ボクの恋人は・・・淫魔?



 「ほら、トモミ。掃除当番でしょ。」
 「アッ、そうか・・・。」

 小柄な少年が慌てて黒板に向かい、黒板消しで掃除を始めた。しかし背が低いので、ピョンピョン飛び跳ねながら上の方を消す。

 「ダメねえ。私が消しといて上げるから、トモミはゴミを捨ててきて。」

 背の高い美少女が、その少年から黒板消しを取り上げるのだった。


 ボクは河合智美(かわい ともよし)。心生学園中等部三年生です。クラスで一番背が低く、三年に成ったのに、いまだに声変わりもしていません。制服を着ていないと、小学生に間違われる程です。誰もボクの事を『河合智美(ともよし)』とは呼びません。『可愛いチビ』というのがボクのあだ名です。嫌なあだ名だけれど、そのものズバリなので、反駁出来ません。同じクラスになった『咲庭愛華(さきば あいか)』さん。どうして同じ三年生なのだと思わせられる素晴らしい女性です。どう見ても高校生、いいえ、それ以上の女性なのです。女の子ではなく、完成された女性です。背もモデルの様に高く、そしてとてもグラマーなのです。頭も良く、常に学年トップクラス。そして運動神経も抜群。だから男子生徒の注目の的なのですが、誰も彼女にアタックを掛けません。それは無駄だからなのです。彼女はハッキリと『レズ』宣言をしているのです。特定の人と付き合っている訳ではないのですが、「男は嫌い。生理的に合わない。」とはっきり言っているからです。その意味では、ボクが男らしくないという事で、結構話し相手にしてくれています。誰か居る時には『チビちゃん』と呼ぶけれど、誰も居ないと、『トモミちゃん』と呼ぶのです。愛華さんとお話しするのは楽しいし、それによってクラスの男子生徒の嫉妬心を買う事もないのですが、ボクを男として認めていないという事なのが悔しい事です。ボクだって生理的には男なんですよ。寮の部屋で一人で慰めるおかずだって愛華さんなんだから・・・。



 叶わない願いだとは思いながらも、智美は学内で拾ってきたおまじないの本を読んでいた。恋愛に関するまじないで、キューピッドを召還する魔術という項目に気を引かれた。半ば本気で、その本に書いてあった魔法陣を大きな模造紙に写していた。そしてその中心部に愛華を盗み取りした写真を置き、おもむろにマスターベーションを始めた。

 「ウッ、クッ・・・、こんなのでいいのかなあ。女の人の場合は愛液を滴らせるってあるけれど、男だったら・・・、アアッ、愛華さん・・・。」

 智美は愛華の優しそうな笑みを思い浮かべながら、魔法陣の中に精液を迸らせた。そしてホーッとため息をついた時、魔法陣の中にうっすらと人影が現れたのを見て硬直してしまった。

 「ヘッ・・・? まさか・・・。」

 淡い煙の様な姿だが、それは間違いなく人間の形をしていた。そして頭の中に直接聞こえてくる声がした。

 「我は淫魔なり。我を召還せし者はお前か。汝の望みや如何に・・・。」

 淫魔と名乗る精霊の姿が段々とハッキリしてくる。そしてその顔を上げ、智美と視線を交わした時、智美は勿論驚愕のまま硬直していたが、淫魔も驚きの声を上げた。

 「我、汝の・・・? エッ、チビちゃん? トモミ?」
 「『トモミ』って・・・、愛華さん?」

 淫魔の顔はちょっと様子は違うが、確かに愛華の顔だった。そして淫魔は慌てた様な様子で、部屋の中を見回し、何も言わずに、スーッと姿を消してしまった。
 智美は射精したままの、ペニスを握り締めたままの格好で暫くの間、呆然としゃがみ込んでいた。



 翌日、学校での愛華の様子には何の変化もなかった。ただ、ちょっとよそよそしいかなあという程度であった。それは召還したのがキューピットではなく、淫魔と名乗る愛華だった事を恥ずかしく思うせいだと思っていた。しかしそれは欲情のあまりの幻覚であると思っていたからだった。



 智美には幻覚であっても楽しい遊びであった。学校から戻ってすぐに魔法陣を出して、昨晩と同じ事をしてみたが、全く何の反応もない。少し残念という思いもあるが、やはり幻覚だったと思うのだった。しかしその幻覚を思い出し、楽しめる魔法陣前でのマスターベーションは新しい楽しみであった。

 そして睡眠前にもう一度魔法陣の前でのマスターベーションを始める。勿論一心に愛華の事を思い詰めてのマスターベーションだった。

 「アクッ、愛華さん・・・。」

 精液の迸りとともに、再び魔法陣の中に人影が浮かび上がった。

 「ヒッ、やっぱり・・・?」

 しかし恐怖はなかった。淫魔と言うにふさわしいビザール風の衣装に身を包んだ愛華の姿であった。いつもグラマーでセクシーと感じている愛華を更に扇情的にした姿であった。

 「我を召還せし・・・、アアッ、やっぱりトモミ?」
 「あ、愛華さん?」

 愛華の姿の淫魔は段々と姿をハッキリとさせるが、それでも後ろが透けて見えている。実体ではなく、SF映画の立体映像の様であった。 愛華の淫魔はしゃがんだまま、頭を掻いていた。

 「どうしてトモミが私の事を知ったの? ずっと秘密にしてあったのに・・・。誰に聞いたの?」
 「誰にって・・・。キューピッドを呼ぶ魔法陣だよ。」
 「ところで、それ・・・、いい加減にしまいなさいよ。」

 淫魔は智美の股間を指差した。智美はまだペニスを握ったままであったので、慌ててズボンにしまい込んだ。

 「どうしてキューピッドが魔法陣で呼べるのよ。それにしてもこんなに間違いだらけの、まるで違う魔法陣で私が召還されてしまうなんて・・・。」
 「あ、あのう・・・、どうして愛華さんの姿で? ボクが愛華さんを好きだからその姿で?」

 淫魔はおかしさを堪えられず、笑い出していた。

 「全然知らないのね。私は愛華よ。ううん、正確には愛華の魂の一部と言った方がいいかしら? そうか、やっと分かったわ。」
 「魂の一部? 分かったって?」
 「どうして私がこんないい加減な魔法陣で召還されたかがよ。トモミ、魔法陣で召還する方法に二通りある事を知ってる?」

 智美は首を振った。

 「一つは、当たり前の事だけれど、正確な魔法陣と呪文。今は殆ど廃れているけれどね。第一、召還される魔法陣が違うのよ。私自身、自分を召還する魔法陣を知らないのだから、トモミが知っている訳はないものね。もう一つは簡易の召還方法。一度呼び出し、その魔の姿形を良く知っている者は、二度目からは単に念じるだけで召還出来るの。だけど私自身が不完全な淫魔だから、不完全な陣とトモミの念で呼び出されたのね。私を知っているのは当然だものね。よっぽど強い念だったのね。」

 智美はおそるおそる尋ねた。

 「ねえ、本当に愛華さん?」
 「そうよ。但し、一部なの。」
 「一部? どういう事?」
 「そうねえ・・・、淫魔として、こんな事迄話していいのかしら・・・。まあ、トモミちゃんならいいか。私は完全な淫魔ではないと言ったわね。淫魔と人間の混血児の子孫なのよ。一割程度の淫魔の血が混じっているの。だから愛華自身が眠っていないと、私の部分が魂として抜け出せないの。」
 「じゃあ・・・、愛華さんは知らないの?」
 「そうねえ、多分夢だと思っている。だけど愛華自身も自分に淫魔の血が混じっている事を良く知っているわ。だからあんなにスケベなのよ。」
 「スケベ? 愛華さんが?」
 「アッ、そうか。愛華はそういう風には見せていないものね。だけど本質はスケベ。だって私が混じっていられるのだから。私は愛華の一部だから愛華の心は良く分かっているわ。だけど、まさかトモミちゃんが私を好きだったなんて・・・。私をおかずにしていたなんてね。」

 淫魔は嬉しそうに微笑んでいた。

 「だけど無理よ。私は男に興味がないの。私は・・・・・・、ううん、ダメ。トモミちゃんはあまり男っぽくないから付き合えるのよ。私を召還したという事は、私と付き合いたい、それも男と女としてでしょう? それは無理。最終的には私とセックスしたいのでしょうけれどね。」
 「そんな・・・。」

 まさか淫魔とはいえ、愛華の口から「セックス」という言葉が出るとは思ってもいなかった。しかしそれは確かに目的の最終段階の筈であった。

 「諦めなさい。トモミちゃん自身も、私とは釣り合わないと分かっているでしょ? つらい事になるわよ。」
 「ボク・・・。やっぱり愛華さん、好きだよ・・・。」

 智美は涙声で呟いたが、淫魔は微笑みながら、スーッと消えてしまった。再度召還しようという気は起きなかった。ハッキリと駄目を押された悲しさでいっぱいだったからである。



 翌日、愛華の態度は明らかに変化していた。智美の言葉に一々オロオロしていたのだ。何かを話し掛けようとしては言葉をつぐんでいた。智美は少し悪戯心で、小さな声で囁いてみた。

 「愛華さん、スケベ。」

 愛華はドキッとし、真っ赤な顔で怒った様に震えていた。しかし何も言わずに智美を睨み付けただけだった。智美はちょっと後悔したが、それでも昨晩の淫魔と愛華にやはり関係がある事を悟った。

 授業が終わり、帰ろうとしていたところへ、意を決した様に思い詰めた顔の愛華が話し掛けた。

 「トモミちゃん、あなた夕べ・・・。」

 智美はコクンと頷いた。

 「夢じゃなかったのね。私の魂が呼ばれたのね。」

 愛華はつらそうな顔をしていた。

 「トモミちゃん、やめてね。私はダメなの。トモミちゃんの私に対する気持ちは嬉しいわ。私だってトモミちゃんが好きよ。だけどダメなの。私はあなたと付き合えないのよ。私と付き合うという事は、トモミちゃんの人生を狂わせる事になるのよ。分かっているでしょ? 私には淫魔の血が混じっているのよ。淫魔はセックスのお化けよ。私だって、トモミちゃんを自分の玩具にしたいと思っているわ。だから大変な事になるわよ。」

 真剣な愛華に、智美も真剣になっていた。

 「私には私の中の淫魔を止められない。私自身が淫魔なの。淫魔は嘘はつかない。だけどきっとトモミちゃんを騙すわ。私の玩具にしてしまうわ。約束は絶対にダメよ。淫魔は名の通り魔の物よ。淫魔との約束は必ず実行されるわ。いい? 私の事は諦めなさい。分かったわね。」

 愛華は泣きそうな顔で走って帰っていった。



 夜になって智美は召還を躊躇していた。昼間の愛華の真剣な顔を思い出していたのだ。

 「そうだ。愛華さんは、淫魔は嘘をつかないって言っていた。約束はするなとも言っていた。それなら・・・。」

 智美は魔法陣を広げ、マスターベーションで淫魔を召還した。

 「はい、今晩は。だけど、ダメって言っておいたでしょ?」
 「愛華さん、淫魔の愛華さんは嘘をつかないの?」
 「そうよ。昼間言った通りよ。昼間の愛華には理性があるわ。だからトモミちゃんを心配していたのよ。だけど今の私は愛華自身の本音よ。私は本当にトモミちゃんを玩具にしたいと思っているのよ。玩具の意味は分かる? セックスの玩具の事よ。」

 智美は少し恥ずかしそうに頷いた。

 「愛華さんは本当にボクの事が好き?」
 「好きよ。だから困っているのよ。」
 「どうして?」
 「私って、とてもスケベなのよ。淫魔はセックスが大好きなのだけれど、案外貞淑なのよ。つまり、誰かと結ばれたら、一生愛し続けるの。つまり必ず夫婦になるのよ。だからトモミちゃんが私を好きという事は、私と夫婦になる事なのよ。トモミちゃんにはもっといいガールフレンドが現れるか知れないのよ。それを、今の時点で私と夫婦になる事を決めてしまうのは早過ぎない?」
 「夫婦? ボクと愛華さんが?」

 むしろそれは智美には理想だった。

 「昼間言ったわよね。私と約束したら、必ず実行されるって。トモミは結婚という事が分かっている? ただセックスするだけではないのよ。やがては『赤ちゃんを産む』のよ。」

 智美の心は決していた。淫魔との約束で、愛華を自分のものに出来るのだ。

 「約束する。ボクは愛華さんが大好きなんだ。結婚したい。」
 「あーあ、とうとう言ってしまったのね。私としてもとても嬉しいけれど、トモミちゃんは結婚やセックスの本当の意味を知らないのに。」

 呆れ顔で肩をすくめていた。

 「私は淫魔よ。セックスに関してはトモミちゃんを幸せに出来るけれど、どんな望みがある?」
 「望み?」
 「だから、私は淫魔よ。セックスに関する事なら魔力が効くの。そうねえ・・・、トモミちゃんはオッパイが好き?」
 「エヘッ、大好き。愛華さんはオッパイ大きいでしょう。だから好きになったの。」
 「トモミちゃん、『オッパイ欲しい』? 『これよりも大きく出来る』のよ。」
 「大きく出来るの? ボクはうんと大きなオッパイがいい。そうして欲しいよ。」

 愛華は微笑みながら頷いた。

 「それも約束よ。約束は必ず実行出来るの。だけど、少し時間が掛かるわ。楽しみに待っていてね。」
 「セックスって知っているわよね。トモミちゃん、『オチンチン挿れたい』?」

 さすがに淫魔の愛華の露骨な質問には顔を赤らめていたが、それでも大きく頷いた。

 「分かったわ。うんと気持ち良くして上げる。だから『オチンチンを大きくして挿れて上げるわ』。」

 智美は内心、飛び上がる程嬉しかった。淫魔との約束は必ず実行されるという事は、愛華とセックス出来るという事なのだと思っていた。

 「トモミちゃん、私の家を知っているわよね?」
 「うん。」
 「今の私は魂だけ。残念だけどね。明日私の家にいらっしゃい。色々とお話もしたいし。」
 「いいの? 淫魔でない愛華さんの方は?」
 「愛華は私。本体の愛華は眠っているけれど、呆れているわよ。」
 「呆れてる?」
 「だって、私は・・・、本体の私の事よ。私は淫魔だから、ひっそりと生きていくつもりだったの。トモミちゃんの事は以前から好きだったけれど、淫魔だという引け目でレズを演じていたのよ。そうする事で、私自身がトモミちゃんに諦めて貰おうとしていたの。私は『レズではない』わ。だけどまともな結婚は出来ないから、凄く悲しかったの。だけどまだ問題があるのよ。明日お話しするわ。もう約束してしまったのだけれど、私は凄いスケベなのよ。信じられない程のスケベよ。淫魔だから当然なのだけれど。『本当のセックス』はまだ先だけれど、私はS。トモミちゃんはMの気があるから巧くいくとは思うけれど、結構ハードよ。いいのね?」
 「いいよ。そうだよね。オチンチンが大きく成らないと、愛華さんとは合わないとは思うよ。」
 「そういう意味じゃないの。だけどいい相性のセックスは出来る様に成るわ。私の魔力でね。」

 愛華の微笑みの奥には冷たい輝きがあった。しかしのぼせている智美には分からなかった。

 「それでは淫魔としての私との契約する?」
 「契約?」

 智美は少しひるんだ。魔の物との契約という言葉に恐ろしいイメージが湧いた。しかし淫魔はニコニコしていた。

 「契約と言っても簡単。魂をよこせとか、血を使う訳じゃないのよ。」
 「契約は勿論いいよ。ボクは愛華さんと結婚出来るなら、どんな事だって。」
 「有り難う。じゃあ・・・。」

 愛華は少しブルっている智美の額に軽い口付けをした。

 「はい、これで契約完了よ。」
 「ヘッ? いいの?」
 「私とトモミの間で、絶対に守るという確認なのよ。じゃあ、明日。いらっしゃいね。」

 そう言って、スーッと消えていった。

 「アッ、愛華さん・・・。」

 まだ半信半疑ではあったが、それでも愛華を恋人に、それ以上に結婚出来るかも知れない、結婚に伴うセックスに鼻の下を伸ばしたままで、なかなか興奮が冷めず、眠りにつけなかった。



 次の日は土曜日。学校は休みである。遅く迄眠れなかった智美だが、朝早く目が覚めた。しかしなかなか愛華の家へは出掛けられない。出掛けようとすると心臓が早鐘の様に鳴り、躊躇してしまう。下半身は激しい催促をしているのだが、それを解消しようとは思えなかった。 お昼に近くなり、やっと意を決して出掛ける事にした。それでも愛華のマンションの前を何度も行ったり来たりし、辺りを伺いながら中へ入る。そして愛華の部屋の前でもチャイムを押す事にも躊躇していた。

 (どうした、智美。愛華さんとの結婚が掛かっているんだぞ。淫魔が、ううん、愛華さんが約束してくれたんだ。)

 チャイムを押したが、ちょっとの間の時間がとても長く感じた。そしてドアが開き、愛華が驚いた顔をして智美を見つめた。

 「トモミ・・・。」

 愛華は慌てて通路を見回し、誰も居ない事を確認し、智美を引きずり込む様にして中に入れた。

 「トモミ・・・、やっぱり来たの?」

 智美はコクンと頷いた。愛華は肩をすくめ、部屋の真ん中のソファーに座り、智美を招いた。

 「トモミがここへ来たという事は、全て分かってしまったのね。」
 「あ・・・、愛華さんが淫魔だって事?」
 「そうよ。とうとうバレちゃったのね。遅かれ早かれ分かるとは思っていたけれど、こんなに早いとは思わなかったわ。」

 しかし愛華はニコニコしていた。

 「私はトモミが私の事を好きらしい事は分かっていたし、私もトモミが好きだったわ。だから、高校生に成ったら、トモミが『付き合って』って言い出すか、或いは私から言い出すか考えていたの。それがいきなり正式の申し込みなんだもの、驚いたわ。」
 「愛華さんがボクを好きだって、本当?」
 「そうでしょ? アッ、そうか。トモミは召還の事を知らないのに呼び出してしまったのよね。この前も言った様に、あんなに不完全な召還方法で呼ばれるには、互いに好き合っていなければ出来ない事なのよ。だけど本当にいいの? 私はとてもスケベよ。トモミが思っている様な、清い交際なんて無理なのよ。」
 「ううん、ボクもスケベだよ。大好きな愛華さんとHな事が出来るなら最高。」
 「そうよね。もう契約してしまったのだもの。私がどんなにスケベか、教えて上げるわ。トモミ、裸になりなさい。」
 「エッ?」

 いきなりの愛華の言葉に、さすがに腰が引けてしまう。

 「と言っても、最初からは無理よね。上だけでいいから脱ぎなさい。」

 智美はある程度の期待もあり、愛華の言葉に従った。

 「フーン、男の子にしてはいい肌ね。それにしても筋肉は弱そうね。トモミ、手を後ろに回して。」
 「手を?」
 「だって私はSだって言ってあるでしょう? 縛るのよ。」
 「ワッ、愛華さん、本格的。」

 アダルト雑誌では知っているが、緊縛はSMの導入である。Mの気のある智美としては、縛られている女性の方に心情的には近かった。それで素直に両腕を後ろに回したのだが、愛華はロープではなく、特殊なベルトで腕を縛り付けた。

 「ヘッ? これは?」
 「本格的でしょう。ロープと違い、擦れたり強く締め付けないでもガッチリ縛れるのよ。」

 それぞれの手首を締めたベルトはもう一方の腕に巻き付けられて固定される。柔らかい素材なので痛くはないが、両腕はしっかりと繋ぎ合わされている。

 「さあ、トモミ、これだけでもあなたの自由はないのよ。だからこれから私にどんな事をされても抵抗出来ないわ。」

 智美にとってはSMごっこの始まりだと思い、素直に嬉しがっていた。

 「トモミは私が淫魔の血を引いている事は知っていたけれど、それ以上は知らなかったのよね。魂だけの淫魔は嘘をつかないのも知っているのだから、もっと聞いておけば良かったのにね。そうしたらこんなに素直に喜んではいられなかったでしょうね。だけど私には都合が良かったわ。」

 愛華はいきなり智美のズボンに手を掛けた。

 「愛華さん・・・?」

 智美としては期待していた出来事だったが、それにしてもあまりに性急な愛華の行為に驚いていた。

 「トモミのオチンチンは私に見られているのよ。」
 「だけど・・・、愛華さんのイメージから・・・。」

 後ろ手に縛られていては智美に抵抗は出来ない。もっとも、抵抗する意思などはなかった。ズボンとパンツを膝の所迄下ろされ、勃起していたペニスをグイッと握られた。

 「アハッ・・・。」

 愛華はベッドの方に引き寄せたので、智美はベッドに顔を埋める姿勢になった。そしてペニスを握っている愛華の掌の感触に興奮していた時、いきなり予想外の事が起きた。肛門に何か細い異物を挿し込まれたのだった。

 「ヒギッ? 何?」

 慌てて起き上がろうとすると、ペニスをしっかり握り込まれて、起き上がれない。

 「私はトモミを虐めるSなのよ。最初から楽しませたりしない。ほら、浣腸よ。」
 「か、浣腸?」

 気付いた時には冷たい液が直腸の中に注入されてしまっていた。

 「ヒーッ! ダメーーッ!」
 「ダメと言っても、もう遅いわ。ほらね。」

 愛華は潰れたイチジク浣腸を見せた。そして智美には強い便意が沸き上がっていた。

 「ヒーッ、トイレーーーッ・・・!!」
 「さあ、ズボンとパンツを脱ぎなさい。そうしないとおトイレには行かせない。」

 智美は言われる迄もなく、膝下にずり落ちているズボンを蹴り脱いだ。

 「それとね。私は淫魔。これも約束よ。これからもずっと私と一緒に居る訳よね。だったら私とだけの時は、トモミは裸で居る事。着てもいい時は私が着せる物の時よ。いい?」
 「いいよーーーっ!! だからおトイレ!!」

 愛華はニッコリとしてトイレのドアを開けた。智美は慌ててトイレに入ったが、ドアは愛華が開けたまま覗き込んでいた。

 「あっ、愛華さん、ドア閉めて・・・。ダメーッ!!」

 覗かれている精神的抵抗も、強い便意にはかなわなかった。智美の悲鳴に似た呻き声は、激しい排泄音にかき消されてしまっていた。



 後ろ手に縛られている智美は便座から立てないでいた。ただ泣きじゃくったままで、ビデの温水が尻に当たって、やっと意識を取り戻したのだった。

 「愛華さん・・・、ひどいよ。」
 「何がひどいのよ。私はS。浣腸なんて、SMの初歩よ。私の玩具に成るという淫魔との契約を忘れた?」
 「だって・・・、こんな事だとは・・・。」
 「こんなのは軽いものよ。さあ、もっと虐めるわよ。出ていらっしゃい。」

 智美は渋っていたが、愛華が萎えてしまったペニスを引っ張ると、智美は引きずられる様にトイレを出た。そのままソファーにうつ伏せに押し付けられ、腰の部分をロープで縛り付けられる。智美はソファーにくくり付けられた格好で、尻を振るわせるだけだった。その間も、ただ恥ずかしさで嗚咽を続けていた。

 「トモミは奥手だから、こんな物は知らないわよね。」

 愛華は薄い木箱を広げた。中にはズラッと黒い棒が並んでいる。クレヨンを大きくした様な形で、太さが1p程の物から5p以上の物迄がきちんと並べられている。勿論智美には分からなかったが、黒いエボナイトの輝きは何か淫靡なイメージを受けた。

 「1.5pだと指の太さかしら。2pだとトモミのオチンチンね。この3pだとウンチの太さよね。だから3pは簡単に挿れられる筈なのに、精神的な抵抗が強いと、お尻の筋肉がきつくなってしまうのよ。」

 その言葉に智美はその棒の用途がやっと分かった。

 「挿れる? まさか・・・?」

 愛華は小瓶の蓋を開け、一番細いブージーにネットリした液を塗り付けていた。

 「ギャッ! ヤダーーーッ!!!」

 智美は必死に起き上がって逃れようとしたが、後ろ手に縛られ、ソファーにくくり付けられているので、愛華が尻の割れ目を広げ、肛門を剥き出しにされても、足で蹴ろうとしても、膝で押さえ付けられてしまう。

 「ヒッ・・・・・? ギギッ・・・・・。」

 強い異物感が智美の肛門を襲った。一番細い1pのブージーの筈だが、肛門はちぎれる程の痛みが広がる。先端の細い部分がズルッと通り過ぎた時、少し痛みは減ったが、強い異物感は強い便意となった。

 「ダメッ、やめて。ウンチが・・・。」
 「その為に浣腸をしたのよ。いきばっても、もう出ないわ。それにいきばった方がブージーは挿れ易いし、肛門拡張も進むのよ。但し、少し痛むけれどね。」
 「肛門・・・拡張・・・。」

 それは智美には強いショックの言葉だった。エロ本で話は知っている。お尻の穴を広げて悪戯される事である。Mの気の智美としては楽しい妄想であったが、妄想の果てはM奴隷と化すのである。本でしか知らない知識は智美を催眠術に掛けてしまうかの様に、自己暗示でM奴隷に成ってしまうのである。
 愛華はブージーの抜き挿しに合わせてペニスを揉みしだいていた。しかし決して達する程には刺激を与えない。智美としてはオスペの心地良さがブージー挿入と同時に味わえているのだ。肛門挿入の快感と錯覚させるのだが、すぐに本物の快感となってきていた。

 1pブージーはすぐに緩くなる。スッと抜き去られた時、強い快感があったが、同時にオスペも終わってしまうので、不可解な空虚感に襲われる。潜在意識では次の挿入を待っていたので、1.5pの太さのブージーに代えられると、ずっと強い痛みを感じるのだが、肛門を通り過ぎた快感は、まだオスペをされていないペニスが如実に語っていた。愛華にはすぐに分かり、弱い刺激のオスペを続けるのだった。智美は早く達したいのだが、愛華の指はじらす様な動きである。

 「トモミ、気持ちいいんでしょう。」
 「グッ、そんな事ない・・・。やめて・・・。」
 「今日は3p迄拡げるわよ。これからも毎日肛門拡張を続けるわ。さあ、次は2p。」

 「ギヒッ、痛いっ!!」

 さすがに2pとなると、快感よりも強い痛みである。そして激しい便意で肛門に力が入るので、いつ迄も痛みが続いていた。

 「うーん、初めてだから、なかなか拡がらないわね。時間はたっぷりあるから、無理する事はないわね。一応2pなら、『挿れる』だけならOKだし・・・。」

 愛華は智美にブージーを押し込んだまま、別の大きな箱から何かを取り出した。オスペが中断された不満は智美自身は気が付かなかった。愛華の出した物は男性用の革のT字帯である。肛門部には明らかに男性器を模した物が取り付けられている。太さは2p程であるが、肉色のその物は卑猥な限りだった。

 「ワーッ、そんなのイヤーーッ!」
 「ブージーはそのままでは抜けてしまいますからね。これは一番細い物よ。ブージーは肛門をある程度迄拡げるけれど、持続させるのはT字帯で。もっと拡がれば、完全な拡張機能付きのT字帯にするわ。」

 愛華はT字帯のベルトを智美の腰に巻き付け、ブージーを抜くと同時にその張り型を押し込んだ。肛門はある程度拡がったままなので、張り型はそれ程の抵抗もなく填まり込む。智美にとってはブージーのエボナイトの硬さでなく、少し弾力のある張り型の方が痛みは少なかった。しかしブージーの様な治療器(?)でなく、明らかなオトナの玩具である事が強い屈辱感として心を苛んだ。T字帯の紐は二股に分かれていて、ペニスの両側から腰のベルトに取り付けられる。ベルト自身にも強い弾力があり、息んで張り型を押し出そうとすると、逆のベルトの弾力で張り型が直腸に深く填まり込んでしまうのだった。

 「はい、暫くはこのままで居なさい。」

 愛華はロープを解いて少しだけ智美に自由を与えた。しかし後ろ手で縛られている智美にはT字帯を外す事が出来ない。もっとも、智美の手が自由でも、智美自信には外し方が分かる物ではないのだ。

 智美は中途半端なオスペの為、勃起したままのペニスを揺らしながら、息んだり尻を揺すったりしていたが、全て無駄な努力であった。

 「愛華さん、やめて。外して・・・。」
 「ダメよ。トモミは私と・・・、ううん淫魔と契約したのよ。悪魔との契約と同じなのよ。絶対に解約出来ないわ。トモミは私のセックスの玩具に成るって契約よ。魂を奪う訳ではないけれど、契約した以上、トモミは私の玩具なのよ。」
 「だけど・・・、どうしてこんな事・・・。」
 「すぐに分かるわ。ところで少しは馴染んだ?」
 「馴染む訳なんか・・・。」
 「痛みは減った?」
 「ウッ、それは・・・。」
 「そのT字帯は初心者用だから、大した機能はないけれど、こういう事は出来るのよ。」

 愛華は手に管の付いたゴム球を握っていた。そしてその管の先端をいきなりT字帯の張り型の部分に挿し込む。訳の分からない智美だが、それでも何か不安を感じていた。愛華がゴム球を握った途端、肛門に強い圧迫感を感じた。

 「イテテ・・・?」
 「張り型が膨れるのよ。3pになるけれど、弾力が強いから、ゆっくりと肛門が拡がるわ。」

 智美が慌てて尻を振り、空気注入に逆らおうとした時には、既にいっぱいに膨らまされ、激しい便意に襲われていた。太いブージーの挿入とは違い、痛みは少ないが、それでも強い異物感は苦痛よりも汚辱感の方が強かった。

 「愛華さん、本当にお尻が痛いんだよ。どうしてこんな事を・・・? お尻が拡がっちゃうよ。」
 「静かにしていなさい。ちょっとそのまま待っていなさい。私も支度をしてくるから。」

 愛華はニコニコしながらクローゼットに入っていった。


 暫くして出てきた愛華の姿に智美は驚いた。愛華は硬い黒のレザーのボンデージだった。大きな乳房の上半分が覗いていて、キュッと締まったウエストと丸い形の良いヒップ、ボディーラインのハッキリしたボンデージファッションだった。そのセクシーさに智美はただ見入っているだけだった。

 「どう? トモミに初めて見せるのよ。」
 「綺麗・・・。」

 愛華を恋人に出来たという嬉しさはずっとあったが、それがこんなにグラマーでセクシーだと言うことは晒け出させられているペニスもハッキリと示していた。

 「それじゃ、約束していた別の事をしましょうね。」
 「別の?」
 「トモミはオチンチン挿れたいって言っていたわよね。」

 予想外の言葉に智美はボーっとした。セックスはずっと先と聞かされていたのが、出来るかも知れないと思ったのだ。

 「だって、セックスはまだ・・・。」

 愛華はニコニコしながら、智美のT字帯を緩めた。グイッと引き抜かれると、大きなおならの様な音とともに太くなった張り型が飛び出た。痛みは感じたが、それ以上の快感があった。

 「ウフフ・・・、オチンチン挿れて上げる・・・。」

 智美は心臓が激しく脈打つのを感じた。そして愛華はビザールの下腹部を開いた。

 「・・・・・・・??!!」

 智美は硬直した。口をパクパクさせたままで声が出ない。

 愛華の剥き出しになった下腹部には在り得べかざる『物』が存在した。しかも智美の『物』よりもずっと大きく、完全脱茎の逸物が勃起して智美の方へ突き上げていた。

 「そ・・・、それ・・・。まさか・・・。」

 震えながら智美はやっと声が出せた。

 「お、玩具・・・?」
 「玩具じゃないわ。本物よ。トモミはオチンチンを挿れたいって言ってたわよね。それも契約よ。」

 呆然としている智美の腰を押さえ付け、うつ伏せにソファーに押さえ付けた。そして突き出された尻にその肉棒が押し当てられた。

 「ギッ・・・・・・、クグッ・・・・。」

 あまりのショックに悲鳴も出ない。そして作り物ではない暖かくて強い弾力のある異物が智美の肛門を貫いた。

 「グ・・・、ハッ・・・・・・。」

 それと同時に押し出される様に涙が溢れ出る。オカマを掘られたショックも強いのだが、それ以上に愛華が男だったという事に精神が弾けた。愛華は軽いピストンを始めた。智美には初めての経験が肉体的快感として感じた。精神が翔んでしまっているので、肉体的快感は素直に智美の全身に走る。愛華も数回のピストンで強い高まりを示し、最後に強く押し込んだと同時に暖かい液体が塊となって、直腸から大腸へと迸った。そして同時に智美のペニスからも同じ液体が迸り出た。



 智美が意識を取り戻した時、智美は愛華の膝の上に座って抱かれていた。肛門にはまだ愛華のペニスが填まり込んでいる。そして愛華は智美のペニスを揉んでいた。心地良い快感だったが、智美にはつらい快感だった。

 「愛華さん・・・、愛華さんは男だったの・・・?」
 「ウフフ、驚いたでしょう。」
 「だって・・・。」

 智美はずっと泣きじゃくっていた。

 「愛華さんが男だったなんて・・・。約束したでしょ? 結婚してくれるって。男同士じゃ・・・。」

 愛華は笑いを堪えられなかった。

 「アハハ・・・。トモミ、淫魔の契約は絶対なのよ。私とあなたは結婚出来るの。ううん、結婚する事は決定している事なの。」
 「どうしてだよ。結婚って・・・。」
 「そう、約束したわね。まだ先だけれど『セックスして子供を産む』って。安心なさい。私は淫魔。『性転換出来る』のよ。『私のママ』も『元は男』だったのよ。」
 「エエッ・・・?」
 「『女に成る』には、私は沢山精液を出さなくてはならないのよ。今迄も時々は出していたけれど、私達淫魔はオナニーでは出せないのよ。だからどうしても溜まって出したくなった時にはママのお尻に出していたの。」
 「エッ?」

 智美にはその意味が素直には理解出来ず、填め込まれている愛華のペニスから逃れようともがくのだが、愛華にしっかり抱かれている事と、両手を拘束されていて、しかも肩を愛華の形の良いバストで押さえ付けられているからだった。

 「私達淫魔は性に関しては、確かに凄い変態ね。だけど貞操観念も強いの。だから女の子にセックスで射精する事はダメなの。だって、セックスは結婚を前提にしていますからね。それに例え自分の母親でもセックスでの射精はタブー。だからアナルセックスでなの。お尻にオチンチンを挿れるのはセックスではないものね。だけど、誰でもって訳ではないのよ。私はママが好き。ママも私を愛してくれているわ。私はトモミが好きだし、トモミも私の事を好きでしょ? だから私のオチンチンを挿れたいのよ。」

 トモミはまだ誤解している。愛華も誤解させる様に言っているのだが。それでも再び明るい希望を沸き上がらせ、アナルセックスの快感を少なくとも肉体的には素直に悦べる様になった。愛華に抱きかかえられているのは精神的な幸せであり、肛門をペニスが貫いているのは、初めての肉体的な快感であった。そして自分のペニスを優しい愛華の手が愛撫している。ギリギリに勃起した智美のペニスは理性を失わせ、涙もいつの間にか悦びの涙に変わってきていた。

 「愛華さん、おなかの中が暖かい・・・。」
 「そうよ。淫魔の精液は普通の精液と違うの。凄く濃くて量が多いという事もあるのだけれど、栄養価が高いらしいのよ。多分トモミは私とアナルセックスをした日は食事をしないでも大丈夫の筈よ。私は今迄は射精を押さえていたわ。だから精液量も多くなかったけれど、これからは出来るだけ沢山出す様にするわ。その方が早く『女に成れる』から。そうなるとトモミは食事はしない方がいい。だって過栄養で太ってしまうわ。」
 「アハッ。 淫魔って便利なんだね。」
 「別に便利な訳ではないのよ。素晴らしいセックスの出来る身体なのよ。ウフッ、多分私はトモミに沢山精液を出したいと思う。食事の時間も勿体ない程にね。まだトモミのお尻はきついわ。私としてはもっと激しいピストンをしたいの。それに沢山精液が出せる様に成るには、ある程度は私のオチンチンも大きく成るの。だからもっと拡げるわよ。」
 「グッ、じゃあ、愛華さんはまだボクのお尻に?」
 「ダメ?」
 「やだよ。抜いてよ。ボクはまだセックスした事がないのに、最初のセックスがオカマを掘られる事だなんて・・・。それも大好きな愛華さんに・・・。ボクは男だよ。例え愛華さんが男だとしても、それが・・・。」
 「私の事、嫌いになった?」
 「違うよ。今でも愛華さんは好き。だからこそボクの方から・・・。」
 「そんなに不快?」

 ちょっと智美は言い淀んだ。

 「それは・・・。エヘヘ・・・。 ボク、オカマさんの気持ちが良く分かったよ。男は女の人の中にオチンチンを挿れるんだけれど、挿れられるのがお尻でも、とても気持ちいいって。だけど、癖になったら困るよ。そうでないと、ボクはオカマに成ってしまう。オカマじゃ、愛華さんと結婚出来ないよ。」
 「大丈夫よ。アナルセックスの気持ち良さとオカマさんは別よ。精神的に男の人を好きになるのがゲイでしょ。ゲイではオマンコでのセックスが出来ないからお尻でするのよ。『女に成って』セックスが出来る様に成ったら、多分私は凄いスケベだから、ずっとセックス浸りに成っているわ。だけど私がS、トモミはM、悲鳴が出る程のセックスをするわよ。勿論お尻だけでなく、『前の方』も激しく責めるわよ。」



 二人は暫くの間、ただ後ろ抱きで抱き合っていた。そして智美にも分かる程に愛華のペニスが再び硬く、大きく成ってきた。

 「アアッ、愛華さん、またオチンチンが・・・。また出したいの?」
 「分かる? こんなに続けて出したくなるなんて初めてよ。こんなに気持ちのいいものだなんて知らなかった。」
 「やっぱりダメ。いくらボクが男らしくなくても、愛華さんに何度もオカマを掘られるのは。」
 「ダメよ。私の玩具なんだから。私がしたい様にする契約よ。それにトモミも気持ち良さを知ってしまったわ。始めたら夢中になるものね。」

 愛華は智美の腰を持ち上げ、再びアナルセックスのピストンを始めた。

 「あーん、ダメなんだよ。気持ち良くなっちゃう・・・пv

 いつの間にか智美の方から腰を揺すり始め、尻を前後し始めていた。そして直腸内の愛華のペニスが激しい脈動をした途端、再び熱い塊が大腸に押し込まれた。同時に押し出される様に智美のペニスも熱い迸りが噴出した。涙は暖かい涙だった。そして智美は心の底からアナルセックスの快感を嬉しいと感じていた。
 暫くは四つん這いのままで、背中の愛華の体重を心地良く感じたままジッと余韻を楽しんでいた。

 「トモミ、分かるわよ。あなた、凄く良かったと思っているわ。」

 智美は顔を真っ赤にしたまま答えられなかった。

 「素直に言いなさい。私達だけなのよ。嘘をつく必要はないわ。それに私達は結婚する間柄なのよ。これからもずっと変態セックスを続けていくのよ。私は淫魔よ。凄い変態で、凄い気持ちのいいセックスを続ける事が出来るのよ。」

 暫くしてから智美は頷いた。

 「うん、気持ち良かった。お尻にオチンチンを挿れて貰うのがこんなにいいとは知らなかった。だけど、愛華さんだからだよ。だけど何だかボクの方が女に成ってしまったみたい。」
 「そうよね。」

 愛華は微笑んでいたが、笑顔の奥には『インキュバス』の淫猥な悦びが宿っていた。

 幾分の諦めもあったが、好きになり、結婚する事が決定しているので、愛華が女に成る迄と信じている智美としては、それ迄の間は愛華のアナルセックスを許容しようと考えていた。確かに愛華の言う様に、智美にも素晴らしい快感なのだ。繋がったままで居るのはアナルセックスであっても、充実した一体感を感じる。だから再び愛華のペニスが反り上がってきた時、今度は智美は素直に尻を突き出し、後背位の形で愛華はアナルセックスを始めるのだった。

 「クッ、太い?」

 愛華のペニスが今迄よりも太く成ってきていた。

 「フッ、痛む? 私にはとってもいい・・・。」
 「ううん、凄くいい。アクッ? オチンチン搾っていないのに気持ちいい。」

 愛華の精液の影響もあるのだが、智美は完全にアナル感覚に目覚めた。しかしそれも本当は被挿入快感に目覚めたのだった。愛華は自分の意志でペニスの形状をある程度変化出来る。ただ、本当は意識しないで、ペニスのあるがままの姿での性交の方が嬉しいのだが、智美に気付かれずにターニングポイントを迎えねばならない。それを楽しみに快感の減殺を我慢していた。竿の付け根を細くし、先の方を太いままにしておく事で、抜け難いまま、智美の直腸を擦り上げるのだった。



 外はすっかり暗くなっていた。

 「あら、もうこんな時間・・・。」
 「アッ、ボク、帰らなくちゃ。」
 「ダメよ。帰さない。明日は日曜日なのよ。今晩も明日も目一杯楽しむわ。」

 さすがに何回も射精してしまっていた智美は理性が戻ってきていた。快感は快感として認めてはいるが、男としての尊厳も戻ってきていたので、ずっと肛門性交を続けたままでいるのは精神的に抵抗を感じ始めていた。それに後ろ手に拘束されているのでは愛華の豊満なバストに触れず、不満でもあった。

 「フーッ、さすがに疲れたわ。淫魔だから、いくらでも出来ると思っていたのだけれど、肉体その物は人間なのよね。すっかり喉が渇いた。」

 愛華はちょっと惜しそうにペニスを引き抜く。智美にとっては、その瞬間の快感はちょうど排便の様な気持ち良さであった。しかし抜かれていたディオルドを宛てがわれた時に、尻を揺すって悲鳴を上げた。

 「それ、イヤだっ!!」
 「トモミ! あなたは私の玩具だという事を忘れたの? 折角入れて上げた精液が漏れてしまうでしょ。それに、まだまだお尻は狭いわ。もっと拡げないと、私が気持ち良くオチンチンを挿れられないのよ。」

 愛華は強引に張り型を装着させてしまう。智美にとってはアナルセックスには慣れたものの、T字帯は屈辱であった。しかし最初の時に比べれば、嫌悪感も減っており、痛みも殆ど無かった。ただ、無機物であるという事がつらいのだった。

 「ウフフ・・・、トモミの感じが分かるわ。トモミはこのディオルドよりも私のオチンチンの方がいいらしいわね。」
 「そんな・・・。」

 智美は気が付かなかったのだが、言われてみればその通りであった。ゴム送気球で張り型を膨らまされると、ますます被辱感が高まる。ちょうどレイプされた処女が、その後も陵辱され続ける様な気持ちであった。涙と射精と汗ですっかり水分を出し尽くしていた智美はテーブルの水差しから直接飲んでいる愛華を見て、智美も喉の渇きを覚えた。

 「愛華さん、ボクも。」
 「トモミも?」
 「そう。お願い、手を解いてよ。これじゃ、飲み難いよ。」
 「ダメよ。トモミはここに居る間は裸で居て、私が着せたいと思う物だけを着せるという契約よ。T字帯や拘束具は私が着せたいと思っている物なのだから。」

 トモミは不満そうな顔で愛華を見つめていた。

 「『水』は飲ませて上げるけれど、ただ飲ませるのでは芸がないわ。そうだ・・・。」

 愛華の出してくる物は全て智美に不安を与える。T字帯と同じ様に黒いレザーなのでなおさらだった。

 「そ、それは・・・?」
 「恐ろしい? ただの猿轡よ。但し開口猿轡。『水』を飲ませるにしても、私が強引に飲ませるというのではないと、トモミが玩具なんだという自覚が持てないものね。さあ、着けるわよ。」

 智美は首を振って嫌々をしていた。

 「そう、イヤなの。それならもう一つの方の口を目一杯に開くわよ。」
 「もう一つ?」

 愛華の視線が智美の尻の方を見ていた。

 「ギャッ、お尻を?」
 「そうよ。今のは2p。さっき迄は3pだったわよね。3pというのは形良く太く成る太さなの。だけど、もっと空気を入れれば6p迄に成るのよ。但し、弾力が無くなるから、一気に肛門が拡がる。多分裂けてしまうかも知れないわ。さあ、お尻を拡げましょうね。」
 「イヤーーーッ、虐めないで。言う事を聞きますから・・・。」

 愛華はニッコリとして開口具を智美の前に突き出した。口に喰わえる部分が大きく開いた筒状の猿轡である。かなり口を広げたつもりだが、それでもパイプは更に智美の口を押し拡げた。

 「アガガ・・・。」

 口が大きく拡げられていると、悲鳴が思った程には大きくならない。着けられてから、「しまった。」と思う智美だった。それでもまだ水差しから飲んでいる愛華を羨ましそうに見つめ、目で水を催促した。

 「はい、飲ませて上げるわ。」

 しかしなぜか水差しを戻してしまう。その方向をジッと見ていた智美の顔を愛華は両手でグイッと捕まえた。そして智美の顔を愛華の下腹部に引き込んだ。目の前には既に再び勃起している愛華のペニスが迫っている。

 「ラガハッ・・・?」
 「トモミは何も知らないのね。この開口猿轡は何の目的の物か知らないの?」

 それで初めて智美は口のパイプの意味をハッキリと悟った。

 「そうよ。オチンチンを喰わえさせる為の物なのよ。」
 「ガガハーーーッ! ダバッ・・・?」

 悲鳴を上げた時には智美の口の中に生暖かい愛華の逸物が押し込まれていた。悲鳴は完全に遮られた。ただひたすら逃げようとしてもがき、口から息を吹いてペニスを押し戻そうとする。

 「ウフッ、トモミの舌が気持ちいいわ。これだとオシッコでなくて射精してしまいそう。」
 「ブムーーーッ!!」

 智美は気が狂った様に泣き叫び、顔を振ってペニスを振り解こうとするが、愛華は口の奥に更に押し込んできた。

 「いつもはママに飲んで貰っていたけれど、こういう風に抵抗されながらっていうのは格別ね。トモミ、吐き出せないのよ。私達淫魔はオチンチンの形をある程度自由に変化出来るの。亀頭を大きくしたから、猿轡から抜けないわよ。さてと・・・。」

 愛華は少し息んだ。そしてその時、智美の口の中に暖かくて塩気のある液体が広がった。

 「ベフッ、ん・・・・。」

 液体は口いっぱいに充満し、頬を膨らませての容積の限界を超え、その液体は智美の喉を通り抜けていった。智美は痙攣した様に震えながら、精神を弾き飛ばせた。



 智美はただ泣きじゃくり続けていた。

 「いつ迄泣いているのよ。そんなに不味かったの?」
 「バハファ・・・。」
 (オシッコを飲ませるなんて・・・、ひどいよ。)

 愛華はちょっと怪訝そうな顔で智美を見つめていた。

 「まさか・・・、本当に不味かったの? そんな筈はないんだけれどなあ・・・。」
 (美味しい、不味いの問題じゃないよ。オシッコを飲ませるなんて・・・。美味しくたって、オシッコは・・・、オシッコだから・・・。)

 智美は口の中に残っている愛華の尿の味を感じた。それは尿だとは思っていても、とても尿とは思えない。不味いどころではないのだ。むしろ美味として感じてしまう。

 (美味しい? だけどオシッコだよ。愛華さんの・・・。淫魔だから? それとも僕が愛華さんを好きだから? イヤだ。随分と変態な事をしているけれど、愛華さんのオシッコを・・・、しかも愛華さんのオチンチンからのオシッコを・・・。)

 再び智美は泣き出してしまった。

 「良かった。不味い訳ではなかったのね。これからもずっとトモミには私のオシッコを飲んで貰うのに、美味しくなくてはね。」
 「ハバガガ・・・!」
 (ずっと? ボクはこれからもずっと愛華さんのオシッコを・・・。イヤだ。どんなに美味しくたって、オシッコはオシッコだ。ダメッ、どうして涎が出るの? オチンチンを喰わえるなんて・・・。)

 嗚咽を続けている智美の脇に愛華がしゃがんだ。

 「私はトモミが大好きよ。だから私のオチンチンから出せる物はオシッコでも精液でもトモミの体の中に入れたいの。」

 智美にとっては例えオーラルセックスでも、強い一体感を感じるのだが、それでも自分の『物』よりもずっと大きな逸物を喰わえさせられる事は屈辱そのものだった。しかし智美にとってはまだ悪夢の中に居る様な状態だった。泣いている智美を愛華は静かに抱く。ビザールの固い革越しではあるが、豊満な乳房に押し付けられるのは現状に反して気持ちが良いものだった。智美は愛華の胸の中で泣き続けていた。



 暫くして泣き止んだ智美は愛華の胸の感触を楽しんでいたが、ふと下を見ると、愛華のペニスがギラギラと輝いて勃起していた。愛華はつらそうにしていたが、ジッと智美を抱いていた。

 「ガガ・・・。」
 (愛華さん・・・?)
 「何、トモミ?」
 (オチンチンが・・・。)

 智美は愛華の股間に視線を示した。

 「ウフッ、トモミが可愛いので、どうしても・・・。私はオチンチンの形は意識すればある程度は変化出来るの。だけど催してしまうとダメなのよ。」
 (形を?)
 「私は学校では女なのよ。女性なのに股間をモッコリさせておく事は出来ないわ。特に水泳の授業なんかはね。それでも時々は催してしまった時は抜く迄はダメなの。ちょうど今みたいにね。だけどこんなに出したくなるのは初めて。トモミ、挿れるわよ。」

 愛華の顔が再び淫魔になっている。智美はその淫靡な愛華に圧倒され、アナルセックスの再開を覚悟していた。当然T字帯を外すと思っていたのが、いきなり両手で顔を押さえられ、排尿の時と同じ様に開口具にペニスを挿れてきた。

 (ワッ、またオシッコ? もうイヤだーーーっ!!)

 智美は泣いて顔を揺する。ところが今度はペニスをかなり深く迄押し込んできた。亀頭が口蓋を擦り、喉に迫る。

 (ゲッ、苦しい。ダメーッ!!)

 そして愛華は腰を前後し始め、智美の顔を前後させる。口でのピストンを始めた。

 (オ、オシッコじゃないの? ワッ、オチンチンが堅くなったきた。ワッ、ボクの口の中に射精するつもり? ダメだよーーっ!!)

 智美はもがいて逃れようとしていたが、愛華のペニスからヌルッとした生暖かい液が少し出てきた。それが先走りである事は知らないが、それでも射精寸前になっている事は感じられた。

 (精液が・・・ボクの口に・・・。)

 頭がパニック状態だった。ただどうしようもなく愛華のピストンで口の中をペニスで擦られるだけだあった。そして一段と激しいピストンで、グッと喉迄填まり込んだペニスの先から熱い塊が噴出した。それは強い栗の花の匂いで、生臭くて苦い。口は精液で膨らみ、必死に飲み込むまいと耐えた。しかし愛華は精液の最後の滴迄も搾り出す様に更にペニスを突き込んできた。ペニスの先が喉に当たり、智美はのざえる様に喉を開いてしまった。そして口の中の陵辱の液体を男としての自尊心とともに飲み込んでしまった。そして肉体的には目覚めているが、精神的には意識を失ってしまった。



 智美が意識を取り戻した時、両手と口は拘束されたままだが、ベッドに寝かされていた。タオルは掛けられていたが、ペニスを静かに撫でられていた。

 「ハ・・・、ガハッ・・・?」
 「起きたのね。」

 智美は強い汚辱感で再び泣き出した。口の中はまだ愛華の精液が臭っている。何とか吐き出そうと努力するのだが、既に胃を通り過ぎているのが分かった。

 「もう随分夜も更けたわ。そろそろ寝ないとね。明日も朝から楽しむ為にも、しっかりと睡眠をとらないとね。寝る前に今度はお尻にするわ。」

 智美は起き上がって愛華を睨み付け、アナルセックスを拒絶する姿勢を見せた。しかし愛華は逆に智美を睨み返した。

 「トモミ!! 私がすると言ったらするのよ。淫魔としての私なのよ。それとも、お口からの方がいいの? 私としてはどちらでもいいわ。」

 智美は愛華の迫力に押されて縮み上がった。アナルセックスの方がまだましに思えた。渋々T字帯の留め具を突き出した。T字帯を緩められ、張り型を抜かれるのはやはり快感だった。抜かれると肛門はムズ痒く、智美にも肛門がペニスを待ち望んでいる事が分かる。

 「さあ、お尻を突き出しなさい。」

 智美は言われるままにうつ伏せになり、尻を突き上げた。愛華はすぐに後ろからペニスを挿入する。T字帯で緩んでいた肛門はまだ閉じる力も弱く、愛華のペニスはすんなりと入った。

 「フーッ、トモミのお尻はいいわ。まだきつくて力が強い。」

 愛華は腰を前後し始める。智美の方も無意識に腰を揺すり、ペニスを深く填め込む様に動いていた。直腸いっぱいに填まり込み、更に大腸噴門を押し拡げる様に押し込まれるペニスに智美もすぐに夢中になっていった。そして強いピストンの後、激しい突き込みと同時に暖かい塊が大腸に送り込まれた。智美も同時に射精した。激しい快感で気付かなかったが、智美の精液量は少なかった。そして射精快感よりも別の快感にいつ迄も酔っていた。



 翌朝、目覚めた智美は暫く夢うつつだったが、愛華の部屋だと気が付いた時、慌てて起き上がろうとした。しかし拘束具はそのままなので、大きな声も出せない。

 「アッ、お早よう。どう、良く眠れた?」

 愛華の顔は爽やかだった。しかし昨晩のビザール姿ではなく、普通の女子学生としての清々しい服装だった。それでもボディーラインは中学生とは思えないグラマーな肢体であった。

 「ハワアア・・・。」
 (お願い、愛華さん。外してよ。)
 「外して欲しい? もう少し大人しくなったら外して上げるけれど、まだトモミは私の玩具に成り切っていないもの。」

 智美は自由になりたい一心から大きく頷いた。

 「本当かなあ・・・。それなら試してみるわ。」

 愛華はスカートをたくし上げ、パンティーを脱いだ。そしてスカートを持ち上げたままで股間を智美に向けた。

 「ほら、私のオチンチンを喰わえてごらん。出来たなら私の玩具に成ったという事よ。」

 少し勃起している愛華のペニスは智美には嫌悪感はない。しかし自分から喰わえるという事は男としての自尊心を傷つける事だ。だが智美の広げられた口から流れ出している涎は、ただ口を閉じられないからだと思っていた。そして早く自由になりたいという意思から、自分から愛華のペニスに顔を近付けた。

 「ヘーッ、本当に素直になったのね。」

 智美はやっと自分を愛華の玩具と認めてくれたと思った。

 「分かったわ。それじゃあ。」

 愛華は開口具に手を掛けた。やっと外してくれると思ってホッとした途端、愛華はグッと智美の顔を引き寄せ、ペニスを口の中に填め込んだのだった。

 「ブファッ!!!」
 「さあ、朝一番のオシッコよ。」

 そして生暖かい液体が口内を満たし、そして限界を越えた時には再び喉を通り過ぎていた。智美にとり、その尿がとても美味しい事だけは救いだったが、それでも相変わらずの陵辱感に涙するのだった。

 「そうね。朝一番の射精もお口でして貰いましょうね。」

 そう言いながら智美の顔を前後に揺すり、口内をペニスで擦り始めた。だんだん堅くなるペニスから先走りが流れ始める。

 (イヤーッ、精液が出るよ。また飲まされてしまう・・・。)
 「トモミの口もいいわ。アクッ・・・。」

 そして苦い液体の塊が喉を通り過ぎる。智美はただ震えて嗚咽を漏らすだけだった。抵抗は全くせず、為すがままになっていた。愛華はさっぱりした笑顔でペニスを引き抜く。

 「フーッ。最高。私はスケベの血筋だとは思っていたけれど、こんなにスケベだとは知らなかったわ。今迄はせいぜい一週間に一、二度。頑張っても一日二回程度だったの。それがこんなに続けて出したくなるのよ。トモミのお口やお尻がいいのもあるけれど、やっぱり私を好いてくれているという想いと、私が犯したかった可愛いトモミという事よね。射精後の空虚感、罪悪感が全くないのよ。トモミの中に出した後もトモミがいとおしくて。」

 愛華は智美の開口具を外した。智美は泣きじゃくって愛華の胸に顔を埋めた。

 「愛華さん・・・、ボク、どうか成っちゃうよ・・・。」
 「うーん、私と結婚するには、うんと変態に成って貰わないと。私の両親も変態なのよ。私のママも最初は男だったって言ったでしょ? 勿論私が産まれた時には女だったから、ママ達が変態夫婦だとは知らなかったわ。ただ、私にも淫魔の血があるから、どういう訳か、何が変態で、何が普通かは分かるの。」
 「愛華さん、男で平気だったの?」
 「当然でしょ。祖父母も曾祖父母も淫魔よ。どういう結婚をしたかは分かるわ。それに少しだけれど、トモミにも淫魔の血は混じるのよ。だって私の体液を吸収するのですから。もっとスケベに成るわよ。」

 智美は少し怯えた。変態に成るのは仕方がないにしても、淫魔といえども魔物に成るという事は恐ろしい事なのだ。

 「アハハ・・・。魔物じゃないわよ。淫魔についてはかなり誇張されているけれど、普通の人間よ。但し、セックスに関しての能力が強くて、昔だったら魔力とか超能力とか言われる力を持っていたとされるけれど、本当は脳の活性物質を持っていて、頭が凄くいいのよ。それとホルモンを大量に生産出来る体質なの。私が精液を沢山出すと『女に成れる』と言うのも、私が性ホルモンを分離して大量に出すからなのよ。」

 再び智美は誤解した。愛華は精液の中に男性ホルモンを出し、体内に女性ホルモンを残すという風に理解したのだ。

 「それにトモミはつらそうだけれど、私のオシッコや精液の味はどうだった?」
 「味なんか・・・。」

 しかし屈辱の中で思い出してみる愛華の尿と精液の味は信じられない程の美味でもあった。

 「美味しかった筈よ。オーラルセックスだってセックスの一種よ。セックスに関しては素晴らしい体質を持っているのが淫魔なのよ。美味しければ無理矢理ではなく、喜んでオーラルセックスして貰えるでしょ? それに栄養価も高いし、壮快感も感じられる筈なの。気持ちがいいだけでなく、相手の身体の為にもなるセックスなのよ。ただ、智美は私に清純なイメージを持っていたから、いきなりオーラルセックスを、しかも男としての愛華にさせる事は難しかったわ。だけど私はトモミが好き。結婚出来る契約はしたけれど、心が離れていてはどうしようもないもの。だから最初から私の本当の事を『ある程度』知って貰い、それでも好きでいて欲しいと思っているの。」
 「だけど・・・。」

 智美はまだ信じられないでいる。昨日からの驚くべき変態愛華にまだ茫然自失の状態であった。しかし少しは落ち着いてきたせいか、アナルセックスの快感は良く分かっており、嫌悪感は無くなってはいないが、それでもオーラルセックスにも慣れてきていた。

 「フーム、やっぱり私にトモミは必要だわ。こんなに何度も催してしまうなんて。」
 「イヤッ、口は勘弁。お尻の方で。」
 「アハハ・・・。トモミからお尻に催促されるのは初めてね。いいわよ。少しずつ慣れて貰いますから。私もお尻に挿れる方が気持ちいいものね。」

 愛華はT字帯を緩めると、智美も積極的にうつ伏せで尻を持ち上げた。そしてすぐに愛華はペニスを押し込んできた。

 「ハクッ・・・。 やっぱり愛華さんの方が気持ちいい。」
 「そうでしょう。張り型は無生物。私のオチンチンには私のトモミへの愛が込められているもの。」

 愛華は智美の腰を支えてピストンを始めた。そして智美の喘ぎ声が良がり声に変わっていく。被挿入感を快感と感じ、そして射精を受け入れた瞬間は自分自身の男としての射精の快感よりもずっと強く、しかも精神的に昂揚したままの持続する快感であった。



 日曜日の間、二人はずっとアナルセックスを繰り返していた。

 「愛華さん、もう夕方だよ。そろそろ帰らないと・・・。」
 「そうね。残念ね。ねえ、トモミ。このマンションに越してこない? そうすれば普通の日も学校から帰ってきたら、ずっと続けられるわ。」
 「エッ? だけど無理だよ。まさか中学生なのに同棲は出来ないよ。」
 「どうして?」
 「それに同じ部屋で暮らしているなんて知られたら・・・。」
 「気が付かなかった? この部屋は隣の部屋と続いているのよ。隣の部屋はもう一つのドアから出入り出来るから、外から見れば単なるお隣同士よ。トモミにお友達は多くなさそうだけれど、それでも誰かが来てもちゃんとした部屋だから。ちょっと狭いけれど、むしろその方がいい筈よ。それに私とトモミが隣同士でも、誰も私とトモミをカップルだとは思わないわよ。」

 それは智美も同意出来る。美人でセクシーな愛華は誰もがアタックしたいと思っているが、レズだと思われている。そして智美自身は男っぽさが無く、誰だって愛華と変態セックスをしているなどとは思われない筈なのだ。

 「まだ分からない。ボクはこんな事されても愛華さんは大好き。だけどまだ分からない。」
 「いいわよ。部屋はいつでも越してこれるわ。明日からでもいい様にしておきますからね。」
 「じゃあ、手を解いてよ。」
 「どうしようかなあ・・・、ウフッ・・・。」

 愛華は箱の中から別のT字帯を取り出した。今迄の物よりも少し太く、ベルト自体もかなり丈夫に見える。

 「な、何・・・?」
 「帰りたければこれと着け代えるわ。」
 「それは?」
 「私としてはトモミをスケベなままにしておきたいのよ。」
 「・・・・?」
 「これはバイブ機能付きなのよ。しかもリモコン式。学校に居る間、うんとスケベな気分になっているわ。そうすれば大人しく私のオチンチンを挿れたいと思う筈よ。」
 「そんな・・・。痛い?」
 「大丈夫。気持ちいいわよ。ずっとお尻の中で気持ち良く動くの。イヤなら帰して上げない。ずっとこの部屋で私のオチンチンを挿れ続けていてもいいのよ。」
 「ダメ。もう帰る。」
 「それなら。はい、立って。」

 智美は素直に立った。充分に愛華と変態セックスを堪能したし、どうせ愛華はT字帯を着けるのに違いないのだ。気持ちがいいというならそれでも良いと考えていた。

 新たなT字帯は確かに少し太い。最初だったらつらかったろうが、既に張り型と愛華のアナルセックスで伸縮の良くなった肛門にはすんなりと填まり込んだ。少し重いのは、中に何か機械が入っている事を想像させた。ベルトも重く、金属の外を革でくるんでいるらしい。

 (失敗したかな? これは外せないのかも・・・。愛華さんの事だから、気持ち良くなり過ぎると・・・。)
 「ウフッ、そうよ。私にオチンチン挿れさせないと、恥ずかしい程に気持ち良くさせてしまう。」
 「やっぱり・・・。でも、いいよ。どうせボクは愛華さんと離れられないのだから。」
 「まあ、素直。それなら素直ついでに、最後にもう一度お口でしましょう。」
 「ゲッ、もうイヤだよ。」
 「アッ、そう。じゃ、そのままね。いつ迄この部屋に居てもいいわよ。私がお口でさせると言った以上、しない限りそのままよ。」

 智美としては選択の余地はなかった。愛華が言い出した以上、絶対にオーラルセックスをしない限り解いて貰えないのだ。渋々、立っている愛華の股間ににじり寄る。自分からオーラルセックスをするという決断をしたせいか、愛華のペニスからとてもいい香りを感じた。ニコニコしている愛華のペニスを思い切ってパクッと喰わえた。意外と不快感を感じないだけでなく、むしろ愛華の愛を感じる程であった。愛華は智美の顔を掴まずにジッと立ったままなので、智美の方から顔を動かし、ペニスを擦り上げなければならなかった。その為には舌も口蓋も力を込めねばならない。強く吸い上げ、愛華を高めようとする努力は智美を完全にペットと化していた。そしてかなりの時間を掛けて、愛華の高まりの限界が来た。それは智美にも分かり、射精を待ち望んでいる自分に驚くのだった。そして愛華の小さな呻き声と共に口の中に迸り出た精液は愛華の快感であり、智美にも悦びである事に智美自身も驚いた。そして口の中に広がる香しい香りに陶然としていた。

 「美味しい・・・?」
 「フーッ、トモミにして貰うのって最高。さあ、解いて上げる。」

 愛華が智美の腕の拘束を解いている間も、智美は愛華のペニスの尿道の中に残っている精液を吸い出し続けていた。

 「どう? これからも飲めそう?」
 「うーん、分からない。ボクは今、凄くスケベな気分だよ。だからだと思う。まだ夢を見ている様で・・・。寮で少し考えます。」

 智美はやっと自分の服を着る事が出来た。着てしまうと、今迄裸だった事が無性に恥ずかしく、T字帯を着けられている事がとても卑猥に感じた。外せないのは分かっているが、それでも少し揺すってみたりしたが、服を着終えると、顔を真っ赤にして愛華の部屋を飛び出していった。



 智美はどこを走って戻ったのかも覚えていなかった。気付いた時には寮の自分の部屋のベッドの上だった。汗と涙がいつ迄も止まらず、心臓がいつ迄も高鳴っている。肛門の異物感はそのまま恥ずかしさを高めたままだった。その精神の不安定を解消するには眠るしかなかったが、なかなか眠りにつけない。眠れずに悶々としながらも、精神的、肉体的疲労は深い眠りへと誘っていた。






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