輝は突っ伏してアナルセックスをされていた時の姿勢のまま深い眠りに落ちていた。

 《かなりの精神的過負荷だったようだな。それでも予想以上の精液量を得た。私の活動レベルも少しは回復する。ペニスの方は今迄の量でいいだろう。その分、乳房を早く育てられれば、その分乳汁でかなりの回復を図れる。》

 デーモンは体内でのホルモン生成を女性ホルモン、乳腺ホルモンに特化し、そして乳房内でのY染色体変換用のバクターの生成に力を注いだ。そして注入された量は輝の妄想にある巨乳の女性のバストに比べればかなり小さいといえる大きさ迄生育される量であった。それは妄想の乳房であり、デーモンもまだまだ注入量が少ないと考えていた。そして乳房が大きい程乳汁の出が良くなると信じている輝の知識に騙されていた。しかしほぼ純粋に近いので、極めて高い効果と即効性があるのだった。
 そして数時間ぶりに輝のペニスを搾り始める。既にかなりの量の精液を得ているデーモンとしては量的には必要ないのだが、ペニスを疲労させる為であった。


 翌朝、しかも昼近くなって目を覚ました輝の精神状態は最悪だった。ひたすら搾り続けられていた為の精神的落ち込みは当然深いが、まだ酒が残っているのか、気分がすぐれず、朦朧としていた中で僅かに覚えている事が大勢に犯されてしまったという事だった。それは肛門の痛みとしてハッキリ残っている。とても起きあがる気分にはならず、仰向けになろうとしてハッとして胸に手を当てた。そして再び輝の意識は固まってしまった。

 たった一日でAカップにもなっていなかった膨らみがBを超える大きさになっていたのだ。

 「これ・・・、オッパイ? 嘘だろ・・・。」
 「まだまだ小さいとはいえ、少しは形になってきたな。」
 「こんな・・・。」

 グッと押し付けてみたが、痛みに驚くのだった。呆然としたまま、仰向けで両胸を押さえたまま・・・。涙が目尻から流れ落ちていた。

 丸一日食事はしていないのだが、夕方になってもベッドに横たわったままだった。



 バタバタッと数人の走る音とともに輝の部屋がバンと開かれた。ハッとした輝がシーツで身を隠す。昨晩の悪夢がまざまざと思い起こされた。

 「オッ、起きてたな。」
 「な・・・、何をするつもりですか・・・。」
 「何って決まってるだろう。昨日は夜になってからだったから、色々と手間が掛かったからな。今日は順番も決めたし、消灯迄たっぷり楽しみたいしな。出門は昼間ずっと寝ていたろうから、消灯以降は起きている奴は交代で楽しみ来られる。」

 輝はシーツを固く握りしめたまま震えていた。

 「それではお前の好きな方法で緊張を解いてやるよ。」
 「出門は尻で酒を飲むのが好きだからな。まあ、昨日は飲み過ぎたんだろう。今日はほんのりと酔う程度で楽しもうぜ。日本酒の1合の小瓶を用意してきた。」

 「イヤ・・・、ダメッ・・・。」

 二人が輝の両腕を引っ張り仰向けに引き倒した。そして別の二人がパジャマのズボンを引き脱がせ。パンツも引き抜く。

 「オホッ、チンチンは正直だな。もう興奮してるぜ。」

 笑い声が広がったが、腕を押さえていた部員が大声を上げた。

 「オイッ!! こいつ・・・胸が・・・。」
 「胸・・・? エッ・・・。」

 全員が輝の胸を見詰めた。そこには明らかな盛り上がりがあったからだった。

 そしてもう一人が嫌がる輝のパジャマのボタンを外した。

 「ワオッ・・・。」
 「こいつは・・・。」
 「ワッ、イヤッ!! 見ないでーーっ!」

 明らかな乳房が顔を出した。

 「出門はニューハーフか・・・。」
 「そうか。確かに華奢で可愛らしかったからな。それで尻に挿れられるのが好きだったのか。」
 「ち・・・違う・・・。」
 「これってシリコンか? それともホルモン?」

 輝には答える事ができなかった。自分から望んでの乳房ではないし、デーモンに家畜にされていると言ったところで信じて貰えない。しかもデーモンの存在を知らせる事は自分の生命の危機である事も分かっていたからだ。   
 「痛いっ!!」

 無造作に鷲掴みにされた乳房の痛みは輝にその実態を把握させる。

 「ヘーッ、これもいい感触だよ。」
 「シリコンにしてもホルモンにしても最初はかなり痛むらしいから、丁寧に撫でてやろう。」
 「足を少し引っ張り上げてくれ。尻にこの瓶を差し込むから。」
 「あいよ。」

 両足を引き上げられ、尻が少し浮いたところで瓶を突き立てられる。そして更に足を引っ張られ、尻が上になると酒が一気に直腸内に流れ込んでくる。デーモンは少し隙間を作るようにして流入を助けると酒は大腸に流れ込むのだった。

 「ほう、いい飲みっぷりだな。」
 「ダメッ、流れ込んでくる・・・。」

 デーモンが体内に住み着いてから、息むという感覚を忘れている。しかし大腸壁からアルコールが吸収される感覚は良く分かるのだった。


 「フーッ・・・。」

 輝の顔が赤くなり、呼吸も大きくなった。誰の目にも輝が酔い始めてきた事が分かる。輝自身も身体に力が入らず、酔いが回ってきたのが分かる。しかし前日程の大量注入ではないので、ほんのりと酔ってきた程度だった。

 「そろそろいいかな。」
 「アッ・・・、ダメ・・・。」
 「今日はゆっくりとやるが、あまり騒ぐようなら1年を呼んできて、口の方を塞ぐからな。勿論チンチンを填め込むって事だけどな。」
 「お前だって口よりは尻に入れて貰った方が嬉しいだろう?」

 やはり今日もキャプテンが最初にズボンを脱いだ。

 「今日はオッパイを揉みながら仰向けでやろうぜ。まあ、間のこいつが少し邪魔だけどな。」

 山口は輝のペニスをつついて笑っていた。

 肉体的な抵抗は不可能と分かっている輝は、震えながら成り行きに任せるしかなかった。ベッドに上がってきた山口のいきりたったペニスを直接見える恐怖で悲鳴を上げたが、いきなり肛門に突き刺され、乳房を押さえ込まれてしまうと声を出す余裕はなくなっていた。
 最初の内はゆっくりと、そしてだんだん腰の動きが早くなり、下腹部の当たる音が大きくなってきて、最後に大きくいっぱいに突き込まれた時、直腸奥に温かい液体の噴出を感じた。山口のペニスの鼓動と、トクットクッっと最後の一滴まで搾り出そうとしている山口のペニスの蠢きも感じる。そして輝の身体に覆い被さるようにして乳房の間に顔を埋め、大きく息をつくのだった。

 起き上がってペニスを引き抜かれる時、輝は無意識に肛門と直腸をギュッと締付けていた。

 「フーッ、病み付きになるとやばいな。」
 「さあ、代われよ。1、2年は人数が多いから、なかなか次が回ってこないからな。」

 もう輝の手足は押さえ付けられていないのだが、脱力してままに延びている。そして次のペニスがねじ込まれるのだった。

 (ボクは合宿の間、ずっと部員の性処理をさせられるのか・・・。デーモンに取り憑かれたって事はこういう事だったのか・・・。ウッ、太い・・・。キャプテンのは少し細いけど堅かったな。ウオッ、肛門が強く拡げられる・・・。ああ、早い抜き差しもいいけれど、こういう風にゆっくりと長いストロークでやってくれるのも気持ちがいい・・・。)

 為すがままにされる覚悟をすると、精神的には落ち着く。悔しくてつらい状況なのだが、逃れられないのなら、嵐が通り過ぎるのを待つしかない。アルコールも輝の正常な理性を弱らせていた。デーモンが肛門を出入りし始めて以来、ずっと肛門は何かが出入りし続けている。何度もアナルセックスをされ、諦めの境地は輝に快感は快感と感じていようとしていた。そうするしかないのだが、少しでもつらさ、悔しさを忘れる方法でもあった。



 「一回目は終わったな。そしたら次は2年生の番だ。」
 「よし、その間に風呂と食事を済ませないと。」
 「そうだ、出門の服は全部持って行こう。シーツとかタオルもな。万が一にも逃げ出されたりしないようにな。」
 「そうだよな。チクられたりしたらまずいし・・・。」
 「そうじゃないよ。マンコ代わりのこの尻が使えなくならないようにだよ。」

 部屋に笑い声が響く。そして全員が出て行ったが、輝は素っ裸で仰向けのままベッドに寝ているのだった。すぐに第二陣がやってくる。同じように輝の乳房に驚きながら、皆で取り囲んでアナルセックスの連続となるのだった。



 「あれ? 誰かやってるのか。佐藤か・・・。」
 「ちょっと待って。もうすぐ・・・。ウッ・・・。」
 「元気だなあ。お前、3回目じゃないのか?」
 「フーッ・・・。12時過ぎたら皆寝たと思ったし。」
 「じゃ、交代な。」
 「おう。さすがに出門は眠っちゃってるけれど、尻の穴とオッパイだけに用があるからな。」

 酔いは醒めているが、肉体的疲労と精神的疲労で輝は眠りに落ちていた。決して疲労回復には結びつかない睡眠だったが。



 輝の鼻を香ばしい臭いがくすぐっていた。鼻をピクピクさせながら眠い目を無理矢理こじ開けた。窓からは明るい日差しが差し込んでいる。そして前日と同じように男が輝の上に覆い被さっていた。そして同じように直腸に生暖かい粘液をほとばらせた。

 「フーッ、あ、起きたのか。」

 輝はまぶしさで目を擦った。

 「まともに食事してないだろう。だから朝食を持ってきておいた。ちゃんと食って、夜は頑張って貰わないとな。」
 「おい、遅刻するぞ。」
 「分かってるって。お前らが長かったから、俺がギリギリになっちゃうんだ。」

 その部員は野球部のユニホームのズボンをはき直し、慌てて出て行くのだった。

輝は素っ裸のまま用意されていたトーストを食べる。味を感じる程の余裕はなかった。

 「いったい何回やられちゃったんだろう・・・。何だか肛門も直腸もすっかり麻痺してしまって・・・。アッ、オッパイが大きくなってる! また女性ホルモンを?」

 さすがにショックではあるが、既に本物の女性並みに大きくなっていた乳房が少し大きくなったところで輝にはどうしようもないという諦めが先に立っていた。それよりも肛門がまだパクパクしていて、不思議な空虚感を感じているところにデーモンがズポッと尻尾状の触手を出してきた。それによりホッとしている自分に悔しさが宿る。

 「予想以上に精液を得られ、まだ僅かではあるが私の肉体を回復できた。」
 「肉体?」
 「そうだ。私は私の全ての機能を司るいわゆる脳を意味する核と視聴覚のセンサーおよび生化学反応の機能及び操作系の一部を担う触覚。お前が尻尾と認識した部位だが。それがあくまでもデーモン族としての最低の構造である。しかしそれを補助する肉体、いわゆる身体がないと不自由この上ないのだ。操作系としての肉体である。お前の言葉ではいわゆるゼリー状の肉体だが、私の意志により形状や硬度を変化させるのだ。だから今迄はセンサーでペニスを搾っていたが、これからはこういう方法で搾れるし、全く漏れる事もない。」

 輝は起き上がり、屈んで下腹部を見た。まるでコールタールのようにドロッとしたゼリー状の物質が肛門の隙間から流れ出てきた。色も艶もデーモン本体と同じで黒くてツヤツヤとしている。それが輝の皮膚を伝ってペニスを覆い包んでいく。

 「エッ・・・?」

 その柔らかそうな物質がペニスを覆い終えた時、いきなり蠢き始めた。

 「ワウッ・・・!」

 掴んでみると感触としては柔らかいプラスチックのような、あるいは硬質ゴムのようなのだが、握り込んでもその形状は変わらない。極めて堅いのだ。しかし柔らかい動きでクネクネと伸び縮みをしている。

 「な・・・、何?」
 「これが私の肉体なのだ。操作系に特化してあるがな。そしてお前の意識から得ているデータで、常に最も高められる動きができるのだ。今迄よりも早く簡単に搾る事ができるのだ。」
 「アフッ・・・、少しは休ませて・・・。アッ・・・出ちゃう・・・。」

 確かにツボを得て揉み搾るデーモンの肉体により、あっと言う間に達してしまう。そして輝が押さえようとしても外側からは極めて堅く、動きを止めようがないのだった。

 《今回の大量の精液補給はイレギュラーの幸運であった。しかしあと数日しかチャンスはない。その後も大量の精液を補給できるような改造をしなくてはならないが、かなり困難である。その補強の為にも乳汁を採取できるようにしなくてはならない。輝の知識では極めて不完全。遺伝子解析を進め、雌との違いを把握しなくてはならない。雌のどの遺伝子、どのホルモン、どの酵素が乳汁を出す働きを進めるのか、そして逆に阻害する要因は何かを検証しなくてはならない。地球人の専門家、あるいは知識の集大成という書物での記録を検索できればいいのだが、今の輝ではほとんど不可能。しかし私の遺伝子生物学者としての誇りに掛けて調べる事にする。》


 ずっと搾り出され続けている輝は疲労回復の為にも寝ているしかなかった。その為に昼食を持ってきた数人に気付いたのは口にペニスを填め込まれ、顔を揺すられている時だった。

 「フゴッ・・・?」

 「昼休みは時間が短いからな。」
 「二人同時じゃないと終わらない。夜にはゆっくりとさせて貰う。」

 (ウワッ、口はイヤだ!)

 口蓋と舌に擦り付けられ、口内で段々堅くなっていくおぞましい肉棒の鼓動が激しくなり、すぐに口の中いっぱいにおぞましく生臭い粘液がほとばしる。そして吐き戻そうとした時には別のペニスが填め込まれていた。同時に直腸にも同じ粘液が充填されてた。
 部員達は慌ただしく事を済ませて出て行った。

 輝は少しでも吐き出そうとして洗面所に向かおうとした時、デーモンが肛門から突き出て、しかも今迄にない太さになった。

 「イテーッ!! デーモンさん、やめて!!」
 「せっかく出して貰った精液を吐き出そうとは何事だ。尻から入れて貰ったのは私が吸収できるが、口の方はお前が消化吸収すべき物なのだ。これからもたくさん出して貰えるだろうが、ありがたく受け入れるのだ。」
 「ヒーッ、気持ち悪いし、もう飲まされたくないよ。イテテ・・・。」

 デーモンが言い出した事に変更はない事を身を持って分かっている輝としては気持ち悪くとも全て飲み込まねばならなかった。そして飲み込んだ途端、デーモンの肛門部の太さがスッと細くなった。
 食事は単にアナルセックスに消費される体力の回復でしかない。モソモソと食べている間、デーモンは思考を重ねていた。

 《雌であった場合は子宮という器官が個体からの栄養を補給する機能を持っている。そして地球人の胎児と羊水という緩衝液体の量はかなりの体積になる。つまりその部分に私の肉体を生育させればかなり効果的に再生が可能なのだ。しかも私の肉体は栄養吸収が早い上に、胎児の場合と違い、骨格から順番に発達させる必要はない。最終形態が決まっていれば、それに沿って生育させればいいのだ。》

 しかしどうしてもある点で思考がストップしてしまう。

 《それは雌であった場合だ。輝は雄であり、私の遺伝子操作でかなりの雌化が期待できるが、子宮という器官を生成させるには大量のホルモン処置をしたとしても子宮を胎児状態からの成長をさせねばならない。いかに時間短縮できるとしても、数年は掛かるだろう。しかし私の肉体を生育させる機能まで持たせるとなると、更に時間が掛かる。》

 そしてやはりいつもと同じ結論になってしまうのだった。

 《しかし時間が掛かったとしてもやり遂げねばならないのだ。詳細な形状は輝の知識からは習得不可。しかし外観は分かっているので、その器官の位置に生育させられるだけの空間を作っておかねばならない。この個体に空間を作る事は比較的容易だ。私の浸潤細胞をその位置に注入する事により私の肉体と化してしまえばいいのだ。神経、血管、筋を取り込む事になるので、除去される事で不具合が生じないように浸潤させねばならないし、輝の精神状態により作業の進捗に差が出る。気付かない内に処置しなくてはならない。最初の内が肝腎だ。まだ少量しか生成できない浸潤細胞であるが、交尾期間中は私のセンサーを収納する為に浸潤細胞も必然的に収納しなくてはならない。うむ、最初は輝の検知を避ける為に神経系統から始めなくてはならないな。》

 夕方までは輝は再び搾り続けられる。しかしその間に睾丸の後ろの部分にデーモンの肉体から針のように細い管が神経を避けるように差し込まれている。しかしその部分は元々感覚の鈍い箇所であり、ペニス搾りの感覚の方が遙かに強いので輝は気付かずに喘いでいるだけだった。



 「出門、起きてるか?」

 ベッドに寝ていた輝は起き上がって返事をする。もう慣れた事と諦めもあり、素直に応じた。

 「はい、起きてます。」
 「どうする? 今日も酒を飲ませるか?」
 「いえ、いらないです。どういう格好がいいの? このまま? それとも俯せで後ろから?」
 「オッ、素直だな。そのままでいいよ。」

 ちょっと拍子抜けした部員達であった。輝は両手を拡げ、足を開いて招いている。

 どうせ犯されてしまうのだから、それなら少しでも楽しく、気持ちのいいアナルセックスにしたかった。抵抗は苦痛を増し、荒っぽい行為を受けてしまう。それならすんなりと気持ち良く射精させ、短時間で大勢を相手してしまった方がいいと考えたのだ。

 「あれ? 出門、昨日よりもオッパイでかくなってないか?」
 「そう? 自分では分からないよ。アッ、痛いから、強く揉まないで。」

 輝が落ち着いていると部員達も気が楽にできるせいか、そして慣れてきた事もあり、ゆっくりとしたピストンを長く続けられるようになっていた。しかし輝の方も肛門と直腸を何度も絞り上げる事で早い射精を促していた。

 「よし、今度は俺だ。」
 「はい、どうぞ。」

 前日までの荒々しい雰囲気はなくなっていて、誰もが輝とのアナルセックスを楽しみながら行うのだった。


 《これだけの短期間で精神状態がだいぶ安定したな。これも本来交尾を好むように改良した結果なのだう。少しでも精液を補給するには必要な事だ。輝の人間としての自尊心・・・、人間と認めればだが。それよりは私の生存の方が上位であるからな。単に輝に正しく私を認識させる事が目的だったが、こうなってくると私の本来の能力である遺伝子生物学をこの星でも検証したいという欲求が出てくる。その為には家畜たる輝の意志を無視し、あるいは意志に無関係に操作できねばならぬ。科学とは一歩一歩着実に実績を重ねるものであるし、私の復活も一歩一歩着実に進めねばならぬ。》




 「さて、今日の試合の反省会を行う。」

 食堂では山口キャプテンが全員を前に話をしている。

 「みんな、ご苦労様でした。練習試合という事ではあったが、我が心性学園高等部野球部としては実に2年振りの勝利だった。練習試合合宿という事で顧問の先生が来られなかったが、連絡したところ、実に残念だったとの事でした。明後日の親善試合は今日のようにはいかないと思う。レベルが違い過ぎるのは承知の上だしな。顧問は当日直接先方の学校に向かうそうだ。明日の昼過ぎにバスで移動となります。できるだけ今日の試合の雰囲気を忘れずに頑張ろう。」

 「おう!」という歓声が広がったが、部員の一人が手を挙げた。

 「あのう、キャプテン。」
 「なんだ?」
 「質問ですが、その・・・スコアラーの土門は同行できますか?」

 ドッと笑いが広がったが、全員がキャプテンを注視していた。

 「残念ながらそれは無理だな。前日は旅館泊まりだし、何しろ顧問同行になる。試合後は直接学校に戻るからなあ。」

 失望のどよめきが広がる。

 「しかしここの合宿所での練習試合ができればいい訳だから、俺の方から顧問に何とか進言してみる。」

 そこで一回咳払いをした。

 「という訳で、今晩から明日の午前中しかできない事となる。そこで俺からの頼みだが、出門を次の試合の時も同行できるように優しく扱う事。それと当然だが、これは絶対に秘密だ。もし学校にばれると問題になるかもしれない。あくまでも俺達と出門との間の友情のほとばしりだという事にしたい。仲が良すぎた結果という事にな。」

 この日はまだ陽が高い内から輝へのアナルセックスが始まった。輝にも最後の日であるという事で積極的に応じるのだった。そしていつにも増して何度も事を行う部員が多く、デーモンの処置による直腸粘膜や肛門壁の保護処置も間に合わず、ほとんど麻痺状態のまま徹夜で応じるのだった。勿論輝は眠りに落ちてしまっているのだが、それでも部員達が次々に訪れ、輝の乳房をなぶりながら何度も何度も放出を繰り返すのだった。



 《さすがにこれだけの回数をこなすと、いくら交尾を好む種族である地球人であっても限度を超えるのか。先人達の品種改良には敬服する。それと遺伝子サンプルもかなり集まった。ほとんど差はないが、それでもほんの僅かの差が大きく形態を変化させるのであるな。精液を放出する側は睡眠をとり、疲労回復させてから再度放出させているが、輝の方は私に搾り取られ、回復の時間も取れずに受け入れるから肉体的な疲労は激しい。しかし精神的には諦めという感情により低位ではあるが安定している。うむ、時間からして今度のグループが最後になるのか。》

 大勢の部員達がゾロゾロとやってくる。輝は深い眠りに落ちたままなのだが、そのままアナルセックスを始めた。

 「これで最後か・・・。」
 「しばらくできないのは残念だな。」

 名残惜しそうに時間を掛けてゆっくりとしたピストンで高まりを待ち、そして一気に放出をさせるのだった。 眠っている輝の顔はそれを受けるたびに微笑むのだった。




 静かな合宿所にコツコツと足音が響く。既に野球部員達は練習試合の為に出発してしまっており、夕方近くなっているので誰も居ないはずだった。

 「あら? まだ誰か居るの?」

 女性の声が響く。デーモンはいつもの通りに輝の体内に潜り込むのだが、少しは肉体回復をし、本体も元に近い大きさに戻りつつあるので細くしても大腸の奥深くまで戻らねばならない。その為に輝に違和感と僅かな腹痛を覚えさせた。それにより目を覚ますのだった。

 「誰? まだ居るの?」

 「アッ・・・、ボクは・・・。」

 素っ裸でベッドに横たわっていた輝は慌てて服を探した。テーブルに戻されていたのだが、取りに行こうとした時、女性がドアを開けた。

 「ワッ!」

 慌ててシーツを纏い、身体を隠す輝。そしてその輝を驚きの表情で見詰める女性。

 「あなた・・・、野球部関係?」
 「アッ、はい・・・。」

 その女性は不思議そうに輝を見詰め、そして何か不思議な臭いを嗅ぐように辺りを見回した。

 「野球部の人達はとっくに出発したし、全員揃ってるって言ってたのよ。」
 「あ・・・、ボクは野球部ではなく、ここでの練習試合のスコアラーを・・・。」
 「でも、昨日の試合のスコアラーは誰も居ないからって、私がしたのよ。あなた・・・。」
 「ボク・・・、高等部2年の出門輝です・・・。」
 「私は心性学園高等部事務の菊野愛。この合宿所の管理も担当してるの。今日で閉める予定だったから。」

 そして悪戯っぽい笑顔で輝を見詰める。

 「野球部が久しぶりに勝った理由が分かったわ。あなたみたいな可愛いペットが居たからなのね。」
 「ペット・・・って・・・。」
 「分からないと思ってるの? この部屋の臭い・・・。生半可な量でない精液の臭いがするわよ。そしてあなたの身体からもね。」

 輝は真っ赤になって縮こまった。

 「シーツで隠していても、オッパイのシルエットがハッキリ出ているわよ。でも、それで野球部が元気になったって事ですから、嗜好を活かした活躍って事ですね。ところで、今日は街に戻るバスは無いし、だいぶ疲れているらしいから、明日迄泊まっていていいわよ。」
 「あ・・・、別に自分からオッパイを大きくした訳では・・・。」
 「いいのよ。趣味を縛り付けるような学校ではないですからね。」

 笑いながら愛は部屋を出て行く。


 「何か違和感を感じる雌であるな。」

 デーモンは触手の尻尾を出し、ペニスを包み込んで精液搾りを始める。そして浸潤細胞を送り込み始めた。

 その時デーモンはビクッとした。デーモンに対する精神波が伝わったからだ。

 《デーモンさんって言うの?》
 《何? 誰だ?》
 《私は菊野愛。先程伺った者ですが。》
 《どうして・・・。地球人には精神波を送受できる能力は無いはずだ。それに私は精神波を発していなかったはずだから・・・。ああ、分かった。お前に宿っている飼い主なのか。》
 《いいえ、私は普通の、本物の地球人です。》
 《それはあり得ない。遺伝子検索で分かったのだが、この能力はデーモン族特有の遺伝子であり、地球人には無い。ただ、家畜として扱いやすいように改良の為の限定遺伝子が付加されているだけだ。》
 《それは私にも良く分かりませんが、先祖代々受け継いでいる能力なのですが。》
 《それも考えにくいが、一度遺伝子を検索させて欲しい。そうすれば私の回復に役立つかもしれない。》
 《その件ですが、出門君の知識の中からのデータは不完全で、デーモンさんの考えている処置方法では極めて長い時間を要するのではないでしょうか?》
 《何!? どうしてそこ迄・・・。》
 《もう出門君はデーモンさんの家畜として生きていかねばならない事は決まっています。でしたら飼い主としてのデーモンさんが恨まれないように、しかも極めて短期間で家畜化する事のお手伝いができますよ。》
 《理解できない。どうしてそこ迄察知しているのか。そして私は異星人であり、地球人の輝を私の所有物にする手伝いを地球人であるお前が助力するのか。》
 《ギブアンドテイクという事で。デーモンさんも私もお互いに得をえる。そして出門君は失う物は極めて大きいですが、それに対応する物を与えられれば宜しいかと。》
 《それも理解不能。しかし私に対する敵意は感じられない。むしろ・・・こんな事を言って良いのかどうか分からないが、私に対する敬意を感じる。》
 《そうですよ。デーモンさんは地球よりも遙かに進んだ文明の継承者。生徒が先生に敬意を払うのは当たり前の事です。とりあえずデーモンさんはなさろうとしていらっしゃった事をどんどん押し進めて下さい。地球人の身体についてはある部分に関しては当然ながら地球人の方が詳しいのですから。》
 《分かった。信じがたい事ではあるが、精神波を使える進化をしている人間の言う事は素直に聞くとしよう。》
 《それでは明日の朝もう一度伺いますが、それ迄に乳房を限度いっぱいに、あるいはそれ以上に生育させて下さい。むしろ少し痛みが出る程度に成育させて頂ければその後の処置と出門君の精神改造にも役に立ちますから。》
 《了解した。不明な事項の実行は興味深い。私の思い付かない方法を何か知っているのだな。今晩じっくりと思考してみよう。》
 《それではまた明日。》

 そこで精神波がプツッと途切れた。

 《地球人にも不思議な種族があるようだ。私が下級と思っている地球人の指示に従うというのは自尊心を損ねるはずだと思っていたが、むしろ期待が湧き上がっている。この指示には喜んで従おう。まずは今迄の処置を速やかに行う事と、特に乳房については生産できる限りのホルモン剤を注入する事だな。今迄は表皮の伸びが乳房組織の増殖にギリギリ追い付く程度の成育しかできなかったが、今回はそれを無視していいらしい。どのような処置を考えているのか・・・。地球人の思考に追い付かないのは悔しいが、菊野の言っていたように、地球人の身体に関しては私よりも知識があって当然だ。》



 「ウッ・・・、胸が・・・痛い・・・。」

 そして輝の悲鳴が上がった。

 「な・・・、何なの・・・これ・・・。」

 輝の胸にはまん丸な肉塊があった。それは昨晩はCカップ程に成育していた乳房だったはずなのが、それを遙かに超える大きさの乳房としてそびえていた。

 「うむ、昨日はしばらくぶりに交尾はしなかったから、充分に睡眠を取れたな。その影響もあり、乳房も大きく育てられた。」
 「こんな・・・。それでなくてもまともに服を着られなくなっているのに。別の人に取り憑くって言ってたのに、そうなってもこんなオッパイが残ったら・・・。」
 「お、誰か来たようだぞ。昨日の菊野という雌と別の雌が来たな。」

 デーモンは体内に潜り込むと輝はまたシーツを身体に巻き付けた。


 「おはよう、出門君。」
 「おはよう・・・ございます・・・。エッ、校医の佐渡先生?」
 「ええ、菊野さんから連絡があって、出門君のオッパイの具合が変だって事でしたので。」
 「あ・・・、あの・・・。」
 「確かに異常状態よ。豊胸手術の乳房ではないのは菊野さんにも分かっているわ。だとしたら急性のホルモン異常。さあ、見せなさい。」

 輝は渋っていたが、菊野の笑顔とデーモンから何の反応もない事でオズオズと胸をはだけた。

 「まあ、予想以上ね。表皮が避けそうな程に成育しているわね。これではかなりの痛みがあるはず。」
 「ええ、とても痛くて・・・。」

 佐渡は鞄から注射器を取り出した。

 「まずは痛み止めね。それにホルモン剤で本来の大きさにしないと。菊野さん、良く分かりましたね。」
 「ええ、この大きさ、形は異常ですからね。」
 「はい、ほとんど痛まないと思うけど・・・。乳房内部には神経組織は少ないですから。反対側も・・・。」

 注射をされ、少しはホッとした。

 「菊野さん。私はまだ学校に戻らないとならないのよ。あなたは看護師資格を持っていたわね。今の注射が吸収されたら・・・そうね、あと30分程でもう一回注射して欲しいの。それが本剤ですから。」
 「分かりましたわ。私は出門君の様子を見ています。何かあったら連絡しますから。」

 佐渡はすぐに部屋を出て行った。

 「菊野さん・・・ありがとう・・・。」

 デーモンが精神波で話し掛けてきた。

 《どういう事だ? 言われた通りに女性ホルモンを注入しておいたのだが。》
 《フフフ・・・、ちょっと待って下さいね。本剤を注射したらお教えしますが、それ迄は私の意識から、そして感知できるのであれば、恥ずかしいですが私の膣子宮構造を観察しておいて下さい。今は浸潤細胞で出門君の組織に空間を作っているはずですが、形状だけでも先にでき上がっていれば、膣組織と子宮組織細胞を直接発生させる事で成長を待たずにその組織が完成しますから。》
 《おう・・・、なる程。それぞれの器官を新たに発生させて成長させるよりも、いきなり成長した器官ができる。しかも成熟状態で。》

 デーモンはしきりに感心していた。



 「それでは本剤を注射しますよ。ちょっと量が多いので少し痛むかもしれないけれど我慢してね。」
 「あ、はい・・・。ツッ・・・。」
 「こっちの胸も・・・。はい終わったわ。」

 輝はホッとしてシーツを羽織りなおした。

 「あ、早く吸収させたいので、しばらく揉んでいなさい。」
 「揉むんですか? さわると痛いけど・・・。」
 「撫でるだけでもいいわ。慣れてきたら良く揉めばいいのよ。」
 「はい。それで菊野さん、この注射でどの程度まで小さくなるのですか? これだけ大きいと、少し心配なのですが。」

 菊野は「エッ。」という顔で輝をジッと見詰めた。

 「あなた、まだ疲れているのね。ボーッとしているから、意識がハッキリしてないのよ。」
 「エッ? ボク、変な事言いましたか?」
 「起きたばかりだからね。そのオッパイが『大きい』? 『小さくなる』? どういう意味かしら?」
 「あのう・・・、どこが変なのですか? こんなにオッパイが大きくなってるし・・・、佐渡先生だって『本来の大きさ』って言ってたし・・・。」
 「あら、一部分だけは正しく覚えているのね。」

 菊野のニタッとした笑いに少し恐怖を覚えた。

 「だから・・・、そのオッパイは大きくないし、注射で小さくなる事もない。そして本来のおおきさ、つまりデーモンさんが望んでいる通りに大量のお乳が搾れるようなオッパイが本来のあなたのオッパイなのよ。」

 「エッ・・・? デーモンって・・・、知ってるの?」
 「ええ、私はあなたが早くデーモンさんの家畜になるようにお手伝いをしてるのよ。まあ、自慢する程でもないけれど、私って結構巨乳よね。だけどあなたのオッパイは私の胸がまるで子供って程度まで大きくなるのよ。さっきした注射は濃縮した女性ホルモン、乳腺ホルモン、成長ホルモンなの。一気に大きくなるからかなりの痛みになるわ。だから睡眠薬を入れて上げたから、眠っている間に大きくなるわよ。目が覚めた時には、今迄あなたが見た事もない程のオッパイになっているはず。」
 「う・・・・、嘘だ・・・。」
 「そして眠っている間にデーモンさんのお手伝いをして、より確実に家畜になれるように処置をするのよ。」
 「そんな・・・、アッ・・・眠く・・・。睡眠薬・・・って・・・。アフッ・・・、ダ・・・メ・・・。」



 「今日は。確かに異星人としても地球人の感覚としてはちょっと異質ですが・・・。」

 デーモンは輝の尻から顔を出していた。

 《なる程、そういう事だったのか。》
 「ええ、これで出門君の改造は私が主になりますから、恨みの対象は私になりますからね。」
 《それでは一気に進めていいのだな? 菊野の指示通り、浸潤細胞で膣と子宮の場所に空間を確保したが、ただの空間なのだ。細胞を引き出してしまうと融着が始まり、空間が戻ってしまう。》
 「地球人の場合、幹細胞からそれぞれの器官の細胞に変化して成長します。そこからできれば完璧なのでしょうが、時間が掛かり過ぎます。デーモンさんは遺伝子操作ができるので、私の細胞と比較し、出門君の細胞を変化させればいいと思います。その尻尾・・・、いえセンサーですか。細い針状にして、私の膣、子宮細胞を採取し、遺伝子検索で輝のその部分に発生させて下さい。」
 《理解した。確かにその方法であれば、短時間で成熟した膣と子宮ができる。しかし卵巣はどうすればいい?》
 「とりあえずは必要ないでしょう。それは優先事項ではありませんから、家畜にしてからゆっくりと発生させてもいいと思います。」
 《確かにそうだな。ところで菊野からのデータでは膣の入り口に陰唇という部分が存在するはずだが、それを発生させないという指示がある。これでは膣が開いたままであり、仕様だとクリトリスを大きくむき出しにしたままという事だが、これは普通の地球人の雌の形状とかなり違う事になるが。》
 「あら、デーモンさんは普通の地球人の女を求めているのですか? あくまでも家畜としての雌にするのでしょう? 家畜としての陰唇は不要と言うよりもむしろ邪魔ですよ。」
 《そうなのか。それにしても外からの観察による菊野の器官に比べ、構造がかなり複雑な仕様になっている。これも家畜としての効率アップなのだな。》
 「勿論そうですよ。むしろ私としては理想的です。その様な家畜を作りたいと思っているのですが、なかなか難しく、デーモンさんの知識と技術が私の裏の仕事には是非必要なのです。」
 《裏の仕事という事に関してもデータは得ているが、それがなぜ必要なのかは理解できていない。まあ、地球の習慣や哲学などはまだ不十分なデータしか得ていない。輝を家畜として使用できるようになった場合、不具合な対応をしないように学ばねばならぬ。それに私と直接意思疎通ができるのは輝を除けば菊野だけだからな。》
 「ああ、この能力は私の家族にもあります。」
 《遺伝的要素という事か。ひょっとすると、地球人の品種改良をした際、精神波を送受できる機能を持たせる為の遺伝子操作が行われたのかもしれぬ。後で菊野の細胞を調査する時に調べさせて貰おう。》  





 「ウッ・・・、エッ・・・?」

 「エッ・・・、な・・・何・・・?」

 そして部屋に輝の悲鳴が響いた。

 「やっと目覚めたか。」
 「あ・・・、デーモンさん・・・。ボクの身体・・・。このオッパイ・・・。」
 「そこ迄ある程度の形にはなったが、まだまだ採乳できる程ではない。」
 「イヤ・・・、何なの、このオッパイ。」

 小柄な輝の胸には巨乳と言える肉塊が存在していた。

 「だって、こんなオッパイじゃ隠しようがない・・・。」
 「隠す? 家畜のお前がなぜ乳房を隠す必要があるのだ? まあ、後になって外出する必要がある時にはそれなりの格好させるがな。」

 呆然として自分の乳房を触っていた輝だったが、周りを見て合宿所でない事に気が付いた。窓の全くない、清潔そうな部屋なのだが、何か病院のような雰囲気の部屋だった。

 「ここは・・・?」
 「ああ、一週間前に居た合宿所ではより良い改造はできないからな。ここはお前を良い家畜にする為の場所だとの事だ。」
 「一週間前・・・?」
 「そうだ。お前が眠っている間に随分と改造は進んだ。」
 「改造って・・・、ボクを女にするつもりなの?」
 「女ではない。雌の家畜だ。」
 「イヤーーーーッ!!」

 輝は悲鳴を上げて部屋を飛び出そうとした。その時、ドアが開き、白衣の菊野愛が入ってきた。

 「アッ・・・、菊野さん。助けて下さい。ボクはデーモンの家畜にされてしまう!」

 しかし愛は輝を見下すような表情で笑っていた。

 「家畜にされてしまう? あなたはもう既に家畜なのよ。」
 「どうして・・・? デーモンは進んだ宇宙人かもしれないけれど、ボクは地球人なんだよ。」
 「そうよ。デーモンさんは地球人よりも遙かに進歩している人類よ。」
 「だから・・・、だから地球人のボクを助けて・・・。」

 愛は不思議そうな顔で輝を見詰める。

 「出門君、あなたを助けたとして、私にはどんな利益があるの? デーモンさんのお手伝いをすれば私は色々な技術、知識を得られるわ。今の地球の文明では当分到達できない高い知識をよ。とても金銭での価値では計り知れない程の。とても出門君とは比較にならないのよ。」
 「イヤだーーーっ!!」

 ハッと気付いた時、腕にチクッと痛みを感じた。

 「エッ・・・?」
 「やっぱりうるさいから、しばらく大人しくしていてね。」
 「ワッ・・・、ダメ・・・。」

 輝はヘナヘナと崩れ落ちた。しかし意識はハッキリしている。

 (エッ・・・、動けない・・・、声も出せない・・・?)

 「ちょっとの間だけ麻痺していてね。」

 愛は輝を抱え上げ、部屋の中央にある内診台に乗せた。輝にはそれが産婦人科にある治療の為の道具であるとは知らない。しかし両足を拡げられ、両手も拘束されてしまった時、それがどんな道具であるのかは理解できた。

 《菊野。どうせなら麻酔薬で眠らせての処置の方がいいのでは? 私にも地球人を眠らせ、無痛状態にする酵素は作り出せるのだぞ。》
 《いいえ、こういう改造手術には本人の意識のある中で行う事が絶対に必要なのです。一つには私が出門君の改造者であると認識させる事。そして自分がどのような改造をされてしまうかを知り、絶望させる事。まあ、デーモンさんによる最終改造のショックの大きさとは比べものにはならないのですが、それでも少しは緩和させる事になりますが。》
 《お、その能力はデーモン族にも無い能力だが。》
 《能力?》
 《私は輝の最終予定体形を示してはいない。精神波でデータは送っていないのに、理解していると判断する。》
 《これは単に推理です。家畜にするにしても出門君を自由にコントロールできなくてはならない。いいえ、むしろデーモンさん自身が自由に動けなくてはならない。そして地球人もある程度のレベルの人類と認めている。デーモンさんが主、出門君が従。デーモンさんに必要な機能は、自由に移動できる駆動部と、物を掴む操作部。それがデーモンさんの所有物であり、デーモンさんが使用しない時に出門君が使用可であれば主従は決定しますよね。》
 《おお・・・、その通りだ。という事は私の浸潤細胞の限度も分かっているのか。》
 《正確には分かりませんが、私には出門君の最終体形の予測はできます。それがデーモンさんの望む姿であり、その分量以上は不要ではないかと・・・。》
 《しかし・・・、いいのか? 輝は男どころか人間ですらなくなるのだぞ?》
 《あら、それはデーモンさんらしからぬ考え方ですね。人間の定義って何ですか? 世の中に肢体不自由者はかなり居ますが、当然ながら人間ですよ。デーモンさんの核の部分に当たる脳機能に傷害があっても人間です。出門君はその部分は完全ですし、不自由とはいえ四肢は動かせるのですから。それ以上に素晴らしい身体になるというのに。》
 《素晴らしい? そうは思えないが。》
 《その点はこの仕事に命をかけている私にお任せ下さい。お二人に最高の幸せをもたらせるようになる事は確信してますから。》


 にこやかな愛が輝を拘束し、恥ずかしい体勢にする。悲鳴を上げているつもりでも、声にはなっていない。

 愛はクスコをこれ見よがしに輝に見せるのだが、さすがに輝にはそれが何であるかは分からなかった。しかし鈍い金属光のその器具はいかにも医療器具ではあるが、卑猥な予感をさせる物だった。

 「デーモンさん、診察しますから抜いて下さい。」

 下腹部の不思議な位置から不思議な感覚を受ける。デーモンの肉体が抜け出ているらしいが、その部分が明らかに体内なのだ。そして先程見せつけられた器具があるはずのない空間に押し込まれた。

 (エッ? 何で・・・?)

 「あら、不思議なの? そうね、ここに挿れられる感覚って初めてなのよね。せっかくだから見せて上げましょうね。」

 愛は輝の横にあるモニターのスイッチを入れた。そして動かせない輝の顔をそちらに向ける。

 (ん・・・?)

 突き勃ったままのペニスのアップはかなり恥ずかしいものだが、肛門からデーモンが出ている事から自分の下腹部である事は分かる。しかしペニスのすぐ下に先程の金属器具がはまっていた。

 (どうしてそんな所に刺さってる?)

 「あら、意外ね。膣を形成されたのに、そんなに驚かないの?」

 (チツ・・・? 何・・・?)

 「あ、膣って知らないのかな? 分かりやすく言えば・・・オマンコの事よ。」

 (オ・・・オマンコ? ボクに・・・? エッ・・・?)

 モニターに映し出された映像は、見た事はないのだが、確かに女陰らしいという事は分かった。輝は目一杯暴れ、大きな悲鳴を上げたのだが、実際にはほとんど動いていなかったし、小さな呻き声を上げただけだった。

 「うん、とってもいい出来映えですね。こんなに短期間で形成できる技術って凄いですね。子宮口は想定通り少し大きめにできてますし、拡げやすいのはとってもいい事です。」
 「本来の地球人の構造とは少し違うようなのだがなぜなのだ?」
 「ああ、それは地球人は常時発情動物ですから、セックスのたびに子宮に精子が大量に入り込んでいたらそのたびに受精してしまい、地球はすぐに人口爆発してしまいますよ。それに弱い精子も大量に入る事になりますから、生物として劣化する可能性もあります。ただ、子宮口が緩いと流産しやすいという欠点はあるのですが、デーモンさんの場合は考慮する必要がないですし、出門君の出産の時の苦痛を少なくできますからね。」

 輝は愛の言葉の最後の部分に驚き、ビクッと身体を震わせた。

 「ああ、膣は男の人とのセックスには必要ですが、子宮はデーモンさんの肉体を産んで頂く為に必要なのですよ。本体の方は既にかなり回復なさっているようですが、いわゆる肉体の方は野球部の人達の精液である程度は復旧、成長なさってます。しかしながらあの量ではさすがに回復にはかなりの時間が掛かりますし、大勢の精液が必要です。それなら地球人の特性を活かして、胎内でデーモンさんの肉体を成育させれば宜しいのですよ。あなたの栄養をドンドン与える事により、極めて早く生育できるのですから。」

 輝は信じられないという表情でモニターを見詰めていた。

 「普通であればセックスの後に受精、胎児の成長という順番ですが、今回は少し違います。まあ、男の子がデーモンさんの肉体を産むという特殊な状態でもありますが、まず受精、そしてセックスという事になりますかね。あなたの子宮には既に遺伝子操作したデーモンさんの細胞が着床しています。地球人の赤ちゃんの場合と異なり、栄養補給でドンドン大きく育ちますよ。ですからセックスの必要はないのですが、せっかく膣が形成されているのですから、それを放っておくのは勿体ないですよね。あなたの最初のお相手だった野球部の山口君にあなたの処女をプレゼントするというのはどうでしょう。アナルの処女もプレゼントしたお相手ですしね。」

 今度は輝は悲鳴を上げなかった。と言うよりは上げるだけの気力が失われていたのだった。

 「デーモンさん。まだ初めてのセックスでは出門君は快感を感じられないと思います。いくら完璧な成熟女性の膣であったとしても。ですからセックスしている時ので門君の感覚を調べ、快感ポイントを調べておいて下さい。その部分の感覚細胞を強化する為に。」
 「分かった。それが代償になるという事なのだな。」
 「そうです。そしてセックス依存症になれば、デーモンさんのエネルギー源の精液をたくさん補給できるという事ですので。出門君の栄養にもなりますしね。そして何よりも素晴らしい快感に悦んで欲しいですからね。」


 愛の携帯が鳴った。

 「あ、来たみたいです。」

 「ツトムちゃん。いらっしゃい。迎えに行くわ。」

 「それでは連れてきます。デーモンさんはその下の容器にセンサーを差し込んでおいて下さい。そうすれば出門君の肛門に何かの太いチューブを差し込んであるように見えますから。」
 「分かった。ちょっと自尊心を損なう事だが、非生物を装うという事だな。」



 「なあ、叔母さん。」
 「叔母さんはダメ。何だか急に歳をとったみたいで。」
 「んじゃ、愛さん。本当に出門が女に成るの? 確かに可愛らしくはあったけど。それに愛さんのママの仕事なら間違いなく完璧だと思うけど。」
 「ウーン、今回はママは絡んでないのよ。それにまだ詳しい事は教えて上げられないのだけれど、最終的には完全なセックス奴隷と言っていい程になるの。取り合えず膣整形だけは済んだので、出門君の最初の男になって欲しいのよね。」
 「まあ・・・、尻の方も最初が俺だったから。」
 「本格的な整形やしつけはまだまだです。今は薬で大人しくしているので面白みはないかもしれないですが、膣の出来具合の確認をお願いします。」


 ドアがノックされ、二人が入ってきた。
 輝にはその方向へ首を動かす事ができないのだが、足音で分かった。そしてすぐに声で山口キャプテンだという事を知った。

 「ワオッ! すげーっ!」
 「まだ胸とオマンコだけで、オチンチンはそのままですけどね。まだお薬は効いていますから、何回かやってみて具合を調べてね。終わったら電話下さいね。じゃあ宜しく。」

 (イヤーーッ! キャプテン、見ないで! ダメーーーッ!!)

 「ほう・・・。オッパイもかなり大きくなってるな。じゃあ、早速頂きますか。」

 カチャカチャとベルトを外す音がし、すぐに両手が輝の太腿に触れられた。

 (イヤだ! 触らないで! そこは・・・。)

 ペニスの下に暖かい物が触れてきた。本来空間の無い部分に異物が押し込まれる。

 (ギャーーーッ!! 入ってきた! ダメーーーッ!!)

 乳房を掴まれ、キャプテンの身体が前後に動く。山口との行為は何度もアナルセックスをされていたが、膣に挿入されるという事は女としてのセックスなのだ。身体は動かせないのに、感覚はハッキリしている。膣の存在を強く認識させられ、女の身体にされてしまったという事を実感せざるを得なかったのだ。

 (ワーッ! 出されちゃう・・・。)

 ピストンの周期が早くなってきた。そして亀頭が子宮口を何度もつつく。そして・・・。
 最後に強い突き込みとともに熱いほとばしりが子宮口から更に奥の空間へと突き刺さってきた。

 輝の意識は飛んでいた。感覚は残っているのだが、思考力が全く無くなっていた。


 《デーモンさん、どうでしょう。》
 《今射精したが、さすがに快感は感じていないな。》
 《そうでしょうね。本来、膣とか子宮は感覚神経細胞は少ないですから。》
 《だから菊野の仕様により神経細胞は特に多く生成させた。だから感覚としては感知しているのだが、それが快感には結びついていない。》
 《それは回数多くセックスしないと無理でしょう。逆に快感を受け入れた時に感覚があれば、その感覚が快感を誘発する事になるはずです。》
 《男としての快感反応は把握しているが、女の反応はまだ不明だ。肛門で交尾した時に派生していた反応を少々フィードバックさせてみようと思う。お、この牡が再び始めた。調査を再開する。》



 (イヤーッ、キャプテン、やめて!!)

 二度目はじらすようにゆっくりと事を行う。

 「ハフッ・・・。ちょっとチンチンが邪魔だが、出門の顔を見ながら、そしてオッパイを掴みながらできるってのはいいな。それっ・・・!」




 「デーモンさん、どんな具合でしたか?」
 「そうだな。膣、子宮構造は予定通りだ。それに肛門での性交はこの先面倒なのだ。私の本体が回復して体積が大きくなり、本体全部を腸内に戻すとなるとかなり深い位置に入らねばならぬ。大腸全体でも収まらなくなるだろう。センサーは外部に出したままにしておきたいからな。であるから膣や子宮で得られた精液はこの触覚から、あるいは我が肉体ができた時にはそれで吸収させる事ができる。」
 「では、形状的にはそれで宜しいのですね。」
 「形状的にはいいだろう。ただ、先程の交尾で分かったのだが、もう少し膣筋を強化した方がいいと思う。不随意筋を活発化させ、ペニスを内部に強く引きずり込む構造にすれば、よりたくさんの精液が得られるだろう。そうなればペニスが入り込みやすい形状の膣であるし、入ってしまえば輝の意志に関係なく交尾状態となるだろう。最初の内は精神的に拒絶するだろうが、簡単に交尾状態にできるという事だ。」
 「それは宜しいですね。それで『胎児』の生育状態はいかがですか?」
 「これも想定通りだ。体積から言えばまだまだ微少だが、それでも地球人胎児の場合の20倍速で成長している。」
 「20倍? だとすると・・・、半月程で?」
 「いやいや、弾力性の高い子宮にしたとはいえ、腹部の皮膚の伸びには限度がある。それに今は単に細胞を増殖させるだけであり、形態を決定するには私と直接接続してデータを送り込まねばならない。必要栄養も増加していくからな。おおよそだが一ヶ月程度掛かるだろう。形態決定の為のデータは菊野から得ているが、本当にこれでいいのか? 輝の知識にはほとんど存在しない形態だが。可変部、固定部は一度決定してしまうと、変更には新たな細胞からになるのだが。いや、地球人の形態であるので、菊野の仕様でよいのだろう。」
 「その点は私の趣味嗜好も入ってますが。それでも一ヶ月ですか。素晴らしいですね。」
 「しかしそれは私の外皮が輝を覆うという事だけで、浸潤細胞が完全に取り込むにはそこから3ヶ月は掛かると思量する。」
 「そこからが再び私の出番ですね。」
 「そうだな。肉体的に完成しても、精神的な過負荷を解消するには菊野の助力が必要だ。宜しく頼む。」


《しかし、地球人の思考には正直驚いた。まさかこの様な方法での生命維持が出来るとは・・・。もし、仮定だが、私程に消耗していなかった場合、殆ど尻尾だけでなく、もう少し本体が大きかったとしたらこの方法により肉体回復出来たかもしれぬ。その場合は輝を私に取り込む、或いは見方を変えれば輝に溶け込む方法になっていたかも知れぬ。更に或いは私の肉体その物を産み出させたかも知れぬ。この推論は正しいだろう。その子孫が菊野ではなかろうか。》

 デーモンは輝の体内で自分の肉体の代用に成るべき『胎児』の増殖を注目していた。それはまだ、或いは既にかも知れないが、親指程の塊に成っていた。



 「お早う。今日はよく眠れたかしら?」

 愛が輝の新しい居室のカーテンを開けた。しかし輝は黙ったままシーツで身体を隠している。

 「いい天気よ。外の庭で日光浴するには絶好の日和。庭の向こうは崖だから外から覗かれる事はないわよ。」

 輝は恨みがましい目で愛を見詰めていた。

 「素直に受け入れなさい。あなたはデーモンさんと出会った時点でデーモンさんの家畜になる事が決定していたのよ。」

 「だけど・・・、菊野さんが・・・。」

 やっと呻くように答える。

 「あら、むしろ感謝して欲しいのに。今の出門君に何を言っても分かって貰えないでしょうけれど、私がお手伝いしなければかなり悲惨な運命しかなかったのよ。オッパイを大きくされ、お尻からデーモンさんが出ている姿で一般の社会生活ができると思う? それだけで世間に奇異の目で見られ、デーモンさんも知られてしまう。デーモンさんが生存不可能な事態に陥った場合、つまり死んだ時、あなたも一緒に苦しんで死ぬのよ。」
 「エッ?」
 「デーモンさんの死とともに死滅した細胞から猛毒のテトロドトキシンが流出するの。神経毒ですから呼吸ができずに苦しみながら死に至るのよ。」

 《おい、私の体内にはその様な毒素は存在しない。》
 《いいのよ、単なる脅しですから。》

 「もし世に知られずに生き延びられたとしても、家畜化にはかなりの年月を要するわ。そしてずっとデーモンさんを恨みながらね。それってデーモンさんにとっては良い家畜ではなくなる。そうなるとあなたを廃棄せざるを得ないわね。廃棄って事は・・・どういう意味かは分かるわよね?」



 (オッパイはこんなに大きく・・・。そしてオマンコを作られ、子宮の中にはデーモンの身体が・・・。何となく大きさが分かるけれど、これなんだろうか・・・。)
 「そうだ。分かるか。精液で生成させるよりもずっと早く育っている。」
 「ワッ・・・、あ、そうか・・・デーモンさんにはボクの考えが筒抜けなんだ・・・。」
 「心配するな。菊野は実に不思議な人間だ。お前は半信半疑だろうが、いわゆる悪人ではない。地球人より遙かに上位の人類と自認している私だが、それでも菊野には敬意を払っている。あの女に任せておけば我々二人とも安心に、安全に、そして実のある生活が待っていると信じる事ができる。」
 「そんな事無いよ・・・。ボクはデーモンさんの家畜にされ・・・、しかも女に・・・。」
 「いや、輝が充実した生活を送れないという事は私にとって不満であり、精神的抵抗は面倒な事なのだ。私が充実した生活をする為の条件は輝の幸せが必要条件なのだ。」
 「だけど・・・。」

 輝は乳房と腹を撫でながら涙を流し続けていた。


 「フウーッ・・・、おなかの中がかなり大きくなってきたよ。」
 「苦しいのか? いや、肉体的苦痛は少ないな。」
 「そうじゃないよ。どうせ産むなら自分の子供ならって・・・。」
 「自分の子を産みたかったのか。それなら不可能ではないぞ。まだ子宮迄しか形成していないが、やがては卵巣、輸卵管も作る予定だからな。せっかく乳汁が出るのだから、それを自分の子供に与えたいというのは動物としても本能の筈だ。」
 「それはイヤだ! そうしたらボクは完全に女に成ってしまう。」
 「既に外見上はほとんど雌なのだがな。」
 「夏休みももうすぐ終わりだよ・・・。ボクはもう学校には行けない・・・。」
 「それも心配はない。菊野の母は学校の理事長だ。このまま学校に居られる処理をしているらしい。まあ、外見上から女生徒扱いになるそうだが。それに学校には分校があり、お前が慣れるまではそこでの学問が可能だ。その分校もここのすぐ先だ。」
 「ボクが女子高生で? そんな・・・。」
 「しかもお前には独特の特技がある。テストを受けるにはかなり有利なのだ。しかし人間の価値というのはテストの結果だけではない。まあ、結果が良いという事は有利ではあるがな。」
 「ボクの特技?」
 「いいか、私は輝と一緒で外見上は一人なのだ。私の知識をお前に与える事により、テストの回答ができる。しかし地球上の事で私の未だ知らざる内容もあるはずだ。その場合は真剣に思考している他の人間の僅かに漏れ出る精神波で感知できる。更には私のセンサーを極めて細くして周囲を観察する事もできる。」
 「そんな・・・、カンニングなんて。」
 「他人には真似のできない特技である。他人の感知できないカンニングは特技であってカンニングではない。それにもう少し私の脳組織が回復すれば、私が直接お前の脳にデータを送り込み、書き込む事も可能になる。それはお前の知識となるのだ。学問に余分な時間を使用せず、自分の生活を楽しめるのだ。」

 輝はフッとため息をついた。

「家畜としての自分の生活をですよね・・・。」




 「フーッ、菊野さん・・・、つらいよ。」
 「普通なら10ヶ月掛かるところを1ヶ月ですからね。」
 「デーモンさんの身体を産むのは普通じゃないよ・・・。」
 「あら、そうよね。デーモンさん、もうほとんどでき上がってますよね。」
 「データ通りにでき上がっているが、今は再確認段階だ。その作業も間もなく終わる。」
 「あら。そうでしたか。出門君、どうします?」
 「どう・・・って?」
 「いつでも産めるのよ。陣痛促進剤を使えば、すぐに出産できるわ。」
 「だったら・・・、早く出してしまいたいよ・・・。」
 「分かったわ。それなら地下の診察室に行きましょう。」

 輝は大きなおなかを抱えるようにして、がに股で愛に続いた。素っ裸の巨乳、臨月腹で尻に真っ黒い尻尾を付けている姿は輝自身、涙が出そうな程、無様な格好だった。それでも素直に診察室に向かう輝は自分の勘違いに気付いていなかった。デーモンの身体ができるという事は、その身体にデーモンの本体が入り込み、輝から離れると思っていたのだ。

 《菊野、輝は間違っているが、いいのか?》
 《ええ、そうでなければ素直に出産するはずはないですよ。これから自分がどうなるのか、そして最終的にどうなるのかを知ったら、絶望で自殺してしまうかもしれない程のショックの筈ですから。》
 《私の思考からもそれは予想できるのだが、本当に大丈夫なのだな? 菊野の事は信頼しているがな。》
 《まあ、ここまで素晴らしい改造は初めてですが、何度も似たような経験がありますからね。でも、今回は着せてしまう迄は安心できません。》
 《そうだな。私の身体を着た時点で肉体的にも奴隷家畜が決定するのだから。》





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