逆転の館


 〈この娘で良いのか?〉
 〈サーチャーは指し示している。〉
 〈まだ若い、と言うよりも子供なのになあ・・・。〉
 〈大人であっても大変な事だ。人生を狂わせてしまうのだが、それでも快楽だけは保証される。歴史全体から見れば些細な事だ。〉
 〈そう考えねば、とてもこんな事は出来ぬ。〉
 〈この時代でも非倫理的な事なのかなあ。私達の時代では悪戯での事件はあるが、それでもすぐ外せる。〉
 〈お前はそういう事には疎いからな。結構あるよ。但しあくまでも本人の意志でだから。この時代では男女の一夫一婦制度は確立している。自己妊娠出産などは考えも及ばぬ事だ。〉
 〈自己妊娠? 性転換で男性にするのではないのか?〉
 〈それならば何もこんな面倒な方法をとらなくても済むではないか。受精の時に干渉すれば済むし、胎児の間に処置する事も出来る。女性としての意識と女性としての肉体が必要なのだそうだ。〉
 〈何故? 自己妊娠だけなら単なるふたなりで自家受精で済むのに。〉
 〈さて・・・、確かに・・・。しかしそういう指令なのだ。実に細かい指令が来ている。この時代は歴史的な特異点にある。この後の第三次世界大戦の為に、細かい歴史的事実が失われている。大掛かりな歴史介入がその後に影響しない事もあるし、ほんの僅かな介入で大きく変わる事もある不思議な時代なのだ。〉
 〈それで、どういう手順で?〉
 〈急激に変化させる事は出来ない。この時代ではまだ精神の不安定からの自殺という恐れがある。〉
 〈自殺? この程度の文明の時代でもか?〉
 〈そうだ。特に若い女性では、我々の処置は自殺に値する。だから極めて慎重に事を進めねばならない。しかしあまり時間を掛ける事は出来ない。〉
 〈それも変だな。時間は我々にはどうにでもなる。彼女には数年でも、我々には飛越出来る。数分あれば良い。〉
 〈そうではない。彼女の精神状態で、短期間で為さねばならぬと言う事だ。性の目覚めから、肉体的な成長の完成迄に済まさねばならない。しかもどうやら準備に一ヶ月、その後一ヶ月程度で完成させ、熟成期間を更に一ヶ月、だから三ヶ月で最高機能を持たせる必要があるらしい。〉
 〈そんなに短期間で・・・。それ程早く自家受精をさせる必要があるのか・・・。〉
 〈それも不透明なのだが、自家受精はずっと後になるらしい。確定はしていないが、少なくとも三年以内ではないらしい。自家受精の機能だけを早急にもたらすという指令なのだ。〉
 〈エッ? それも不可解。それならもっとゆっくりと処置出来る筈だが。〉
 〈私もそう思った。しかし三ヶ月処置でのハルマゲドン回避確率が五十二%。それが半年では三十五%に落ちる。一年では十八%だそうな。しかも細かい指示が出ている。どうもその指示の蓋然性が分からないが、それでもその作業についてのコンピューターの確率は一つの指示ごとに細かく確率で示されている。〉
 〈そうか・・・。マスターコンピューターの解答か。それにしても五十%少しとは・・・。〉
 〈指令は我々だけにではない。色々なグループがハルマゲドン回避の指示を受け、それぞれに努力している。全員が完遂する事で百%に出来るのだ。逆に我々だけが失敗すると、七十%以下になる。許されない事だ。〉
 〈そうだな。非倫理とは言っていられない。〉
 〈他グループには殺人指令も出ているとも聞く。それに比べれば・・・。どちらかと言うと面白味のある指令ではある。〉
 〈まあな・・・。確かに我々の趣味と一致はしている。〉
 〈それでは・・・サーチから始めるか。〉



 金田真央(まお)、十五歳、心生学園高等部一年の、まだ子供っぽい女子高校生。田舎から出てきて、学校の寮に住んでいる。寮は女子寮で、特別の事情が無い限り、二人部屋である。そして一年生は三年生と、二年生は二年生どうしが同室となる。同室と言っても、中央の共同部分と両側にそれぞれの小さな寝室、ベッドが在るだけだが、一応僅かにはプライベートな空間は在る。つまり、一年生は寮や学校の事を先輩に教えて貰う事となる。真央の部屋の先輩は音川百合枝。心生学園には美人が多いが、その中でもかなりの美人である。バレー部に属しているので、背が高く、いかにも活発そうな女性であった。

 「マオ、今日は遅くなるわよ。」
 「アッ、先輩、デート。」
 「違うのよ。それならいいのだけれどね。伯母さんの所へ。」
 「分かりました。そういう事にしておきましょう。」
 「来年の就職の話よ。卒業したら、うんと男漁りをするわ。もっとも・・・。」
 「もっとも・・・?」
 「ううん、何でもないの。行ってきます。」
 「行ってらっしゃい。」

 マオは自分のベッドに寝転んで、雑誌を読み始めた。ユリエの物だったが、成人用の本で、隠してあった物だ。いわゆる百合族、レズビアン雑誌であった。

 「フーン、先輩にはこんな趣味があるんだ。そう言えばバレー部の可愛い女の子には特に優しいわね。ウフッ、案外私もその趣味に合ったりして・・・。」



 〈ちょうど一人だ。〉
 〈まあ、密閉された室内なら、何人でも平気だがな。〉
 〈しかし、特殊任務とはいえ、精神抑制(マインドサプレスガス)の使用が許可されるとは・・・。相当の確率なのだな。〉
 〈精神制御(マインドコントロール)ですら許可が出ている。しかし難しいぞ。精神崩壊をさせてはならないから。〉
 〈それで、最初の指示は?〉

 黒い影の二人は小さな表示器を覗いた。そこには未来の文字が示されていた。

 〈ウム? どういう事だ? こんな事でいいのか?〉
 〈確かにな。しかし『精密』に遂行する指示だ。〉
 〈よし、始めるか・・・。ガスの用意。〉

 影の二人はマオを覗いていた窓の様な所から、小さなガスボンベを差し出し、音をさせずに噴霧した。


 「ファ・・・? 眠い?」

 マオは眠気というよりも朦朧としてきた。そしてそのままの姿勢で動かなくなった。


 〈精神サプレスした。〉
 〈いいだろう、始めよう。〉

 影の二人はぼんやりした覗き窓の様な所を広げ。マオの前に立った。

 〈やはり実空間の方が良い。どうも次亜空間は不安定で居心地が悪い。〉
 〈仕方ない。野蛮人の中では我々は異様に見えるだろう。〉
 〈それで最初は?〉
 〈器官を調べねば。向きを代えて。〉

 影の人物はマオを抱え上げ、仰向けにした。

 (誰? 何?)

 マオの意識はある。しかしその精神作用は極端に低くなっていて、不審な影の人物を不審とも思わず、恐怖すら沸き上がらなかった。そして記憶力も低下していて、自分が何をされたかも良く記憶出来ずにいた。

 〈ええと・・・、器官を覆っている・・・ショーツとかいう布を外さないと点検出来ないぞ。〉
 〈了解。〉

 影はマオのスカートをたくし上げ、ショーツに手を掛けた。どんなに精神活動が低下しているとはいえ、下腹部を覗かれる事はマオには原始的な羞恥心を起こさせた。

 (ダメッ、恥ずかしい。)

 そしてショーツを引き下ろされ、隠しておくべき部分があからさまになった時、マオは激しい抵抗を示した。しかし身体は全然動かない。

 〈ん? 精神抑制ガスは効いている筈だな?〉
 〈そうだ。しかし、確かに強い意志を示そうとしている。〉
 〈もし効いていなかったら、これは激しい抵抗だな。データに示されている通り、器官を晒すという事はかなり激しい精神ショックを呼び起こす様だ。〉
 〈抑制されているとはいえ、これ程の抵抗をするのだから、早いところ済ましてしまおう。〉
 〈どれどれ・・・。〉
 (キャーッ!! 誰? 私のあそこを覗いているの? ダメーーッ!!)

 そして黒い影の手がマオの秘部に伸びた。そして陰唇を広げられ、女芯を摘まれた。

 (ウッ! 私のあそこが触られてる? 誰? 何してるの?)

 〈古代人は陰毛が濃いと聞いていたが、それ程ではないな。〉
 〈確かこの時代の俗言では、陰毛の量と淫乱さの度合いは反比例するとされている。だとすると、割合に淫乱だという事だな。〉

 (キーッ!!! 一体・・・?)

 〈最初の指示は除毛か。これから先の処置には邪魔だ。それにどうしても不衛生になるからな。〉
 〈これで良いのか?〉
 〈そうだ。その除毛剤を塗り付けておけば良い。我々と違い、薬品に対する耐性が無いから、小量で良く効くし、完璧に効く筈だ。〉

 影の手がマオの秘部の周りに何かクリーム状の物を塗り付けている。茂みをジョリジョリと擦られていく感触は、肉体的には興奮を催させるのだが、精神的には汚辱感でいっぱいだった。しかしマオの精神は抑制されていて、嫌悪感、恥辱感は高まっても、すぐにリセットされてしまうのだった。

 〈塗り終わったが、すぐに除毛はされないのか?〉
 〈脱毛剤ではない。除草剤と同じで、毛髪に染み込み、やがて毛根迄到達してから、毛根を枯らすのだ。周りの毛根も完全に破壊させる薬剤だ。だから時間が掛かるが、それでも二、三日程度で済む。〉

 (除毛? 毛根を? 私のあそこの毛を?)

 〈さてと次は陰核の処置だ。〉
 〈人工クローンペニスの取り付けか? しかしそれにしては陰核が小さ過ぎる。移植し難い。〉
 〈今はまだ移植は出来ない。まず母台として充分な大きさに育てるのだ。だから準備として一ヶ月掛かるのだ。〉
 〈細胞増殖させるのだな?〉
 〈そうだが、それだけではダメだ。良くマッサージを繰り返し、自発的増殖を促さねばならぬ。〉
 〈随分と手間を掛けるのだな。それが指示なのだな?〉
 〈処置そのものは簡単だ。『陰核自慰依存症』(クリトリスオナニーホリック)にすれば良い。その『注射器』を。〉

 影は小型のピストルの様な物をマオのクリトリスに押し当てた。シュッと小さな音がし、マオはほんの少しの熱さを感じたが、それもすぐに消えた。そんな刺激よりも、下腹部を広げて晒け出している方が遥かにつらかった。

 〈多淫症の薬剤か?〉
 〈そうだが、指示によると面白い組み合わせだ。当然、成長剤、増感剤と発情剤だが、嫌布剤、好気剤、あとは好圧剤、好他剤が入れられている。〉
 〈何だ? 増感発情は分かる。嫌布好気、好圧好他とは?〉
 〈『嫌布』とは文字通り布を嫌う。陰核を布に覆われているのが不快になるのだ。『好気』はその補助剤。空気に触れている方が心地良いのだ。だからこの被施術者は、陰核を出したままの性向を得る。『好圧』は圧力を好む。そして『好他』は自分でするマッサージよりも、他人による圧力刺激を好む。他人による陰核マッサージに対する快感を得るのだ。〉
 〈なる程。それならこれからの処置にも良い。〉
 〈我々の処置の他に、鍛錬による母台増殖を効果的にするらしい。次は三日後だな。〉
 〈三日程度ではそれ程の成長はないだろう。今まとめての処置ではダメなのか?〉
 〈今はこの女の処置だけだが、三日後には同室の女にも精神制御をする。『好他』と言ったが、その女にこの女を訓練して貰う。勿論その時にも薬剤注入をするが。〉
 〈そういう予定か。さてそれでは今回はこれで終わりか・・・。どうだ? 回避確率は?〉
 〈どれどれ?〉

 影は小さな箱を開き、中を見る。

 〈ほう・・・。進捗の五%だ。〉
 〈この程度でか・・・。期待が持てる。〉
 〈そういう事だ。さて、一旦戻り、三日後にセットだ。〉
 〈了解。〉

 影達は歪んだ空間に入り込み、その歪みがスーッと薄れていった。マオはまだ抑制されていたが、影達が消えた事を不審にも感じず、自分の秘部を覗かれた事も段々に忘れ、やがて眠りに落ちていった。



 「ユリエちゃん、大学はいいのだけれど、工科系なの?」
 「去年から心生学園大学に新設されたでしょう。どうせなら、先輩の少ない学部がいいわ。」
 「でも、あまり理数系は得意ではなかった筈よ。」
 「だからよ。持ち上がりなら確実に入学出来るし。」
 「でも、何を勉強するの? 少なくともお嫁に行くのには役に立たないわ。それにあなたは・・・。」
 「ストップ、おば様。」
 「コラッ、おばさんじゃないわよ。確かに歳は離れているけれど、あなたとは従姉妹どうしなのだから。まあいいわ。今のままではお嫁に行けないわよ。」
 「うーん、何とか大学迄には・・・。でも、どうも男は・・・。ねえ、おば様。女の人で居ないかしら?」
 「女どうしでは結婚出来ません。だったら・・・、前から言っているでしょう。男でも可愛らしい子が居るのよ。」
 「アキちゃんみたいなね。いいとは思うけれど・・・、やっぱり女の方が・・・。どうしても男の子は生臭い感じで・・・。ねえ、半陰陽でもいいわ。誰か居ない?」
 「今はね・・・。大体、普通では殆ど居ないのよ。それに居たにしても、生殖能力がある事は少ないし、まして可愛い子となると・・・。」
 「女の子に男性器を付ける事は出来ない? それなら可愛い子が居るんだけれど。」
 「形だけなら可能よ。でも、あくまでも形だけ。生殖能力が無いのだから、結婚して子供をもうける事は不可能よ。子供って可愛いものよ。うちの場合は特別だけれど、だから余計に可愛いわ。」
 「そうね。愛ちゃんは一歳ね。おばさんの場合、パパも育児、授乳が出来るからいいわね。」
 「ウフフ・・・。私よりもパパの方が沢山お乳を上げているわ。私もそうだったらしいけれど、両親からオッパイを貰えるのって幸せよ。ただ、愛もパパの物を玩具にしているから、眠る迄は私が使えない。パパに言わせると、愛も天性のスケベらしいわ。この頃は力も強くなって、出そうになりそうだって。」
 「フーン、私達の家系はどうも生まれつきのスケベなのね。だから私は工科系にしたの。おばさんのお店で扱っている物、それの高度な物を開発したいのよ。趣味と実益を兼ねてね。」
 「ああ、そういう意味なの・・・。そう言えば、一族の中での弱みは開発部門ね。ユリエちゃんがそういう方面に進むのは、私にも利点だけれど。だけど、何とかボーイフレンドを探しなさいよ。」
 「その内ね。私だって女だから、子供は欲しいと思う。セックスだっていいと思うけれど、どんな可愛い子であっても、男の人と暮らすと思うと・・・。まあ、その内ね。」
 「はいはい。あなただって私と同じ血をひいているわ。きっと変態セックス大好きの筈よ。きっと欲しくなると思う。」
 「ええ、オチンチンは好きになれそう。ただ、女の人にあれば最高なんだけれどね。」
 「私のファイルも参照していいわ。気に入った子が在ったら、いつでもユリエちゃん好みの姿にして上げられるから。」
 「その時はお願いします。」



 「ん・・・?」

 マオは朦朧としたまま目を覚ました。そしてショーツを脱いだ姿である事に気が付いた。

 「キャッ!! 何で?」

 慌てて周りを見回し、急いでショーツを穿いた。

 「変な夢を見ていたと思うけれど・・・、何だか凄くスケベな夢だった筈だけれど、覚えていないわね。きっと夢の中で脱いでしまったのね。ウッ・・・?」

 マオは何となく催してしまっていた。クリトリスに痒みを感じ、穿いたばかりのショーツをもう一度脱ぐ。

 「ウーッ、痒い。どうしたのかしら・・・。」

 ベッドの上に座り、下腹部を覗き込み、陰唇を広げてクリトリスを真探るのだった。

 「フーッ。何だか、とってもスケベな気分。ハーッ、凄く気持ちいいわ。こんなのは初めて・・・。」

 マオはクリトリスを摘み上げ、強く擦る。今迄もオナニーの経験はあるが、それにしてもびっくりする程の高まりだった。

 「キヒーーーッ!!」

 頭の中がスパークし、弾ける様に仰け反って、一気に到達してしまった。ゆっくり起き上がり、不思議な物を見る様に股間を覗き込んだ。

 「どうしたのかしら・・・? こんなに凄いの初めて。あーあ、シーツがビッショリ。」

 快感の余韻の中、マオは後片付けを急がねばならなかった。いつユリエが戻ってくるか、分からなかったからだ。まだ股間に滴っている愛液を拭おうとしてタオルを宛てがった時、キーンと響く様な刺激が走った。

 「フワッ!! まだ? あらイヤだ。まだお豆が大きいまま。まだ続いているなんて・・・。それなら、ウフッ・・・。」

 マオは丸めたシーツに座り、その上でもう一度オナニーを始める。今迄にも連続でした事はあった。しかし二度目の高まりは大した事はなかった。それが今回は最初にも勝る激しい高まりに驚くのだった。

 「クヒッ! どうしたの? こんなに凄いなんて・・・。アハーーン・・・!!」

 夢中になり、激しくクリトリスを掻きむしる。マオは初めて潮吹きを経験し、愛液を撒き散らしながら達した。そして快感の余韻はいつ迄も続き、心地良い脱力感に酔い痴れていた。

 「ハーッ・・・。オナニーがこんなに凄かったなんて、一体どうしたのかしら・・・?」

 まだジッとしていたかったのだが、時計を見ながら本当に片付けをしなければならないのが残念だった。しかしまだ股間からは愛液が滴り続けている。

 「ウーン、どうしたのかしら。まだ続いているなんて。先輩が戻ってきてしまう。これじゃ、ショーツも穿けないわ。仕方ない。」

 マオは生理用ナプキンを出し、ショーツに張り付けた。

 「あーあ、私って、こんなにスケベだったのかなあ・・・。確かに、何だか凄さまじい夢を見ていた気がするけれど。アヒッ!」

 クリトリスは充血したままで、それが陰唇から飛び出ていた。そしてナプキンに触れると、激しい催しを起こしてしまうのである。

 「これじゃあ・・・。一体どうしたの?」

 クリトリスを押し込み、陰唇で覆おうとするのだが、まるで拒絶する様に突き出てしまう。いじくり回していると、ますます催してしまうのだ。

 「凄く過敏になってる。まさかノーパンで居る訳にもいかないし、汁が垂れてしまう。お豆に触るとひどいみたい・・・。」

 何度も繰り返してショーツを穿き直すのだが、その度に飛び上がる程の快感に腰が抜けそうだった。マオはクリトリスが擦られて刺激を受けると考え、応急絆を宛ててみた。

 「クヒッ、触るだけでもダメ・・・。困ったわ。このままじゃダメ。仕方ない。落ち着く迄は、お豆に触らない様にしないと。穿き古したショーツだからいいか・・・。」

 マオは決断した。愛液が流れ出している以上、ナプキンは必需である。そしてナプキンもショーツもクリトリスに触れない様にするには、クリトリスの部分を繰り抜き、その穴から出しておかねばならないのだ。激しい刺激に耐えながら、ショーツを穿いてクリトリスの位置に印を付け、鋏で穴を開ける。それを穿くと、きちんと穴からプックリとしたクリトリスが顔を出した。白いショーツから覗く充血したクリトリスはかなり目立つ物である。あまりの卑猥さ、みっともなさに涙が滲んだ。

 「ウワーッ、ひどい。スカートがめくれたら、見えてしまう。」

 殆ど股間の真下の位置であるので、屈んでも見えてしまいそうだ。

 「あの変な夢のせいよ。良く覚えていないけれど、お豆を悪戯された様な・・・。クフッ、動くとショーツの穴の淵が触る。もっと大きな穴にしないとダメかしら。ああ、またしたくなってしまう。でも、先輩が・・・。」

 机に向かい、勉強をしているふりをしながらしてしまおうかと思った時、ドアがノックされ、ユリエが戻って来たのだ。

 「アッ、せ・・・、先輩。お、お帰りなさい。は、早かったですね。」
 「おば様の所、子供さんが居てね、長居はし難いのよ。二人だけの時だったら色々お話しも出来るのだけれど。ん? マオ、顔が赤いわよ。熱いの?」
 「エッ、ええ・・・。何だか熱っぽくて・・・。」
 「こんな時期に風邪? 無理しない方がいいわよ。食事したの? 私は済ませてきたけれど。」
 「何だか食欲も・・・。おなかがすいたら、部屋の冷蔵庫に在りますから。」
 「じゃあ、早く休んだ方がいいわ。」

 マオは自分のベッドに潜り込み、急いでショーツを脱いだ。やはり動くと擦られ、催してしまうのである。念の為にバスタオルを敷き、立て膝にして股間に空間を作る。本当ならオナニーをしてしまいたいのだが、精神的にも疲れ、部屋にユリエが居る以上、行えない。それにこれ程の激しい快感では、もしかすると大きな喘ぎ声を出してしまうかも知れないからだ。それで、鬱々としながら、マオは眠りについていた。



 朝目覚めると、マオは布団を蹴飛ばし、下腹部を大きく開いていた。そして指にはビッショリの液が付いていて、眠っている間にオナニーしていた事を知った。

 (あらーっ・・・。私、眠っている間に・・・。ワッ、お豆は大きいまま・・・。随分激しくしたのかしら。抜け毛が多いわ。どうしよう。このままでは授業に出られないし・・・。)

 済ませてしまっていたせいか、欲情の火は落ち着いていた。とは言え、普通なら絶対に事を行う程の高まりなのだが、我慢の限界内である。

 (早目に学校に行って、催しそうだったら、どこかの部屋で・・・。そうだ。ショーツにしてももっと穴を広げないと。)

 マオは昨日のショーツを取り出し、その穴の寸法に合わせて新しいショーツに穴を開けるつもりだった。

 (色は白でない方がいいわ。肌色よりも濃いベージュの方が・・・。私のお豆の色と同じ物なんか無いから、少しでも・・・。)

 穴を大き目に開け、更に淵が解れない様に縫い付けるのだった。ユリエを起こしてしまわない様、静かに静かにするのだった。

 (あとはナプキンだけれど、学校で取り替えないとダメかも知れない。向こうでは穴を開ける訳にはいかないから、穴開きを幾つか用意しないと。これも毛羽立つとつらいわ。)

 ナプキンにも穴を開けると、ショーツ同様、穴の淵を丁寧に縫っていく。

 (こんな事に毎日時間を費やせないわ。早く直さないと・・・。でも、どうすれば・・・。)



 マオは初めて学校生活をつらいと思った。授業には殆ど身が入らず、ただひたすら欲情の炎を押さえるのだった。ただ、椅子に座っている分には少しみっともないのだが、足を開いて股間に空間を作っていれば良い。しかし無意識に足を閉じると、途端にショーツの布が触れてきて、危うく声が出そうな程の刺激を感じてしまうのだ。

 マオの異常はクラスメイトの誰にでも分かる程度だった。いかにも熱がありそうな表情で、ボーッとしてだるそうなのは、いかにも具合が悪そうに見えていた。だから最後の五時限目を終えた時、クラブを休んで帰る様に言われた時は、むしろ嬉しかった。


 寮の自室に戻り、急いでベッドの上でオナニーを始める。学校ではさすがに出来なかったので、いきなりの高まりで、激しく仰け反って達した。ユリエはクラブで遅くなるのは分かっていたが、もし居たにしても我慢出来なかったと思う程だった。

 「フーッ。凄かったわ。でも、あまり激し過ぎて、楽しめなかったわ。先輩はまだよね。今度は味わう様に・・・。」

 マオは起き上がり、ゆっくりしたマッサージでオナニーを楽しむ。しかし、マオ自身が思っていたよりもすぐに高まってしまい、アッと言う間に仰け反っていた。

 「困ったわ。こんなに気持ち良くて。私って、こんなにスケベだったなんて。それに・・・。ショーツを脱いでいるのがこんなに落ち着くなんて。こういうのを露出狂って言うのかしら。ワッ、大変。そんな事になったら・・・。違うわ。お豆が過敏で、ショーツを穿いていられないのよ。」

 マオはゆっくりと立ち上がった。股間に愛液が滴り落ちるが、ショーツのナプキンは既に限界迄吸収しており、新たなナプキンを必要としている。沢山の縮れ毛が付いていて、そしてショーツその物が湿っていて、新たな物を必要とするが、急いで穴開けをしなくてはならなかった。

 「こんなショーツを見える所には干せないわ。毎日洗って、穿き代えるにしても少なくとも四枚は要るわ。ベージュのは在るわね。急いで準備しないと。」

 スカートにも愛液でシミが出来そうなので、まくり上げ、下半身スッポンポンで仕事を始めるのだった。いかにもみっともなく卑猥なのだが、相変わらず高まったままのマオにはそれ程にも感じなかった。マオは急いでショーツの細工を始める。まだ新しく、一度も使用していない物に鋏を入れるのは悔しかったが、それでも急いで繕わなければならない。

 「あーあ、勿体ない。お豆が戻れば、こんなショーツは使えなくなってしまう。ナプキンは在るけれど、買い足さないと。一ヶ所ではみっともないから、あちこちで買わないと。」

 ショーツの同じ所に穴を開け、淵を縫い付けていく。


 マオは追加の生理用品を買いに行き、ついでに肌色のファウンデーションも買った。

 (これをお豆に縫っておけば、色が目立たなくなるかしら。隙間から見えてしまうナプキンも目立たないかも。)

 近くのスーパーで徳用の物を買い、急いで寮に戻るのだが、早足で歩くとクリトリスへの刺激がきつく、部屋に戻った時にはすっかり高まってしまっていた。


 「あら、大丈夫?」

 部屋にはユリエが戻っていた。

 「まだ熱があるみたいわね。顔が赤い。」
 「エッ・・・、アッ、何だかまだ・・・。」
 「無理しない方がいいわよ。」
 「学校に居る間は大丈夫だったんですけど。」

 マオはスーパーの袋をベッドルームに放り込んだ。ユリエはちょっと不審な顔をしていた。マオの生理周期を知っているユリエには、マオがナプキンを買ってきた事を不思議に感じたのだ。

 「ちょっと一休みします。」
 「そうね。その方がいいわ。」

 マオは急いでベッドに横になり、タオルを敷いてショーツを脱いだ。ユリエが居なければすぐにでもオナニーを始めたいのだが、ジッと欲情の炎が治まるのを待つだけだった。しかし高まったままで、いつ迄も悶々としていなければならなかった。



 そのまま眠ってしまっていたマオが目を覚ましたのは早朝だった。ノーパンで着衣のままだったので、慌ててねまきに着替えようと思ったが、間もなく夜明けらしいので皺になってしまった制服を着替えようと思うのだった。二日続けて風呂には入らなかったので、スプレーで汗を拭う。

 (また眠っている間にオナニーをしてしまったみたい。お股がビッショリ。蒸れたままのせいね、毛が沢山抜けている。こんなに沢山抜けたら、パイパンに成っちゃうわ。)

 股間を覗いたマオは思わず声を上げそうになった。

 (毛が・・・。随分抜けてる。私って、元々そんなに濃い方じゃないけれど、まるで・・・。)

 下腹部の茂みは殆ど残っておらず、残っている毛も細く薄く、全く生気がない程弱々しく見える。子供の様な股間の割れ目がハッキリ見え、しかも充血したクリトリスが陰唇をかき分けて顔を出している。

 (蒸れているからよ。治まればきっと元に戻る。絶対そうよ。)

 ショーツやベッドに散らばっている縮れ毛を丁寧に拾い集め、ごみ箱に捨てる。そして大腿部や下腹部に付いた抜け毛を取っている内、やはり我慢出来ない程の高まりを感じてしまった。シーンとした室内では声が響くと思い、マオは口にタオルを喰わえてオナニーを始めるのだった。

 音は立てないつもりだったが、それでも僅かな喘ぎ声とベッドのきしみ音はユリエに聞こえていた。

 (マオが始めたのね。ウフッ、まだ子供だと思っていたけれど、やっぱりねえ。でも何だか、昨日あたりから急ね。風邪の原因はオナニーのし過ぎかしら。私にも覚えがあるけれど、最初の内は夢中になっちゃうのよね。生理不順で目覚めたのかしら。生理が過ぎれば戻るわね。まだ指だけでいけるなんて幸せね。私みたいに道具に魅せられたら、なかなか出来ないもの。まあいいわ。女の子の身体の発育には必要な事。私ももう少し眠る・・・。)

 ユリエはマオがごく普通のオナニーをしているものと思っていた。



 二日目も何とか乗り切っていたが、それでもマオにはかなりつらい欲情であった。それでも第二金曜日で、翌日からの連休、第二土曜日、日曜日、そして祝日と続く三連休は楽しみであった。部屋でたっぷりとオナニーが出来るだろうし、その間には身体が戻ると思っていたのだ。

 「フーッ、たまらない。先輩は部活よね。まず落ち着かせないと。」

 ベッドでショーツを脱ぎ、ビッショリのナプキンを処理しようとした。

 「ワッ! 毛がこんなに・・・。」

 湿ったナプキンには沢山の縮れ毛が付いていた。慌てて下腹部を覗き、そして手で触って確認をする。

 「グッ・・・、抜けてる。殆ど無くなってる。オナニーのし過ぎで? 病気なのかしら。何かの病気で、こんなにスケベになり、毛も抜けちゃうのかしら。こんなにお豆が大きく成ったままだなんて・・・。フーッ、でも我慢出来ない。」

 マオは悩むのは後にし、まず先にオナニーをしてしまおうと考えた。固く勃起したクリトリスは激しい快感を呼び起こし、毛が無い事は陰唇が滑らかで、オナニーにはむしろ好ましいものだった。そして一気に高まり、嗚咽を堪えつつも激しいアクメを迎えた。

 一度のオナニーではまだ満足出来なかった。立て続けにするオナニーで、僅かに残っていた陰毛はすっかり抜け落ち、蟻の戸渡りの部分ですら、完全な無くなってしまっていた。
 連続のオナニーは女であってもかなり疲労が残っている。まだ股間から響く余韻に浸ったまま、マオはベッドに横たわっていた。

 「困ったわ。オナニーがこんなに気持ち良かったなんて素晴らしい事だけれど、治まらないと大変。まだ始まらない内に色々と仕度をしておかないと。」

 マオは身支度をし、買い物に出掛けるのだった。連休期間中、あまり外出したくないので、食事と飲物を買い込む為だった。ドリンク類とお菓子、そして栄養ドリンクを大量に買い込んだ。用意はユリエが戻る迄にしておかねばならず、二度、三度と店を代えて買い込むのだった。自室のベッドルームの小型冷蔵庫には到底入りきれず、勉強机の下に箱のまま隠す様にしまい込んだ。

 「ハーッ、歩くのがきつい。でも、ウフッ・・・п@気持ちいいオナニーが出来るのよ。フーッ、ナプキンがもうビッショリ。思ったよりも使うわ。夜用の大きな物を買ってきておいて良かった。」

 急いでショーツを脱ぎ、ユリエが戻ってくる迄に充分堪能してしまおうとベッドに上がった。



 「ただ今。」

 ユリエが部活を終えて戻ったのは日が暮れてからだった。マオの靴が揃っていて、ベッドルームには気配がある。

 「ああ、寝てるんだ。風邪だものね。起こすのは可愛そう。食事は後でもいいか。さてと・・・。」

 ユリエは着替えて食事に出掛けようとし、ふとマオの机の下の箱に気が付いた。
 「あらっ? あの箱・・・。ずいぶんとたくさんのドリンク・・・。まだ封を切っていないわね。だとすると中身は・・・。マオがこんな物を好きだった様子はなかったわ。一箱だとすると随分・・・。まさかねえ・・・。」

 ユリエにはマオの性格からして、ドリンク剤の量の多さに不審を感じていた。

 「SでもMでもなかったし、私みたいに性経験は無さそうだったけれど・・・。どうも私が栄養ドリンク剤に偏見を持っているのね。そうよ。普通の人にはいい栄養食なのだから。きっと食欲不振だから買ってきているのね。」

 ユリエは静かに食事に出掛けて行った。



 マオはいつの間にか熟睡していて、下半身ほてりで目が醒めたのは深夜だった。指が無意識にクリトリスをこね回していたのだ。

 (あらっ? もう夜? ウフッ、私ってスケベね。)

 高まりは充分だった。声を殺すのがつらいが、それでも身体の求めるままに上り詰めていった。


 性に関する事にはユリエは敏感であった。マオのベッドのきしみと押し殺した嗚咽に気が付いた。

 (あら・・・。マオ、またオナニーしてる。ちょっと多いわね。この学校に居るからには性の異常者という可能性は多いけれど、おば様のファイルにはノーマルという事になっていた筈よ。可愛いけれど、ノーマルでは手を出さない方が無難だし、うーん、ペットにするのは楽しそう。ちょっと悪戯してみたい気もするけれど・・・。)

 ユリエは望むべくもない希望に苦笑いをしていた。



 翌朝、ユリエは部活の打ち合わせで出掛ける仕度をしていた。マオも起きたらしいが、長い事ベッドルームでゴソゴソしていた。ちょっとおかしいかなという感じはしたが、それでもノーマルだと思っているマオなので、声を掛けてから部屋を出た。

 寮の表に出た所で、ユリエは忘れ物に気が付いた。

 「おっと、いけない。手帳忘れた。」

 戻ろうとした時、キョロキョロしながらマオがゴミ置き場に何かを捨てに来ていた。その様子に不審を感じたユリエは物陰でこっそり見ていた。ゴミの山の中に自分のゴミ袋を隠す様にして、急いで戻っていった。マオが部屋に戻りつく迄待ち、ユリエもこっそりとゴミ置き場に行き、マオが捨てた袋を取り出し、塀の影に隠れて袋を開いてみた。

 「マオは何をこっそりと・・・。あら?」

 中身は何と使用済みの生理用品だった。燃えないゴミなのに可燃物の中に捨てたのだと思ったのだが、生理の汚れはなく、湿り気はユリエにはピンと来る愛液の匂いだった。

 「マオはこんなに流していたの? ん? 何、この穴は?」

 数枚のナプキンには全て大事な部分に穴があり、そして縮れ毛が大量に付着していた。

 「まあ、こんなに毛が抜ける程のオナニーを・・・。お汁が多い子なのね。だからナプキンに穴を開けて、お汁はナプキンに吸わせる・・・。案外の好き者だったのね。」

 ユリエはマオの恥ずかしい面を知り、微笑みながら忘れ物を取りに部屋へ戻ろうとした。そしてハッと気付いた。

 「ナプキンはショーツに貼って使う物よ。ナプキンの穴越しにオナニーするとしたら、ショーツに穴も開けないと。そんな事していたの。フーン、ペットは無理でも、悪戯は出来そうね。折角目覚めたのだから、何かプレゼントでも・・・。部活中止、おば様の所へ行くわ。」



 〈どうだ?〉
 〈今、自慰をしている。すっかり依存症に成った様だ。しかしこれは薬の影響だからな。精神的にも陰核自慰依存症にする必要がある。〉
 〈それがマインドコントロールだな? ちょうど他人は居ない。すぐに済ませてしまおう。〉
 〈ダメだ。これを見ろ。〉

 影はもう一人に箱を見せた。中の文字をジッと見つめる。

 〈ああ、もう一人、同居人にもコントロールするのか。だとしたら、二人が揃っている夜中に行うのだな?〉
 〈そうではない。良く読め。私達の使命はタイミングが重要な要素なのだ。精神抑圧し、精神制御をして、本人達には時間感覚の連続性を感じさせるのだ。そうすればコントロールは完全なのだ。本人達の自意識として認識する。〉
 〈難しいな。まあいい。我々は指示通りにすれば良いのだから。〉
 〈同居人がもうすぐ来る。室内に入り、ドアをロックしたら・・・。〉
 〈了解。〉


 ユリエはニコニコしながら大きな袋を抱えてきた。従姉妹の弥生の所で大人の玩具を幾つか貰ってきたのだ。貰ったと言うよりは、半ば強引に持ってきたのだ。

 「ただ今。」

 ユリエがドアに鍵を掛けた時、亜空間から精神抑制ガスが送り込まれた。ユリエは部屋に入ってフラフラしながら椅子に腰を下ろした。目はしっかり開いているが、意識はなかった。そしてもう一つの亜空間はマオの部屋に現れ、同じ様にガスを送り込まれた。マオは相変わらずオナニーの最中であり、間もなく達する寸前で精神状態が固定されてしまった。

 〈OK。〉
 〈こちらも。二人ともコントロールをするが、同居人の方は簡単だ。こちらを処置している間、制御暗示を送り込んでおこう。〉

 影達はユリエの額と眉間、それに後頭部に小さなシールを付けた。それだけで終わりである。ユリエにはそのシールから、声が直接頭の中に響く様に染み込んできた。それは声ではない。精神の中からの叫びの様であった。

 【ユリエ、あなたはマオが好きよ。但しペットとして大好き。】

 それは弥生の声に似ていた。弥生が少し歳をとった様な声である。優しいが有無を言わさず、ユリエの心の中に染み込んでくる。

 【マオを責めるのが楽しい。マオはマゾ。責めて貰いたがっている。クリトリス責めが大好きだけれど、お乳もお尻も責めて上げなさい。マオはあなたの言葉に従うわ。】

 ユリエはニコニコしながら頷いていた。

 〈向こうはすぐ済むだろう。こちらは手間が掛かる。〉

 影達はマオを仰向けに広げ、銃型の注射器で身体のあちこちに薬液注入を始めた。

 〈乳房への注射か? どういう働きをさせるのだ?〉
 〈私にも意味は分からぬ。ただ男性化させる為なら不要と思うが。〉
 〈コンピューターの指示の意味は?〉
 〈豊胸剤らしい。とにかく乳房を大きくする為だ。肉体の大きさとのバランスを崩す程の大きさにする事が確率逓減になるらしい。今の大きさはBカップという大きさらしいが、もっとも確率の下がる大きさがOカップらしい。もっとも、この肉体にどの様な豊胸剤を使っても、Jカップが限界らしい。うん? どういう事だ?〉
 〈どうした?〉
 〈我々には無理だが、現時人には可能とある。我々に不可能な事を現時人に出来るのか?〉
 〈どれどれ・・・。〉
 〈次を見ろ。薬剤では限度があるが、訓練で可能という事だ。我々の処置は方向性を決める事で、その先はこの女の自発的、多発的行為で可能となると言う事だ。だから陰核同様に、好圧剤、好他剤、好気剤が入っている。嫌布剤は無い様だが、あとの分には入れてあるらしい。〉

 (誰なの? 触らないで。私を悪戯するの? オッパイを大きく? J・・・何? そんなオッパイなんて在るの?)

 〈次は口か。これは何だろう。〉
 〈舌への注射だな。味覚変換? これにも意味があるのか?〉
 〈相変わらずマザーコンピューターの指示は意味が分からぬ。よほどの深い思考の結果なのだろうが。〉
 〈しかしこれでは食事の味覚を失わせる事になる。栄養剤程度で生命が保てるのか? しかしこれは・・・。美味として感じさせるのが母乳、これは良いが、尿と精液? いいのか?〉
 〈分からぬ。しかし指示に間違いはない。〉

 影はマオの口をこじ開け、舌に注射器を押し当てた。

 (ヒッ!! しみる。舌が痺れる。)

 〈上は終わりだ。さあ、下腹部も済まそう。〉

 注射器はまずクリトリスに当てられ、丹念に注入される。そして肛門にも宛てがわれた。

 (ヒッ!! 何? お豆に何を? ツーッ、痒い。)

 〈これも不明だな。〉
 〈確かに。乳房と陰核は性器だが、肛門性交をさせるつもりなのだろうか?〉
 〈それと何故大腸迄強化の必要があるのか。〉
 〈済んだか? この処置でも進捗は五%上がった。確かに効果はあった。〉

 影達はユリエの時と同様の黒い小さなシールをマオに張り付けた。但し、数はずっと多い。額、眉間、後頭部は同じだが、数が多い。そして乳房の周囲、乳輪、乳首、そしてクリトリスとその周り、膣、肛門の周り、そしてシールと同じ材質の細い棒を膣と肛門にも挿し込んだ。

 〈いいか? 出力は最大。〉
 〈最大・・・。完全にコントロールは出来るだろう。しかしこれはマインドコントロールというより、マインドコンバートだな。普通では極刑にあたる犯罪だが、それをしても良い程の重要人物という事か。〉
 〈そうだ。ハルマゲドン回避の最重要ターニングポイントなのだ。それではいくぞ。〉

 影の持っている器具のスイッチが押された。マオはビクンと震えた。自分の意識の中に他人が入り込んできたのだ。

 (何? 私の心に誰かが?)
 【心配しないで。私はあなたを幸せにする為に来たの。ねえ、マオさん、あなたはユリエちゃんが好き?】
 (好きって・・・。いい先輩ですけれど。)
 【そう。でも、そういう意味ではないの。ユリエはあなたが好きよ。もしあなたが男だったら、とてもいいカップルになりたいという意味での好きなのよ。ユリエちゃんはレズだという事は知っているわね。あなたにユリエちゃんの相手になって貰いたいの。】
 (だって・・・、私は。)
 【あら、あなたは男に成るのよ。それも女の子のままで男に成るの。】
 (・・・・・?)
 【あなたはクリトリスをいじるのが好き。そこがオチンチンに成るの。私の言う事が分かるかな? マオちゃんにはオチンチンが出来るのよ。】
 (イヤッ!! そんな事ある筈がない。)
 【マオちゃんは私の言葉に逆らえない。忘れてしまうけれど、私の言葉はあなたの心の奥底に、そして身体にしっかりと染み込む。】

 言葉はマオの心の中に力強く響き、そしてクリトリスにも響いた。心と同時にクリトリスに染み込んで行くのだった。

 【ユリエちゃんはあなたのクリトリスを悪戯するのが大好きなの。そしてマオちゃんはユリエちゃんにいじられるのがとても気持ちいい。どんなに恥ずかしくとも、ユリエちゃんにいじられると凄く気持ちいいのよ。ユリエちゃんはクリトリスを大きくしたいと思っているの。色々な道具を使うでしょうが、マオちゃんも嬉しいの。少なくともクリトリスはとても気持ち良くなるわ。ユリエちゃんがあなたのクリトリスを気持ち良くさせたいと言っただけで、マオちゃんは催してしまう。催したら、いかない限りダメなの。自分でするのも気持ちいいけれど、それだけでは不完全なのよ。他人にして貰う迄は平静になれないわ。】
 (イヤッ!! それじゃ、色気違いよ。)
 【そうよ。マオちゃんは色気違いに成るの。】
 (イヤよ!!)
 【私の言葉はあなたの心に染み込んだわ。そしてクリトリスにもしっかりと染み渡っている。もう決まった事なのよ。クリトリスは良く揉めば揉む程丈夫に、大きく成るのよ。オッパイも同じ。ユリエちゃんに良く揉んで貰うのよ。そうすれば気持ちが良くてとても楽しい。そしてドンドン大きく成るの。乳首は小さいままですけれど、とても敏感に成るわ。うんと大きく成ったら、お乳が出る様に成るわ。マオちゃんは縛られるのが大好き。縛られると、とても気持ち良くなるの。恥ずかしい格好を見られると、もうとても気持ちいいのよ。でも、ユリエちゃんだけにしましょうね。】
 (そんな・・・、私は・・・。)
 【ねっ、自分でもそういう身体に成る事は分かるわね。うんとスケベに成るの。とても楽しいわ。気持ちいいのはそれだけではないのよ。勿論女の子の大切な部分、『オマンコ』もとても気持ちがいいわ。ユリエちゃんは女の子だからオチンチンは無いから、バイブを使うけれど、とっても気持ちが良くなるの。マオちゃんはとてもスケベだから、いつでもバイブを挿れていたいのよ。バイブが無いとつらいわよ。ユリエちゃんは色々なバイブを手に入れられるのよ。マオちゃんは色々なバイブで楽しめる。バイブはオマンコだけでなく、お尻にも挿れるの。これもまた、凄く気持ちいいの。】
 (私は・・・、ダメッ、本当に好きになりそう。)
 【マオちゃんはお食事の仕方が変わるわ。お食事はお尻から入れるの。そう、これからずっと。永久にお食事はお尻からよ。お口に入れられるのは、さっき舌に注射したけれど、お乳の他にはオシッコと精液しか飲めないの。ちょっと違うわね。オシッコとか精液がとても美味しいのよ。それ以外は不味くて、口に入れられないのよ。アッ、女の子の愛液も大好きよ。】
 (キャーッ!! イヤッ、そんなのダメッ!!)
 【もう遅いわ。私の言葉はあなたの心と身体に染み込んでしまった。想像してご覧なさい。オチンチンを吸ったり、ユリエちゃんのあそこを吸ったりしている自分を。ほら、もの凄く美味しいでしょう。涎が出そうでしょう。】
 (ウグッ・・・、ダメッ・・・。アッ、どうしたの? オチンチンを喰わえたくなってる。先輩のあそこにむしゃぶりつきたい。)
 【ほらね。私の言葉通りの身体に成るのよ。私の言葉は目を覚ました時にはすっかり忘れているの。でも心の奥深くに刻み込まれているわ。そして身体にもしっかり染み込んでいるの。】


 〈同居人の方のコントロールは済んだか?〉
 〈完了している。コントロール度は一一七%。充分以上だ。コントロールする迄もなく、殆ど指示に近い精神状態だった様だ。〉
 〈指示の進捗の変化は?〉
 〈良好。そちらは?〉
 〈まだの様だ。内容に不明な点はあるが、かなり強い抵抗を示している。この女にコントロールに対する耐性があるのではない様だ。かなり通常の人間には受け入れ難い変化を与えている様だ。〉


 【私は凄い親切よ。マオちゃんがいくらスケベでも、マオちゃんからユリエちゃんにイヤらしい事をお願いし難いでしょう。だから巧く出会いを演出して上げる。】
 (待って、いくら私がスケベでも・・・、私がスケベ? 違うわ。私の身体はスケベだけれど・・・。私が・・・。)
 【いいのよ。素直に成りなさいね。ユリエちゃんにも良く言い聞かせてあるから、ユリエちゃんに身も心も委ねるのよ。今はマオちゃん達は眠っているの。目を覚ますと、マオちゃんはとてもスケベな気持ちになっているわ。今でもスケベだけれど、比べものにならない程のスケベに成っているの。だからすぐにオナニーを始めてしまう。さっき言ったけれど、マオちゃんのクリトリスは、始めたらいく迄はどうしようもなく気持ちいいのよ。だから始めてしまったら、誰が見ていてもいく迄はやめられないの。そして・・・。】


 〈まだ済まないか。〉
 〈最大出力でこれだけの時間が掛かるのだから、精神制御程度ではないのが分かる。相当深くコントロールをしている様だ。〉
 〈しかし、多分これからの我々の処置し易い様にコントロールしているのだろう。多分終了した時には別人と言っていい程の性格に成っているのでは?〉
 〈この指示を見ても分かるのだが、本来の性格に殆ど影響を与えないらしいのだ。何とも不思議な制御だ。ん? 終えた様だな。〉
 〈ではシールを回収して終了だな。〉

 影達は亜空間からマインドコントロールシールを剥し、スーッと消えていった。



 「ん? 何だか目眩がした様な。風邪をうつされたかしら?」

 ユリエは自分が椅子に座っていたのを不審に思いながらも首を振るった。

 「ヒーッ、どうしたのかしら? ちょっと眠ってしまった様な・・・。クーッ、凄い。もの凄く感じている。キヒーーーッ!!!」

 マオは激しくクリトリスを摘み上げ、勢い良くオナニーを始める。片手は乳房を揉んだり、膣内に挿れたりしながら、ベッドに仰向けに倒れ、足を大きく広げて狂った様にオナニーをするのだった。そしてその音は部屋に居たユリエにもハッキリと分かるのだった。


 「ワアッ、マオ、凄いオナニーしてる。」

 ユリエは興奮しながらマオのベッドルームのドアを開けた。隙間から激しいマオの痴態が覗けた。そしてユリエ自身は気が付かないが、マインドコントロールで指示された様な感情になり、そして行動をするのだった。無意識の内にビデオカメラを手にし、カメラを覗きながらベッドルームのドアを開けた。

 「マ・オ・ちゃん。」
 ユリエが上からカメラを構えて、覗き込む様にニコニコしながらオナニーの最中のマオに声を掛けた。

 「ヒーッ、先輩!!!」

 まだ途中のマオは慌ててオナニーを中止しようとした。しかし指はマオの意志に反し、相変わらず激しいオナニーを続けている。

 「マオちゃんて、凄いスケベなのね。」
 「キーッ、やめられない! ダメッ、先輩、見ないでーーーっ!!! キャーッ、カメラ? ワーッ、こんなの撮らないでーーーっ!!!」
 「いいの? そんなに大きな声を出して。折角途中なのよ。私がちゃんと撮影しながら見ていて上げるから、しっかりいきなさいね。」

 マオはユリエにオナニーを見られ、しかもビデオで撮影されていながらもオナニーをやめられなかった。勿論精神では拒絶しているのだが、肉体の方はそれに反して続けている。精神が拒否しているので、激しく高まっていてもなかなか到達出来ない。通常ならばとっくに達している程の快感の嵐の中で、マオの肉体と精神の激しい軋轢、葛藤は精神異常を起こす寸前だった。そしてその状態から逃れる為に、そしてマインドコントロールでも制御された行程通りに。

 「ハキーーーーーッ!!!」

 激しい悲鳴を上げて、しかしこれも肉体の制御で、それ程の大きな声にはならなかったが、激しく仰け反り、膣からは愛液を小便の様に噴き飛ばしながら、凄さまじいアクメの渦に吸い込まれていった。

 ユリエは失神してしまったマオをジッと見つめていた。そしてカメラを固定し、弥生の所から持ってきた道具類をベッド脇に置いた。そしてマオの衣服を脱がしに掛かった。
 ユリエにはマオがノーマルである事で悪戯をしようとする気は起きなかった。しかしそのマオの痴態を見て、S性が呼び起こされた。しかしそのままではまだペットにしようとするには躊躇があるのだが、その意識はマインドコントロールで完全に払拭されてしまっていた。



 マオは手足の突っ張りを感じたが、割りとすっきりした目覚めの様に意識を取り戻した。

 「エッ? ヒーーッ、何、これ?」
 「アッ、起きたのね。」
 「イヤーッ!! 先輩!!」

 マオはすっ裸にされ、両手は頭の上に、両足は膝の上下を太い革のベルトの様な物で縛られ、曲げた状態で拘束されていた。そしてベッドの金具との間に紐で繋がれ、仰向けに寝せられたまま、両足は広げられ、下腹部が剥き出しにされたままだった。

 「先輩、外して下さい!!」
 「フーン、私の目の前でオナニーしたまま、いっちゃった子にしては強気ね。」
 「それは・・・。」

 マオは身体中を真っ赤にして羞恥心に包まれていた。

 「マオ、そういう格好は好き?」
 「イヤッ、好きな訳ないです。恥ずかしい事、やめて下さい。いくら先輩でも、していい事と悪い事があるでしょ? 人を呼びますよ。」
 「いいわよ。大声出しなさいよ。きっと解いてくれるわよ。でも、その格好を見られるわよ。そして、多分解く前に玩具にされて悪戯されるわね。」

 「アッ・・・、クッ・・・。」

 確かにユリエだけでなく、他人にも見られてしまう。そしてその理由を知られてしまう。

 「マオ、あなたは考え違いしているわ。恥ずかしいのはあなた。私は恥ずかしくないもの、やめる必要はないわ。していい事と悪い事? そう、これはしていい事。マオ、このショーツは何かしら? 穴が開いているわね。そして生理用品にも。どうしてこんな物を使っていたの?」

 ハッとして見つめたユリエの手にはマオの恥ずかしい下着が握られていた。そして穴の開いたナプキンもある。

 「それは・・・。」
 「はい。いいなさい。マオは私の言う事には逆らえないのよね。」

 ユリエもちょっと変な感じを受けた。

 (はて? マオは私には逆らえないのは分かっているけれど、どうして? どうして逆らえない事が分かっているのかしら・・・。)

 「それは・・・。」

 マオは自分の恥ずかしい事は言いたくなかったが、なぜか口が勝手に話してしまう。

 「私のお豆が・・・、アウッ? ヒーッ、言いたくない。お豆が感じて、ショーツを穿けないの。ダメッ、どうして喋っちゃうの? だからお豆を出しておく為に・・・。キャーッ・・・。」
 「そうよね。マオのクリトリスは布に触ると感じちゃうのよ。だから表に出しておかないとならない程の変態なのよ。」
 「どうして? 先輩それを?」
 「マオの事はちゃんと分かっているのよ。」

 (うん? おかしいわね。どうしてそんな事を知っているのかしら・・・。何だか変だけれど、マオの癖はちゃんと分かっているわ。でもいいか。私もおば様とは血が繋がっているから、セックスに関する勘が鋭いのよ。)

 「マオ、それではこうするとどうかしら?」

 ユリエはショーツでマオのクリトリスを摘んだ。

 「イヒッ! キーーーッ!! ダメッ、先輩、やめてーーーっ・・・。」

 激しい快感が襲い、マオのクリトリスは激しい充血でプクッと膨らむのだった。そして愛液が霧の様に噴き出し、ショーツをビッショリにする。

 「やめて、つらい。お豆がーーーっ・・・。」

 度の過ぎる快感は苦痛であり、オナニーの快感とはまるで違う拷問に近いものであった。

 「つらい? 布に擦れるのは嫌いなのね。それなら私の手でならいいの?」
 「アキッ・・・、お願い。悪戯しないで。」
 「アッ、そう。それならこのままショーツで擦り続けるわ。マオちゃんのクリトリスは私の手で摘まれれば本当に気持ち良くなれるのに。」

 マオに選択の余地は無かった。

 「つらい。このままでは気が狂ってしまう。ショーツ以外なら、何でもいいです。お願い、やめて・・・。」

 ユリエはニッコリしてショーツを離した。マオは激しく催していたが、それでもクリトリスから布が離れた事でホッとため息をついた。ただ、ユリエが袋の中をゴソゴソしているのが不安だった。

 「マオのクリトリスは布に弱いのよ。そして空気に晒されていたいの。そのどちらも満足させて上げる。アッ、これこれ・・・。」

 ユリエは糸巻きを出してきた。細いが輝きのある糸である。

 「この糸が何かは分からないわよね。普通の糸とは違うのよ。」

 マオの前に糸を垂らして見せたが、確かに艶やかで、振れ具合からすると重さがありそうだった。どちらかと言うとガラス繊維の様にも見えた。

 「これはね、ケプラと言って、細いガラス繊維なの。これでも何十本も束ねてよってあるのよ。それを絹糸で包んであるのよ。ケプラは一本でも十sに耐えるの。だからこんな細くても数百sに耐えるわ。だからまず絶対に切れないの。さあ、これでマオのクリトリスを縛るわよ。」
 「ヒーッ、イヤッ、やめてっ!!」

 マオは腰を振り、ユリエの手から逃れようとした。

 「バカな子ね。布で揉みましょうか? それにマオのクリトリス、まだまだ小さいわよ。縛ろうったって、簡単に縛れないでしょう。」

 確かにそうだった。小さい半球状のクリトリスを糸で縛ろうにも、縛れる筈はない。自分でしようとしたって殆ど不可能なのだ。幾分ホッとした途端、再び愛液が溢れ出した。

 「まあ、クリトリスは縛って欲しいらしいわ。マオ、簡単に縛れないと思ったでしょう。」
 「ええ・・・、でも・・・。」

 なにかユリエの自身ありそうな表情はマオを更に不安にした。

 「このままでは縛れないの。でも、こういう風にすれば・・・。」

 ユリエは掌サイズのゴム球を持っていた。そして先に小さなプラスチックの筒が付いている。それをいきなりマオのクリトリスに押し当てたのだ。

 「ヒギッ!! 何を?」

 握り潰されたゴム球は元に戻ろうとして気圧を下げる。そしてプラスチックの筒の先はグイッとマオのクリトリスを吸い込んでいた。

 「これは『豆吸い出し』と言って、クリトリスを大きくする初歩的な道具よ。」
 「痛いっ!! ダメッ、先輩・・・。」
 「ショーツで擦るのと、これとどっちがいい?」
 「どっちもイヤッ!!」
 「そう、それならマオの嫌いなショーツ擦りに代えて上げるわ。」
 「キャーッ!! ダメッ、それならこっちのが・・・。」

 無意識に『豆吸い出し』を望んでしまったが、クリトリスを吸い上げられ、引っ張られる感触は何か気持ちの良いものだった。

 「ほらね、マオはクリトリスを引っ張られるのは好きなのよ。気持ちいいでしょう。このまま引っ張ると、結構出てくるものなのよ。男の人のオチンチンと同じで、クリトリス組織の大部分は体内に納まっているの。ほら、気持ちいいでしょう。」

 ユリエは豆吸い出しを引っ張ったり押し付けたりしてクリトリスに刺激を与える。それはマオには初めての快感であった。

 「アフッ・・・。」

 思わず仰け反り、喘ぎ声を上げてしまった。

 「先輩・・・、恥ずかしい・・・。」

 マオは鼻に掛かる甘えた声を出してしまった。

 「気持ちいいでしょう。いいのよ、マオは何も出来ないの。マオのせいじゃない。私がマオを気持ち良くさせているの。このままいかせて上げるわ。どうせいく迄はやめないのだから、素直にいってしまった方が、早く楽になれるわよ。」

 別にユリエに言われたからだけではなく、既にクリトリスの快感を感じてしまっているマオは、ただ良がり続けるだけだった。不満だった拘束も、なぜか心地良く、自分では何もしないで良い『他慰』は嬉しく、素晴らしいものだった。愛液は溢れ続け、クリトリスと豆吸い出しのプラスチック筒の間に染み込み、潤滑油となって、更にクリトリスは中に吸い込まれていくのだった。ほんの数oでしかなかったクリトリスは既に二p近く引き出されていた。

 「ほら、随分と顔を出してきたわ。どれどれ。」

 ユリエは豆吸い出しでクリトリスを出し入れしながら、片手でセットしてあったビデオを操作し、マオの秘部と顔を交互に映し始めた。良がりながら快感に身を委ねていたマオだが、ユリエがビデオで自分の恥ずかしい所を近くで映しているのに気付き、慌てて悲鳴を上げ、全身を揺すった。

 「せ、先輩!!! 何をしているんですか。映すのやめて!!」
 「可愛いマオちゃんを映しているのよ。後でみんなで見るのは楽しいわよ。」
 「みんな? まさかそれを・・・、イヤーーーッ!!! やめてーーーっ!!!」
 「あらあら、私が映していてもオナニーでいってしまう程のスケベな子が、何を恥ずかしがっているの? 折角気持ち良くさせて上げているのに。」
 「イヤッ、恥ずかしい事はやめて・・・。」
 「恥ずかしい? でも、この後の浣腸でウンチするところも映すのだから、恥ずかしいだけじゃ可哀想だから、気持ち良くさせて上げているのに。」
 「ヒッ、浣腸?!!」
 「そうよ。最初は恥ずかしいでしょうけれど、すぐ慣れるわよ。どう? 気持ちいい? いったらすぐにして上げる。」
 「キヒーーッ!!! イヤッ!! いいです、先輩、もうやめて・・・、アヒッ・・・п@ダメッ・・・、せっ、先輩・・・、アハーーーッ!!!」

 浣腸をされてしまうという恐怖と羞恥がマオの精神のたがを外した。それは心の緊張にほころびを生じさせ、秘部を映されているという意識で耐えていたアクメを一気に解放してしまった。
 良がり声の叫びを残してマオは達し、再び失神してしまった。



 ユリエは手際良く準備を始めた。自分自身でも、何の抵抗もなく、相当以前から準備をしている様な不思議な感じだった。

 「悲鳴は出し難くされているとはいえ、やっぱり浣腸を見られるのは凄いつらいでしょうから、マインドコントロールをされていても大声を出してしまうかも知れない・・・わ・・・? 『されてる』? 『マインドコントロール』? 何、それ? 誰がしたの? 変ねえ。どうして私がそれを知っているのかしら。夢を見た様な気もするけれど、覚えていないわ。でも知っているのよ。」

 ユリエは不審がりながらもマオに穴開きプラスチックの球形猿轡を噛ませた。そしてマオを少し持ち上げ、下半身の下に大きなビニールシートを敷いた。拘束してあるロープを少しずらし、ベッドの淵にマオの尻がくる様に縛り直す。ビニールシートはベッドから床迄広げ、椅子をベッドのマオの尻の所に置き、その上に洗面器を用意する。ブラインドの目隠しをしたまま窓を全開し、まだ季節外れの扇風機を窓際にセットする。

 「これでセッティングはOKね。」

 そして袋の中からガラスの浣腸器と薬瓶を取り出した。

 「ドナン浣腸液か・・・。まさかマオに使うとは思わなかったわ。何だかおかしいのよね。おば様の所でこれを貰った時は確かに使うとは思っていなかったわ。この浣腸器にしてもそう。でも、部屋に入った途端、貰ってきて、ちょうど良かった、我ながら凄くいい勘をしていたと思ったのよ。戻った途端にマオを虐めたくなったのね。フーム・・・、やっぱりマオのせいかしら。オナニーの最中だったから、強いフェロモンを出していたのよ。」

 ユリエは勝手な解釈ででも、自分自身の急激なS性を納得するのだった。

 「さてと・・・。」

 ユリエは早速作業を開始した。まだ失神しているマオのクリトリスには豆吸い出しがくっ付いている。それを引っ張り、豆吸い出しのプラスチック筒とマオの皮膚の間にに隙間を作り、そこに幅三o程のケプラで織った細いリボンを巻き付ける。そしてその上にケプラの糸を巻き付け始めた。

 「フグッ・・・?!」

 新たなクリトリスへの刺激でマオが意識を取り戻した。

 「ハマッ・・?! ヒググ・・・!!」
 「ウフフ、起こしちゃったわね。暴れられるとし難いから、寝ている内にしてしまおうと思ったけれど、これだけ巻けば、もう大丈夫ね。アッ、あまり動かない方がいいわよ。もう、マオちゃんのクリトリスは糸で縛ってしまってあるわ。少し緩めに巻いて上げているのよ。動くと締まってしまうわよ。」
 「ヒギグ・・・?!」

 (痛い。ウウッ、お豆を縛られてる?)

 「そうよ。ジッとしていて。こうしておけば、マオちゃんを引っ張り回すのは簡単ね。細い糸だけれど、鋏では切れない。勿論、引きちぎるのは無理よ。そんな事をすれば、クリトリスが切れてしまうから。解けばいいのだけれど、結び目は小さいわ。良く見て解かないと無理ですからね。だとしたらマオちゃんには無理よ。ううん、今は動けないから無理というのではないのよ。マオちゃんが自分でしようとしても、クリトリスの下側で縛ったから、結び目が見えない筈だからよ。それに、クリトリスを縛るのは別の効能もあるの。クリトリス本体は大部分が体内に隠れてしまうでしょう。縛っておけば、身体の中に戻らないのよ。だからお豆は大きいままで出たままになっているのよ。この大きさなら陰唇でも隠せないわね。はみ出たままのお豆はどうしても外部の刺激を受け易いわ。マオちゃんは普通のショーツを穿けないでしょう。空気に晒され、丈夫に成るわ。表面の粘膜が外皮化し、本来のクリトリスの戻るべき部分には新たなクリトリスの体内部分が出来る。そうすれば、たとえ糸を解いてもクリトリスは出たままに成っているわよ。そして体内部分をまた引っ張り出して上げれば、更に大きなクリトリスに出来るわ。」

 (嘘・・・!! お豆を大きく? はみ出たままの? イヤーーーッ!!!)

 マオは悲鳴を上げたが、声に成らず、そして大きくなかった事で始めて嵌口具を着けられていた事に気が付いた。

 (エッ? お口に何?)
 「大人しくなる迄は猿轡をしておくのよ。浣腸はまだ嫌いでしょうからね。」
 (アッ、浣腸・・・!! イヤッ、やめてーーーっ!!)
 「どうしてって顔をしているわね。私はマオを休みの間中虐めるわ。覚悟しておくのよ。虐めると言っても、凄く気持ちのいい事だから、楽しく虐められるのよ。三日の間は動けないし、猿轡も外して上げられないわ。慣れてくれる迄は難しいでしょうね。でもその間お口を塞いでおいたら、お食事は出来ないでしょう。折角沢山の栄養ドリンクを仕入れてきたのにね。本当はオナニー三昧で過ごすつもりだったのでしょうけれどね。折角だからそれを使わせて貰うわ。お口は塞いである。でも食事はさせる。どこから? そう。入り口が閉まっているなら、出口から入れればいいのよ。そう。お尻から入れて上げる。おなかの中に入れば消化出来るものね。だからその為にウンチは出しておかないとね。」
 「ブビキ・・・!!」
 (浣腸はイヤッ!! アアッ、浣腸器、大きい・・・。エッ、ビデオ?)

 ユリエは浣腸器に液を吸い上げるところの手元をビデオで撮っていた。そしてその浣腸器をマオに近付け、わざとらしく見せ付ける。マオは暴れてイヤがるのだが、ユリエはクリトリスを縛ってあるケプラ紐をツンと引いた。

 「ビムミ!」

 不思議な苦痛を伴う快感に襲われた。愛液がピュッと噴き出し、それはマオ自身にも分かった。

 「あらあ、マオはこれが好きみたいのね。それなら気持ちいいままで浣腸して上げる。」
 (アヒッ、引っ張るのやめて。クッ、どうしてこんな事が気持ちいいの? アフッ、お豆が・・・。アッ、ダメッ、浣腸されちゃう。)

 マオはクリトリスを引かれ、尻をベッドの端から突き出す。そこに浣腸器の嘴を肛門に突き立てられた。

 (イヤーーーッ!! 浣腸はダメッ・・・!! アッ・・・、イヤーーーッ!!!)

 クリトリスを引っ張られている尻は思う様に動かせない。そして肛門に不快な異物が突き挿さり、直腸内に冷たい液体が塊となって押し込まれてきた。

 「ビククーーーッ!!!」

 マオは息んで浣腸液を押し出そうとした。しかし既に浣腸器は肛門をピッタリと塞ぎ、息む事が逆に浣腸液を直腸から大腸へと送り込んでしまう。

 (浣腸・・・、私・・・浣腸されてる。なぜ・・・?)

 浣腸はすぐに終わった。しかしマオには浣腸器を引き抜かれた事すら気が付かなかった。そして次に起きるであろう恐ろしい事態を想像し、精神は崩壊寸前であった。マオは知らないが、普通のいちじく浣腸やグリセリン浣腸ではない。絶対に排泄を拒絶出来る事のないドナン浣腸なのだ。しかしマオは強い便意を我慢してしまった。もしすぐに排泄をしてしまえば、僅かな便とともに大部分のドナンが流れ出してしまうのだ。

 「ビッ!! ギギーーーッ!!!」
 (キャーッ!! ダメーーッ!! おトイレッ!! 先輩、解いてーーーっ!! ダメッ、お豆を引っ張らないで。気持ち良くなっちゃう。我慢が出来なくなる。ヒーーーッ、出るーーーっ!!!)

 仰向けのままの便意は不快と苦痛であった。そしてマオの括約筋は内部からの強い圧力で一気に弾けとんだ。

 ブボーーーーッ!!!

 太い茶色の紐がマオの尻から、まるで生きた蛇が飛び出る様に洗面器の中に溢れ出た。

 「ビ・・・キッ・・・。」

 マオの精神は完全に吹っ飛んでしまった。大量の大便が渦高く積み上がり、ユリエも興奮しながらもしっかりと撮影を続けていた。


 ユリエはマオの汚物を感慨深げに見つめていた。異臭を出す為に扇風機を回したが、それはユリエが不快だからではない。誰か他人がこの部屋からの不快な匂いを気が付かない様にする為なのだ。洗面器にたっぷり入っている汚物はマオのペット化を意味するが、ユリエももう後戻り出来ない一線を越えた証しだった。

 「フーッ、とうとう・・・。」

 一線を越えたからにはもう先に進むしかない。完全なペットにしなければ、マオはユリエから離れてしまう。マオをユリエに従うペットに作り替えねばならないのだ。ユリエは充実感と強い義務感を感じていた。





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