「オサム、次は私に。」

 テーブルの上では四つん這いになったオサムが皆に食事をさせていた。尻を突き出し、レイム達がスプーンで肛門の中を掻き回している。そして巨乳は搾乳機でミルクを搾っているのだ。

 「ミーナさん・・・、五本も入れちゃうんだもの、大変だよ。」
 「私も疲れがひどい。皆に食事をして貰おうとしたけれど、精液が溢れ出る程に満腹してしまったわ。」
 「オサム、だとすると精液は無理か?」
 「ええ、今、オチンチンは疲労でいっぱい。搾り出せば出るかも知れないけれど、少し待って下さい。」
 「分かった。無理はしない方がいい。まだ到着迄はかなり日数がある。」
 「あのう・・・、ルーナさん、大丈夫なんですか?」
 「二日程待てば良い。特に今は空腹と精神的ショックで呆然としているだけだ。」

 オサムはレイムに問い掛けた。

 「あのフード、本当にボク用に作った物なんですか?」
 「そうだ。オサムのSM用の仕様になっているだろう?」
 「それはそうなんですが、どう見てもルーナさんに着けさせる為に作られているとしか・・・。」
 「肯定。ミーナが着けてしまうオサム仕様なのだ。私が何をしようとしているかが分かるオサムであれば、その理由も分かるだろう。」
 「ミーナさん、大丈夫なの? ボクはあの餌で性的興奮をして沢山射精するし、精液の栄養にもなるけれど、ルーナさんの場合はどうなるの?」
 「性的興奮は同じよ。但し、オサムの様に射精で治まる訳ではないわ。だからひたすら欲情を続けるわね。」
 「それって危険じゃないの?」

 そこにレイムが精神波を弱めてオサムに集中した。

 「心配は無用。しかしルーナには知らせない様に。****の餌ではさすがにマロエ人には強過ぎる。だからオサムの場合とは別に、含有量は少なくしてある。本当は栄養浣腸でも良いのだが、訓練の為でもある。当分の間はな。」

 オサムも苦笑いをするしかなかった。

 (ああ。空腹でつらい・・・。考えたくない。考えただけで、オサムにはオーラで知られ、隊長達には私の精神波で知られてしまう。確かに外からの精神波は凄く弱く感じる。だけど自分でも分かる程精神波が溢れ出ている。これが抑制されていないとなると・・・。ウッ、隊長、わざと食物を見せて・・・。催してしまったからと言って、オナニーをし過ぎて疲れた。まだムズムズするけれど、してしまうともっと疲労が・・・。アッ、オサム迄がオチンチンを振り回して。だけど・・・したい・・・。ウッ、私の考えは分かってしまうのに・・・。)

 「レイムさん、もうルーナは限界では?」
 「いや、まだでしょう。自我がしっかりしています。オサム、地球の生物でもそうだと思うのですが、性欲は生命の危機が訪れる時に最も強くなるのではないか?」
 「そうです。ある科学者の言葉ですが、『肉体は遺伝子の車』というのがあります。遺伝子こそが最も強い生存本能を持っていると。」
 「オサム、どういう意味?」

 ミーナは不思議そうに尋ねたが、レイムも興味深そうに聞いていた。

 「遺伝子に意識とか自我が無いのは当たり前ですけれど、そういう意識を持っているとしか思えない行動をするのです。つまり、個体は死んでしまったとしても、その子孫が残れば、遺伝子としては生存が続いている訳です。だから雄はひたすら子孫を残そうとするし、雌もより優秀な子孫を得られる雄を求めるのです。植物にしても、枯死する直前に花を咲かすのもそうだと思います。肉体が遺伝子を残そうとする働きは、まるで遺伝子が肉体を操っている様にしか見えないという事です。」
 「なる程、非論理的ではあるが、情緒的な言葉だ。」
 「マロエ人もそうだとすると、ルーナさんは空腹が過ぎて意識を無くす前には激しいオナニーをするのではないかと。その最中なら理性は無くなっているでしょうから、『真田虫』をセット出来るかと。」
 「さすが変態の星から来た人間だ。アナライザーの分析と、私の星に残してある船の大型コンピューターでのデータと一致する。しかも与えられているデータに格段の差があるのに。」
 「ルーナは船の操縦士であるから、限界状態に耐えうる能力がある。オサムもそうであるし、Mという資質でもあろう。意地になっているから、あと二日は掛かるか。」

 シーマは少し可哀想に思っている様だった。



 突然ビープ音が響いた。全員がハッとして立ち上がったが、一番最初に操縦席に立ったのはルーナだった。

 「隊長! イレギュラー隕石。」

 言葉の終わる前に、既に舵を切り、スクリーンの彼方に航跡を残していた。元の航路に戻った時、シーマはルーナを驚きの表情で見つめていた。

 「ルーナ・・・、その身体付きで・・・。」

 ルーナも言われてハッと気付いた。

 「ちょっとお待ち下さい。」

 バイオセンサーとスクリーンの表示を見比べ、不思議そうにしていた。

 「反応速度が早まっています。私の能力レベルはこれ程高くなかった筈だし、このイヤな物を着け、足も不安定。そして体力が減少していて疲労が溜まっている。悪い要素は数多くあるのに。」
 「非論理的ではあるが、我々は既にオサムという素晴らしい結果を得ている。ルーナも瞬間能力を身に着けた様だ。」

 ルーナの緊張が解けた時、ヘナヘナとその場にしゃがみ込んでしまった。

 (折角飛行士としてのレベルが上がったのに、私はシーマ隊長のセックス奴隷にされてしまう。ああ、今の動きでますます体力が無くなってしまった。どうしてこんな時に何も考えずに激しい動きをしてしまったのだろう。何も考えずに? これは初めての体験だ。確かに操縦している時、私は無意識だったのかも知れない。)

 ルーナの意思が漏れているのを皆は聞き入っていた。そして驚き、頷き合っていた。

 「オサム、あなたの言っていた意味がようやく分かりました。ルーナはその方法を会得した様ですね。アラッ、ルーナは意識を失っているの?」
 「ああ、その様ですね。ウッ、それでは?」
 「少し早いですが、真田虫を入れましょう。」
 「了解。」

 シーマが細い紐の様な物を取り出したのを、オサムはジッと見つめた。自分も体内に取り付けられている物なのだが、良く見てはいなかったからだ。

 「オサム、あなたの物とは少し違うわ。改良してあるの。どう違うか分かる?」
 「こうして見ても、マロエの科学技術は凄いよね。こんな物が全自動のロボットなのだから。ボクの時とは違うの?」
 「ほら、こちらの出口の方、ここにはリモコン括約筋を付けてあるのよ。これなら一度で肛門を制御出来るでしょう。」
 「そうなのだ。これは本来****用の道具であるが、何故誰も今迄に考え付かなかったのか。効率の面で、かなりの効果が期待出来る。そして更なる改良として、リモコンに優先順位を設けた。まず所有者たるシーマを最優先とし、家畜たるルーナを最下位とし、その他の我々はオサムも含んで第二順位とする。」
 「疑問提示。」

 ちょっと考えていたシーマが質問をした。

 「不本意ではあるが、ルーナがオサムの立場であり、私がミーナの立場である事は理解している。その場合のリモコン肛門括約筋の優先順位の意味も理解出来る。しかし最下位とはいえ、ルーナにもコントロール出来る意味が不可解。マロエの思想からすると、この様な道具にも効率を考えるべきと思うが、ルーナに自分の意志で肛門を拡げてしまう意図が不明。」
 「疑問は理解した。それでは逆に質問をする。ルーナが己の意思で肛門を拡げねばならない状況は考えられないか?」
 「ウーン、類推からして、オサムの場合であったらと考えるのが妥当。オサムの場合、自ら肛門を拡げねばならない必然性などあるのか? もし****の餌を自ら入れる場合は・・・? それしかないが、ルーナの場合は? ルーナに入れる餌は****の餌を模してはいるが、マロエ人の自尊心としては自ら入れるとは考え難い。レイムさん、分かりません。」
 「おやおや、良いところ迄の推理が出来ていたのに。餌を入れねばならない状況に考えが至らなかったか?」
 「ルーナが自ら? それはあり得ない。****の餌を模し、僅かな成分しか入れないという事は、いわば通常の食事と同じ成分であるから、通常の食事で事足りる。ウッ・・・、通常の食事? それをさせないのか? フードをずっと外さないのか?」
 「一部肯定、一部否定。肯定部分。私の船に到着する迄は、如何なる方法にてもフードは外せない。よってルーナは肛門からの食事以外に生命を維持する方法はない。否定部分。餌には順応剤を入れるので、約一ヶ月間の食事にて、ルーナの肉体は肛門からの食事に順応する。逆に通常食事に戻すには、肉体的抵抗を感じる様になっている筈の食事に順応剤を入れ、やはり一ヶ月以上の訓練を必要とする。しかしその時点ではルーナは『家畜』に成っている筈であり、シーマとのレズを繰り返す身体になっていて、その栄養の為にはかなりの****の餌を消化出来ている筈である。その場合は当然尻から入れねばならない。それを拒絶出来るとは考え難い。」
 「それは理解した。しかし論理的な不合理を提示する。生命維持の必要性は理解する。しかし順応剤の意味は? 肛門からの食事の必要性は理解するが、通常食事の出来ない身体にしてしまう合理性は認められない。」
 「それこそ非合理、非効率である。オサムの場合との決定的な相違点。それは代謝構造である。オサムの場合は分泌体液の僅かな変化で、排泄物が素晴らしい食料に変化した。しかしマロエ人の場合は、それは不可能である。ルーナの場合は、排泄物は食料とならない。それならば排泄物は不要であり、排泄物の少ない肛門からの食事が最も効率的である。」
 「ウッ・・・、そこ迄? 法的に是なのか?」

 オサムは笑って見ていたが、何かを言おうとした時にシーマが遮った。

 「オサム、あなたの能力は理解している。私が喜んでしまっている事を悟られているのは分かっている。」
 「あら、シーマ。素直ね。本当に喜んでいるの?」
 「私はレズに目覚めてしまった。閉鎖空間の中での限定的なものだが、大っぴらに出来る素晴らしさを知った。その相手としてのルーナをオサムの様に出来るという嗜虐性が嬉しいのだ。私の理性は落ちているだろう。だからレイムさんの言う通り、自分の喜び、嬉しさを是とする。」
 「それではシーマ。それを・・・。」
 「分かりました。」

 失神して横たわっているルーナを見下ろし、大きく深呼吸をする。そして感慨深そうにしていながら意思を高めるのだった。

 「それでは、始めます。」

 シーマはルーナの肛門に填まり込んでいる張り型の蟻の戸渡りの部分に触れた。すると繋がりの部分が外れる。

 「ミーナ、手伝って。抜くのは大変だし、絶対に意識を取り戻してしまうから。」
 「分かったわ。うん、オサムの方が力は強いわ。一気に引き抜くのよ。」
 「ボクが? いいけど・・・、少し可哀想・・・。」

 オサムはルーナと一緒に張り型を掴んだ。そしてルーナに合わせて一気に引き抜いた。

 「ギヒッ・・・!?」

 さすがにルーナはショックで目を覚ましたが、張り型を引き抜かれ、まだ拡がっている肛門に真田虫の先端を挿し込んだ。

 「エッ? アーッ、真田虫? ダメーーーッ!」

 慌てて引き抜こうとした時、シーマはルーナの手足を広げて拘束した。

 「ワーッ、入っちゃう! 抜いてーっ!」

 細い紐は活きている様に、自分からスルスルと入り込んでいくのだった。悲鳴の中、ルーナの強い意志の精神波が飛び込んでくる。

 (ワーッ、入る! 大腸に・・・。ヒーッ、小腸の中? ダメーッ、私は****じゃないーーーっ!)

 オサムは肛門張り型を抜かれた残りの部分を見て不思議そうにしていた。

 「ねえ、ミーナさん。あの張り型はベルトで留めていないのに、どうしてしっかりくっ付いているのかなあ。膣に填まり込んでいるから、摩擦で抜けないのは分かるけれど、回転してしまわないの?」
 「ウフフ・・・、地球の書物にある構造にしてあるのよ。」

 レイムは笑っていた。

 「これも虚構だったらしいわ。現実には存在しなかった性具らしいわ。ただ、考え方は素晴らしかったので、検討を重ねて作ったのよ。あの張り型は二点で固定されているの。一つは膣ですけれど、もう一つはクリトリスです。」
 「クリトリスを吸引しているとは聞いていますけれど、その程度で外れないの? 摩擦力が強いといっても、ほんの僅かの接触面積では・・・。」
 「オサム、ミーナの話でも知っているだろうが、マロエ人の場合、乳房に成長剤を与えても、それ程大きくは成らない。それは遺伝子で決定されているからだ。だから『牛』にする刑罰でも、乳房その物を大きくする訳ではないのだ。目的は乳搾りの為であり、大きい必要はない。だから乳腺細胞を極大に増加させるのだ。それも限度はあるが。さて、マロエ人の合理主義は分かっているだろう。不必要な事はしない。それは無意味であり、無価値だからだ。マロエ人にとり、クリトリスが大きいという事は何の意味もない。性欲を否定しているのだから、むしろ害ですらある。やっとルーナもオナニーに目覚めたが、一般マロエ人も殆どしない。という事は、やっとルーナもクリトリスに刺激を与え、活性化が始まったに過ぎない。乳房もそうなのだが、ただ大きくするだけなら不可能ではないのだ。栄養剤ではなく、細胞分裂促進剤を使用すれば宜しい。しかしそれも限られた期間だけである。細胞分裂を起こして大きく成った器官も、促進剤を中断すれば、すぐに元に戻る。遺伝子による現状維持力は強いのだ。」
 「ひょっとして、それがクリトリスに?」
 「肯定。更に乳房のパットにも仕込んである。オサムには分かるのだが、母台として、ある程度の体積が必要なのだ。既に私の船ではオサムの遺伝子を解析しているし、ルーナの細胞も既に完璧に分析してある。遺伝子操作と、それによる器官クローンの育成に時間が掛かるが、それも到着時には出来ている予定だ。」

 オサムは感慨深げに、拘束され、体内に真田虫を侵入させられ、必死の悲鳴と喘ぎで泣き続けているルーナを見つめていた。



 (ヒーッ、殆ど入ってしまった。アッ、あと少しで・・・私は・・・。)

 そして最後の太い部分が肛門に埋没した時、やはりルーナは意識を失ってしまっていた。だが、それは僅かな時間だった。

 「ギガーーーッ!」

 激しい悲鳴を上げ、全身を痙攣させてしまった。そして再び失神してしまうのだった。

 「今のでリモコン括約筋が滲み込んだのですね?」
 「その通り。間もなく真田虫はルーナの体内で安定する。そうすれば栄養補給をさせます。体力が回復してこその理性ですし、シーマも家畜としてのルーナとレズをしたいでしょうからね。」



 「ウウッ・・・。」

 シーマはルーナ用の餌を持って、身震いしていた。

 「どうしたの、シーマ?」
 「これを・・・、これを入れればルーナは私のセックス奴隷に成る。マロエ人としての非倫理的な行為を拒絶したい意思と、性の喜びの高まりの葛藤があるのだ。」
 「ルーナは既に真田虫を入れられていて、シーマが餌を入れなければ生命が無くなるのよ。シーマが拒絶するという事は、間接的にでもルーナを死なす事になるのよ。それはどんな罪よりも重いわ。」
 「そうだった。私がルーナにこの餌を入れる事は善なのだ。」

 シーマはつらそうにしていた。

 「そう思わない事には、私が非倫理の行為をするという罪悪感に押し潰されてしまう。」

 シーマは意を決し、ルーナの肛門に念を送った。すると少しずつ空洞になるのだった。張り型を入れられていた肛門はスムーズに拡がり、ポッカリと開いた穴に、震える手で餌を挿し込むのだった。真田虫の働きで、餌は抵抗もなく肛門の中に吸い込まれていった。

 「アフッ・・・。」

 ルーナは少し呻いたが、相変わらず眠りに落ちたままだった。

 「これで・・・私は・・・。」

 シーマは肩で息をしていた。興奮状態であるのはミーナにも良く分かる。シーマは股間から愛液を迸らせているのだが、本人には自覚はなかった。

 「シーマ、お休みなさい。今のあなたには休養が必要。」

 レイムがシーマの肩に手を掛けた。

 「了解しました。精神的変動が限界に近い。ミーナ、ルーナの事を頼む。」

 シーマはフラフラしながら居住区に向かうのだった。



 「隊長・・・。」
 「ウッ? アッ、シーマ?」

 ベッドに横たわっていたシーマを切なそうな表情のルーナが揺さぶった。

 「大丈夫か?」

 ルーナは震えながら涙を流していた。

 「ひどいです。私は・・・。真田虫を着けられ、お尻から****の餌を入れられてしまい、私はもう・・・、家畜なんですね?」
 「すまない・・・。私もどうしてなのか・・・。マロエ人としての理性も罪悪感もなくしてしまっている。」
 「理性の無いのは分かります。だけど・・・、つらいんです。」

 ルーナは張り型を突き出した。女陰からは張り型の隙間から愛液が流れ出していて、限界近い興奮状態である事が分かる。そして二人はすぐにレズへと向かうのだった。



 「オサム、違う!」
 「エッ? アッ、逆?」
 「スピードを上げれば星間物質の濃度が高くなるのと同じなのだ。だからバリアーはより前方に張らなくてはならない。やり直し!」

 オサムはルーナにマロエの操縦法を習っていた。

 「しかし、基礎を知らなくて、よくこの船をあの様に操れたものだ。」

 二人の訓練をシーマ達はソファーに座って見ていた。

 「ルーナも随分変わりましたね?」
 「ああ、諦めたと言うよりも、レズの良さを知ってしまったからではないか?」
 「それと、精神の弛緩と緊張の大切さを理解したからではないでしょうか? ルーナ自身、操縦能力の向上は目覚ましいですよ。これも通常ではあり得ない数値ですね。」
 「肯定。これが通常の状態での数値であれば、当然非合理値として扱われる。あの様な肉体バランスでは、絶対にあり得ない。」
 「レイムさん、それはレズの結果と?」
 「一部肯定、一部否定。肉体バランスの悪さによる能力低下はオサムよりも大きい。推定十五%。そしてレズによる効果が二十%上昇と見る。それだけでも凄い効果だと思う。もしあの様な張り型を使っていなければ、凄い能力向上である。しかしそれだけではない。全体で四十%、いや四十五%の向上をしている。それは精神的な効果と考えられる。これも推定ではあるが、自分がセックスペットに成ってしまったという自意識からであろう。」
 「それは分かります。他に要因が無いのであれば、残る物が要因ですから。しかし論理的な理由にはなりません。」
 「それは是非解明したい効果ですが、それにしてもオサムの結果とルーナだけですから、データはあまりにも不足です。今後の検討課題です。」

 訓練を続けていたルーナがピクッとして中断した。

 「了解。」

 オサムの声にルーナはハッとして振り返った。

 「私はまだ・・・。」
 「エッ? 休憩でしょう?」
 「ああ、確かにそうしようと思っていたけれど、私はまだ精神波に出す程には・・・。」
 「オサム。どうして分かったの? ああ、オーラね?」
 「ううん、ミーナさん。だってルーナさん、催しが限界だよ。シーマさん、いいですね?」
 「ウッ・・・。そうなのか? ルーナ。」
 「はい。お願いします。」

 シーマは照れ臭そうにしながらも、ルーナに手を差し伸べ、二人で居住区に向かうのだった。

 「フーッ、ミーナさん、ボクも。」
 「いいわよ。いらっしゃい。」

 ミーナは椅子に座ったままで足を広げ、スカートをめくり上げると、オサムはいきなりの挿入を始めるのだった。

 「ウーン、私も欲しいものだが、それ以前に私には大きな使命がある。そして私がペットを手に入れるとしたら、より完全なペットを得たい。その為にも、この実験をより確実に行わねば。」

 レイムはスカートの中の装置に手をかざし、強度を高めるのだった。



 「お食事にしましょう。」

 ミーナの言葉に全員がテーブルを囲んだ。

 「隊長、私は自分で出来ますから・・・。」
 「否定。地球式概念を取り入れている今、食事も地球式に行う。」
 「それも否定。隊長、地球ではこの様な餌をお尻から入れたりはしない。」
 「再度否定。概念だけを取り入れている。食事は全員一緒に行うという意味である。それが連帯感を増すという事なのだ。確かに効率面では劣るのは確かであるが、食事が精神的向上をするのは我々の得た新しい知識である。向上する事であるなら、我々は躊躇しない。それがマロエの哲学である。」

 オサムはテーブルに乗ってお尻を突き出し、ミーナから肛門の中を掻き回し、すくい出す。そしてルーナは陰に隠れる様にして自分で入れてしまおうとするのだが、シーマがとどめる。

 「ダメッ、ルーナ。あなたもテーブルに乗りなさい!」
 「隊長・・・。私は・・・。」

 しかしセックス奴隷としての自覚の出ていたルーナは渋々テーブルに乗り、オサムと並んでお尻を突き出すのだった。

 「ねえ、オサム。地球でだって、こんな事はしないのでしょう?」
 「当たり前ですよ。マロエの技術で、こういう身体に成ったのですから。」

 そして餌を入れられる為に肛門を拡げられ、口を大きく開いていた。シーマが円筒状の餌を押し込むのだが、息張ると同時にスルッと直腸内に填まり込んでいく。

 「ハムッ・・・。」

 四つん這いで餌を入れられているルーナの、股間の張り型がクイッと上を向く。息張りのせいもあるのだが、膣圧が高まる事と、ルーナ自身は知らない事なのだが、吸引と訓練で肥大化したクリトリスも持ち上がっていたからだった。

 (いいなあ、オサムは・・・。精液という、美味しいだけでなく、ミーナさんの体内に放出して悦びを与える体液を出し、尿も美味しい飲み物。排泄物も素晴らしい食べ物。そして形状だけではあり、ずっと小さい私の乳房に比べ、巨大で気持ちのいいらしい乳房からは素晴らしいミルクで皆を感動させる。その能力の一つだけでも私にあったら・・・。)
 「そうなんだ、ルーナさん。」
 「エッ? アッ、私の精神波が?」

 テーブルを囲んだ全員がニタニタしていた。そして真っ赤になるシーマだが、誰も笑い出す事はなかった。

 「ルーナ、その気持ちはマロエ人として、合理的な思考よ。」
 「ミーナさん、その理由は?」
 「私達を見ていれば分かる筈ですよ。私はオサムとパートナーを組んでいるけれど、オサム自身は操縦に関するレベルが向上しました。私の事で言えば、自惚れではなく、精神的な安定度が随分と高まり、その結果としての指導力、先見性も高まったと自負しています。」

 シーマは大きく頷いた。

 「肯定する。ミーナと親友だった私は以前のミーナを良く知っている。親友ではあったが、私にはミーナに対して優越感を感じていた。昔のミーナには船長としての一番必要な精神的な強さが劣っていて、私の方が上位の船長資格を得られる事は自明であったからだ。それはおごりであり、ミーナを見下す事となるのは分かっていたが、それでもミーナはそれを受け入れていた。事実、レベル差がハッキリしていたからだ。しかし今の私はミーナを羨み、妬んでいるのだ。オサムを手に入れたという事もあるのだが、精神的な強さを獲得したという事に、一番刺激を受けている。」

 そして少し照れ臭そうにしながら、

 「ルーナが擬似的にオサムと同じ形態をとっている事が私には嬉しいのだ。それは私がミーナと同じ様に精神的な向上を得られるかも知れないという可能性があるからだ。」

 オサムはクスクス笑っている。

 「オサム、否定するのか?」
 「否定はしません。ボクにも分からないですけれど、ルーナさんやシーマさんの向上に役立っているらしい事は確かですから。」
 「それでは何なのだ? その笑い顔には別の意思を感じる。」
 「ヘーッ、シーマさんも顔色が読める様になったのですね?」
 「ねえ、オサム、何なの?」
 「多分オサムは私の自尊心を損ねる発言をしそうなのは予期出来る。しかし私の発言には間違いない筈だ。」
 「ええ、間違いはありません。だけどマロエには無いですか? 『本音と建て前』という意味の言葉は。ルーナさんは無理矢理催させられているから、レズをしなくてはならないのですよね。そしてその責任者としてシーマさんはその相手をしなくてはならない。『嫌々』でもしなくてはならないという状況なのです。だけど本当はそれが凄く嬉しい。そうでしょう?」
 「アウッ・・・、それは私達の心の問題であり、外見的にそうは見えても・・・、アッ、オサムには深層心理が・・・。」

 シーマは真っ赤になって、何かを言おうとしてした。しかし言葉が見つからず、開き直るしかなかった。

 「肯定するしかない。しかしオサムの言っていた『建て前』の部分もかなりあるという事は認めて欲しい。」
 「認めますよ。マロエ人の思考も良く分かってきていますから。何事にも合理的であるという事が。合理的であると認めれば、それが以前の常識に反していても、新たな真理を認めるという。」

 頷きはしたが、何となく納得していない様なシーマだった。


 搾乳しながら、皆にそのミルクを渡していると、飲む事の出来ないルーナは羨ましそうにしていたが、チラチラとシーマを見ていた。

 「アッ、シーマさん。終わったら飲む様に搾っておきますね。」
 「ん?」
 「ほら、シーマさんはまだ仕事が残っているでしょう?」
 「アッ、そうか。それではルーナ、行くぞ。」

 パッと立ち上がって居住区に向かうシーマは、メード姿をしていても船長らしい、キビキビして動きだった。そして超高ハイヒールのビザール姿のルーナは、オサムを指導している優秀な操縦士ではなく、ニコニコしながらスキップする様に後を追う愛玩ペットだった。

 「オサムを初めて見た時、不安定な足下に対する動きの良さに驚いたのだが、ルーナの動作も実にスムーズになったものだ。この効果はいわゆるM性向の者だけなのだろうか。爪先立ちのせいで、乳房とペニスを突き出す恰好にならざるを得ないのだが、姿勢としてはむしろ好ましい。」
 「そうですよね。私もオサムのデータで、特に恥ずかしがる様な衣装を選びましたけれど、ピンヒールには特に非合理を感じました。だけどそれは奥にある合理性に気が付かなかったからです。」
 「そうなのだ。審問のデータでも、地球式思考の非合理が問題になっていたし、非論理の上に更に論理を積み上げてしまう特異性という結論を出していた。しかしそれはマロエの傲慢さであったかとも思う。非論理と見えるものでも、それは小さな論理の積み重ねの結果であり、途中を省略すると、起点と終点に非論理を感じるのだ。」
 「レイムさん、私はもっと単純な思考で解決しました。」
 「どういう意味か?」

 ミーナはオサムのペニスを握り、跨いで自分の股間に填め込む。

 「ハフッ。セックスは是です。それから派生する行為、或いはそこに至る行為が・・・、ハアッ・・・、是でない事はありません。」

 ミーナは自分の腰を上下させ、ピストンを始めるのだった。

 ルーナは羨ましそうにそれを見つめていたが、自然に笑顔になってしまっている事に苦笑し、更に笑顔になるのだった。



 「到着予定、約三時間。」
 「了解。周辺宙域は?」
 「オールグリーン。着陸地点、クリア。」

 ルーナはテキパキと操作していた。オサムにはマロエの船での初めての着陸なので、補助作業をしている。

 《MN08743、ミーナ・ミンリッジ。ID確認。》

 スピーカーから地上管制の声が響く。そしてレイムが交信をする。

 《レイナ、地上準備は宜しいか?》
 《肯定。レイムの指示による準備は全て完了。》
 《了解。検索ビームを。》

 「シーマさん、検索ビームとは?」
 「検索ビーム、オン。これは船と着陸地点双方からタキオンビームで結び、着陸誘導させる為の物。互いのビーム発生器が物理的にも結ばれるので、必ず目的位置に到着出来るのだ。気が付かなかったか? 船同士の接舷には必ず使う物だ。」
 「ああ、あの時・・・。そう言えば、かなりスムーズだった。」

 そこにレイムが大きな声を上げた。

 「総員、注目。作業は続行。」

 全員がレイムの方を見た。

 「間もなく到着します。基地は私の研究所であり、設備的に不便な面もあります。研究所ではオサムについての生物学的、遺伝子学的な本調査を始めます。シーマ達には本来の任務とは異なる仕事を任せますが、人手不足の為、了承して貰いたい。」
 「了解。」
 「地上には人間は一人しか居ません。先程の通信に出たレイナ・ハーノンです。」
 「ハーノン?」
 「私の遺伝子を受け継ぐ者、オサム式に言えば、私の娘ですね。」
 「娘・・・?」
 「ミーナさん、娘って・・・、マロエでは・・・?」

 レイムの照れ笑いは久しぶりだった。

 「その件については着陸後にお話しします。地上ではシーマとルーナ、ミーナとオサムの相部屋になります。大体は軽作業ですが、仕事分担の場合はシーマとミーナ、ルーナとオサムのペアを原則とします。まあ、船での作業分担と同じだと思って下さい。そして私の任務である科学的調査の為には、全員にある程度の知識を得て貰わねばなりません。その為のスクーリングも行います。期間は未定ですが、一応一月を予定。以上です。」
 「了解・・・ではありますが、使命達成の目的にしては・・・。」
 「緩いと思いますか? まあ、あとで分かると思いますが。」



 そしてすぐに何も無い岩だらけの星のトワイライトゾーンに到着した。スクリーンに映し出された基地は、ただ平べったい無機質のコンクリートの塊だった。船は建物の脇に到着すると、開かれたシャッターの中に滑り込む。

 「ヘーッ、豪勢な格納庫。」
 「オサム、何を? エッ、地球では船を収納しないの?」
 「点検とか、修理の時には入れるけれど、普段は外に出しておきますよ。この星には大気が無いのでしょう? 錆を心配しないでいいし。」
 「錆? ああ、地球の船には錆びる金属が使われていたわね。」

 ルーナは船を操りながら少し自慢げだった。

 「しかし、空気の無い場所に着陸し、人間が移動するのには必ず宇宙服が必要になってしまう事になる。それとも移動用の気密室を使うとか、エアチューブを使うの?」
 「気密服ですよ。」
 「ヘーッ。」

 シーマ達が驚いた顔をしていた事に、むしろオサムの方が驚いてしまった。

 「どうして? 効率最優先のマロエにしては逆でしょ?」
 「何故? 一々宇宙服を着たり脱いだりの時間は全くの無駄だ。」
 「そんなに時間は掛からないよ。それよりもこれだけの格納庫の設備や、開閉の度の空気の流失の方が無駄が多いと思うけれど・・・。」
 「ホーッ、それも一理ある。実に地球式の思考方法には驚きが多い。」

 レイムは感心していた。

 「我々の思考方法は柔軟で、合理的、論理的であればすぐにそれを採用するのだが、実は硬直した思考方法をとっていた事に気付かされる。つまり、一度合理的であると判断してしまうと、その方法を変更する事は合理的でないと信じ込んでいたという事だ。」

 定位置に着き、やがて空気が満たされた時、スピーカーから声が聞こえた。

 《収納完了。スタンバイOK。》
 「了解。下船します。」

 レイムに従い、ミーナ達は船を下りるのだった。オサムは初めてのマロエに属する星の大地に足を踏み下ろす感慨に満たされていた。



 「お帰りなさい。」

 ドアの向こうにはレイムをそのまま若くした女性が微笑んで立っていた。オサムにはレイムと親子と言うよりも、むしろ姉妹に見えるのだった。

 案内されて歩いていく通路は、やはりマロエの哲学のせいか、綺麗で艶々してはいるが、全くの無機質で、ただノペッとしている。そして最初に入った部屋もその通りで、真四角の白い部屋で、部屋の隅にテーブルと机と椅子が在り、壁には大きなスクリーンが在るだけの、ガラーンとした部屋だった。

 「報告はどうします?」
 「それは後程。最優先事項は我々の疲労回復である。だがその前に紹介しよう。」

 レイムはその女性を皆に紹介する。

 「これはレイナ・ハーノン。船で言った様に、私の遺伝子を受け継ぐ者である。」

 レイナはマロエ式の敬礼をする。それに合わせてミーナ達も同じ敬礼をし、それぞれの名前と肩書きを自己紹介する。

 「あのう、レイムさん。」
 「何か?」

 レイナは興味深そうにオサムを見回し、そしてルーナにも視線を集めていた。

 「ボクの認識では、マロエ人には親子関係が無いという事なのですが・・・、アレッ? だとすると、どうやって赤ちゃんは産まれるのですか? そうだよ。どうして気が付かなかったのかな?」
 「なる程、データによると地球では動物の様に人体から直接産まれるという事だったが、本当なのだ。」

 レイナはレイムと同じ様な仕草で頷いていた。

 「そうです。だけどレイムさん、レイナがレイムさんの遺伝子を受け継ぐとは? クローンは遺伝子欠損の危険があり、非合理だが。」

 ミーナもレイムに尋ねた。

 「ミーナさん、どういう事? 説明してよ。」
 「分かった。オサムはマロエ人の増殖については知識がなかった。」

 ミーナは一般のマロエ人の発生について説明を始めた。

 生殖での受胎ではなく、あくまでも人工的に行われる。子宮や卵巣の退化しているマロエ人には滅多に卵子は発生しないが、卵子の母細胞は発生する。それを定期的に採取が義務づけられており、人工的に卵細胞に生育させる。その中で、遺伝子異常のない物だけを取り出し、****の精液の中に稀に発生する精子母細胞からの遺伝子を人工受精させるのだ。その場合、親子関係は分からなくなる程に混合されてしまっていて、遺伝子的な親子関係は分からなくなっている。そして人工羊水の中で育てられ、あるロットの数の幼児は全員一緒に育てられる。そして成長してからの遺伝子検索で、親を推定する事は可能であるが、それはマロエ人には意味を持たない。ただ、先天的能力の判断には僅かに役立つという程度なのだ。

 「レイムさんは遺伝子検索でレイナさんを推定したのですか?」
 「否定。私は卵巣が通常よりも発達しています。ですから私には卵細胞迄の発生が可能であり、その卵細胞の中でも、最も発達した物でレイナを発生させたのです。よってレイナは私の遺伝子を受け継いでいます。それは私の研究に役立ちます。趣味嗜好が近似しており、やはり生物学、遺伝子学に興味を持ち、私の消滅後もその研究の持続が可能ですから。」
 「肯定。私はレイムも先祖からの研究を受け継いでおり、私も時期をみて私の遺伝子を受け継ぐ者へとこの研究を委任する。」
 「まあ私の趣味嗜好と言ったが、好ましくない嗜好も受け継いでしまっているが・・・。」
 「レイム、それは他人には禁句である。」
 「いいのよ、レイナ。私はここの全員に話してしまっている。それにオサムは異星人であるから別としても、シーマ、ルーナ、ミーナの姿を見ただけでも私達以上の状況であると判断出来るでしょう。それに・・・、ああ、これは宜しい。それではこれからの暫くの期間、この基地での生活となりますが、特にオサムは環境の違いが大きいと推定される。それとルーナには不便を掛けたが、そのフードを除去しなければならない。その準備迄の間、居室の整理をして貰う。オサム、ルーナはその任務を命じる。シーマとミーナにはレイナとともに報告とデータの整理の後、下の作業場での準備を命じる。」
 「了解しました。」

 レイムはオサムとルーナを連れて居室へと向かう。そしてレイナとシーマ、ミーナはエレベーターへと向かうのだった。



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