「どうでした?」

 リィホワは顔を赤らめ、後ろ向きでイボ張り型を引き抜いた。

 「凄い物ですね・・・。」
 「そうでしょう。シーズの淫智の物で、既に沢山の物を作り、後宮に納めていますが、皆様、リィホワと同じ感想をおっしゃられましたわ。勿論、最初に作った時、私だった試みていますから、その素晴らしさは分かっています。」
 「インユエさんも?」
 「当然でしょ? 自分で良いと思わぬ物を他人には勧められませぬ。それにしても予想以上に好評で・・・。私はシーズの母の淫智は技術の進んだ国での智と思っていましたが、この様な単純とも思われる物にも込められているのですね。」

 しかしグッと拳を握り締め、

 「しかし負けませんわ。淫道師としての私の意地もあります。シーズの母は進んだ技術の元での淫道。これは私には叶わぬ事。しかし私にはシーズの母には無き物、雲体風身のシーズという素晴らしい逸材が居ます。シーズの氣による淫道で勝ってみせます。」
 「勝ち負けって・・・。」
 「いいえ、誰が何と言おうと、勝ちますよ。そこで・・・。」

 インユエは更に別の張り型を取り出した。それはイボ張り型を更に極端にした物、つまり張り型がイボに覆われている、全部がボツボツの代物だった。

 「ヒーッ、凄い!! だけど・・・。」
 「だけど? 分かりますよ。イボはある程度の数でないと、むしろイボの無い物と同じ様な感触になってしまいます。イボには隙間がないと気持ち良くありません。イボ張り型のイボの数は先程の物がやはり一番具合が宜しい。」

 リィホワはイボ張り型を握ったまま嬉しそうにしていた。

 「インユエさん、シーズのオチンチンに真珠を入れ、こういう形にするのですね?」
 「いいえ、少し違います。リィホワ、考えてご覧なさい。シーズは男根以外は女の姿に成るのですよ。しかも踊り子に。踊り子と言っても色々な衣装があるでしょうが、やはり扇情的な衣装が似合うでしょう。だとすれば体の部分の露出の多い物となるでしょう。やがて胸も大きく成るのですが、その前に一尺もの男根なのですよ。覆えないですし、第一突き勃ったままで踊るのですから、どうしても卑猥になります。」
 「だから踊り子なんて無理ですよ。」
 「しかし美しい男根なら。」

 リィホワは少し考えてみたが、やはり首を振った。

 「こんなイボイボにするのでしょう? よけい卑猥だわ。」
 「そこが私の淫道。シーズの母親の淫道では真珠を男根の包皮の内側に入れます。亀頭も中に入れるのです。確かにその方法では卑猥でしょうね。交合いに具合が良くとも。それならこういう形では?」

 インユエは一番最初のノーマルの張り型に、長い真珠のネックレスの様な物を巻き付け始めた。亀頭の先から竿迄が真珠に覆われる。それは最後の張り型の様な形だった。

 「これならシーズの股間に突き勃っていてもきれいな飾りでしょう。」
 「それなら・・・、確かに真珠の飾りに見えるし、キラキラ輝いているけれど・・・。だけどそれだと解けば・・・。」
 「巻き付けるのであればね。私の淫道がシーズの母親に勝てる淫道、それは氣の力です。男根の中に真珠を入れるのではなく、表面に真珠が出ている男根にするのです。一尺の長さの真珠で覆われた男根です。そしてリィホワと交合う時には一尺五寸の大きさに成るのですから、真珠同士は隙間が出来ますから、それで擦られる女陰には最高の快感となるでしょう。」
 「真珠が出たまま? 張り付けるの?」
 「いいえ、張り付けただけでは剥がれるでしょう。それでは私の勝ちにはなりません。真珠その物がシーズの男根の一部となるのです。男根の表面に融け合い、真珠でありながらシーズの肉体なのです。」

 リィホワはまだ首を傾げていた。

 「分からないでしょうね。これはシーズの淫智にも無き事。私が考えに考えた淫道の極意でしょう。慈照老師に手伝って頂き、真珠に強い氣を施して貰っています。つまり真珠という『物』でありながら、老師の強い氣が宿る物、活きている『物』なのです。活きている真珠をシーズの男根に押し込むのです。シーズの氣と老師の氣、しかも外からの雲体風身でその氣を融け合わせれば、シーズの男根に押し込まれた真珠はシーズの皮膚であり肉である活きた真珠に成るのです。」

 リィホワはポカンと口を開けたままだった。

 「男根が一尺に成ったらその処置をします。シーズに男の精を施し、リィホワとの交合いでその精をシーズに戻す事により男根はより早く成長します。但し、シーズはその智から真珠を入れられる事は予想するでしょうが、こういう男根にされる事は知り得ません。ですからこの事は内緒にして置いた方が宜しいでしょう。」
 「だけど・・・、真珠を押し込むって・・・、あそこは急所だから、かなり痛むのでは?」
 「そうですね。ですが、氣断絡を施せばあまり痛みを感じずに済むでしょう。私の催眠術と眠り薬で殆ど痛みを感じずに事は成るでしょう。ただ、その間はリィホワはシーズと交合えませんから、張り型で膣を拡げる訓練をしなさい。一尺五寸ですよ。並みの訓練では無理ですから。」
 「本当にシーズのオチンチンがそう成るのなら、シーズを私のものにする為にも頑張ります。」

 リィホワは強く頷いた。



 「ウフン、リィホワさん・・・пv
 「起きた?」
 「だって・・・、眠っている間も揉んでいてくれるから・・・。」
 「さあ、始めるわよ。」

 リィホワは真澄に跨った。そしていとおしそうにペニスを女陰に押し込むのだった。

 「ハアッ・・・。」

 既に二人のセックスは日常であった。雲体風身で強化されたペニスと、リィホワの雲体風身の膣、そして毎日何度もオカマを掘られ、大量の精液を送り込まれ、自分自身の精液もリィホワに飲まされている真澄にとり、何度射精してもすぐに精液が溜まるのだった。そして目に見えて真澄のペニスは巨根化していくのだった。

 「リィホワさん、ボクにオチンチン、随分大きく成っているよね?」
 「本当ね。毎日交合っていても、ドンドン良くなっているわ。」
 「この枷で見えないけれど、大きく成っているのは分かる。だけど・・・。」
 「だけど? 大きいのはイヤ?」
 「ううん、それはとっくに諦めてる。インユエさんはママの淫道に張り合っているのだもの、限界迄大きくされそうな事は・・・。それにリィホワさんのオマンコに合うオチンチンにされるのだから。」

 リィホワはちょっと心配そうに真澄を見つめた。

 「これだけで終わらないのも分かっているよ。これだけ大きいオチンチンでそのままの筈はないもの・・・。きっと真珠のイボマラにされる。」
 「シーズ、知ってたのか?」
 「やっぱりね。だけどそれもしょうがないと思っているよ。真珠マラがいいのは良く知っているから。だけどそうじゃないよ。ボクの胸、どうしても重く感じるの。オチンチンも重さを感じるのだけれど、オッパイが在ったらきっと感じるだろうなあって程に重さがあるんだよ。」
 「確かにねえ・・・。だって、シーズのオチンチンだって、最初に氣が大きかったのだけれど、今のオチンチンはその程度近く成っている。胸だってその内大きくされるかも知れないけれど、今はまだ。だけど触ると氣が凝縮した様に感じるのも不思議だわ。見えないけれどオッパイは在る様に感じるのよ。」

 真澄は不安だった。しかし感じられてもまだ見えないという事で少しは安心するのだった。



 なごやかな一週間が過ぎた。真澄のペニスは一尺程に成長していた。

 「リィホワ、シーズの男根に処置をします。」
 「処置? 真珠を?」

 真澄は不安そうにインユエを見つめた。

 「シーズはその智で知っているでしょう。勿論痛くなく施しますが。処置が済めば、その不安定な格好は免じます。」
 「エッ、外してくれるの?」
 「ええ。いくら私が頑張ろうとも、シーズの母とは淫道の方法は異なります。限度も分かりますからね。ですから、真珠の処置をすれば淫道は終わりです。」

 真澄の顔が輝いた。ペニスの処置は諦めが付いていたが、乳房を大きくされる事迄はされないで済むと思ったのだ。

 「宜しいですね?」

 真澄はコクンと頷いた。

 「リィホワ、暫く交合いは出来ません。ですから私が準備している間、何度も搾り出しておきなさい。萎える事のない男根ですが、少しは柔らかい方が処置はし易いですからね。」
 「はい。」

 リィホワは嬉しそうに真澄に跨るのだった。

 「リ・・・リィホワさん、まだインユエさんが・・・。」
 「いいの。見られながらの交合いには慣れたし、第一時間がない。それに私としてはシーズのオチンチンに早く真珠を入れて貰いたいもの。それっ!」
 「アハン・・・。」

 インユエは苦笑いしていたが、二人はいつもの激しいセックスにのめり込んでいた。



 「ハクッ・・・。リィホワさん、少し休もうよ。三度続けてだから・・・。」
 「いいのよ。暫く出来ないのだから、今の内に・・・。」
 「ヒーン、インユエさん、リィホワさんに休む様に・・・。」

 真澄はインユエに助けを求めようとした。しかしインユエが手にしている器具に気が付き、訝しげに思い、ジッと見つめていた。

 「シーズ、リィホワが淫乱なのは良く分かっている筈ですよ。私がとどめようとしても無理ですよ。」
 「インユエさん、それは?」

 インユエはペニス圧縮器具らしい金で出来たペニスケースを二つ割りにした物を持っている。それならまだ真澄にも理解出来るのだが、その内部にびっしりと大玉の真珠を並べているのだ。

 「シーズなら知っていよう。真珠を押し込む器具ですよ。」
 「そうじゃないよ! どうしてそんなに沢山? まさか・・・。」
 「そうですよ。シーズの母親なら数十個らしいが、私は五百個用意しました。真珠で覆われた男根にしてみせますよ。」
 「無理だ・・・。そんな・・・。」

 真澄は恐怖で震えた。話では八十個以上の真珠を入れたペニスの写真を見た事はある。それはとてもペニスとは言えないグロテスクな物であった。そしてこの時代ではそれだけの数は無理だとも思い込んでいたのだ。

 「アーン、シーズ、オチンチンの元気が無くなったわよ。」

 リィホワがピストンをしながら恨みがましい声を上げた。

 「リィホワ、好都合です。抜きなさい。」

 リィホワとしては未練はあるが、インユエに逆らう事は出来ない。それに真澄のペニスを真珠で覆ってくれる楽しみもあり、素直に応じるのだった。

 「アッ、お姉さん、ダメッメ@ボクのオチンチンはお化けに成っちゃう。」

 インユエはびっしりと真珠を積めた金のペニス圧縮器を近付けた。

 「イヤーッ!!!」

 どんなに尻を揺すろうとしても、ペニスに被せられてしまう。まだ二つを組み合わせられていないのに、真珠の粒がペニスに強い痛みをもたらすのだった。

 「ギヒッ・・・。」
 「さあ、締め付けますよ。老師、お願いします。」
 「フム、分かった。」

 老師がドアを開けて入ってきた。

 「エッ、イヤーーッ!!」

 真澄の恐怖は絶頂だった。慈照老師程の氣の持ち主であれば、隣室に居る事は分かる筈だった。しかし真澄には老師の氣が弱くしか感じられなかったのだ。それは自分の氣がおかしくなっている筈なのだ。しかしリィホワにも異常が分かった。

 「老師? どうしました?」

 老師は笑いながら頭を掻いていた。

 「どうしたもこうしたも・・・。インユエにかなり無理な頼みを受けたからのう。儂の全力を上げてその真珠に氣を封じたのじゃ。お陰ですっかり・・・。しかしまだシーズの氣断絡は出来る。」
 「老師、宜しいですか? ネジを締めますから、氣断絡を。」
 「分かった。しかしインユエ、儂はかなり疲れておる。男根の氣断絡を施せば、胸の氣殺は解けてしまうぞ。」
 「構いませぬ。お願いします。」

 インユエはペニス圧縮器のネジを締め始めた。途端に強い異物感の痛みが真澄のペニスを襲う。

 「痛い・・・a@エッ? お爺さん、今、何て? 胸の? ギヒッ!!」
 「老師、どういう事? 胸の氣殺? オチンチンと一緒に大きくするの?」

 老師は汗を流しながら掌をペニス圧縮器に宛てがっていた。金の冷たいケースが温かくなり、真珠の痛みが和らいできた。しかし強い圧縮感はそのままだった。

 「エッ??」

 リィホワは真澄を見て驚きの声を上げた。真っ青になって震えていた。その様子は真澄を不安にさせる。

 「お姉さん、どうしたの? ボク、どう成ってるの?」
 「シーズ・・・、これは・・・。」

 リィホワはその場にしゃがみ込んでしまい、真澄からは見えなくなってしまう。

 「お姉さん! どうしたの? 教えて!」
 「静かに! 老師、如何ですか?」
 「氣断絡は済んだ。おまえの方は?」
 「間もなく・・・。はい、締め終えました。それでは・・・。」

 疲れた顔でインユエが真澄の顔を見つめた。真澄には次にインユエが何をしようとしているのかが分かった。

 「インユエさん、ボクの身体、どう成ったの? 催眠術を掛けるの? お願い、その前にボクの身体を見せて。」
 「いいでしょう。暫くは眠って貰いますが、目を覚ました時には素晴らしい男根に成っていますから。それに催眠術は既に施してあります。後は私の合図で深い眠りに落ちるのですから、枷を外して上げましょう。」

 大きな釘抜きで枷を留めていた釘を引き抜く。真澄は恐る恐る足枷を持ち上げ、手と首の枷との間に隙間を作った。その隙間からは真っ青な顔のリィホワが震えているのが見えた。しかしリィホワの顔は何か肌色の塊の様な物の陰になっている。真澄の心の中には恐ろしい観念が渦巻いていたが、敢えて無視しようとする。

 (そんな筈無い・・・。だけど、胸に重い物を感じる。それはずっと前からだったし、オッパイは感じてもリィホワさんも無いって言ってた。だけど目の前に在るこれは? リィホワさん、なぜ震えてるの? 瞬間的にオッパイが出来るなんて・・・。オッパイ? これはオッパイ? ウソ・・・。大きい。西瓜程在る・・・。)

 真澄も震えながらリィホワを見た。何か話そうとしたが声にならない。そしてやっとリィホワが声を出せる様になった。

 「インユエ・・・さん。どうして? シーズにオッパイは無かった。それが・・・こんな・・・。」
 (そうだよ。オッパイは無かった筈・・・。)
 「どうして? こんな大きなオッパイが?」
 「どうしたのです、リィホワ? あなただってシーズに乳房が出来る事は分かっていた筈。」
 (これ・・・、オッパイなの? ボクにもオッパイが?)
 「イヤーーーッ!!」

 やっと出せた声は大きな悲鳴だった。そしてビクッとしたインユエが真澄へ催眠術の暗示の言葉を掛けようとした時には、真澄は既に気を失ってしまっていた。



 「どうして? インユエさん、シーズのオッパイが・・・。一瞬の内に・・・。」

 疲労の色の濃い老師が笑いながらインユエとウインクをした。

 「ホッホッホッ・・・。何かと不思議な氣で驚かされた儂だが、やっと儂がシーズを驚かせたわい。それにしてもインユエの方法は面白いのう。リィホワよ、儂はシーズの胸に氣殺を掛けておいたのじゃ。」
 「氣殺・・・? なぜ? だけど、どういう事?」
 「分からぬか? 男根は凄さまじい大きさにされるが、大きな乳房では男とは言えぬ身体に成るのじゃぞ。雲体風身は精神と肉体の技。精神の抵抗は肉体の抵抗となる。嫌がりながら出来上がる乳房では、良い乳房には成らぬ。だから乳房を氣殺しておいたのじゃ。栄養浣腸とやらでの女の元や、リィホワが直接飲ませた女の元でドンドン育っていたのじゃが、誰にも分からなかったからのう。まあ儂もこの大きさに成るとは分かっておったのじゃが、氣殺してしまえば儂にも見えぬ。実際にいきなりこの様な乳房を見せ付けられると、ちと肝を潰すがのう。」
 「インユエさん、いいの? これではオッパイのお化け。こんな小柄なシーズにとんでもない大きなオッパイ。これでは踊り子としても・・・、それより女の姿としても・・・。」
 「リィホワ、良く見てご覧なさい。シーズの身体は短い期間に大いに変化しました。顔にしても、元々が可愛らしい顔でしたが、今は殆ど少女の顔でしょう。確かに巨大な乳房ですが、卑猥ですか? 裸のままですが、淫猥ですか?」
 「それは・・・。」

 リィホワは少し困ってしまった。大きな乳房に驚きはしたが、可愛い顔に似合わない筈の巨乳がとても美しく見える。

 「シーズが薄い衣装を纏い、踊る姿を想像してご覧なさい。扇情的ですが、とても美しく可愛い姿でしょう?
 むしろ裸のままでの方がより可愛いかも知れない。」
 「それは・・・。だけどシーズはオッパイが出来る事をイヤがっていた。それがいきなりこんな・・・。」
 「安心なさい。すぐに乳房を悦びますよ。まあ精神的にはとにかく、肉体的には男根以上の快感を得られますから。リィホワにも乳房の良さは分かりますね? シーズの乳房はそれ以上ですよ。それにやがてリィホワが子を産んだら、二人揃って乳を与えられる。」
 「乳を? シーズも?」
 「当然ですよ。シーズの乳房は本物です。いいえ本物以上です。だからこそ乳房の快感の虜になり、乳房の快感は即男根の快感となります。シーズは性奴なのですよ。一生を性の快感の中で過ごすのです。」
 「そんな・・・、それではシーズは人間ではなくなってしまう。」
 「あら? リィホワはそれが良かったのでは? いつでもシーズと交合えるのですよ。そしていつでも素晴らしい快感を。ただ・・・。」
 「何ですか? やはり不幸な事に・・・? 私はシーズを不幸にして迄・・・。」
 「不幸とは少し違いますが・・・。シーズではなくリィホワに。」
 「私に? 私の事など構わない。」
 「あと一年程は幸せでしょう。しかしその後の二年間は寂しい生活をおくる事になりそうですね。」
 「二年? 私達が?」
 「いいえ、リィホワだけです。しかし安心なさい。その後はずっと幸せが続きます。」
 「私だけなら良い。どんなつらい事があろうと、シーズが幸せなら。」

 インユエはニッコリ微笑んでいた。

 「予知の力もシーズの淫智。シーズ・・・、そうですねえ・・・。『紫子』という名は合いませんねえ。男根と乳房がこれ程大きいのに、『子』は似合いません。本名は『ジェンチョン』ですが、これも・・・。」
 「インユエさん、シーズの名はジェンチョンなのか?」
 「そうですよ。ですがシーズには名前の呪は効かぬでしょう。シーズの国にはその様な呪はありません。そう、竜の子なのですから、『龍紫子』。或いは『子』を省いて『龍紫』ではどうでしょうね。」
 「ロンシー・・・。不思議な響き。確かにこの身体には・・・。」
 「リィホワ。一週間はシーズ、いえ、ロンシーは目覚めません。しかも更に一週間はまだ交合えないでしょう。心に落ち着きが出る迄は。その間にあなたは女陰を鍛え、拡げなくてはなりません。挿れるだけで一尺。内部で膨らむと一尺五寸。もしリィホワがその男根で交合えねば、不義を行えぬ処置をせねばなりませぬ。」
 「それは・・・分かっています。だけど・・・。」



 (イテテ・・・、身体が痛い・・・。ウッ、まだオカマ掘られているのか・・・。)

 肛門を抜き挿ししている肉棒の感触は心には嫌悪感があっても、肉体的には快感なのだった。しかしいつもと違う違和感に、まだハッキリとしない意識でも心に刺さるのだった。

 (クッ、射精された。アレッ? ボクは今枷に填められていない? うつ伏せで?)

 真澄は後背位でアナルセックスをされていたのだ。後ろの男の激しい息遣いが聞こえる。そしてその両手が今迄と違う快感を与えてくれている。そこでいきなり意識が目覚めた。男の手は真澄の乳房を掴んでいたのだ。

 (エッ? オッパイ? ヒーーーッ!)
 「イヤーーーーーッ!!!」

 真澄は男をはねのけた。ペニスが抜ける未練など感じない。

 「ボクの身体?」

 巨大な肉塊が自分の目の前に在る。そしてその肉塊の間から真珠を巻き付けた肉棒が突き勃っている。

 「ヒーッ、何、これ? 真珠? エッ、外れない? 巻き付けてあるんじゃ? 埋め込まれてる? こんなでかい真珠のオチンチン? このオッパイ?」

 真澄は精神が飛散してしまった。そこに鶏姦の男がフラフラ寄ってきたが、真澄は気付かない。そしていきなり巨乳を鷲掴みにされた途端、真澄の意識は完全に弾けてしまった。激しい悲鳴を上げてはいたが、男は再び真澄の後ろからペニスを押し込むのだった。真澄は乳房を掴まれると動けない。まるで頭の天辺から足の先迄痺れてしまい、全身を快感の刺激に襲われる。自分から肛門を動かしてペニスを求めてしまうのだった。



 「シーズ・・・。」
 「アッ、リィホワさん・・・。」

 真澄は巨乳を支えながらも身を捩った。

 「ボク・・・、とんでもない身体に・・・・・・。」
 「私もある程度は予想していたけれど、こんなに凄いなんて・・・。」
 「ボク、もう表に出られない・・・。こんなお化けじゃ・・・。」

 リィホワは真澄の涙を拭って上げた。

 「シーズ・・・、ううん、ロンシーだった。」
 「ロンシー?」

 その名前には聞き覚えがあった。麗華の夫という事だったが。

 「イヤか? ロンシーは本当はジェンチョンらしいけれど・・・。」
 「ジェンチョン・・・、ロンシー・・・? まさか・・・。」

 真澄はハッとしてリィホワを見つめた。

 「リィホワさん。リィホワの名前、どういう字を書くの?」
 「エッ?」

 リィホワは少し慌てた。そして照れていたが、真澄にはなぜ照れるのかが分からない。その様子にリィホワも気付いた。

 「そうか・・・。ロンシーはこの国の人間ではなかったね。おまえの国ではこういう風習はないのか・・・。男女が相手の正しい名前を聞くという事は、結婚の申し込みでもあるのだよ。まあいいか。リィホワとはこう書く。」

 リィホワは床に『麗華』と書いた。真澄は硬直した。

 (麗華さん・・・。リィホワさんは麗華さんだったんだ。だとするとボク達の世界で会う前の麗華さん。ボクは麗華さんの夫だったというロンシー・・・。戦に巻き込まれて別れてしまったという・・・。)
 「麗華・・・、ううん、リィホワさん。ボクはこんな身体に成ってしまったけれど、いいの? ボクをお婿さんにしてくれるの?」
 「ヘッ?」

 リィホワは慌ててパタパタしていた。

 「それって求婚か?」
 「だって・・・、リィホワさんはボクとセックス・・・交合うんでしょ? それって夫婦じゃない。だけどボクみたいな男だか女だか分からない子供でいいの?」

 リィホワは涙を流していた。

 「いいに決まっている。それより私のせいでその様な身体に成り、しかも・・・。」
 「しかも?」

 リィホワは言ってからハッとして口を閉ざした。

 「いいか、素直に話そう。その大きなオチンチン、しかも真珠で覆われた素晴らしいオチンチン。そしてその大きなオッパイ。どんな女よりも可愛い顔にその大きなオッパイ。素晴らしい身体を私のものに出来るなんて・・・。」
 「可愛い? 素晴らしい?」
 「うん。ロンシーには悪いと思うけれど、私はインユエさんに感謝している。ロンシーをこんな素晴らしい身体にしてくれて。」
 「いいの? こんな身体じゃ、ボクは表に出られないよ。ボクの国にもこういう身体の人は居るけれど・・・。もっとも、こんなオチンチンは知らない。ママの別荘に住んでいる。ただ、本人達は幸せなんだけれど・・・。ボク自身がそう成るなんて・・・。」
 「幸せ? 表に出られない身体で?」
 「この身体だったら全然出られない訳じゃないよ。オチンチンを巧く仕舞えば女の姿でね。それに凄いセックスを続けていられる。」
 「しかし・・・、いいの? そんなに大きなオッパイはイヤだったのでは?」
 「だけど感度は凄い筈。ボクの知識ではこういう身体にされると、皆セックスに夢中になってしまう。ボクがイヤだったのは、大きなオッパイにされるとその身体を悦び、満足してしまうからなの。だけどオチンチンは・・・。」
 「きれいなオチンチンだけれど、何か不具合が?」
 「だって・・・、リィホワさんにはボツボツしていていいかも知れないけれど、ボクは真珠越しだから・・・。」

 そこにインユエがソーッと入ってきた。そして不思議そうに二人を見つめていた。

 「アッ、インユエさん。」

 インユエは頭を掻いていた。

 「どうしました?」
 「どうしたとは・・・、私の言いたき事。当然ロンシーは泣き叫び、リィホワの手に負えぬだろうと・・・。」
 「泣きたいよ。こんな身体にされてしまったんだもの。だけど泣いてもどうしようもない。ただ、この身体でリィホワさんを悦ばせられるって事で・・・。だけどボクとしてはこのオチンチンが少し・・・。」
 「男根が?」
 「だって、こんなに真珠で囲まれていたら・・・、そのう・・・、あんまり気持ち良く・・・。」

 インユエは噴き出してしまった。

 「すみません。真剣な話なのに。ロンシー、私はおまえの母親の淫道に勝つのですよ。おまえの母が出来ない法を施しました。触れば分かります。」

 真澄はソーッとペニスの先端に触れた。指には真珠の手触りがあるのだが、

 「エッ?」
 「分かるか?」
 「これ、真珠だよね。」
 「ロンシー、どうした?」
 「オチンチンに触ってる。真珠に触っている気がしない。」

 真澄はペニスのあちこちに触れた。しかし手には真珠の感触が伝わるのだが、ペニスは直接指が触っている感触なのだ。

 「その真珠は活きています。正確には氣を込められた真珠なのですから、ロンシーの肉体その物なのです。真珠その物が男根の一部なのです。」
 「取れないの?」
 「それは無理です。真珠の形をしてはいますが、既にそれはロンシーの男根の一部。氣が失われる迄、つまりロンシーが活きている間は外れません。まあそれ以前に完全に肉体として取り込まれるでしょうから、絶対に外れませぬ。」

 真澄は自分の身体をジッと見つめ、何かを考えていた。

 「だとしたら時間がないよ。いつ戦いが起きるか分からない。そうなったらボク達は離ればなれになってしまう。そして少なくとも二年間は・・・。その後は分からない。」
 「二年? それはインユエさんも?」
 「ほう、そうですか・・・。そういう意味だったのですか・・・。だとしたら確かに時間は少ないですね。ロンシーは踊りの修行をせねば。」
 「インユエさん、どうしてボクが踊りを? この身体では無理だよ。このオチンチンは隠せないから、人前での踊りなんて・・・。」
 「今に分かります。ロンシーの雲体風身は自分で思っている以上に応用が利く筈。直接雲体風身の術を磨けぬ以上、踊りでその能を増すしかありませぬ。」

 リィホワは照れ臭そうに上目遣いでインユエを見上げた。

 「そうですね。但し、まだ膣拡張は完全ではないでしょうが、それでも本物を使う方が楽しいでしょう。しかしかなり痛みを伴うかと思いますが、しっかり訓練するのですよ。」

 そう言いながらインユエは部屋を出ていった。

 「ロンシー、いいオチンチン。そのまま寝て。」
 「アハッ、始めるの?」
 「だって、こんなに凄い物を見せ付けられていては・・・。それに私達は夫婦になるのだろう? ほらっ!」

 リィホワは真澄を押し倒し、グンと突き上げたペニスに跨ぐのだった。

 「クッ、大きい・・・。」

 巨根にされた真澄のペニスは、膣拡張訓練をしたリィホワといえども簡単には填まり込まない。しかも亀頭全面を覆っている真珠はペニスの組織と化していても、やはり真珠であり、真珠同士が押し付けられてしまえば、それ以上の圧縮は出来ない。

 「リィホワさん・・・、入らない?」
 「待って・・・。もう少し・・・。」

 リィホワは久しぶりに下腹部に氣を集める。雲体風身で膣口を拡げようとしているのだ。そして真澄自身のペニスに対しても働く。亀頭その物の圧縮は出来ないのだが、長くする事により直径がやや細くなるのだった。矢じりの様な形状になる。硬い真珠は亀頭その物と異なり、膣との粘膜の擦れ合いと違って摩擦が少なくなる。

 グポッ・・・。

 亀頭がリィホワの膣口を通り過ぎた。

 「カフッ・・・!」

 一番太い部分が通り過ぎると、あとは一気に填まり込む。

 「ハヒッ・・・!」

 リィホワにとっては強い異物感のペニスで膣を埋め込まれ、更に拡げていた膣道をより拡げられる。強い圧迫感は痛みとなるのだが、その痛みを痛みと感じさせない激しい煌めきの刺激だった。そして真澄にとっても、強い膣の締め付けと、神経の通っている様な真珠でペニス全体を押し縮められるのだ。二人にとっても感じた事のない激しい刺激と快感が襲っている。しかしどちらも声も出さず、ただジッとしていた。どう感じていいのか分からず、今迄の素晴らしいセックスを遥かに凌駕した快感に心が反応出来ないでいるのだった。強い締め付けにペニスの抜き挿しをしようと思えないでいた。精神がやっと反応を始めようとした時、いきなりの大爆発をした。

 「ギェーーーッ!」

 激しい悲鳴だった。しかしそれは苦痛の悲鳴ではない。あまりの激しい快感を素直に快感とは感じられなかったのだ。二人とも全く動かない状態で、真澄のペニスは激しい迸りをリィホワに弾けさせたのだった。



 「リィホワさん! お姉さん!」

 下腹部が完全に密着したまま、真澄はリィホワを揺すっていた。

 「エッ? アッ、シー・・・ロンシー?」
 「大丈夫? ボクが気が付いてからもずっと目が覚めないから・・・。」
 「ああ・・・、私達・・・。ウフフ・・・。」

 リィホワは少し身体を起こし、巨大な真澄の乳房を撫でながら涙を流していた。

 「分かったの・・・。私、本当に分かった。インユエさんが、そしてロンシーの母親がなぜ淫道師と呼ばれる事を為しているのか。最初は非道と思われる程の事を為し、しかもロンシーの姿を見ても凄さまじいとさえ言える技なのに、こんなに嬉しいなんて・・・。」
 「ボクも・・・。ママの淫道を見ていて、凄くつらかったよ。みんなが表社会から抹殺されてしまう改造をされていながら、そしてつらさと悲しみの中でやがて悦びに変わっていく。ボクはそれは肉体だけの悦びに負けていった為だと思っていた。精神的には堕落だと思っていたよ。それが・・・。」
 「それが?」
 「ボクは心の底から嬉しい。だってボクが凄く気持ちいいだけではない。リィホワさんに凄い悦びを上げられる。ボクはリィホワさんが大好きだよ。ずっと一緒に居たい。その大好きなリィホワさんに悦びを与え、その悦びがボクの悦びなんだって感じる。」
 「それは私も・・・。だからこれからずっと一緒だよ。」

 真澄は嬉しそうに微笑んでいたが、スッと悲しみの表情を見せた。

 「どうしたの? 嬉しくないの?」
 「ううん、凄く嬉しいよ。だけど、ごめんなさいね。戦が始まったら二年は会えなくなるの。」
 「イヤよ! 私は絶対に離れない。アッ、そう言えばインユエさんもそんな事を・・・。」
 「運命なんだよ。だけどきっと会えるよ。ボクは・・・。」

 そこから先の事は言えなかった。麗華は真澄の時代でロンシーを捜し続けていたのだ。きっと細かい事は言っていなかったに違いない。もっとも、言っても理解出来ないのだろうが。麗華にはつらい事となるだろうが、それでも歴史が変わってしまうと再会が出来なくなってしまうと思えたのだ。その切羽詰まった感情が真澄のリィホワへの強い愛情となり、激しい催しをさせるのだった。



 「ロンシー、先生よ。」

 リィホワが優雅な衣装の女性を連れて入ってきた。

 「見慣れたとはいえ、まだまだですね。」

 その女性は真澄の姿を見て顔を赤らめていた。

 「すみません、シャオミン師。」
 「インユエ様から聞いておりますが、それでも・・・。ですが、雲体風身の術が舞踊にもこれ程に役立つとは存じませんでした。龍紫さんは舞踏の素養が全然無く、しかも見た事すらないと聞かされておりましたし、実際お教え始めた時はそれが分かりました。しかしその後の上達の早さ、刮目させられます。」

 真澄は舞踊の衣装に着替え、師にお辞儀をする。

 「私としましては、リィホワさんと一緒にお教えしたいと思いますのよ。」
 「私? 私は無理よ。私は武術一筋。今更女らしさなどは・・・。」
 「いいえ、リィホワさんにも舞踊の素質は感じていますわ。まず美しさ、優雅さ。そして身のこなしは舞踊としての素質には欠かせぬもの。」
 「まさか、私にはそんな・・・。」
 「何言ってるのリィホワさん。ボクだってそう思うよ。それでなければボクがリィホワさんを好きになる訳がないじゃない。」
 「ロンシー、何を・・・。」

 リィホワは慌てて真澄を制した。シャオミンも驚いた様に二人を見つめていた。

 「何? ボク、変な事言った?」
 「あのねえ! ここはロンシーの国ではない。」
 「そうでしたね。ロンシーさんは異国の方でしたね。それにしても羨ましいですわ。」
 「ねえ、リィホワさん、何が変なの?」

 リィホワは肩をすくめていた。

 「確かに私とロンシーは正式ではないとはいえ夫婦だ。夫が妻を人前で誉めるなどと・・・。」
 「だって・・・、リィホワさんはとっても素晴らしいでしょ? だから・・・?」

 リィホワは顔を真っ赤にしていた。

 「だから・・・、夫たるもの、人前でのろけるなどとは男らしくなく・・・、まあ、男らしくないのはそうなのだけれど・・・。それに確かに私の方が歳上という事だけでも恥ずかしいのに、それに甘える様な・・・。」
 「どうしてよ? たまたまリィホワさんが歳上だっただけじゃない。それにボクはこの国の事を全然知らないんだよ。だからリィホワさんと別れたら、ボクはこの身体で・・・、死ぬしかないよ。ボクがリィホワさんを大好きなのは分かっているでしょ? リィホワさんとは別れたくないよ。だから色々教えて欲しいんだよ。」

 シャオミンはクスクス笑いを続けていた。リィホワが救いを求める様にシャオミンを見ても、シャオミンは更に照れ臭そうに笑い続けていた。

 「いい! 私は去る。」

 リィホワは怒った様に真澄を突き放して部屋を出て行った。

 「リィホワさん・・・。」

 困った顔の真澄にシャオミンは笑ったまま話し掛けた。

 「大丈夫ですよ。リィホワは照れ臭いだけですから。嬉しくて仕方のないくせに。しかし羨ましい。ロンシーさんのお国は素晴らしい国なのですね。男女の好き嫌いを素直に口に出せるとは。」
 「エッ? ここでは違うの? それにボクが歳下なのは恥ずかしいって・・・。」
 「そうですねえ・・・。竜の国が如何なる地かは分かりませぬが、この魏の国、いいえ、呉も蜀も、遥か越の国も男女では男の方が上位。女は常に夫に仕えねばなりませぬ。ですから夫がどんな男であっても、妻は従わねばなりませぬ。ですがロンシーさん達を見ていると・・・。」

 シャオミンはまだ笑っていた。

 「それと大抵は夫の方が歳上です。稀に逆の場合もありますが、それも特別の事情のある場合です。しかし私としてはお似合いの夫婦だと思いますわよ。その素晴らしい『物』をリィホワさんにも負けぬ可愛らしさの夫が、リィホワさんに身も心も・・・。」

 恥ずかしそうに笑っていた。



 「ロンシー・・・。」
 「何、リィホワさん?」
 「インユエさんに聞いてもはぐらかされるし、お前もなぜか逃げようとしているけれど、お前の国・・・、竜の国の事だけれど・・・。」
 「ボクの国?」
 「遥かな国だとは聞いているが、そんなに遠いの?」

 真澄は彼方を眺める様な目をしていた。

 「うん、遠い・・・。絶対に辿り着けない程に・・・。」

 リィホワは上になって真澄を見下ろしていた。

 「インユエさんもお前も、戦が始まったら二年は会えないと言っていた。どういう事? インユエさんには予知能力があるらしいが、ロンシーの淫智の中からの話をしてくれる。いつ戦が始まってもおかしくない情勢だけれど、どうなの? 私は凄く不安。」
 「うーん、それは・・・。」
 「それとロンシーは舞踊の訓練を一所懸命しているが、それも並みの努力ではないのは分かる。と言うより、切羽詰まったものを感じるの。私との睦み事にしても・・・。」
 「お姉さん、ごめんね。詳しい事は話せないの。ボクが話してしまうと、歴史が・・・。」
 「歴史? 過去の事などはどうでもいい事よ。将来の事なのよ。」
 「ボクには・・・未来を含めて歴史なんだよ。ボクだって不安なんだよ。ボクにだって変えたい歴史がある。お姉さんに二年も寂しい思いをさせてしまうのは苦しいよ。だけどそれは出来ない。運命として決定している事なのだから・・・。だけどね、ボクは絶対にお姉さんとは別れないよ。そうだ・・・。これだけは覚えていて。『キクノアイ』。この人がお姉さんを助けてくれる。」
 「キク・・・ノア・・・イ? 名前か?」
 「そう。ボクの国の淫道師。必ず助けてくれるよ。お姉さんはボクの言葉は分からないよね? 今だってボクの言葉は伝心の法で分かるのだけれど、これは雲体風身の術に依るのだよ。ボクの国には知られていない。だから伝心の法もね。だけどママ・・・、じゃない。キクノアイという人は伝心の法を使える数少ない淫道師だよ。覚えていてね。どんなに寂しくてつらくても、心を開かないと伝心の法だって伝わらないのだから。」

 リィホワは腰の上下をやめて真澄を見つめていた。

 「分からないわ。だけど大切な事だというのは分かる。インユエさんの言っていた不幸が近いのね。だけど私はロンシーさえ居れば・・・。だから・・・。」

 真澄の切羽詰まったセックスはリィホワにも伝わり、飽きる事なく激しいピストンを続けるのだった。



 「リィホワ!」

 インユエが二人の部屋に飛び込んできた。

 「インユエさん?」

 寝ていた二人は慌ててペニスを引き抜くのだった。

 「恐れていた事が・・・。」
 「まさか・・・。」

 そして城内のざわめきが伝わってくる。

 「蜀です。蜀が攻め入ってきました。」
 「やっぱり・・・。」

 リィホワは近衛兵としての支度を始めた。真澄も慌てて普段着けている衣装に着替えるのだが、ハッとしてリィホワの腕を掴んだ。

 「リィホワさん、運命だけれど・・・、分かれる運命だけれど、ボクはその運命を変えたい。お願い。一緒に逃げて。」
 「何をバカな。ロンシーと私は一緒。別れる筈がない。しかし私は近衛だ。この城の者を守らねばならない。」
 「お願い。ボクはお姉さんをつらい目に遭わせたくないよ。あそこ、多分・・・。ボクが最初にお姉さんと出会ったあの場所へ。」
 「出会った場所? 宮殿の庭か? まさか、見ろ。あそこは今前衛の兵が闘っている。私ならともかく、武術の心得のないロンシーに行けるものか。」
 「信じて、お願い。あそこに行かないと・・・。」

 真澄の悲鳴に近い声にリィホワは怪訝そうにしていたが、インユエが大きく頷き、その表情にリィホワも決断した。

 「分かった。何が分かったのかは分からないが、ロンシーにとっての大切な事なのだな? だとすると私にも大切な事なのだろう。よし、行くぞ。」
 「有り難う。アッ、お姉さん、いつもの金砂の袋!」
 「何を今更・・・。今は無事に逃げ出す事が・・・。」
 「リィホワ、お持ちなさい。必要になりますよ。」

 インユエはリィホワの膣拡張訓練用の金砂の詰まった革袋を手渡した。

 「インユエさん・・・。それでは。ご無事で。」

 リィホワは真澄の手を引き、小走りに宮殿の中を走った。


 辺りには建物の燃える煙が広がっている。そしてあちこちで刀の打ち合わされる音が聞こえ、悲鳴が聞こえる。
 そして宮殿奥の広い庭に出た。大勢の兵士が血を流して闘っている。その中を震える真澄の手を引き、リィホワは刀を振るいながらかき分けて進んだ。

 「ロンシー、どこだ? どこへ逃げる?」
 「あそこ!」

 真澄にはすぐに分かった。熱い空気の中、冷たい風を感じる方向がある。そして陽炎の様に揺らめいている。

 「どこ?」
 「分からないの? あそこがボクの国への道。」

 リィホワには分からないらしい。真澄がリィホワを引っ張る様にしてその異空間へと進む。しかしその時敵兵の一人が二人に切り掛かってきた。

 「危ないっ!」

 リィホワがその刀を打ち払い、真澄を守ろうとする。

 「逃げろ、ロンシー!」
 「お姉さん、こっち!」

 真澄は異空間への入り口の所で刀を拾い、リィホワを引っぱり込もうとした。リィホワはバランスを崩し、後ろ向きのまま異空間へ転がり込む。

 「ロンシー!」

 リィホワは真澄が敵兵士の刀を受け、打ち払ってからその暗い空間に飛び込んで来るのを見た。真澄が手を伸ばすが、一瞬届かず、深い空間に落ち込んでいくのだが、真澄の姿が遥か先になってしまうのだった。

 「ロンシーーーーーッ!」




 「麗華さん。少しは慣れました?」
 「うん、慣れる事は慣れたよ。だけど・・・。」
 「大ママさん、この服着る様にって言ったけど、私つらい。」
 「旦那様を思い出すから?」
 「ロンシー、二年経ったら会えるって言ってた・・・。だけど二年経ったのに、全然音信がない。」

 麗華は弥生と一緒にスキー場に向かっていた。初めての経験なのだがそれは不安ではなかった。運動神経の良い麗華には、実際初めてのスキーでも何とかなりそうだった。

 「大ママさんなら話せるけど・・・、私、心がつらい。大ママさんに作って貰った『物』、良く出来ているけれど、挿れているのがつらい。挿れないともっとつらい。私凄いスケベよ。ロンシーの物、もうずっと挿れていない。自分でも分かる。氣の力が落ちてる。」
 「だから気分転換が必要なのですよ。麗華さんの氣が弱くなるのは、私達の仕事にも大きく響くわ。優美のペットを作るのには、まだまだ麗華さんの力が必要なのですから。」

 麗華はクスッと笑った。

 「そのお仕事は楽しい。私もロンシーの淫道を見ていて、最初は驚いたけれど、凄く楽しかったよ。ママさん、大ママさんの淫道は方法は違うけれど、結果は同じね。知らない人なら非道に見えるけれど、道具される子、皆幸せになるのは分かる。だけどロンシーの時はパパさんみたいに成るのに一年掛かったよ。その間、ずっと淫道を施されていた。優美さんの場合、あの子自由な状態。もっと掛かるの?」
 「そう見えるでしょう。それが私の淫道の極意よ。インユエさんは素晴らしい淫道師らしいけれど、今は科学が進んでいるの。だから変化するのは一気よ。それ迄は心を変化させるのが中心なの。それと道具とはいえ、優美の旦那様に成るかも知れない子ですから、ロンシーさんの場合と異なり、あそこは大きくても、目立たない様にしないとならないの。」
 「ウフッ、そうね。ジェンチョン、真珠で包まれた大きなチンチン。あれは隠せないよ。そう・・・、凄く良いチンチンよ・・・。」

 そして麗華は再び涙を流し始めてしまうのだった。



 「麗華さん、ちょっと寄り道していきますよ。」
 「寄り道?」
 「そう。あなたの思い出の地。あなたが私達に出会った場所よ。」
 「ああ、あそこ・・・。懐かしいね。だけど驚いたよ。全然違う世界。そして見た事のない服の人達。言葉も通じない。だけどすぐに大ママさん達来てくれたし、『キクノアイ』の名前驚いた。ジェンチョンの予言で、私を助けてくれる人。ジェンチョンも私の国に来た時、不安だったろう。だけど私の方が幸せかな? 私、最初からママさん達に助けて貰った。ジェンチョンはいきなりオチンチンを責められた。」
 「ほら、あそこよ。ああ、愛達が先に来ているわね。」
 「エッ、あれは?」

 岩の上で手を振っている見覚えのある服装。麗華は車が停まるのを待てずにドアから飛び出していった。

 「ジェンチョン・・・?」

 懐かしい、そしてハッとする姿だった。そして麗華の着ている服と違い、殆ど新品で、小柄な真澄にはピッタリの物だった。それは麗華が初めて真澄に出会った時の姿その物だった。

 「ジェンチョン? じゃないね。真澄ね?」

 麗華は少しガッカリしたが、それでも嬉しそうに真澄を見回すのだった。

 「そっくりね・・・。最初にジェンチョンに出会った時と同じよ。」
 「麗華さん。」

 車の中から弥生が声を掛けた。

 「はい?」
 「ガッカリさせて申し訳なかったわ。真澄はジェンチョンではないけれど。麗華さん、真澄っていう字は知っている?」
 「字? マスミの?」
 「そう。あなたの国と同じ文字を使っていても、読み方は違うのよ。『マ』は真実の真。『スミ』はサンズイに登るという文字。」
 「真・・・、澄・・・a@ジェン・・・、チョン・・・a@どういう事? 真澄が・・・? だって・・・、違う・・・。」
 「麗華さんが会う前のジェンチョンが真澄なのよ。」

 「エエーーッ?」
 麗華は涙を拭いながら真澄に手を伸ばした。真澄も意味が分からず、麗華の手を握った。

 ピシーッという音とともに雷が落ちた・・・、と思える強い光に包まれた。

 「ジェンチョン?」
 「リィホワさん!」

 麗華と手を握り合っていたのは紫のアノラックを着ていた真澄ではなかった。真澄より少し背が高い、リィホワが時空間の中で別れてしまった龍紫だった。

 「まさか・・・、ロンシー?」

 涙を拭いながらロンシーの証である股間を見た。

 「ああ・・・пv

 そこには懐かしい真珠を巻き付けた様な逸物が突き上げていた。

 「リィホワさん、待たせてごめんね。だけど、ボクを確認するのに、あれを・・・。」
 「信じられなかったのよ。嬉しい! 本当に戻ってきてくれた。アウッ・・・。」

 二年間の想いが麗華の全身を駆け巡った。

 「ママ、お姉ちゃん・・・。」

 真澄は辺りを見回した。懐かしい顔が驚きの目で真澄を見つめていた。愛と優美はある程度予感はしていたが、それを遥かに凌駕していた。そして父親からすれば、絶望を含む驚きだった。

 「真・・・澄・・・。」
 「お姉ちゃん。お姉ちゃんの予感は外れたよ。ボク、こんな身体に・・・。だけどリィホワさんが喜んでくれるから・・・。」
 「真澄・・・。」

 優美は恐る恐る真澄に近付いた。

 「凄い・・・。ママやお婆様の改造よりも・・・。」
 「本当。凄い綺麗・・・。」

 愛も感心して真澄を見つめていた。

 「皆さん、有り難う。私、本当に嬉しい。ジェンチョン、良く戻ってきてくれた。私つらかった。」
 「ごめんね、リィホワさん。ボクは穴に落ちて気が付いたらここに居たんだよ。リィホワさんは二年待ってくれたんだよね。今のボクに成る前のボク、そしてリィホワさんがこの世界に来て、ボクが普通の男の子だった時、リィホワさんの悲しみを知らなかった。ボクよりもずっとつらかったよね。」
 「真澄・・・。」

 抱き合っている二人に優美が話し掛けた。

 「私の予感は外れていないわよ。私は『将来に渡って』、『私達のグループによる改造は無い』って言ったのよ。真澄はあの時から将来ではなかったわ。そして私達のグループでもなかったわ。だけど凄い。ねえ、真澄、オチンチンを良く見せて。真珠で包まれているの?」
 「ううん、この真珠は真珠だけれど真珠じゃないの。」
 「エッ?」
 「雲体風身の法と氣の力で、ボクの肉体なの。真珠だけれどオチンチンの一部なの。」
 「もう、ダメッ・・・。」

 麗華が突然悲鳴の様な声を上げた。

 「ジェンチョン、欲しい。二年も待ったのよ。偽物でずっと我慢していたのよ。早く・・・。」
 「アッ、うん・・・。だけど、ここでは・・・。」
 「そんな事どうでもいい! 私達はインユエさんの前でも平気で交合っていたのよ。たとえ誰が居てもいい。狂いそうなのよ!」

 麗華はスキージャージを脱いだ。その途端に愛液の匂いが真澄の鼻に突き刺さる。そして誰もが驚異に思える程の巨根が、更に大きく伸び上がった。そして二人はそのまま立位で始めてしまったのだ。

 「真澄・・・。」

 家族全員が唖然とする中、二人は激しいセックスを始めてしまったのだ。



 「もういいかしら?」

 弥生はすっかり全裸になってしまっていた二人の衣服を集めていた。

 「アッ・・・。」

 やっと正気を取り戻した麗華は恥ずかしそうにしていたが、それでも歓喜の笑顔と涙を見せていた。そして手渡されて衣服で身体を覆うのだった。

 「それにしても・・・。」

 全員が真澄を見つめていた。父も祖父も驚きの表情で真澄の乳房を見つめていた。

 「ねえ、義父様。私達のオッパイは大きくて恥ずかしいのに、真澄のは・・・。」
 「そうよねえ・・・。私達は奥さん達の仕事を手伝う必要からこの程度で済んでいるのよ。これでは家畜並みで・・・。」

 弥生は照れ臭そうにしている真澄の乳房をさすり、そして僅かに麗華の体内からはみ出ている部分のペニスに触れていた。

 「凄いのねえ・・・。ホルモン処置の出来る筈がないのに・・・。そしてこのオチンチンの真珠。麗華さんから聞いていて、それが真実だとは分かっていたけれど、実際に見ると素晴らしいわ。これが氣の力? 麗華さん、伝える事は出来ないけれど、私は素直にインユエさんという人に負けを宣言するわ。大体真澄の素質を分からなかったのですから。人間の命の力の凄さを教えられたわ。」
 「ウフッ、インユエさんが聞いたら喜ぶ。ママさんや大ママさんの事はロンシー、アッ、真澄ね。真澄から知っていたから、絶対に勝ちたいって頑張っていたよ。だけど私が一番嬉しい。私、真澄の為なら何でもするよ。氣は心、本当ね。こんなに氣が充実したのは久しぶり。この世界に来てからは初めて。ママさん、大ママさん。私、真澄と一緒なら二人の仕事、一所懸命手伝える。」
 「リィホワさん? ママ達の仕事を手伝うの? 今迄もしてたの?」

 真澄は辺りの寒さに気付いて立ち上がった。

 「早くロッジに向かいましょう。色々真澄に話を聞きたいし、いくら熱い二人でも風邪をひいてしまうわ。」

 真澄達は照れ臭そうに繋がったままで弥生のワゴンに向かった。

 「エッ・・・?」

 誰もが不思議そうに二人の歩行を見つめた。

 「何? アッ、リィホワさん。抜かないと・・・。」
 「そうね。だけど無理なのはロンシーも分かってるでしょ?」

 愛は不思議そうに尋ねた。

 「真澄、あなた達、繋がったままというのは分かるわ。あれだけ大きく成っていたら、簡単には抜けないわね。だけど、どうしてそんなにスムーズに?」
 「スムーズ?」
 「ほら、二人は繋がったままなのよ。ピッタリと息が合って・・・、まるで普通に歩いている。」
 「アハッ、そうか・・・。」
 「分かったわ。」

 弥生が大きく頷く。

 「愛、美麗さんと竜一・・・、ピンクと言った方が分かるかな? あの夫婦と同じなのよ。真澄、あなたは舞踊を習ったっていたのよね? そして麗華さんは兵士、いわば戦士だわ。踊り子と戦士の組み合わせ。」
 「ああ・・・、そうか・・・。それで。」

 真澄は愛達がなぜ納得したのか分からなかった。

 「真澄は麗華さんと踊りを踊っているのよ。セックスの踊り。だから真澄一人だとアンバランスで動きが悪くても、踊りを踊っているのだから、動きがいいのよ。だとすると・・・ウフフ・・・。」
 「大ママさん、何? 何だか変な笑いよ。」
 「麗華さん、あなたの武術も素晴らしい・・・と言ってもいいのかしら? 麗華さんの武術は、真澄と繋がったままでも、と言うよりも繋がったままの方がいい動きになる筈。それだけで素晴らしい性の舞踊ね。」

 麗華はまだ首をひねっていた。

 「麗華さんは表のお仕事の時、張り型を挿れたままでするのよね? だけどこれからは真澄を挿れたままで出来るのよ。」
 「ちょっと待て、下さい。私、ロンシー、真澄としたままで? それ無理よ。私スケベよ。だけど人前で・・・。」
 「あら、人前って、今はどうなの?」
 「だって、大ママさん、ママさん達は凄いスケベだからいい。だけど、お仕事では無理よ。映画、全然関係ない大勢の普通の人。」

 弥生はニコニコしていた。

 「あなたの時代だったら老師やインユエさんの氣殺で真澄を見えない様にするでしょうね。今は科学の時代。『空間トンネル』という便利な物が在るの。効果時間は短いけれど、映画撮影の時はそれを使えばいいわ。」

 「ヘーッ、そんな物が・・・。アアッ・・・!」

 麗華は顔を輝かせた。

 「リィホワさん?」

 真澄は怪訝そうに麗華を見上げた。

 「真澄、私凄いスケベよ。」

 麗華は嬉し涙を流していた。

 「だけどインユエさん、凄い。きっとこういう事も予知していた。ロンシーの雲体風身は外から利く。ロンシーには出来なくても、私が施せる。」
 「だから?」
 「私、ロンシーに氣殺を施せば、誰にもロンシーが見えない。だから私とロンシーが交合っていても、誰にも見えない。そしてロンシーの舞踊で、私、普通に、ううん、普通以上に良く動けるよ。家に居る時は可愛いロンシーとしていられる。だけどそのままでは外出られない。その時に氣殺使う。」

 「ヘーッ、じゃ、ボクは誰にも気兼ねなく、お姉さんとセックスしていられるの?」

 愛は少し呆れていた。

 「真澄、それではあなたは麗華さんの道具じゃない。活きている張り型よ。」
 「ボクは嬉しい。だって、大好きなリィホワさんといつでもセックスしていられるのだもの。それにママ、このオッパイ、絶対に隠せないよ。それにオチンチンはなおさら。それこそ本当に活きている張り型だもの。だけどボクは家畜や道具みたいに隠れて生活しなくてもいいから、ずっといいよ。こんなセックスの為の身体でも表に出られるから。お姉さん、時々はボクのオチンチンに氣殺を掛けてね。そうすれば女の子として出掛けられる。」
 「アアッ・・・。」

 愛も優美もハッとして気付いた。真澄は家畜や道具並みの身体であるが、表社会に出ていられるのだ。しかも妖精が絡まずにセックスしたままの状態でも表社会で生きていける。それは弥生達にも不可能な改造の結果だった。

 「そうよね。素晴らしい事だわ。ウーン、わが息子ながら羨ましい程の改造だわ。」
 「そうよねえ・・・。ある程度の予感はあったけれど、真澄がこんなに立派に成って戻ってくるなんて・・・。」

 優美も本当に羨ましそうに見つめていた。

 「私のもこんなにいい物に出来れば・・・・。」
 「アッ、お姉ちゃん、近藤を?」
 「当然でしょ? 麗華さんに手伝って貰っているのよ。だけど二人に先を越されたわ。」
 「さあさあ、早く出掛けましょう。多分明日はスキーどころではないわね。あなた達はそちらの車でね。私はワゴンに真澄達を乗せていきますから。どうせ二人は続けたままでしょうからね。」

 真澄と麗華は顔を赤らめていたが、それでも車が動き出すと、その振動に合わせて始めていたのだった。

 「いいわねえ・・・。今迄も家畜や道具にして、羨ましい程のセックスの出来るペアを何組も見ていたけれど、これ程素晴らしいのは初めて。本当に幸せねえ・・・。まさか自分の孫がこんな幸せを得られるなんて・・・。私の改造技術に自信を持っていたけれど、千年以上も前の人に、しかも化学技術の全く無い時代の人に負けるなんて・・・。『氣』の力・・・。凄いものだわ。私も技術を磨かないと。麗華さんから『氣』の力を学ばないと。しかも素晴らしい結果が身近に居るのですから、絶対よ。」

 弥生は意を高めていたが、後ろのシートでは麗華と真澄が凄さまじい、しかも愛情溢れるセックスを続けていた。そして二人の愛の『氣』は後ろから着いてくる愛達の車の乗員達にも感じられるものだった。



・・・・・完・・・・・




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