理解出来なかった。そしてリンクはリンクなりに考え、まだ美奈がそれ程悦んでいないのではないかと思うのだった。
 その時、いつもの音楽がタイマーにより流れ始めてきた。美奈は怒りと悔悟で泣き続けていたが、股間からは愛液が滲み出てきた。その匂いを敏感に感じたリンクは、本能で美奈が受精していなかった事を知った。そして再びペニスを膨らませたのだ。

 「ウッ・・・、リンク・・・。」

 耳元で荒い息をし出したリンクに気が付き、ハッとして目を開けた美奈はリンクの股間の逸物の状態の意味を悟った。

 「ダッ、ダメッ・・・!!」

 美奈は力の入らない身体で後ずさりをする。しかしリンクがのし掛かってくるのを跳ね飛ばす事は出来ない。

 「イヤーーッ!」

 美奈は無意識に四つん這いの姿勢で逃げようとした。そしてそれはリンクに尻を突き出す事となってしまうのに気が付いた時、腰を抱きかかえられた美奈の股間に熱く硬い物が突き挿されていた。

 「ヒーーーッ・・・。」

 リンクは愛液の溢れている美奈の膣に深く突き込んできた。そして愛液が押し出され、強く腰を前後させた。

 「ダメーーーッ!」

 心では激しい抵抗をしているのだが、肉体はしっかりと求めていた。自分から腰をリンクに強く押し付けているのだった。

 「アアッ・・・、リンク・・・。私・・・。」

 ペニスがグッと膨らんだ時には美奈は完全に雌犬と化していた。そしてリンクが後ろ向きになり、尻を前後に揺すり始め、ペニスが美奈の膣内で蠢くと全身の力は抜けてしまい、リンクのペニスで支えられたままだった。そして子宮を熱い粘液が埋め尽くす時、美奈は理性を失ってしまうのだった。

 二度目の射精の前の落ち着きを取り戻している間に美奈の潜在意識は音楽が止まっている事に気が付いた。それは美奈の理性を回復させる。肉体的には激しく高まったままなのだが、リンクとの獣姦の最中である事に気が付いて大きな悲鳴を上げた。

 「イヤーーーッ、ダメーーーッ!!」

 リンクは交尾中なのになぜか美奈が激しく抵抗を始めた事に少し驚いていた。美奈がペニスを引き抜こうとし、立ち上がろうとするのを再びペニスを蠢かす事で防ぐのだった。

 「キヒッ・・・?!!」

 肉体の快感は理性を吹き飛ばしてしまう。リンクは少しずつ美奈のコントロールをマスターしていくのだった。そして腰を揺すりながら、少しずつ犬小屋へ向かう。リンクはまだ美奈が心からの妻に成っていない事を悟り、リンクなりに美奈を躾けようとしているのだった。



 美奈は犬小屋の中でずっと泣き続けていた。二度目の射精の後、意識を取り戻した美奈は激しく抵抗をした。まだ繋がったままでも逃げようとするのを、リンクはペニスを膨らませたままずっと繋がった状態でいた。そして引き抜こう、立ち上がろうとすると、リンクは美奈を引っ張るのだった。すると引きずられる美奈は何の抵抗も出来ず、ズルズルと後ずさりをさせられる。それは美奈には屈辱的な状態だった。膣で引きずり回されるという事は、完全にリンクに服従している姿勢だった。泣き疲れ、すっかり絶望した美奈は大人しくなり、嗚咽を漏らすだけであった。その時点でやっとペニスを抜いて貰えた。しかし美奈は逃げ出す事は出来ない。犬小屋に入れられ、入り口ではリンクがジッと見つめて座っている。そしてその股間にはまだ伸び上がったペニスが美奈の方に向けられている。

 「ここを出ようとすると・・・。」

 リンクは逃げ出そうとするといつでも交尾する体勢だった。ソーッと動こうとしても、リンクは歯を剥き出しにして威嚇するのだった。

 そしてその時美奈には最も恐れていた事態が発生した。

 「ただ今。美奈さーん?」

 弥生の声が聞こえた。

 「アッ、菊野さん? ワッ、こんな事・・・、私がリンクとした事を・・・?」

 美奈の絶望感が爆発した。すっ裸で犬小屋に居れば自分のした事を分かられてしまう。ただ震えで真っ青になっていた。声を出す訳にはいかない。美奈の精神構造は完全に分裂していた。

 「居ないのかしら?」

 弥生は含み笑いをしていたが、カセットテープをそっとスタートさせた。

 「いいわ、散歩ね。忘れ物をしただけだから・・・、アッ、これこれ。じゃ、急いで戻らないと・・・。」

 美奈はホッとし、汗が一度に噴き出した。そして心臓が爆発しそうな程激しく鼓動していた事に気が付いた。

 「良かった・・・、取り合えずは・・・。」

 しかしリンクの股間が再び怒張してきた事にハッとした。愛液が溢れ出ていたのだ。

 「ウッ、何で・・・?」

 リンクが犬小屋に入ってきた。

 「イヤッ、ダメッ・・・!」

 美奈の悲鳴に、弥生は気が付いた様に声を上げた。

 「アラッ? 美奈さん、居るの?」

 美奈はハッとして口を覆った。しかしもう遅かった。リンクが美奈を犬小屋から押し出し、のし掛かろうとしていたのだ。

 「ダメーーーッ、助けてーーーっ!!」

 いかにも弥生は驚いた様子で美奈達の部屋に走り込んできた。

 「美奈さん・・・!!」

 リンクは四つん這いの美奈を押さえ付けていた。

 「リンク!!」

 弥生だけではなかった。留美子も川島も驚いた様に部屋に飛び込んできたのだ。そしてリンクのペニスが美奈の体内に滑り込んだ時、美奈の自尊心は完全に弾け飛んでしまった。大勢の人間の目前で獣姦を見られてしまったのだ。それでも美奈は必死に逃れようとするのだが、激しいピストンに美奈の抵抗は失われてしまうのだった。

 「ダメッ、見られて・・・、私は・・・、アアーーーッ・・・。」

 美奈は僅かに残っている理性を振り絞った。そして弥生がテープを止めたので、意識がしっかりし、より激しい恥辱感に襲われる。しかしリンクのペニスのピストンに肉体的な高まりをつらく感じた。

 「アヒーーーッ・・・。」

 美奈の膣内でリンクのペニスが大きく膨れた。そして今迄よりもずっと大きく成ったのだ。それはどんなに激しい抵抗でも抜け出る事のない大きさだった。

 「アッ・・・、ヒーッ・・・。」

 その状態がどんなに絶望的な事であるか美奈には良く分かっていた。肉体の快楽と精神の破壊とでただ泣き叫ぶだけだった。

 「助けてーっ!! お願いーーっ!!」

 しかしその絶望感は更に増すのだ。リンクが体を入れ替え、尻同士が付き合わされた。それは射精行為に移る準備段階だった。

 「ヒッ、ダメッ・・・。」

 美奈は立ち上がろうとし、ペニスを引き抜こうとする。しかしそれはピストン運動になってしまう。リンクもペニスを大きく蠢かす。

 「アアーーーッ・・・。」

 驚いた振りはもう不要だった。川島達は椅子に座り、微笑みながら見つめていた。

 「ねえ、留美子さん。軽井沢でもこういう方法で?」
 「いいえ、あちらはもっと強引でしたよ。だって男の子だったのですから。」
 「そうですか。私は雌犬の子としてしか知らなかったから。だけど義姉がなぜそんな事をしたのか、やっと分かった様な気がします。」
 「でしょう?」
 「ええ、私はそんな犯罪的な事はイヤだと思っていたし、姉の所で少しは理解していたのですが、リンクが本当に家族の一員だったという事を認識し直しました。私はリンクを家族の一員とは思っていましたが、それでもペットとしての犬という事に縛られていたのですね。だから性格に問題があってお嫁さんを見付けられない事にそんなに深刻ではありませんでした。だけどこうして・・・。リンクがいいお嫁さんを見付けたという事が凄く嬉しいんです。」

 川島は眼を細めていた。そして美奈はリンクに引きずられながら、部屋を後ずさりしながらのピストンに激しく喘いでいた。

 (私・・・、こんな恥ずかしい事をしているのよ。アヒーッ! お願い、やめさせて・・・。私・・・、いっ・・・ちゃう・・・。そしたら・・・、私は・・・。)

 リンクのピストンが激しくなった。女達の顔が美奈の脳裏に歪んで笑っている。そして熱い迸りを体内に圧入された途端、美奈の理性も自尊心も人間としての誇りも全て吹き飛んでしまった。

 「ハクーーーーッ・・・!!!」

 耐えようとしていた絶頂は、激しい煌めきとともに爆発した。美奈は汗と涎と涙を噴き出して果てた。そしてその瞬間は決してつらい涙ではなかった。



 「エッ・・・? アッ、私・・・? キャーーッ! 見ないでーーーっ!」

 まだリンクと繋がったままの美奈は身体を丸めて絶叫した。そしてペニスを引き抜こうとして無駄な足掻きを繰り返す。

 「美奈さん・・・。」
 「ごめんなさい、お願いですから・・・。」
 「いいのよ。私も知らなかったのだけれど、美奈さんがこういう趣味の方だったなんて。」
 「違います。私・・・。」
 「いいのよ、素直におなりなさい。ちょっと困った事になったけれど、セックスの趣味は人様々ですから。」
 「ごめんなさい、本当に違うんです。抜けない・・・んです。助けて下さい・・・。」

 美奈は弥生に縋り付こうとするのだが、リンクが引っ張ってしまう。

 「いいのよ。私達だって随分とスケベなのよ。まあ、美奈さん程ではないかも知れないけれど。予定が変更になって、戻ってきてしまった事はむしろ悪かったと思うわ。本当はもっとあなた達だけで楽しんでいられたのでしょうにね。」
 「ち・・・、違う・・・。」
 「大丈夫よ。ここには私達しか居ないのですから。あなたの事は他人には言いませんからね。」

 泣き喚いている美奈に対し、リンクはまだ服従しない美奈に苛立ちを感じている様に、強く引っ張りながらペニスの膨らみのピストンを始めた。

 「ハアゥッ・・・。」

 リンクには抵抗している美奈でも高まれば素直になる事は分かるのだった。まず自分に服従させるには素直にさせる事が必要だと思い、時間を掛けたピストンを心掛けていたのだ。元々が射精迄に長い時間を掛けられる大型犬であり、何度もの射精と慣れとで更に時間を引き延ばせる様になっている。そして引っ張り回す事により、自分の上位性を示す事となるので、リンクは美奈を引きずりながらの結合交尾状態を続けるのだった。

 「イヤーッ、やめてーーっ!!」

 何度も立ち上がろうとして引きずられ、そして膣内のペニスを動かされる。リンクとしては何としても隷従させようとしているのだ。

 「リンク、美奈さんはもうあなたの奥さんに成れるわよ。」
 「ワフッ!」

 リンクは弥生の言葉に嬉しそうに吠えた。

 「助けて・・・、菊野さん・・・、助けて下さい。」

 美奈は恥も外聞も棄て、すがる様に女性達に哀願する。

 「『助ける』? 誰を何から助けるの?」
 「お願いです。リンクを・・・。」
 「エッ? 別にリンクを助ける必要なんか・・・。」
 「意地悪言わないで・・・。お願いです。リンクのが抜けないの。」
 「それは分かっているわ。だからあなた達交尾を続けているのでしょ?」
 「お願い。本当に・・・。助けて・・・。」

 弥生は困った顔で頭を掻き、美奈を見下していた。

 「そりゃ、自分の趣味がバレてしまったのは恥ずかしいでしょうけれど、まるで美奈さんがリンクに襲われている様な言い方じゃリンクにだって自尊心があるから、機嫌を悪くするわよ。」
 「『様な』じゃないです。リンクが私を押し倒して・・・。アアッ、また太く成って・・・、早くーーっ・・・。」
 「それはおかしいのよ。犬は発情した雌犬にしか催さないのよ。確かにリンクは自分を犬と思っていないかも知れないけれど、本能は本能よ。それにどんなに発情している雌犬でも、拒絶は出来るの。まして人間でしたら、絶対に拒絶出来るわ。」
 「違うっ!! 本当にリンクが無理に・・・。」
 「万が一美奈さんの言う通りだとしても違うわよ。犬のペニスは先細りなの。だからこそ射精準備の為にペニスを膨らませるのよ。だけどそれ迄には随分時間が掛かるわ。充分に抜け出せるし、どんなにリンクが美奈さんを押さえ付けていたにしても、その瞬間迄に美奈さんが腰を引いたらそれ迄なのよ。自分から求めない限り、犬との獣姦は不成立なのよ。そうねえ・・・、案外心ではそう思っているのかしら? そうでないと罪悪感に駆られますからね。だけど肉体はずっと求めている様ね。」
 「ち・・・、違います・・・。」
 「それにどんなにリンクが交尾上手でも、濡れていない膣への挿入は無理よ。美奈さんも発情していて、しかもある程度はちゃんと受け入れをしなければ第一時射精は迎えられないわ。そして交尾と言ってもセックスですから、マミさんがリンクに気持ち良くさせて上げない限り、その第一時射精にすらいかないわ。まして本格射精をさせるには、それなりに快感を与えて上げないと。美奈さん、あなたはただ無理矢理にこじ入れられているだけ? 自分から膣を絞めていない? そして気持ち良く感じないの? さっきの状態は、凄く悦んでいる様に見えたけれど。」
 「そ・・・、そんな事は・・・。」
 「あら、そうなの? じゃあ、ハッキリさせましょうね。」

 弥生は立ち上がり、まだ腰を揺すっているリンクの頭を撫でた。邪魔をされるのかと思ったらしく、リンクは顔をしかめ、不機嫌な顔で弥生を睨んだ。

 「ごめんね、邪魔をして。だけどリンクは美奈さんを奥さんにしたいのよね?」

 リンクは尻尾を振る。それも美奈には快感につながる振動であった。

 「悪いのだけれど、交尾をちょっとやめてみて。そうすれば美奈さんがリンクのお嫁さんに成りたくなるのよ。」

 リンクは首を傾げていた。

 「ねえ、留美子さん。菊野さんは本当にリンクの言葉が分かるの?」
 「ある程度は意思は分かるらしいですよ。だけどあれは菊野さん独特の錯話らしいですね。」
 「錯話?」
 「私も良く知らないのですが、催眠術らしいです。」

 事実、ある程度はリンクの意思の分かる弥生だが、リンクを落ち着かせ、連続の交尾の疲労を思い起こさせていたのだ。まだ一度目の射精迄しか終えていないので、リンクのペニスはずっと膨らんだままである。リンク自身でもペニスを膨らませておく能力はあるのだが、弥生の術でその状態を遥かに長引かせる為であった。二度目の射精をしてしまうと、リンクの能力であってもペニスは柔らかくなる。理性を取り戻してしまえば美奈は強引に引き抜く事が出来てしまうのだ。それを防ぐ為の中断だった。

 肉体的にはとにかく、交尾ピストンが中断された事で美奈の理性と倫理観が戻ってきた。それは自分の状態の恥ずべき姿を更に絶望的に感じさせる事でもあった。

 「お願い、助けて・・・。私は・・・。」

 泣きじゃくる美奈をなだめる様に弥生は優しく美奈の肩に手を宛てがう。

 「いいのよ。美奈さんの精神状態は正常なのよ。正常でなかったら、恥ずかしさなど出てこないわ。」
 「抜けない・・・、外れない・・・。」
 「だから言ってあったでしょう? 普通の犬ですら交尾を終了する迄は外せないのよ。リンクは自分の意志でも抜けなく出来るの。だからどうしても抜きたければ、もう一度リンクに催させて射精させればいいの。だけどリンクは頭がいいわ。それに何度か射精している様ね。だからいつもよりもずっと時間が掛かるわよ。」
 「それって・・・。」

 弥生は後ろ手で川島に合図を送った。川島は打ち合わせ通りに話し掛ける。

 「美奈さん、私としては嬉しい事なんだけど・・・。」

 美奈は涙ながらにも川島を睨み付けた。

 「ごめんなさいね。あなたを苦しめるつもりで言ったのじゃないの。リンクは私の家族なのよ。そしてやっと最近、自分を犬だと思う様になってきたとはいえ、普通の雌犬には興味を示さなかったの。そして・・・、多分来年には死ぬ運命だった筈なの。」

 美奈は『死ぬ』という言葉に少し驚いた。

 「リンクの家系は、凄くセックスが強いの。どんな犬よりも発情期が長く、沢山の雌犬を宛てがわないと精神異常を起こすのよ。それは肉体的にも強いストレスらしく、極端に栄養障害を起こすの。だから私の姉の家では犬用のホルモン剤を使って貰って、雌犬の発情期をずらして貰っているの。だけどその犬はそれでも良かった。リンクはダメなの。どんなに雌犬から誘っても、そしてリンク自身が強い発情を起こしていても出来ないのよ。だからリンクをここに引き取ったの。だって父親の元で餓死させるのは可哀想で・・・。こんな事を言うと不道徳だと思われるかも知れないけれど、私は誰かに大金を払ってでも女の人に頼もうかとも考えた事もあるわ。だけど人間としては許されない事よね。」

 美奈は『人間として』という言葉が強く胸に突き刺さった。

 「だから短い命を楽しんで貰う事しか考えていなかったわ。だけどリンクのお相手を望んでしてくれる女の人が現れるなんて、想像もしていなかった。」
 「違う・・・。『望んで』なんか・・・。」

 美奈は怒って立ち上がろうとするのだが、リンクが伏せているので、上半身だけしか起き上がれない。

 「美奈さん、あなたの心は違うと思うわ。だけどね、身体は違うのよ。犬ですら発情していても雄犬を拒絶出来るのよ。まして人間では絶対に無理なの。あなたがリンクと交尾したという事は、少なくとも精神的にも隙があり、肉体的には受け入れを準備していないと不可能。」

 美奈はただ泣き伏すしかなかった。

 「だけど困りましたね・・・。」

 川島の言葉は美奈への同情かと思っていたが、弥生の言葉で打ち消された。

 「そうなんですよ。リンクはやっと自分を犬であるとの認識が出始めたばかり。それなのに美奈さんと交尾してしまった。今はまだいいわ。美奈さんはリンクの下位に存在している立場でしたから。リンクだって上下関係と犬と人間の違いは分かっている筈だけれど、これでリンクは自分が人間だと思ってしまうかも・・・。」
 「そうなんです。別の女性が現れた場合、その人を犯そうとするかも知れない。」
 「美奈さん。」
 「・・・はい・・・。」
 「今はまだあなたはリンクにとって犬でも人間でもない存在よ。だからここに居る間は犬として生活して貰うしかないわ。」
 「犬・・・?」
 「そうしないとリンクを薬殺処分するしかないの。原因はあなたなのよ。」

 美奈は自分がリンクと交尾してしまった事が、それ程重大な事だとは思わなかった。自分の恥辱でいっぱいだったからだ。

 「いいです。犬でも何でも・・・。だから助けて下さい・・・。」
 「それが困る事なのよ。あなたが犬だとしたら、リンクはあなたをどう扱います? 受精していない雌犬を手放す訳はないわ。何度も交尾を繰り返すわ。人間と犬では受精する事は絶対にありません。と言う事はリンクは交尾出来ない程に疲労しない限り、絶対にやめないわ。」
 「そんな・・・。何でもします。だから・・・。」
 「リンクの父犬の場合、交尾結合をやめるのに一週間掛かった事もあるの。それはたまたま妊娠し難い犬だったからなの。それだって受精したから離れたのよ。きっとリンクもその血筋を引いているわ。だからあなたが逃げ出そうとする限り、リンクはずっとペニスを膨らませたままにしているわ。一週間じゃないのよ。それは受精した場合なのだから。」
 「じゃあ・・・、私は一体どうすれば・・・。」
 「方法は二つ。一つはリンクを殺す事。もう一つは離れる迄交尾結合を続ける事。ただ、早目に離れる方法も二つあるわ。」
 「それは?」
 「一つはリンクにもう充分と思わせる程に射精させる事。そしてもう一つはあなたがリンクのお嫁さんに成ったという事を理解させ、逃げ出さないと感じさせる事ね。」

 あまりにも絶望的な解決法に美奈の涙は止まらない。

 「確かにつらい選択だけれど、方法はそれだけよ。」
 「菊野さん、だけど美奈さんの身体は・・・?」
 「身体?」
 「ええ。犬の精液って? それにずっと引きずり回されていては、美奈さんの手足や身体に傷が。」
 「ああ、そうですわね。精液の件は心配ないわ。あくまでも蛋白質ですし、成分は違いますが一種の男性ホルモンですから。」
 「男性ホルモン? それは悪いんじゃ・・・?」
 「当然副作用が出ますよ。」

 さらっと言う『副作用』という言葉に美奈は驚いた。

 「心配しないでいいのよ。体内に男性ホルモンが入ると、当然身体はそれに対する対抗手段を講じるわ。自分の身体で女性ホルモンを大量に作り出し、男性ホルモンを打ち消すの。あくまでも男性ホルモンの成分ですが、人間のホルモンではないですから本当は効かないのです。だけど女性ホルモンはその効果が出ますから、当然女性らしい身体付きに成るのです。乳房やヒップが大きく、ウエストは細くね。」

 その言葉にホッとする美奈だった。

 「だけど離れられる迄は手足を保護しないと・・・・。それと衣服はダメね。人間の服を着ている美奈さんとの交尾をさせていては、リンクは普通の女の人を襲う恐れが出てくるわ。だけどちょうど良かったわ。留美子さん、例の物、美奈さんに合うと思わない?」
 「例の物? ああ、あれ! 本当。」

 留美子はパタパタとスリッパを鳴らして部屋を出ていった。

 「菊野さん、何ですの?」

 川島が不思議そうな顔で弥生に尋ねた。

 「ええ。私の店で売っているボンデージですわ。」
 「ボンデージ? それがなぜ?」

 美奈には『ボンデージ』という言葉が分からないでいた。ただ二人の話をジッと聞いていた。

 「その物ズバリ、犬の調教用です。」

 まだ美奈には分からない。ただ、犬用の道具らしい事は分かるのだが。

 「美奈さん、知らないらしいわね。犬用と言っても、犬に使う為の物ではないのよ。SMって知ってる? SMにも色々ありまして、勿論暴力を悦ぶ人も稀には居るわ。だけど本来のSMは自虐にしろ加虐にしろ、精神的なものなの。より辱める事で快感を得、或いは与える事になるのよ。私の用意してある物は、人間を犬の様に扱う為の物。だけど今回は順序が逆なのね。犬の格好をさせる為の物だったけれど、犬の格好をした場合の保護用になるのね。」

 留美子が大きな段ボール箱を重そうに運んできた。そして部屋の真ん中に置き、蓋を開く。美奈はSMという事に嫌悪するかと思っていたのに、なぜか興味が沸き上がってしまうのだった。

 「こういう物よ。」

 取り出されたのは革の首輪だった。当然の事だが、確かに犬であれば首輪を使うプレイがある筈である。

 「これは犬用ではないのよ。犬の皮膚は丈夫ですし、毛で保護されるけれど、人間用の場合はそれを使うのは無理、それに犬は自分自身で外す事は出来ないけれど、人間なら手を拘束していたとしても、何とか外してしまうわ。だからこれは内部にチタン合金の芯が入れてあり、切れないし、鍵が掛かるので、された人には外せないの。一見革の様に見えるけれど、内側と縁は柔らかいし、かぶれを起こさない合成繊維。それから手足の保護用は・・・。」

 箱から取り出されたのは長いブーツや手袋の様な物だが、やはり革製で、確かにビザール、ボンデージの様な代物だった。確かにSM風の物だった。

 「うーん、これは本物なのよ。本物、偽物って、本格的調教の為か遊びの為の物かという事なの。だから着けるのは面倒だし、着けたら本人には外せないのよ。ほら、手の部分は丸くなっているでしょう。指が使えないのですから、外せないの。そして肘の部分は可動しますが、ある程度迄しか動かないの。四つん這いの場合には充分なんですが。足も同様。膝も伸びないし、爪先は真っ直ぐ、むしろ後ろにそる程に引っ張られるわ。これだと立てないわよ。ただ、当然四つん這いの場合はいいのだけれど。膝の部分は内部の保護がしっかりしていますから、四つん這い歩きに適しているの。」

 美奈には興味深いが、それを着ける気にはなれなかった。

 「そしてシッポ。」

 さすがにそのシッポには驚かされた。取付部分を考え付いたからである。

 「まさか・・・。」
 「これだけは玩具よ。本物とは違うの。」
 「だって、その先の部分・・・。」
 「ウフフ・・・。だから玩具なのよ。着ける部分は分かるわね? お尻に挿れるの。だけど玩具だから着脱自由なのよ。本物なら外せないシッポですから。但し機能は本物と同じですから、着けた本人には外せないわ。それにこういうSMの場合、当然栄養浣腸の機能も付いているのよ。」
 「栄養・・・浣腸?」
 「普通だったらこれを無理矢理着けてしまうのよ。だとしたら悲鳴を上げたり、大声で助けを求めたりされるわ。だから口を塞いでしまうの。だけどそれではお食事が出来ないし、薬で身体を変態化させるのも大変でしょう。その場合にお尻からお食事やお薬を入れてしまうの。本人が食事を拒否しても、身体には吸収されるわ。ドンドン栄養を摂らせて、オッパイを大きくしたり或いは妊娠させた場合の栄養にもするの。」
 「そ・・・、そんな・・・。そんな物を私に?」

 弥生はちょっと眉をしかめた。

 「美奈さん。私はあなたにこれを着けてもいいかと聞いているのではないのよ。あなたは着けなくてはならないの。それともリンクを殺すつもり? 」
 「だって・・・。」
 「それに精神的にも効果があるのよ。まあ、これを着ける事が嬉しくなってしまうとあなたはマゾだけれど、それはあなた次第。それよりもあなたの精神状態を安定化させる効果が強いのよ。」
 「・・・?」
 「まず、美奈さんの一番の恐怖は、他人に見られてしまう事。だけどそれは心配ない事を私達は知っているわ。だけど美奈さんの心の底ではそれを心配している筈なの。もし裸のままであったり、或いはあり得ない事だけれど普通の服を着用している場合、リンクと繋がっていたらそれは本当の獣姦。あなたの精神状態を疑われるわ。だけどSMの衣服を着けていた場合、それはあなたが無理矢理犯されている姿だわ。誰が見てもあなたは性犯罪の被害者よ。それはあなたの意思で始まった獣姦ではないわね。いいの、分かっていてそう言うのですから。それと既にあなたの精神には深い傷が付いている事も知っています。ビザールはそれを和らげる効果もあるのよ。なぜって、ハッキリ言って私も楽しいの。あなたを調教する楽しみが勝手に発生してしまったのですもの。これは被虐者が着ける衣装よ。拘束された、自分では何も出来ないという意識が被害者意識を強くするわ。あくまでも被害者である事、それが心を和らげるの。」
 「だけど・・・。」
 「イヤとは言えないのよ。」
 「だって、それを着けたら・・・。もしリンクさんが離れた時、逃げ出し難そうだし・・・。」
 「そう。それが一番の効果ね。リンクは小便も大便もするのよ。その場合に繋がったままでは不便でしょう? あなたは大便はしないけれど、リンクは普通食を食べるし、沢山交尾しますから。ああ、大丈夫よ。排泄をしたらすぐに繋がってくれますから。」
 「ど・・・どういう事ですか?」
 「だから美奈さんがリンクから逃げ出さないという事を分からせれば離れてくれるのよ。リンクの発情期は長いって言ってあるでしょう? 本当に長いのよ。一年の内、三百六十五日は発情していると言っていい程なのだから。」
 「私が逃げられなくなる為? そしたら、いつ・・・?」
 「だから言ったでしょう? あなたが逃げ出さなくなる様になる迄。リンクの本当のお嫁さんに成る迄よ。」
 「分からない・・・。どういう・・・?」
 「その内、自分でも分かるわ。さあ、色々と着けて貰わないとね。その為にはリンクに一度離れて貰わないとならないわね。」
 「離れられるのですか? だったら・・・。」
 「そうよ。着せるのは結構大変なのですから。」
 「は・・・離れられるのなら・・・。」

 美奈は弥生の意図が分からず、オロオロするだけだった。

 「離れられるのに、着る必要なんか・・・。」
 「まだ分かりません? あなたがこれを着ないと、リンクが満足する迄交尾が出来ないからなのですよ。」
 「イヤッ・・・、一体。そんな物・・・着ません。」

 弥生はソッとテープをスタートさせた。するとリンクがムクッと起き上がり、弥生は再び尻を持ち上げさせられた。

 (アウッ? また? アッ、私のオマンコが・・・。)

 膣圧が急に高まり、リンクのペニスを強く絞ってしまったのだ。そして再び愛液が満ち溢れてきたのだ。

 「ちょっとリンクに我慢して貰っていましたからね。リンク、美奈さんをうんと気持ち良くさせて上げなさいね。そうすれば、美奈さんがいってしまえば、暫くは意識を無くするでしょう。その間に美奈さんをリンクのお嫁さんに出来る様にして上げますから。」

 「アッ、ダメッ・・・! イヤーーーッ・・・!」

 リンクはペニスを動かし始めた。腰を揺すり、美奈を引っ張りながらいきみ、膣内のボール状の膨らみを前後に大きく動かすのだった。

 「キーッ、私は・・・、犬のお嫁さんなんかに・・・。」

 美奈はひたすら拒絶し、立ち上がろうとするのだが、肉体はまるで麻痺した様に自由にならない。

 「菊野さん、いいの? 北伏さんの精神状態は大変よ。」
 「大丈夫ですわよ。単なる脅しですから。こうでも言わないといつ迄もリンクとの交尾をした事を精神的な傷として引きずってしまいますからね。」
 「何だ・・・、菊野さん、本気なのかと思って・・・。」
 「リンクへの憎しみを私へ移す為ですのよ。」

 女達の話し声は美奈には聞こえていた。どうやら菊野が何か別の考えの元に自分を脅しているらしいという事は分かったが、それでも獣姦をさせられているという状態はやはり絶望的な汚辱であった。そして更に絶望的であるのは、そんな状態でもドンドン高まってしまい、肉体的には激しいアクメを迎えようとしている事だった。

 「アヒッ・・・、クッ・・・。私・・・、こんな・・・ヒッ・・・、堕ちる・・・。ダメッ・・・、アハゥ・・・ヒーーッ!」

 激しい絶頂感を伴ったアクメが来た。しかし意識を失う事はなかったが、リンクの交尾はまだ続いていた。

 「ヒーッ、まだ? 終わっていない? ダメッ、気が狂う・・・。アハーッп@私・・・、壊れ・・・ちゃう・・・。」

 美奈は絶頂のまま、更に高められていく。もう手で身体を支える事は出来ず、尻を突き上げたまま突っ伏し、リンクに合わせて腰を揺すり続ける。リンクも射精寸前なのだが、我慢している事が美奈を自分の妻に出来るという事は分かっているらしい。ひたすらペニスを動かし続けるのだった。

 「留美子さん、準備しておいて。」
 「はい。超音波注射器はOKです。睡眠薬と高濃度ホルモン。」

 リンクのピストンが激しくなった。そして一旦グイッと腰を引いた後、尻を美奈に押し付けた。

 「ハウーーーン!!」

 美奈は一声遠吠えの様な良がり声を上げた。子宮に大量の精液を受け入れ、頭の中がスパークし、意識を失っていった。

 「いいわ。今ね。」

 弥生の声を聞いた様な気がするがどうでも良い事だし、激しい快感の中では無関係の事象だった。



 「いつ見ても簡単な注射ですね。」
 「さほど痛みもありませんしね。これでJカップ以上が確定なんですよ。さてと、リンク、落ち着いたら離れてね。」

 リンクも大きく息を付き、満足そうな様子で美奈からペニスを抜いた。そして幾分自慢気でもあった。

 「はい、リンクの精液が出てくるわ。」

 弥生は吸入器の管の先端を仰向けにした美奈の股間に宛てがう。機械のうなりとともに管はチューチューと音を立て、美奈の膣から溢れ出てくる液体を吸い上げ、機械のプラスチックの瓶に垂れ落ちていくのだ。

 「これってリンクの精液よね。」

 留美子と川島はちょっと汚物の様に感じる粘液に顔をしかめていた。

 「そうですよ。まだまだ精液を吸収出来ない身体ですから、直接入れて上げないと勿体ないですから。」
 「栄養浣腸に混ぜるんでしょう?」
 「そうですわ。」
 「身体への影響は?」
 「うーん、人間の場合ですと、精液嗜好の人は結構居ますし、私の改造ではそういう意識付けをしますから分かるのですが。精液に慣れている私でも犬の精液は匂いがきついですね。催眠術で催させている間はいいでしょうが、普通の時では美奈さんでも嫌な匂いと感じるでしょうね。ですから体内に吸収させ、自分の体臭にしてしまえばいいのです。人間、一番不感の匂いは自分の体臭ですから。それに精液嗜好者の欠点として、精液に対する免疫が出来、受精し難いという事はあるのですが、美奈さんの場合は無用ですわ。むしろ将来を考えれば、妊娠はしない方が家族関係に問題が出ませんからね。」

 川島は少し不安そうに弥生に尋ねた。

 「菊野さん、本当に・・・、本当にリンクの子供を? だけどそれはとんでもない犯罪、いいえ、それ以前に倫理の問題で・・・。」
 「そうですわね。無理矢理なら・・・。人間としての道徳にも反しますね。」

 しかし弥生は微笑んで話を続けた。

 「でも私は甘んじてそしりを受けますわよ。美奈さんがどうしてもリンクの子供を産みたい、そしてリンクとの生活を楽しみたいというのに、人間だけの倫理をリンク達に押し付けたりはしませんわ。美奈さんの心からの希望であり幸せなら、私はどんな事でもして上げますわよ。」
 「本当に・・・、北伏さんがそう思うの? 菊野さんの言う事ですから間違いがある筈ないのですが。」

 弥生は精液吸引を終えると、いよいよ拘束具の取付に掛かった。留美子と二人で手際良くくくりつけるのだが、リンクは少し心配そうにして川島の隣に座って見つめていた。

 「これって、随分硬い拘束具ですね。」
 「ええ。ずっと四つん這いで過ごすのですから。それに手足を入れて填め込めば、簡単には外せませんからね。」
 「本当。凄く丈夫そうですね。これを填め込めばいいんですね?」

 長い手袋の様な革の筒に美奈の腕を押し込み、割れ目を付き合わせた。パチンという音がして内部で鍵の掛かる音がする。

 「うーん、鍵穴はどこです?」
 「いいえ、外すのに鍵は使わないですよ。」
 「ああ、それはいいわ。無くしたら大変だし、美奈さんに見付けられても大変。」
 「そうでしょう? だから外せないの。作りつけよ。」
 「外せない? じゃあ・・・、どうやって?」
 「だから本物だって言ってあるのよ。外せる様な物はどんなに精巧でも玩具。まあいくら本物とはいえ磨耗したら交換しなくてはならないでしょうから、その時は外しますが、グラインダーとドリルでたっぷり一時間は掛かるわ。」
 「じゃあ、この子はずっとリンクと?」
 「そうですよ。リンクとその子供とも一緒にね。」

 留美子は感心しながら取付を進めていた。そしてシッポの部分を摘んで見つめていた。

 「これも本物?」
 「ううん、それは玩具よ。脱着可能なのだから。本物だったら永久に外せない物ですからね。」

 直腸に納まる部分は小型のバイブの様なずんぐりむっくりの膨らみで、肛門の部分はある程度拡がったままにされる構造である。そして肛門栓の縁からフサフサしたシッポが立ち上がっている。肛門部分は栄養浣腸器具を入れるらしい穴が在り、一方通行の弁が在るのも分かる。

 「これをお尻に挿れるのでしょう? 膨らませて抜けなくするのね?」
 「膨らませるだけではシッポの位置が回転してしまうわよ。それに美奈さんは肛門改造の必要はありませんから、膨らませるのは直腸壁に接着させる為ですのよ。」
 「接着? そしたら取れなくなるのでは?」
 「取れなくなるのは玩具。取り出すのは私がしないと出来ませんが、この内部の肛門栓は外れますのよ。躾けが出来、栄養浣腸を受け入れられる身体に成ったら肛門栓は不要ですから。『肛門栓』は外せますから。」
 「やけに『肛門栓』に力を入れますね。」
 「そうですわよ。『肛門栓』だけを抜けば、シッポはそのままです。ただ、肛門栓を外すと、垂れ流しになってしまいますね。塞いでおくかどうかは美奈さん次第という事ですが・・・。」
 「ああ・・・、やっぱり。じゃ、さっきの言葉も安心させる為だけね?」
 「いいえ。私は心から美奈さんを祝福して上げるつもりですよ。だから精神的なダメージを少なくする事も治療の一環です。ですからSMのボンデージとしての必需品、ウエストニッパーは普通の革製品ですよ。これはあくまでもSMらしさを出す為、そして美しさを出す為ですものね。そして拘束感を与えますから。」

 そう言いながら、弥生はシッポ肛門栓を美奈の肛門に近付ける。まだ少し流れ出している精液と愛液の混合物を塗り付け、美奈の肛門に押し当てるのだった。

 「アクッ・・・。」

 無意識に美奈は筋肉を緩めていた。リンクとの交尾と同様に、自分の膣筋に力を入れない様にしていたのだ。小さい張り型はすぐに美奈の肛門に隠れ、縁の部分だけが僅かに顔を出し、そこからシッポが付いている。それをジッと押さえ付けていると、美奈が「ウクッ・・・。」と軽い呻き声を上げた。直腸内でブシュッと音がし、肛門栓がいきなり膨らんだ様だった。実際には肛門拡張用ではないので、直腸内と肛門を限度寸前迄拡がったのだ。便意は強くなるが、弾力性はあるので、自然拡張程度にしか大きくならない。そして肛門栓の外部がジワッと柔らかくなり、直腸壁にへばりつき、そして染み込んでいく。美奈の直腸は膨張した肛門栓の薄膜で拡げられ、肛門の所だけは硬い材質の部分で蓋になっている。穴が在り、弁が付いているのだ。そして背中側の方にフサフサしたシッポが揺れているのだ。

 「フーッ、終わったわ。川島さん、これでリンクの可愛いお嫁さんの雌犬が誕生しましたよ。」

 川島もホッとして肩の力を抜いた。

 「だけど、少しリハビリが必要です。そうしないとリンクの赤ちゃんは産めませんからね。」
 「フーッ・・・、まだ信じられません。だけど・・・、どんなに菊野さんが凄い改造師だとしても、人間と犬の間の子は不可能なのでは?」
 「ええ。それは遺伝子の違い過ぎから不可能です。実の母親には成れなくても、産みの親には成れますのよ。軽井沢の伯母様の所の雌犬の卵子とリンクの精子を使って体外受精させます。それを美奈さんの子宮に着床させるのです。ただ、代理母は人間でも普通ではあまり巧くいきませんので、ホルモン治療を施して可能にしますが、それでも一番大切なのは美奈さんの母性本能なのです。方法を納得していて、更に本当にリンクとの赤ちゃんが欲しいという事を望んでいないとダメです。だからそこ迄いくのには手間が掛かるのです。だけど宜しいのですね? リンクだって母親のあの男の子に育てられたので人間相手にしか発情しないでしょ? 今度は女の人から産まれる子犬ですから。」
 「そうですね。人間から産まれた子犬は当然自分を人間だと思いますよね。」
 「ええ、人間から産まれたとなるとですね。だからリンク以上に大変な事になりますよ。ですが、美奈さんが本当の犬であったら・・・。それはリンクと同じですね。」
 「と言う事は・・・。」
 「クレオと同じで、ずっと犬で居て貰わないと。」
 「そうですか・・・。私としては、美奈さんは人間でいて頂いた方が、ずっと楽しいのですが・・・。勿論望みとしてなのですが、リンクのお嫁さんであり、産まれてくる子犬のお母さんで、そして女の人。無理でしょうか? 折角高校生なのですから、ちゃんとした学校を出、出来る事なら私の所で・・・。それに私は独り身ですからね。子供の様に思えるリンクと幸せに暮らして頂けるなら、僅かですが、この土地や建物、その他の動産、不動産を相続して頂きたいと・・・。」
 「難しいですが、不可能ではないですね。クレオには出来ない仕事を美奈さんにはやって頂けそうですし、場合によってはクレオや美奈さんが一緒に生活すれば、一種のコロニーが出来上がりますわね。クローズドの変態集団が構成出来ますわ。分かりました。そういう方向で検討しましょう。」

 女達は雌犬と化した美奈を見ながら談笑を続けていたが、リンクが川島に何かを訴え掛ける様な眼で見上げていた。股間の高まりを見れば、それが何を意味するのかは誰にも分かる事だった。

 「まあまあ、お待たせ。だけどリンク、始める前にはおトイレしてきなさい。」
 「そうよ、リンク。美奈さんはまだまだあなたのお嫁さんに成り切れていないのよ。しっかり交尾をして上げないとダメなの。その間に美奈さんにお食事をさせておきますからね。」

 リンクは嬉しそうに吠えて、外に飛び出していった。

 「リンク、嬉しそうね。」
 「そりゃそうよ。やっと念願が叶ったのですもの。今迄童貞だったのですからね。アッ、留美子さん、栄養浣腸をしてしまいましょうね。」

 弥生達は美奈から採取したリンクの精液を混ぜた流動食を大きな浣腸器に入れる。そして肛門栓の穴から注入するのだった。

 「それでは準備完了ね。ええと、テープはこれと入れ替えて・・・。」
 「催眠術テープ?」
 「そうですよ。順番を変えてあります。私達は向こうの部屋で静かに待っていれば宜しいのですから。」
 「聞こえても私達には影響はないのですか?」
 「ええ、美奈さんには意味のある曲ですが、私達にはただの音楽。最初に目覚めの曲、そして催させて、獣姦、交尾への誘い。そして幸せへの絶頂です。これを繰り返していけば自然とリンクへの愛が目覚める筈ですわ。肉体的には思った以上に目覚めていますから、案外早そうですわね。」

 女達は微笑みながら隣の部屋に移動した。そしてだらしなく横たわっている美奈だけが残り、テープから爽やかな曲が流れ出ているだけだった。



 「ウッ・・・?」

 美奈は目が覚めた時、自分の状態を理解出来ていなかった。ずっと交尾を続けていたのに、目が覚めて離れているという事がむしろ不自然な感覚であった。

 「アッ、リンクと離れている! 何? 私のこれ・・・。」

 立ち上がろうとした時、やっと自分のビザールに気が付いたのだ。爪先が大きく反り、立てる状況ではなく、膝も真っ直ぐにはならない。そして腕の方は指が丸く覆われていて、やはりあまり曲がらない。

 「今なら・・・、ウッ、歩けない。誰かーーっ! 菊野さーん、川島さーん、これ、脱せてっ!!」

 そして四つん這いになった時、肛門に何かが入っているのに気が付いた。

 「エッ、シッポ? アッ、私は・・・。早く逃げないと・・・。」

 やむを得ず四つん這いのまま部屋から出ようとした時、排泄を終えたリンクが戻ってきてしまった。最初は嬉しそうに尻尾を振っていたリンクだったが、美奈が恐れ、後ずさりして逃げようとしているのを見ると威嚇する様に唸り、歯を剥き出した。

 「イヤよっ!! 私は犬じゃない! 誰かーーっ!」

 美奈は悲鳴を上げて助けを求めるのだが、当然誰も来る訳がなかった。そしていつの間にか獣姦への誘いの曲へ変わった時、美奈の股間からまるで小便の様に愛液が流れ出してきた。

 「エッ? なぜ? ワッ、私、催してる。ダメッ、リンクに気付かれた。どうして?」

 美奈の愛液の匂いにリンクはいきなりのし掛かった。そして狂気の肉棒がズルッと美奈に填まり込んでしまった。

 「アヒッ、ダメーーーッ!」

 そしてその悲鳴で、やっと気付いた振りの女達が部屋に入ってきたのだ。

 「美奈さん、どうかしたの?」
 「た・・・助けて。」
 「助けてって?」
 「リンクに・・・、リンクにされちゃうっ!」
 「何だ、大騒ぎしているから、何事かと思ったわ。」
 「ダメーッ、リンクを離して!」

 川島がいかにも不思議そうな表情で弥生に尋ねた。

 「菊野さん、美奈さんはどうしたの? 自分でリンクを誘っていて、それで助けてって・・・。」
 「違いますーーっ! こんな物着けているから・・・、アアッ、リンクのが・・・。」

 リンクは激しいピストンを続けていた。そして美奈の膣内で少しずつ硬さ、太さ、長さを増し始めていた。

 「どうも変なのですよ。雌犬でさえ拒絶すれば交尾は出来ないし、まして人間だったら絶対に不可能なのに・・・。リンクは頭のいい犬ですから、交尾可能の雌にしか挑まないのに。美奈さんから誘っているのに、どうしてかしら・・・?」
 「違う・・・、アヒーーーッ・・・!」

 リンクの第一次射精とともに美奈は再び理性が失われていく。膣内の肉棒がいきなり大きく膨らみ、それと同時に美奈の膣内の愛液が押し出されて噴き出したのだ。

 「あはーーん・・・。」

 既に良がり声を上げ、快感の絶頂へと向かうしかなかった。

 「ヒーン・・・。 どうして・・・。」

 リンクと尻を付き合わせて交尾を続けている美奈の精神状態はバラバラだった。肉体的には凄さまじい快感であるのだが、激しい汚辱感が続いている。そして一度目の射精で美奈は激しいアクメで果てた。



 「美奈さん、一体あなた、どうしたいの?」
 「私・・・。」

 やっと目覚めた美奈は伏せたままリンクと繋がっている。弥生もしゃがみ込んでリンクと美奈を撫でていた。

 「私はリンクがあなたを離さないと思っていたから、あなたの身体を保護する物を着けて上げたのよ。まあ、折角獣姦しているあなたを見て楽しむという意地悪い考えもありましたけれどね。なのにリンクが排泄の為に離れたらしいけれど、どうしてその時に逃げ出さなかったの?」
 「逃げようとしました! だって、誰も来ないし・・・。」
 「そうじゃないわよ。確かに動き難いか知れないけれど、リンクが交尾しようとしてもさせない事が出来るのよ。始まってしまった状態は分からないけれど、あなたから誘わない限り、絶対に無理なのよ。」
 「私・・・、誘ってなんかいません!」
 「それが分からないのよ。あなたの悲鳴に気が付いて部屋に入った時、こんな事を言ってはあなたを苦しめるかも知れないけれど、あなたは激しい催しをしていたわ。私はセックスカウンセラーをしているから分かりますが、そうでない人でも分かる程にあなたは愛液を噴き出していたわ。それが誘いでなくて何なの? それにリンクは普通の雌犬が受精しない限り、絶対に離れないのよ。特に逃げ出そうとする雌犬だったらなおさらよ。それが排泄の為とはいえあなたから離れたのよ。リンクは本能で、あなたが逃げ出さないという事を確信していたとしか思えないわ。」
 「そんな事・・・、私は・・・。」
 「うーん、私もあなたの言う事を信じて上げたいんだけれど・・・。」
 「信じて下さい。そして助けて・・・。」
 「私はセックスカウンセラーよ。だから色々な変態セックスの人を知っているし、そういう病気の治療もしているわ。数は少ないけれど獣姦嗜好の人も知っているの。それと逆に病的なSの人で、獣姦を見て楽しむ人も居ます。だけどそれをされている人・・・、それは可哀想よ。無理矢理された訳だけれど、当然の事として激しい嫌悪感、汚辱感で、解放されてもなかなか回復出来ないのよ。」
 「わ、私もそうです・・・。」
 「それが私の分からない点なの。だってそういう暴行を受けた人って、絶対に快感なんて感じないのよ。あなたは? 私が見ている限り、凄く良さそうね。あなたバージンじゃないわね? ううん、答えなくてもいいわ。オナニーだってした事があるわね? 当然よ。していなかったらむしろ病気よ。その時の快感とリンクとの獣姦と比べてどうだった?」
 「アッ・・・、ウッ・・・。」

 美奈は確かに激しい快感を受けていた。どんなに素晴らしいセックスよりも、どんなに良かったオナニーよりも桁違いだった。

 「分かるわ。あなたの乱れ様から。でもそれはむしろ精神の正常性なのね。その点は安心したわ。もしあなたが色情狂としての獣姦嗜好者だったら、そんなに苦しまないわ。だって本当に獣姦が好きだったら肉体も精神も悦びだけですから。」
 「私は違います!」
 「そう。だから色情狂ではないのよ。ただ、人間の性欲は色々な形で現れるの。もしその欲望にだけ従っていたら、それは人間ではないわ。ただの野獣よ。人間には理性があるの。その理性が常識であり、倫理よ。だけど本当に愛する人とのセックスなら何をしてもいいの。勿論それでも限度があるわ。その限度も二人の愛の範囲でよ。SM好きの夫がそれを嫌いな妻にしたら・・・、それは独り善がりであり、愛ではないわ。妻の方にしても苦痛なだけ。スカトロなんてひどいのもあるわね。だけど互いに愛し合っているならOKなのよ。それはその二人の間でだけ。一般社会だったら犯罪よ。美奈さん、あなたの倫理の中では獣姦は忌むべきものという存在位置ね。だけど性欲の本性は違うみたい。だから心で拒絶しても、肉体的には受け入れているのよ。あなた自身も気が付かなかった性向なのよ。」
 「そんな・・・私はイヤッ・・・。犬となんか・・・。」

 美奈は弥生に言い含められても、まだ強い恥辱感に満ちていた。

 「私は・・・、どうしたらいいの・・・?」
 「そうですねえ・・・。どうしても時間が掛かりそう。リンクは飽きる迄はあなたを離さないわ。それに短い時間でもあなたはリンクと離れる事が出来るのよ。その拘束具を着けているという事は、逃げ出し難いという事よね? リンクにもそれは分かるのよ。だからこそ排泄に行くの。」
 「だから脱せて下さい。」
 「ううん、それはかえって大変な事よ。あなたが逃げ出す事が出来るなら、リンクは頑張って離れない。ペニスを挿れたままで排尿されたら? そういう事も平気でするわよ。だから私達が居なくて、あなたが失神していたから外に出たのよ。そういう点は狡賢いというか、頭がいいの。」
 「じゃあ・・・私は・・・。」

 涙の止まらない美奈は弥生にすがり付く。

 「ただ私達の楽しみと意地悪であなたにこれを着せているのではないのよ。シッポにしたって、リンクにあなたを犬と思わせる手段だし、栄養浣腸にしたって、あなたに普通食を食べないですませる為なのよ。」
 「エッ・・・?」
 「リンクにはあなたをちょっと姿の違う犬だと思わせたいの。犬と同じ食事なんて、美奈さんには無理。人間かも知れないと思っている内は警戒するわ。犬だったら絶対に自分になびくと思っているのよ。美奈さん、気持ち悪いかも知れないけれど、我慢してね。あなたの栄養浣腸にはリンクの精液も入れるの。」
 「ゲッ・・・、イヤーーッ!!」
 「だから我慢してと言っているの。あなたの子宮には大量のリンクの精液が入れられているわ。少しだけれど吸収はしますから、リンクの体臭が移るわ。だけどそれだけではあなたの体臭はなかなかリンクのと同じにはならない。同じ体臭という事はリンクにとってあなたは犬なのよ。そうなれば自由にして貰える。だけどそれ迄には時間が掛かるし、それ以上にあなたの子宮に異物が入り込んでしまう副作用の方が心配なの。」
 「副作用・・・?」
 「ええ。今の内は人間の精液ではないから異物よ。だけど免疫が変化してしまったら・・・。あなたが将来結婚する時、犬の精液でない精液は完全な異物よ。子供を産めなくなるわ。あなた精液嗜好って知ってる? 精液を飲むのが好きという人の事よ。好き好きだから、私は何も言わないけれど、それは妊娠し難くなるの。人間の体内に入る自分以外の細胞は全て異物。子宮だけが例外なの。もしあなたの消化器官にリンクの精液を入れると、それは精液として認知しなくなるわ。まさか口から飲む訳にはいかないから、お尻から入れて消化させ、抗体を作るのよ。栄養浣腸だと排泄しないで済みますから、リンクと結合交尾の続く中での排泄はイヤでしょう? それと心の問題なの。犬は人間の心を読むわよ。だからリンクに逆らい続ける限り、リンクは交尾し続ける。意地になってもね。例え交尾に飽き、疲れてでも続けるわ。どんなに交尾をしても受精出来なかった事が分かれば、その時点で諦めるでしょう。だけどあなたがそれでも拒絶の意思を示せば、犬はどう考えるかしら? 自分の種付けは出来なかったが、別の犬で種付けされてしまうかも知れない。リンクは臆病よ。別の雌犬を見付けられないから、何としてでもあなたを自分の物にし続けるわ。だからあなたがリンクに従っていると思わせないと、絶対にやめないの。あなたはイヤがっているけれど、肉体的には楽しんでいるわ。心迄楽しめとは言わないわ。だけどあなたが犯されている間はただ成り行きに任せていた方がいいの。精神的には被害者ですから、被害者意識を消す事は出来ないわね。だったら被害者に成りきりなさい。自分でどうする事も出来なければ、諦めて身体を任すしかないのよ。」
 「それって・・・私に交尾を楽しめと・・・?」
 「惨い様だけれど、それが一番精神異常を起こさないいい方法なのよ。無理に我慢し、抵抗し続けるから高まってもいかないわ。だから達する時は激しい落差で意識を失うのよ。意識を失っていては逃げ出せないのよ。もし楽しんでいれば余裕も出来るし、隙も見い出せる。自分から求めていれば慣れも出てくるから、快感は感じても意識を失う程の激しさはなくなるわ。そしてその態度はリンクになついたと見える。そうなれば・・・。」

 美奈はまだ泣き続けている。どう頑張っても、当分交尾はされ続けるのだ。しかしその時間を短く出来るだけだった。

 「私の考えを押し付けたりはしないわ。あとはあなた次第。分かりましたね?」
 「アッ、菊野さん・・・!」
 「いくら楽しむと言っても、私の見ている前ではイヤでしょう? ほら、リンクがウズウズしている。」

 弥生はウィンクして出ていった。するとリンクはむっくりと起き上がり、ペニスを動かし始めた。

 「アフッ・・・。私は・・・始められたら・・・雌犬に・・・成ってしまう・・・。分かっているの・・・。こんなに気持ちいいなんて・・・。アアッ・・・。」

 ドアの隙間から弥生はにこやかに見つめていた。

 「ダメッ・・・、私は・・・。どうして・・・、アハーッ・・・!!」

 まだまだ続く交尾を微笑みを送って弥生は戻って行った。



 「んーーーっ・・・。」

 ちょっと涼しい空気の中の目覚めはいつも爽快だった。そしてハッと気付いた時、犬小屋の中でリンクに抱えられる様にして寝ていたのだ。ペニスは填まり込んだままだったが、幾分緩くなっていた。美奈の目覚めでリンクも目を覚ましたらしく、のっそりと起き上がる。そしてブルッと身体を振るわせ、歩き出した。

 「アウッ・・・?」

 美奈は尻で繋がったまま、引きずられるだけだった。

 「どこへ・・・? ワッ、ダメッ、リンク・・・。」

 リンクは部屋を出て、外に向かうのだった。広い敷地の中では他人に見られる事は絶対にないのだが、それでも家から出るという事は美奈には恥辱の限りであった。

 「イヤッ、ダメよっ・・・、リンク、よして!!」

 それでもリンクは強引に美奈を引きずっていく。美奈としては女達を呼んで止めて貰おうとしたが、表に出ては大きな声を出す訳にはいかなかった。リンクは木陰に向かって歩いていたので。美奈としても身を隠したい意識で、自分からも歩みを進めるしかなかった。

 (アッ、ここはリンクのオシッコをする場所・・・。じゃあ・・・。)

 美奈の思った通り、リンクは樹の回りの匂いを嗅いでいた。そして首を回して美奈の様子を伺う。排泄する場合、自分から逃げ出さないかどうかを確認している様だった。オドオドしている表情はリンクに不信感を抱かせてしまうのだが、美奈に意思を隠す事は出来なかった。リンクは睨み付けたまま身体を入れ替え、後背位の体勢になる。そして美奈を前足で押さえ付けた。

 (ウッ、私が逃げ出さない様に押さえたままで? イヤッ、オチンチンを抜いてオシッコしたら、すぐ挿れるつもり? すぐに交尾を始めるの? ダメッ、こんな表で交尾するなんて・・・。)

 美奈は慌てて逃げ出そうとしてしまった。

 「ヴォン・・・!」

 リンクは怒った様に吠え、更に美奈を押し付けた。そしてそのまま片足を上げたのだ。

 「エッ? 何、この格好? まさか・・・、イヤーーッ、ダメーーッ・・・!」

 美奈の悲鳴に家の中から女達が飛び出してきた。

 「美奈さん・・・、リンク?」
 「留美子さん、助けて。リ、リンクが・・・。アアーーーッ!」

 美奈の子宮に精液と違う温かい液体が流れ込んできた。大量の液体は子宮を膨らまし、膣とペニスの隙間からドボドボと流れ出てきた。美奈は体内に排尿されてしまったのだ。

 「あーあ、オシッコされてしまったのね。」
 「逆らったでしょう。犬は雌犬の心を読むのは本能ですから、逃げようとしたらすぐ分かってしまうわ。」

 美奈は交尾よりも強い汚辱感に涙を流し続けた。雌犬として交尾されるよりもより強い屈辱感であった。リンクはそのまま美奈を引きずって家に戻るのだが、動く度に尿が膣からピュッピュッと噴き出ていた。



 「美奈さん、生半可な事ではリンクは離れてくれそうもないわね。どっちにしても体力がないとダメですね。栄養浣腸を入れますよ。」
 「だけど・・・。」
 「獣姦はいいけれど栄養浣腸はダメ? ああ、浣腸に費やす時間が惜しいのね。」
 「違いますっ!!」
 「じゃあ、大人しくなさい。人間相手に素直になる事が犬としての態度よ。犬の様に振る舞えなければ、リンクは美奈を雌犬とは認めないわ。人間であるかも知れない美奈を何とか雌犬にしようと頑張るわよ。」

 美奈は言葉がなかった。ただジッとしていて、大型浣腸器で流動物を入れられる間、ただ耐えていた。

 「クーッ、おなかが苦しい。ウンチが・・・。」
 「どうしても最初はそうなのよ。出そうにも出せないわよ。いきばったところでね。ある程度消化吸収されれば、残滓は吸い出して上げる。ああ、少しは我慢した方がいいわよ。」

 しかし強い便意の為に無意識に息んでしまった。それは膣への圧力にもなる。リンクのペニスを強く絞ってしまったので、リンクは嬉しそうに立ち上がった。

 「ほら、リンクが勘違いしたわ。だけどいい結果ね。」
 「勘違い?」
 「美奈の方からリンクのペニスを絞ったので、美奈がリンクに求めていると思った様ね。」
 「アッ、違う・・・!」
 「素直に。自分から求めたのに抵抗すれば、リンクとしては判断に迷うわよ。そのまま受け入れれば、リンクの警戒心は少なくなるのに。」

 美奈は涙ながらに交尾を受け入れねばならなかった。弥生はいつもの通りにそっとテープをスタートさせる。嫌悪感、罪悪感がスーッと無くなっていくのを、美奈は自分の肉体のスケベさだと思うのだった。そして初めての青空の下、三人の女性の見ている前での交尾を始めてしまうのだった。そして激しく喘ぎ、長く続く快感の中で美奈は雌犬であった。



 美奈は諦めの中で素直にリンクの交尾を受けていた。逆らう事が全て自分の望まない方向へと向かってしまう事をハッキリと認識していた。そして弥生の言う通り、為すがままにしている事は、交尾の快感は好ましいものに感じられるのだった。

 「どう? 北伏さんの様子。」
 「かなりいいですよ。まあM性向の強い子ですから、肉体的な悦楽は天性のものですから。今のところは順調ですね。」
 「それでは・・・。」
 「そうですねえ・・・、長くても夏休みが終わる迄には精神的にもリンクと離れられなくなるでしょうね。多分その頃には案外仔犬を・・・。」
 「まあ、それは・・・。だとすると軽井沢から借りてくる必要が・・・。」
 「ええ、ですがまだクレオはダメですよ。母犬と仔犬一頭の組み合わせの親子を預かるという事にしておかないと。」
 「分かりました。頼んでおきましょう。何だか嬉しいですわ。孫を待ち望んでいる祖母の思いですわ。」

 ドアの陰からこっそりと美奈の交尾を覗き見している女達には、リンク達がとても微笑ましく感じられた。



 「ウォン・・・。」

 リンクは立ち上がり、表に出たそうな顔をしていた。

 「エッ、外?」

 美奈にはリンクの朝の散歩をしたいという事が分かった。ここ数日はすっかりリンクに素直になった美奈は、リンクに引きずられながらも、自分から後ずさりで着いていくのだった。そして外の樹の側で、後背位の形で美奈を押さえ付けておき、やっと抜いたペニスは湯気を立てている。そして片足を上げて排尿するのだった。美奈もしゃがみ込み、一緒に排尿をする。毎日、朝と夕方だけなので、リンクと一緒にしてしまわねばならない。

 (アーッ、身体が痒い。ずっとお風呂に入っていないし、オシッコしても拭えない。)

 美奈としては身体の汗臭さよりも、自分の体臭がリンクに近付いていく事の方がつらかった。そしてリンクのペニスが再び美奈の膣を求めて滑り込んでくるのもつらかった。野外での交尾の時は恥ずかしさでたまらないのだが、テープの音楽が聞こえていないからという事には気が付いていない。そして女性達はずっと離れた所で覗いているのも分かるのだが、交尾結合が完了する迄は近付いてこないのだ。それは女性達が近付くと、リンクが警戒し、再び美奈の体内に排尿してしまう事を恐れているからだという事なのだが、美奈にはどうしてもそうは思えない。リンクと繋がるのを見て、安心して出てくるとしか思えないのだ。

 「ハフッ・・・!」

 長い時間のピストン運動は美奈の意志に反して心地良く、第一次射精のペニスの膨張は何度経験しても快感の極みだった。そして体勢を入れ替え、尻同士で繋がったリンクはそのまま散歩に出掛けるのだった。腰を揺すりながら、ペニスを大きく蠢かし、精液を残らず美奈の子宮内に送り込むのだ。

 「お早よう、リンク、美奈。」
 「・・・・・・。」

 交尾を見られているのを知っている美奈としては、素直に挨拶を返せる様な気分ではなかった。そして子宮に精液を送り込まれている快感を悟られたくはなかった。

 「美奈、その調子で居れば、リンクから離れられるのはもう少しね。頑張ってね。」
 「はい。」

 とは返事したものの、何を頑張るのかは分からない。

 「リンク、お食事よ。」

 留美子が家の中から声を掛けた。リンクは尻尾を振りながら、美奈を引っ張って部屋へ急ぐ。床のリンクの餌皿にはドッグフードが入れられており、美奈へは栄養浣腸器が用意されている。

 「ウクッ・・・、留美子さん、私も普通の食事が・・・。」
 「ダメよ。美奈は犬なのよ。リンクと同じドッグフードでないと、リンクは美奈を犬だと思わないわ。人間と同じ食事は出来ないのよ。栄養浣腸なら、リンクは食事だと思わないのだから。それに交尾の最中に排便したくなったらどうするの? リンクは離してくれないのよ。糞便まみれでは、それこそ人間の尊厳を無くしてしまうわよ。」

 美奈は仕方なく便意の強くなってしまう栄養浣腸を受け入れなくてはならなかった。しかし嫌悪を感じないし、体力の回復は出来るのだ。

 「美奈さん、いい?」

 弥生が入って来た。

 「菊野さん、つらいんです・・・。」
 「そうですか・・・、少し診察しないとね。肉体的に参ってしまってはね、いい交尾も出来ませんからね。」
 「菊野さん・・・。」

 美奈は突っ伏して泣いてしまった。

 「どうしたの? つらいと言うのはリンクが食事中でペニスを動かして貰えないからでは?」
 「違います! 私、こんな変態セックスをしているのがつらいの。本当に死にそうな程に恥ずかしく、今にも気が狂いそうなのに・・・。」
 「ああ、そうでした。ごめんなさいね。肉体的な部分だけの色情狂でしたね。精神的には正常というのも困りものなのですね。」
 「色情狂って・・・、仕方ありません。確かにそうです。こんな事をしていてまともとは思えません。」

 美奈が泣き続けているので、リンクは弥生達にうなり声を上げた。

 「アッ、リンク、ごめんね。美奈を虐めているのではないのよ。美奈、あなたが泣いていると、いつ迄もリンクはあなたがリンクに従わない、そして交尾の良さを分かって貰えないと思いますよ。少なくとも肉体的には悦びなのですから、それを素直に示した方がいいのよ。散々美奈にいい交尾をし、どんなに沢山精液を入れても妊娠しなかったと分かれば諦めるわ。」
 「・・・はい。」

 それは美奈にも充分理解出来ていた。

 「菊野さん、今日の会議は?」
 「ああ、そうでした。あと少しで出掛けねばならなかったのですわ。」
 「それでは私は伯母様と買い物に出掛けますから、一緒に送りますか?」
 「それは有り難いですわね。お願いします。」
 「留美子さん・・・、皆さん出掛けて?」
 「ええ、ですが、夕方迄には戻ります。あなたにしても私達が居ない方がいいでしょう? その方が素直に交尾を楽しめるのだから。」
 「留美子さん!」
 「いいえ、私からもお勧めしますよ。どうしても他人の目があるとあなたの羞恥心が出て、リンクはそれを敏感に感じます。ですから積極的に交尾に応じた方が早く自由になれるのです。だけど単に振りでは分かりますよ。リンクはそういう点では賢いですから。だから本当に楽しみ、嬉しさを表現するには、本当に心から喜びが出てこないと。それに肉体的には悦びなのですから、当分は身体の求めに素直になっているのが一番よ。分かりますね?」
 「ええ・・・、それは分かっています。身体が悦んでいるのは自分でも分かるんです。だから心がつらい・・・。」
 「そうでしょうね。だから無理なのは分かっています。だけど無理でもそう思い込んで、いいえ、もし心迄リンクとの交尾を悦んでいるとしたらどういう行動をとるか、どういう精神状態になるのかを考えて演技して下さい。その演技の繰り返しで上手になれば、態度に現れます。いいですか? 演技を心掛けてね。」
 「はい・・・。」

 美奈は弥生の言う通りの方法しかない事は充分に分かっていた。つらい決断であった。



 車で出掛けようとする女性達を見送る為、リンクは庭に出た。勿論、美奈を繋いで引っ張ったままであった。

 「はい、早く戻るわよ。」
 「ウフフ・・・、いつもだとリンクにお留守番させるとあんなに騒ぐのに、今日は大人しいわね。」
 「それは当然よね。『恋人』の美奈と一緒なのだから。」

 美奈は表に出るのはつらい。誰に見られるのではなくとも、リンクのペニスで引きずり回されるのはリンクに従属している事を認識させられるからだった。

 「美奈、分かっていますね? 『演技』よ。」

 美奈はつらそうに頷くだけだった。
 車が走り去るのをリンクと美奈はずっと見送っていた。





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