そして土曜日の午後を迎える。ユリエは部活で遅くなるのだが、マオはその間、セルフオーラルセックスで楽しんでいた。

 「今日は。」

 弥生が入ってきた。さすがに弥生には精液を飲むところを見られるのは恥ずかしく、慌てて後ろ向きに座った。

 「マオさん、聞いたわよ。」
 「エッ、何を?」
 「夕べ、ユリエちゃんを犯したそうね。」
 「エッ、アッ・・・、私・・・。」
 「ユリエちゃん、怒った顔をしていたけれど、満更でもなかった様よ。思い出し笑いしていたし。」
 「私・・・。」
 「でも、ユリエちゃんはダメなのよね。秘密を話したらしいけれど、あれがユリエちゃんがレズに走った原因なの。確かに可哀想な子なのよ。」

 そこにユリエも戻ってきた。

 「ただ今。アッ、おば様もいらっしゃってたのね。」

 マオは恥ずかしくてユリエの顔をまともには見られなかった。暫く弥生はユリエと談笑していたが、ふと何も無い宙をジッと見つめた。


 〈ん? 三人だ。〉
 〈おかしいな。我々への指示では最大でも二人迄となっている。〉
 〈変だぞ。これを見ろ。〉

 未来人は次亜空間内で指示の箱を見つめていた。

 〈確かに設定された時間はあっている。しかしこのまま待機する事になっている。〉
 〈待機? 無意味だ。それならその間の時間を進めてしまえば良い筈だが。〉
 〈『指示』を得よ? どういう事だ? 指示はマザーコンピューターが直接示す筈だが。〉
 〈おいっ!!〉
 〈何だ?〉
 〈あの現時人を見てみろ。〉
 〈ウッ、この次亜空間が破れているのか? 真っ直ぐこちらを見ているぞ。〉
 〈偶然か? それにしても確かに視線はこちらに合っている。次亜空間は完全だ。少し位置を変えてみよう。〉
 〈まさかそんな必要は・・・。〉

 未来人達は箱の操作をすると、存在位置がスーッと変わる為、窓から見える位置が変化する。しかし目を細めた弥生はずっとその窓を直視していた。

 〈おい。本当にこちらを認識しているのか?〉
 〈異常事態だ。マザーコンピューターの指示は?〉
 〈『指示』を受けた後、処置を開始するという事だ。ただ、その『指示』の為の器具類は用意されているという事だ。〉
 〈だからその『指示』はどこから出るのだ?〉


 弥生の様子にユリエが話し掛けた。

 「おば様? どうかしたの?」
 「アッ、ええ。マオさんはいつも週末に変態化していたわよね。」
 「そうなの。だから私、恐い。」

 マオは顔を暗くしている。

 「確かに凄い身体には成っているけれど、マオさんは喜んでいるんじゃないの?」
 「そんな事無いです。」
 「ううん、心の方ではなくて、肉体的な事よ。女としての悦びは大きくなっている筈だし、男としての悦びも得ているのよ。だからユリエちゃんを押し倒したんじゃないの。」

 マオとユリエは顔を真っ赤にしていた。

 「ユリエちゃん、ちょっとあなたのバイブを見せてね。」
 「エッ、あれを?」

 ユリエは恥ずかしそうに鞄の中から巨大なバイブを取り出した。


 〈『指示』が出るらしい。待機せよとの事だ。〉
 〈変だな。画面にそのまま出せば良いのに。〉

 弥生は巨大でグロテスクなバイブを手にした。そしてそれを実空間からは見えない次亜空間の方へと向けた。その逸物はさすがに未来人達にも予想以上の物だった。

 〈何だ? あれが玩具なのか?〉
 〈驚いたな。どうやらターゲットの相手の使用する物らしい。〉
 〈ん? 『指示』が出る。確認しろとの事だ。〉
 〈だからその『指示』はどこから?〉


 「マオさんも驚いたでしょうね。これでもユリエちゃんには少し緩いのよ。本当はもう少し太くして、この亀頭のえらも大きくすればぴったりなのだけれど、そうすると填まったら抜き難くなってしまいますからね。」
 「おば様、イヤッ?」

 ユリエは恥ずかしさに弥生からバイブを取り返そうとしたが、弥生は構わずにそのバイブを次亜空間の寸前に突き出した。

 「分かりますか? マオさんのオチンチンがユリエちゃんを本当に満足させるとなると、このバイブより少し太く、亀頭のえらも張り出さないと。そしてこんな風にイボイボにするにはやはり昔ながらに真珠を入れないとならないわ。」

 〈『指示』を確認せよとの事だが・・・。〉
 〈だから、どこから・・・a@この女性の言葉か?〉
 〈そうらしい。ターゲットの女のペニスの改造の『指示』らしい。〉
 〈それではこの女の言っている様にペニスの処置をするのか?〉
 〈そうだ。形状を記録している。しかも更に『指示』に合わせるらしい。〉

 「だけどそれだけでは不充分なのよ。私達の一族はセックスが好きなのだけれど、なぜか妊娠し難いのよ。男性には充分な精子量が必要で、長時間子宮内に留めておかないとダメなの。勿論受精させたいという意思も必要なのよ。物理的にはユリエちゃんの膣圧ももっと強めないとならないの。そうすればマオさんの方も凄く気持ち良くなれるのよ。」
 「まさか・・・。おば様、マオがこんなオチンチンに成ったら素晴らしいけれど、おば様の技術で出来るの?」

 マオは慌てて反対した。

 「イヤよ。いくらユリエさんのペットにされたからって、そんな大きなオチンチンだなんて・・・。」
 「あら、どっちにしてもマオが人前に出られないのは同じよ。」
 「残念だけれど、私の技術では無理なのよ。『未来の技術』でないと無理よ。」


 〈やはり我々の存在を知っているぞ。〉

 「それ程の大きなペニスにするにはそれなりの弾力性が必要よ。しっかりした人工ニューロンで形状を保ち、硬さを確保すれば、今度は真珠は入れ難いわ。三次元空間では亀頭に真珠は入れられない。それにいくらホルモン処置をしても、今の技術ではペニスの性能を一生高めたままで維持する事は難しいわ。それにユリエちゃんの膣の処置だって、いきなり筋肉組織を増加し、それを自律神経で働かせるのは不可能。それに大量の精液の圧力に耐える子宮組織にするとなると・・・。まず不可能ね。」

 ユリエ達は弥生の、何かわざとらしい説明口調を不審に思っていたが、それでも弥生には不可能という強調だけがいつ迄も心に引っ掛かっていた。


 〈これが『指示』らしい。〉
 〈不思議だ。マザーコンピューターは肯定している。やはりこの女の言う形に仕上げるらしい。〉
 〈確認してみよう。この女がここから退出したら処置開始らしいからな。〉


 「分かった? 私の言った事は、『私には』不可能なのよ。さて、そろそろ戻らないと。」
 「お帰りですか?」
 「ええ、色々とあるので。じゃあ、宜しくお願いします。」

 弥生は次亜空間の方へお辞儀をして出ていった。

 「何だかおば様、変ね。よそよそしかったわ。」
 「そうよね。まるで私達以外の人とお話ししているみたいで。」
 「だけど、私としてはこのバイブの形のオチンチンに成ればいいと思うわよ。そうすれば本当に私の望むセックスが出来るのだから。」
 「無理ですよ。菊野さんでは不可能と言っていたでしょ?」
 「そうか・・・。おば様以上の技術の人はまず居ないわ。夢のままか・・・。」


 〈本当なのか?〉
 〈確認した。『指示』に従った仕様への成長処置をせよとの事だ。〉
 〈しかしマザーコンピュータでの指示で良いのでは?〉

 未来人の一人は暫く考え込んでいたが、箱の表示を見て頷いた。

 〈そうか、そういう事か。〉
 〈分かったのか?〉
 〈ああ。もしマザーコンピューターの指示によって、ターゲットの女のペニスに処置をせよとの事だったらどうだ?〉
 〈どうとは? ただ、単に指示通りにするが。〉
 〈しかし疑念を抱くだろう。本当にあの玩具程のペニスにして良いものかどうか。そしてどうしてもネガティブな思考により、無意識に大きさを制限してしまうだろう。しかし先程の女の『指示』を受け、マザーコンピューターがそれを肯定すれば、我々はその『指示』通りの処置に自信が持てる。〉
 〈おお、そうか。我々の処置の失敗を極力回避する措置なのだな?〉
 〈そうだ。手間が掛かるぞ。始めよう。〉

 未来人は精神サプレスガスを放出し、次亜空間の窓から部屋に下りた。

 〈これを参照しながら処置すればいいのだな?〉

 未来人はユリエの持っているバイブを手に取った。

 〈『指示』では、これより少し太く、亀頭を大きくという事だ。それと同時にこちらの相手の女の膣と子宮にも処置せねばならない。〉
 〈フーム、しかしそうして性交すれば、ペニスは抜け難く成るぞ。〉
 〈それも面白い。そういう事を望んでの仕様の『指示』ではないのか? それだとすると・・・。〉
 〈何をしている?〉
 〈おい、これを見ろ。〉

 未来人は箱の表示を相手に見せた。

 〈何? いいのか?〉

 〈『指示』では真珠でイボを作るという事だが、その真珠を長球にし、返しの形にした方が回避率が一%高まる。〉
 〈それは挿入時には問題ないが、抜こうとすると膣に噛み合うから、簡単には抜けなくなるぞ。それで良いなら、更に勃起したままにしたらどうなる?〉
 〈それだと益々抜き難くなるな。ほう、その方が良い。何と五%のアップだ。抜き難いどころではないぞ。膣筋肉をアップするのだから、相当の疲労で筋力が落ちない限り、性交を終了する事は出来なくなる。〉
 〈セックス浸りにする事がどうしてハルマゲドン回避になるのかは理解しかねる。しかし確実に回避出来るのなら我々の感情など問題外だ。それにターゲットは別にして他の二人は喜んでいる様だ。〉
 〈ターゲットにしても、我々には分からないが、肉体的には快感のレベルが桁外れだ。〉
 〈始めるぞ。〉
 〈了解。〉

 未来人達はユリエとマオをベッドに座らせた。そしてユリエの方のショーツを脱がせる。

 (イヤッ、私のショーツを?)

 そして足を広げさせる。

 〈こちらの方は自動機械で簡単だ。〉
 〈ほう、それが自動機械か。その女の使う玩具と同じ様な形だな。〉
 〈なぜこんな物が準備されているのか、それより使い方も分からなかったが、マザーコンピューターの指示は随分と精緻だ。〉
 〈何だ、『指示』の通りの設定になっているではないか。〉
 〈我々はタイミングだけを考えれば良いらしい。〉
 〈タイミングも指示されているぞ。〉

 未来人は『自動機械』と呼ばれる巨大なイボ張り型をユリエの股間に近付けた。

 (イヤよ。そんな物、挿れないで。私のバイブよりも大きい。)

 ユリエはただのバイブにしか感じられなかった。しかしその器具は膣口に宛てがわれた途端、自分から回転を初めて、膣内に進入し始めた。

 (グッ、勝手に填まり込む? ヒーッ、恥ずかしい。見ないで。アアッ、入って来る。ワーッ、いっぱいに入ってしまう。抜けなくなっちゃうのよ。)

 器具は膣内に填まり込み、膣に合わせて形を変える。ユリエの膣にピッタリの形に成るので、その大きさの割りにはそれ程の圧迫感は感じなかった。

 〈そちらは自動で進む。こっちのは面倒だな。〉
 〈手間は掛かるが、人工ペニスは転送されている。ただ、真珠に関しては『指示』に合わせる様にという事で、別送されているそうだが・・・。〉
 〈ちょっと待て・・・。〉

 影の未来人は次亜空間の中を覗き込む。マオ達から見ると、ちょうど窓の部分で、影の姿が空中に溶け込んでしまう様に見える。

 〈これがそうらしい。ほれ、おまえが言っていた様に、長球真珠だ。〉
 〈ほう、私はただの思い付きで言ったのだが、そこ迄思考されていたのか。〉
 〈私は最初の内はハルマゲドン回避に懐疑的だった。あまりにも懸け離れた行為だからな。しかし良く考えると、ここ迄完璧に準備が為されているという事は、マザーコンピューターだけの論理思考ではないと思う。殆どの詳しい歴史が失われているのだが、我々の処置は歴史的事実として記録されているのかも知れない。〉
 〈それはどういう意味だ?〉
 〈これは推定だが、本来はまともな歴史が進行していたのかも知れない。ちょうどパラレルワールドの様な状態で、我々の歴史、つまりハルマゲドンを迎えてしまう歴史に進んでしまった。そこでそれを本来の歴史に戻す為に、我々の行う処置の記録の元に、更に完璧を狙っての事かも知れぬ。多分この二人からの子孫が鍵を握っているのだろう。本来は女同士であるから、子孫は存在しないが、我々の処置でそれも可能だ。〉
 〈そこ迄は良いが、子孫を残すのに、これ程の性器は不要だと思うが・・・。〉
 〈或いは逆かも知れぬ。ごく普通の男性器を移植しただけなら、このターゲットは別の女性に受精させるかも知れぬ。その子孫がハルマゲドンを進めるのかも知れぬ。これから先の事はマザーコンピューターに任せよう。我々は役割を完全に果たせば良いのだ。〉
 〈こちらは手間が掛かりそうだな。〉
 〈確かに。しかし作業そのものは単純だ。さあ、人工ペニスを。〉
 〈この容器か?〉
 〈そうだ。〉

 黒い大きな筒を受け取り、未来人が手をかざすと、それはスーッと透明の容器に変わった。

 〈ウオッ・・・、グロテスクだな。〉
 〈これはペニスの内芯部なのだ。〉
 〈内芯部?〉
 〈そうだ。既にペニスは出来ているからな。内部に浸潤させる目的の物だ。仕様によると、これは『形状記憶蛋白質』とも言うべき物で、良く見るとスポンジ状に成っているだろう。これがペニス内に浸潤すると、内部で再構成される。強化蛋白質だから、内部で再構成された人工ペニスは芯になる。ペニスに浸潤した蛋白質が再構成されると言うより、強化蛋白の周りに本来のペニスが組み込まれると言ってもいい。〉
 〈ほう・・・。スポンジと言うよりも、不規則な繊維構成だから、海面だな。〉
 〈そうだ。その通り。紛れもない海面体だ。〉
 〈それでどうするのだ?〉

 未来人がケースを開くと、その人工ペニスは空中に浮遊したままになっている。

 (何? その気持ち悪い物・・・。人工ペニス? それを私のオチンチンの中に入れるの? オチンチンを大きくする? 今だって化け物よ。もっと大きく?)

 〈真珠はいつ入れるのだ?〉
 〈先に人工蛋白に取り付ける。人工ペニスの組織が浸潤すれば、形状記憶なので、その位置に引き寄せられる。包皮の内側に填まり込むので、出来上がった時には人工ペニス及び本来のペニス蛋白に覆われ、包皮との間に位置する。しかも人工ペニスとの溶着が済んでいるから、その位置は動かず、除去も出来ない。〉
 〈なる程。〉

 未来人は浮遊している人工ペニスに真珠を付け始めた。ぐるりと並べ、それを幾重にも付けていく。

 〈良く馴染む。これは天然真珠ではないな?〉
 〈当然だろう。我々の時代の物は稀少だ。人工の真珠だが、性能は天然以上だ。〉
 〈性能?〉
 〈これはセックスの為の真珠だぞ。相手の女の膣内に刺激を与える為の物だ。それに挿入時にはなだらかになって引っ込むが、抜こうとすると真珠が立ち上がり、飛び出し気味になる。そうすれば抜き難くなるし、相手の女の方の膣にも細工がされるからな。〉
 〈あの自動機械でか?〉
 〈そうだ。この真珠はただ並べているのではない。マザーコンピューターの位置指定通りに並べている。膣改造で、この真珠の位置に合わせて凹みを付けている。そうすれば性交時にその窪みに真珠が填まり込む。しかも列の並びに僅かな違いがあり、このペニスの先端から押し込む事によって順に填まり込む。ピストンの最中ではあまり填まらないが、いっぱいに挿入すると全部が填まり込む。一個一個の引っ掛かりは弱くとも、全部が填まれば、そう簡単には抜けない。〉
 〈しかしそれでは不便だろう。〉
 〈そうだな。それにこの真珠の突き出し角を減らすには強い勃起が無いとならない。いっぱいの勃起という事は射精寸前という事だから、その時点での引き抜きは精神的に難しい。そうすれば再び強い挿入で射精して引っ掛かってしまうという事だ。〉
 〈おやおや・・・、つまりいつ迄も性交を続けさせてしまうという機能なのか。〉
 〈お前の方が私よりも性行為には関心が高いらしいが、羨ましいのか?〉
 〈関心が高いと言うよりも、私は性行為の快感をお前よりは良く知っている。それがアシスタントの条件なのかとも思うが。正直言って、古代人の性快感は我々よりもずっと上なのは羨ましいと思う。〉
 〈正直だな。まあここだけの話だからな。〉

 真珠の取り付けられた人工ペニスは益々そのグロテスクさを増してきた。マオの目の前での作業だが、マオには理解出来ない。

 (グッ、凄くグロい・・・。まるで大きなオチンチンの皮を剥いた物の様・・・。一体何をするの? ヒッ、そんな気持ちの悪い物を私のオチンチンに近付けないで。ヒャッ、オチンチンに触る。)

 人工ペニスはマオのペニスに乗せられた。

 (ギヒッ!! しみる!! オチンチン、痛い、熱いーーっ!!)

 その人工ペニスは亀頭に浸潤していくのだ。細胞間は勿論、尿道にも進入していく。そしてペニスの包皮の間も押し広げて浸潤していくのだ。ペニス全体に激しい痛みが起き、精神を抑圧されているマオだが、必死に身体を揺すっていた。脳の働きが弱まっているので、麻酔と同様、痛みを減少させてはいるが、それでもマオにはかなりの苦痛になっていた。ただ、その苦痛もマオには短時間のものなのである。痛いと感じても、それをすぐ忘れてしまうからだ。

 そしてユリエの方も激しい痛みに苦悶していた。

 (痛い。膣の中がチクチクする。針を刺されている様。グーッ、全体に痛いの。抜いてーっ!! グッ、子宮に何か?)


 〈ほほう、ペニスに溶け込んでいく。〉
 〈暫くは待つだけだ。だが、時亜空間内でタイムリセットする訳にはいかないぞ。間違いは起こらないと思うが、慎重を期さねばならない。〉
 〈待つのは構わない。このターゲット達の苦痛に比べれば、我々の時間待ちなど大したものではない。〉
 〈それにしても我々の使命は不思議だ。〉
 〈そうだ。これで殆ど完了なのだからな。〉
 〈歴史が変われば良いが・・・。〉
 〈歴史が変わると、我々はどうなる?〉
 〈それは理解している筈だ。我々は大いなる使命に命を懸けたのだ。〉
 〈理解はしている。不確定である事もな。こればかりはマザーコンピューターでも計算出来ない事も。〉
 〈一番可能性の高い事はやはり消滅だろう。違う歴史に変化すれば、当然その歴史には我々の存在は無かった筈なのだから。〉
 〈それはパラドックスだ。マザーコンピューターもパラドックスは計算出来ない。〉
 〈我々が現時点に存在する事は、変化する未来の前提なのだ。使命終了後、我々が消滅する物理法則は考えられない。〉
 〈そうだとしても、我々は未来には戻れない。なぜなら、我々をこの時代に送った装置は、変化した未来には存在しない。たとえ存在したとしても、未来には我々は存在しないのだから、我々をこの時代に送り込んだ者も存在しない。それに我々は肉体を持たない思念だけの存在だ。思念だけでも物理的力を出せるのは使命終了迄だ。思念だけと成ってこの時代に残るしかないな。思念だけで存在出来るかどうかも不明だ。〉
 〈多分次のタイムリセットの後で消滅か・・・。それでも我々は偉大な使命を果たしたという事か。それで充分だ。〉
 〈そうだ。その為だけに生命を受けたのだからな。しかし、この二人がどうしてハルマゲドンを回避するのかを確認したかった。〉
 〈そうだな、結果を知ってから消滅したいが・・・。〉

 影の未来人達はジッとマオ達を見つめていた。

 人工ペニスはほぼ半分程の長さがマオのペニスに浸潤していた。苦痛に顔を歪め、ただ涙している。ユリエの方も自働機械が膣改造を進めていて、更に子宮内に空気を送り込まれていた。

 (おなかが・・・。子宮が膨れている? グッ、痛いのよ。)

 ユリエの方は外見的には腹部が少し膨らんでいる程度だが、子宮にガスで圧力を掛けられ、膨張していた。子宮壁がいっぱいに引き延ばされ、そこに薬液を吹き付け、更に自働機械の一部を溶かして子宮壁に塗布するのだ。


 未来人達には一時間の待機時間は長い。何もせずにジッと見つめ続けていた。

 〈まだあと一時間は掛かるな。〉
 〈そうだ。待つのも使命だ。〉
 〈現在迄で進捗はどの程度だ?〉
 〈八十五%だ。〉
 〈この作業の終了では?〉
 〈うーん、九十%だな。〉
 〈ほう、まだあと十%の作業が残っているのか。〉
 〈マザーコンピューターの指示内容が表示されていない。どの様な作業が残っているのかは私にも不明だ。〉
 〈それでも十%なら、大した作業ではないな。〉
 〈いや、最後の十%での失敗は百%の失敗だ。最後迄気を抜くな。〉


 (グゲッ・・?!オチンチンが・・・。)

 人工ペニスを浸潤させたマオのペニスはどんどん大きく成る。まだ亀頭の上には十p程残っているが、竿の太さはまるでビール瓶程であり、包皮が引っ張られる様に伸びきっている。そして長球真珠が整然と幾重にもリング状に並んでいる。精神が朦朧としているマオでも、自分のペニスがとんでもなく巨大に変態化されているのが分かる。人工ペニスがペニスに溶け込み、巨大化しているのは理解出来た。しかし悲鳴を上げる事は出来ない。神経が伝わらないのだ。マオとしては相変わらず、長い悪夢を見ている様な気分だった。

 〈確かに最終的には四十pの大きさに成るだろう。分かってはいるが、この華奢な肉体に巨大な乳房、そして我々の時代にも存在し難い巨大なペニス、現実に見ていると凄さまじい。しかしこれ程の肉体にして迄の性交は相当に素晴らしいものなのだろうな。〉
 〈私には分からぬ。性的快感を直接肉体で感じるという事はなかった。我々だったらドラッグで済ませられるが、この時代には無いのだろう。このセンサーではそれ程の検索は出来ないのだが、現時人の意識構造を調べた。この二人は当然ながら精神意識の大部分は性的興味を強く持っている。先程迄居たもう一人もそうなのだが、知識としてはこの二人よりも遥かに上だ。この時代では、性的な知識はかなり価値があるらしい。〉
 〈そうか・・・。それ程に価値を見い出している、肉体的な性的快感というものを知りたい興味はあるが、我々にはそのチャンスも時間も無い。〉
 〈残念か?〉
 〈正直言えば・・・。さあ、もうすぐ完了する。我々も撤収準備をしよう。〉
 〈了解。あとはアフターケアとしてのホルモン注入だけだろうと思う。大部分の器具はもう不要だ。〉

 未来人達は各種の器具類を次亜空間内に運び込む。そしてマオのペニスは殆ど人工ペニスを吸収し終え、巨大でイボイボのえらの張った赤黒い亀頭を突き立てていた。そしてユリエの方の自働機械はその仕事を終え、細くなって膣口から滑り落ちてくる。

 未来人がそれを拾い上げようとした時、突然インターホンが鳴った。ドキッとした未来人だが、近くに他人の存在が無い事をセンサーで確認していたので、その呼び出しは無視した。しかし呼び出し音から音声に変わり、未来人達は大いに驚き、作業が中断した。

 《どうですか? お仕事はもう終わりに近いと思いますが。》

 〈何だ? 先程の女だが、我々の事を言っているのか?〉
 〈この通話は一方通行だ。こちらの音は、こちらから操作しない限り行かない。しかしどういう事だ?〉

 《どの様な方が居らっしゃるか迄は分かりませんが、多分複数、お二人ですね? 未来の方だとは思いますが、多分私が直接お会いする事は避けておられると思いますし、第一、私がそこに伺えば、ガスの影響でお話出来ませんから。》

 〈おい、完全に我々の事を把握しているぞ。〉
 〈おかしいぞ。この女が我々の事を知っている筈はないが、それよりもアラームが鳴らない。〉
 〈マザーコンピューターはこの事態を是としているのか?〉
 〈そうらしい。マザーコンピューターの指示で、別のグループがこの女に情報を渡したのか? いや、それは否定している。〉

 《お疑いの様ですね。私には思念を読む能力があります。それ程完全ではないのですが、特にセックスに絡む時の能力は強いと思っています。やっとあなた達の処置についての理解が出来ました。私には未来の事は分かりませんが、マオさんとユリエへの変態化があなた達の未来を変える様ですね。私もそのお手伝いをしたいと思います。来週は多分軽井沢に居る予定です。まだ残務の処置がおありでしょう。それに私の事を簡単には信じて頂けないでしょうから、急いでお調べ下さい。私もあなた方への要望があります。是非聞き届けて頂きたいので、来週お話ししたいと思います。それではこれで通話を終わりますが、宜しくお願いします。》

 インターホンが切れ、マザーコンピューターもそれを確認した。

 〈何なのだ、今のは?〉
 〈分からない。しかし亜空間通信でのマザーコンピューターからは指示が来ている。という事はまだ未来の変化は確定していない事になる。通信が途絶える事で我々の使命が達成した事になるのだが・・・。〉
 〈今の女は我々に依頼があるらしい。それを受け入れて良いのか? いや、受け入れるべきなのか?〉
 〈マザーコンピューターは是としている。〉
 〈さて、どの様な依頼なのか・・・。〉
 〈それは明示されていない。しかし最後にきて疑問の多い使命になってしまった。少し詳細な検討が必要だ。ここに居てはどうもあの女の存在が不気味だ。次亜空間に戻り、検討しよう。〉
 〈了解。ところでこの二人へのガスの効果はどの位にする?〉
 〈完全に浸潤するにはかなりの時間を要する。肉体的苦痛は与えたくない。あと一日程度としよう。〉
 〈あの女がこの部屋に来る事はないか?〉
 〈多分我々の処置を理解しているから、ガスの効果をその位にする事も把握しているだろう。〉
 〈そうだな。案外我々の知らない事も理解しているかも知れない。場合によっては我々のこの先の存在可能性ついても知っているかも知れないぞ。〉
 〈うーん、可能性はあるな。それについてもチェックの要がある。戻るぞ。〉

 未来人達は次亜空間の中に消えていった。そしてマオとユリエはただ呆然としてそのままベッドに横たわっている。マオの巨大なイボイボペニスが赤黒く輝いている。



 「もうガスの効果は消えている筈ね。マオさんもユリエちゃんも意識はハッキリしていないわ。」

 弥生は上の部屋から下の様子を思念で感じていた。そしてソーッと下りると、まずマオのペニスの大きさに驚いた。

 「ハーッ、分かってはいたけれど、実際に見ると凄さまじいわね。これだけのペニスとなると、マオさんの説得も大変だわ。」

 弥生はユリエの額に手を当て、自分の念を送り込む。するとユリエは大きく伸びをして目を覚ました。

 「アラッ、おば様?」

 自分がなぜ眠っていたのか理解出来ず、辺りを見回したが、すぐにマオのペニスの変化に気付き、弥生がユリエの口を押さえなければ、驚喜の悲鳴を出していた。

 「何、これ? マオの・・・。」

 そして声も出せずにジッと見つめ続けていた。

 「素晴らしいでしょう? こういうオチンチンが望みだったのよね?」
 「凄い・・・。こんな事って・・・。まさかこんなオチンチンが・・・。」

 ユリエは涎を拭おうともせず、ジッと見惚れ、そしてソーッと手を伸ばすのだった。

 「おば様・・・、いいの? こんな凄いオチンチンを私の物にして・・・。」
 「いいのよ。もうマオさんの大きなオチンチンじゃないの。ユリエちゃんの喜ぶ大きなオチンチンにマオさんがくっ付いているだけなんだから。」

 ユリエは股間の疼きを覚えた。

 「ねえ、いい?」
 「まだダメ。もう少し熟成しないと、せっかくの真珠の落ち着きが悪くなるわ。それに、それ以上にマオさんの精神が不調になるわよ。まさかこんなオチンチンのお化けに成るとは想像もしていなかったからでしょうね。気が付いたら手が付けられない程に大騒ぎになるわよ。」
 「そうか・・・。そうよね。丸一日泣かせておけば・・・。」
 「残念でした。ユリエちゃんは今日が土曜日だと思っていない?」
 「エッ、当たり前でしょ?」
 「今日は日曜日よ。」
 「嘘っ!! だって、昨日が金曜日だから・・・。」
 「あとになれば分かるでしょうけれど、あなた達は一日以上、意識が無かったのよ。それにマオさんの嘆きは一日では治まらないわ。しっかりと真珠が固定すれば、どんなに激しく使ってもずれなくなるわよ。それにユリエちゃんだって、マオさんが気持ち良く射精出来る状態の方がいいでしょう?」
 「そりゃあ・・・。」
 「マオさんのオチンチンの欲求が強まれば、マオさんの方から望む様になるわよ。それに本当にマオさんのオチンチンを使うなら、思いっ切り使いたいでしょう? それにはあと三日お待ちなさい。夏休みになったらすぐに軽井沢の別荘へ連れて行って上げる。そうすれば何の煩わしさも無しよ。」
 「あと三日? うーん、我慢かあ・・・。」
 「どうせ夏休みの間中、楽しむつもりでしょ? だったら色々と準備しないとね。」
 「分かったわ。どうせマオが泣き叫ぶのは分かっているわ。その間は避難しましょう。アッ、食事は?」
 「大丈夫よ。栄養浣腸の器具は用意しておくわ。空腹になれば自分でするわよ。射精すれば栄養不足になりますからね。」
 「可愛そう。だけど私は嬉しいわ。」

 二人はまだペニスを突き勃てたままのマオを一人残して部屋を出て行った。



 ユリエは夏休みの為の準備をしていた。マオとの楽しみの為の道具類は軽井沢に用意されているという事なので、殆どが日常の物である。そんな時、地下室からマオの悲鳴が響いてきた。

 「ああ、やっと目を覚ましたのね。確かに凄さまじい悲鳴だわ。暫くは泣き叫ぶままにしておくしかないわね。私が行ってもどうにもならないし。」

 狂った様なマオの叫びはいつ迄経っても治まらない。かなり暴れ回っている様な振動も伝わってくる。さすがにユリエも可哀想に感じるのだが、下りて行って慰めるという事は出来ないでいた。むしろマオのペニスを見てしまえば、自分の我慢の限界を越えてしまいそうだからだった。ユリエは居場所無げに弥生の店へと出掛けるのだった。


 「どうして・・・。ユリエさん、菊野さん、居ないの?」

 泣き疲れたマオはまだ呆然としたまましゃがみ込んでいた。目の前の巨大に肉棒はまだ自分自身の肉体の一部であるとは信じられなかった。巨大であるだけでなく、亀頭にも竿にもリング状に整然と並ぶイボイボはグロテスクさに輪を掛けていた。そして亀頭も拳よりずっと大きく、えらの張り出しは肉の凶器だった。乳房の巨大さも異様であるが、その間に伸び上がり、目の前に突き勃っているペニスはどう押し下げようにも動かず、常にマオの眼前に位置していた。それでも目の前のペニスを動かそうとしている内に、ペニスの先の不気味な割れ目からはネットリとした透明な液体が溢れ出してきた。それがカウパー腺液である事はマオにも良く分かっている。催してしまっているのだ。

 「イヤッ、ダメよ。オチンチンを吸うと美味しさに負けてしまう。私は女なのよ。オッパイだってこんなに大きな女なのよ。オマンコだってちゃんと在るのよ。オチンチンを飲めば負けてしまうのよ。さっき迄のオチンチンだって嘘みたいに大きかった。最初はつらくて悲しかったのに、精液の美味しさと気持ち良さを感じたら・・・、そしてユリエさんとのセックスがそれを薄めてしまった。それだけじゃないわ。私はそのオチンチンの良さを嬉しく感じてしまった。今飲んでしまうと、きっと嬉しく思ってしまう。そうしたら私はこの化け物みたいなオチンチンを喜んでしまう。ダメッ、どんなに美味しそうな香りがしても・・・。クーッ、オチンチンが切ない。きっと精液がいっぱいに溜まっているから催しているの。出してしまわないといつ迄も苦しいのよ。」

 マオは目の前の巨大に亀頭に手を伸ばした。両手でも包み切れない程に巨大化した亀頭に涙が溢れる。

 「ヒギッ・・・! 感じ過ぎる。このイボイボがもの凄く気持ちいい・・・。ダメッ、そんな事を思っちゃ。気持ち良くされていても、それはこの身体のせいよ。身体がどんなに変態でも、心迄は・・・。アフッ! だけど凄い・・・。ヒーッ、気が狂いそうな程いい・・・。アーッ、ダメッ、悦んじゃ・・・。アギーーーーッ!!!」

 激しい突き上げにマオは夢中で亀頭に口を当てた。大きく広げた口でも亀頭の先端しか覆えない。カウパー腺液を吸い上げ、そしてやがて起きた下腹部の爆発に、マオは意識を弾けさせていたが、それでもひたすら激しい迸りを余さずに飲み込もうとしていた。しゃがんだまま失神したマオだが、両手でしっかりとペニスを抱え、巨乳に挟み込み、口でしっかりと喰わえ込んだままでの硬直状態だった。


 「あらあら、オチンチン喰わえたまま、眠っているの?」

 ユリエが地下室に下りて来た時には、マオはそのままの姿勢で失神から睡眠へと移行していた。マオの寝顔は歓喜のままの表情だった。

 「それにしても随分暴れた様ね。」

 地下室は色々な物が倒れ、椅子などはひっくり返っていた。元々が拷問、改造、調教に使われる部屋なので、調度自体は頑丈で、被拘束者が暴れても、けがをしない様にしてある。

 「うーん、いいオチンチンだわ。このまま押し倒して填め込みたい衝動に駆られるわ。」

 ユリエは涎を押さえながら、部屋の片付けをした。その音でマオは目を覚ました。そしてペニスを喰わえていた事に気付いて現実に引き戻された。

 「アッ、私・・・。」

 そして再び泣き始めた。ユリエからは声を掛けられないので、ひとしきり泣き止む迄待っていた。

 「ユリエさん・・・、私のオチンチンが・・・。」
 「うーん、マオが悲しんでいるのは分かるけれど、私としては嬉しいのよ。」
 「嬉しい? 私がこんなに苦しんでいるのに・・・。」
 「確かに信じられない程のオチンチンよね。だけどそれが?」
 「だって・・・、私はオチンチンのお化けよ。」
 「こう言っては可哀想だけれど、だからそれがどうしたの? だって、少し前迄のオチンチンだって凄さまじく大きかったわ。私には凄く嬉しいオチンチンだけれど、マオはそれを誰かに見せるつもりなの? 誰にも見せたくはないのでしょう? それならそういうオチンチンだって構わないじゃない。大きい分、気持ち良さも美味しさもずっと増したんでしょう?」

 マオは再び泣き出した。ユリエの言い分も分かるのだが、自分の悲しみを分かってくれないので精神的に不安定になってしまっていた。ユリエは階段を上がっていくが、マオはクッションを投げつけた。


 「分かっているのよ。もう、かなり以前から私は表に出られない身体だって事は。だけどこのオチンチンはひどい。こんなみっともない物が一生私の目の前に存在し続けるなんて・・・。」

 嫌悪すべき物が常に自分の目の前でその存在を誇示し、そしてそれが素晴らしい快感の元である事の二律背反に精神はズタズタだった。そして精神的つらさから逃れる方法は、マオには精液を飲む事しかなかった。そして益々快感の虜に成っていくのだった。



 マオはユリエと会いたくはなかった。会えばユリエがマオのペニスを嬉しがっている事に腹を立ててしまいそうだったし、それ以上にユリエとのセックスを望んでしまいそうだったからだ。ユリエとセックスすれば、必ずのめり込んでしまい、嫌悪すべきグロテスクなペニスを嬉しく思ってしまいそうだったからだ。いずれはそうなるにしても、それは精神的な色情狂が進む事であり、出来るだけ先に延ばしたいと思う。そう思える事は肉体的にはとにかく、精神的な色情狂ではない、僅かだが正常な精神で居るとの証明だと思えていた。

 それでもユリエが避けているせいもあるが、ユリエにオスペをして貰えないという事は別の意味でつらかった。

 「今日は。」

 弥生がユリエと一緒に下りてきた。マオはふてくされた様な顔でペニスを抱き込んで隠そうとした。しかしペニスを隠すという行為はマオには耐え難い不快感を感じてしまう。

 (クーッ、見られたくない・・・。見せたくないのに、どうしてこんなみっともないオチンチンを突き出したくなるのかしら・・・。)

 弥生はマオの葛藤が分かる。優しい笑顔で答えるのだった。

 「いいのよ。マオさんの身体は色情狂なのに、心は健常なの。だからつらいのよ。つらくなかったら、それは精神迄が色情狂に成ってしまったという事なのだから。マオさんは正常な精神でいたいのよね。だから恥ずかしければ恥ずかしいままでいいのよ。つらければつらいままでいるのが精神の正常さを示す事。だけど肉体の方にストレスを与えるのはまずいわ。肉体の欲求には素直に従いなさい。それとつらさを我慢する事とは別。あまり肉体的な欲求不満を募らせる事は、それを精神的に代償しようとしてしまうわ。つまり精神異常に成る事で欲求不満を解消しようとしてしまう事になるわよ。」
 「菊野さん、私は・・・。」
 「分かっているわよ。どんなに正常な精神で抵抗しようとしているか。だからこそ私達はマオさんをここに匿っているのよ。」

 弥生の言葉はマオの救いになっている。優しい笑顔が暖かくマオを見つめている。

 「今日で一学期は終わったわ。マオさんはそれどころではなかったでしょうけれど。」
 「それで、軽井沢へ行くのよ。」

 ユリエもニコニコしながら話に入った。

 「軽井沢?」
 「マオも行くのよ。いつ迄もこんな狭い場所にくすぶっていては、本当に精神迄おかしく成ってしまうわ。」
 「だって・・・。」
 「おば様の別荘なのよ。私だってマオを気持ち良くさせる事でマオの笑顔が見たいもの。」
 「別荘でも私は・・・。」
 「マオさん、軽井沢と言っても、北軽のずっと奥まった所なの。一般の人はまず来ないし、広い庭だから、別荘の外に居てもまず誰も来ないわ。プールでの水泳も出来るわよ。私はずっと居られる訳ではないけれど、ユリエちゃんとマオさんは夏休み中居てもいいわよ。」
 「本当なのよ。私も何度か行っているけれど、絶対に誰も来ないわね。」
 「そうよ。ユリエちゃんはマオさんも知っている様に、とてもスケベよ。だから別荘に居る間はずっと裸以上に恥ずかしい格好だったものね。」
 「裸以上?」
 「おば様、やめてよ。」
 「いいじゃない。どうせすぐに分かる事なんだし、マオさんだけが恥ずかしい思いで出掛けるのは可哀想よ。」

 ユリエは顔を赤らめてうつむいていた。

 「ビザールって知ってるわよね。ユリエちゃんはずっとそれを着ていたの。それとユリエちゃんの使っていたバイブは見たわね。あれよりもずっと大きいのを填め込んだままで居たのよ。ユリエちゃんのあそこは普通の人とはかなり違うでしょう。一度填め込むと、なかなか外せないのよ。だからずっと填めたままで居たのよ。」

 マオは少し驚いて弥生とユリエの顔を交互に見つめた。

 「そうよ。私は凄いスケベ。どんな格好で居ても平気な所なの。」

 マオには少し嬉しさが湧いてきた。地下室だけでは息が詰まりそうなのだ。誰も居ない所なら、かなりのびのびと自由が満喫出来そうなのだ。

 「そうよ。今晩出掛けるわ。スモークを張ったワゴンだから、まず外からは見られない。夜ならなお安心よ。」
 「今晩ですか?」

 マオは人目を気にしないで済む所に居られるという事は嬉しかった。少しでもペニスの事を忘れられる状態で居たかった。



 マオは車に乗る時が少し恐かった。瞬間的だが、自分の事を見られてしまう事を恐れていた。弥生とユリエが辺りを確認して、すぐに車に飛び込んでいった。

 「周りは見えるけれど、外から中は見えないのよ。だけど頭で分かっていても、なかなかそう思えないのよね。それに前のウインドーは透過率が高いわ。だから後ろの席に座っていなさい。」

 言われる迄もなく、マオは一番後ろの座席に身を隠した。そして車はすぐに発射する。マオは窓からチラチラと外を見、車や人通りの無い事に安心していた。

 「さてと・・・。」

 ユリエはすぐにバッグからサンドイッチを取り出して頬張り始めた。

 「マオはダメなのよね。おば様、マオの栄養浣腸は?」
 「車の中では難しいわよ。ユリエちゃん、クーラーボックスの中にマオさんのお食事が入れてあるわ。たまにはおなかいっぱいになりたいでしょ?」
 「おなかいっぱい? 私の食べられる物?」

 ユリエは不思議そうにクーラーボックスを開いた。冷気とともに生臭い悪臭が出た。

 「グッ、臭い!! 何、これ?」

 しかしマオには素晴らしく良い香りに感じる。そして食欲をそそる。ユリエを押しのけてクーラーボックスに手を入れた。

 「菊野さん、これ、食べていいんですか?」
 「マオ、そんな物・・・。」
 「ユリエちゃん、それはマオさんの食べ物なのよ。どうぞ。」

 マオは箱を取り出して蓋を開いた。プーンと香ばしい香りがし、マオはその白い塊を口に入れた。

 「美味しい!! これ、何ですか? チーズの様だけれど、全然違うわ。」
 「一種のチーズね。ミルクも在るでしょう?」

 白い液体の入った瓶も在り、栓を開けて飲み込んだ。

 「美味しい・・・!! アラッ?」

 それは美味しいのだが、マオには馴染みの深い味であった。

 「菊野さん、これ・・・。」
 「そうよ。マオさんには精液が美味しく感じられるし、栄養価も高いのよ。」

 マオには精液に対する抵抗や嫌悪感は無くなっていたが、それでも他人の精液という事に少し躊躇していた。

 「アッ、じゃあ、このチーズも?」
 「そうよ。精液で作られたチーズなの。」
 「おば様、そんな物在るの? それにしてもこれだけのチーズの精液と言ったら・・・。」
 「そうね。そのチーズだけでたっぷり三リットルは必要ね。」
 「ヒョーッ!! 凄い。」
 「菊野さん、そんなに沢山の? 変な気持ちよ。美味しいのだけれど、どうやってそんなに沢山の?」
 「心配しないでいいわ。マオさんは自分の身体が稀な変態と思っているでしょう。そうでもないのよ。大量の精液を出せる身体にされている子も沢山居るの。だけど、マオさんは自分の精液を飲んで知っていると思うけれど、精液は出たばかりの物が一番美味しいらしいわ。そして自分の物よりも他人の出す物の方が色々と味を楽しめるそうよ。」
 「ああ、分かったわ。そういう事ね?」
 「ユリエさん、何が? 菊野さん、どういう事ですの?」

 弥生は少し言い淀んでいた。

 「そうね。予め覚悟をしておいた方がいいかも。これから行く別荘には私達の他に何人か来るのよ。ああ、勿論普通の人ではないわ。マオさんのお仲間と言うべき人達なの。」

 マオは驚いて真っ青になった。

 「誰か? 誰か来るのですか? 私はイヤッ! こんな身体を見られたくない!!」
 「私はマオさんのお仲間と言ったのよ。その人達も表には出られない身体の人達なの。」

 マオには素直に信じられない。しかしユリエが平然としている事で、事実である事は分かる。

 「ユリエさん、本当? 私と同じ身体の人って? こんなに大きなオチンチンなの?」
 「うーん、マオと同じ身体ではないわ。私の知っている中で、もっと大きなオチンチンの男の子は居るわ。おば様、あの子は高校生に成ったっけ?」
 「まだよ。確か、中二の筈。ユリエちゃんは本当はあの子のオチンチンが欲しかったのよね。」
 「そうなのよね。オッパイはマオより少し小さいけれど、あれで女の子だったら・・・。」

 マオはユリエと弥生の平然と話す内容が信じられないでいた。

 「だけどマオはオチンチンが大きいだけで、それ以外は普通の人間よ。別荘の管理人の奥さんなんか、ねえ、おば様?」
 「そうね。あの方の事はマオさんに話しても信じて貰えないわよ。だけどどんなに変態な身体でも、皆さん全員が幸せだと思っているわ。表に出られない不自由さはあるし、その身体のせいで社会から抹消されているわ。だけどそれを補うに余りある幸福を得ているのよ。マオさんをそういう方に引き会わせる意味は、マオさんも幸せに成れるという確信を得て貰う為なの。マオさんはそういう方の幸せよりもずっと幸せだという事を知って貰いたいのよ。道具や家畜でないだけずっと幸せな立場なのよ。」
 「道具、家畜? それは比喩の意味ではないのですか?」
 「文字通りよ。持ち主が楽しむだけのセックス道具だし、さっきのチーズの為に精液やお乳を搾られる為の家畜にされている人、ううん、人ではないわ。戸籍は消されているし、人権も無いの。たとえそういう道具や家畜でも、一生の快感は保証されているの。但し、表の世界に秘密は漏らしてはいけないの。だから秘密を漏らしたり、逃走すれば、本当の意味での道具や家畜にされるわ。」

 マオはまだ本当に信じ切れてはいない。

 「やっぱりイヤッ、この身体を晒すなんて・・・。」
 「そういう人も居るって話は覚えておいて。一応マオさん達には離れが用意してありますから。」
 「何だかあの離れは私の専用みたいだわね。」
 「そうね。ここ数年、ユリエちゃん専用ね。」

 ユリエのはしゃぎ方とは反対に、マオはまだしずんでいた。

 「マオ、どうしたの? 暫くぶりの外出でしょ?」
 「ええ、それはいいのだけれど・・・。ユリエさん、私のオチンチンだけれど、こんなに大きく、しかもイボイボなのよ。こんなみっともないオチンチンでもユリエさんには嬉しいの?」
 「何言っているのよ。私のバイブを見たでしょう? 私の理想のバイブなのよ。マオのオチンチンはそれをも越えているわ。」
 「それに・・・勃起って言うのよね? 固く成って突き勃っているけれど、今迄と違うのよ。今迄は射精すると柔らかく成って下を向いたわ。だけど今はずっと固いままなの。射精しても下がらないのよ。時々突き上げていたのが、今は時々下がるという状態なの。下がると言っても、以前はダラーンと垂れ下がっていたのが、かなり力強いままなの。ちょっと刺激を受けると、すぐに反応してしまうのよ。」
 「ウフッ、悪いけれど私にとっては最高。理想的。ねえ、おば様、おば様が改造するオチンチンだっても皆そうよね?」
 「ええそうよ。私は道具にしてもペットにしても、常に突き勃ったままのオチンチンにするわ。まあ、私の旦那は別だけれど。」
 「旦那様? 菊野さんの旦那様のオチンチンも改造したの?」
 「マオ、何を言っているのよ。私達は皆変態なのよ。おば様だって凄さまじい変態なのよ。当然自分のセックスに合うオチンチンにしない筈ないでしょ?」

 あっけらかんとした様子で話している二人との常識の違いに驚いていたが、だからこそ自分の変態身体について冷静に見てくれているのだという事がやっと理解出来た。

 「それで・・・、どんな改造?」
 「やっぱり気になる?」
 「そういう訳じゃないけれど、私みたいな身体の人が現実に居るのなら、少しは気が楽・・・、そうじゃないわ。ひょっとしたら何とか・・・。」

 弥生は少し気の毒そうな顔をしていた。

 「ごめんなさいね。私の旦那はマオさんとは少し立場が違うの。確かに改造はしたけれど、あくまでも私の旦那様にする為だったのよ。私が高校生の時だから、もう、随分前だけれど、私が高三、旦那が高一。ママに手伝って貰ったのだけれど、自分用のペットにする初めての改造だったわ。」
 「ペット? 旦那様にするつもりでは?」
 「ううん、当時は私も今のユリエちゃんと同じ。ごく普通の女学生を演じていたの。まだ世の中、それ程性にオープンではなかったですから。だから私もお道具で自分を慰めていたわ。但し、ユリエちゃんとは少し違うのよ。私が男性と付き合えないのは、ママの仕事を私も手伝っていたのだけれど、その秘密が漏れると大変だからなの。だからその子も改造してしまって、秘密を漏らせない身体にしてしまう必要があったのよ。ただ、とっても可愛い子だったから、その後私の旦那にしたのよ。」
 「ヘーッ、良くOKしましたね。」
 「OKなんかする筈ないわよ。諦めさせるのに随分掛かったわ。だって完全な女性体にしたのよ。オチンチンは特別に出入りする様にしたのよ。だから時間も相当掛かったの。」
 「女性体? オチンチンの出入りって?」
 「おば様の旦那は普通に見ると完全な女性よ。小柄だけれど、バストはおば様より大きいわね。あそこも普通はちょっと盛り上がっている程度のシルエットだけれど、いざとなるとグイッと伸び上がるのよ。」
 「旦那は被改造者としてはごく軽度の改造でしたからね。」
 「だから愛ちゃん、おば様の子供だけれど、小さい内は両親のお乳で育っていたのよ。」
 「ヘーッ、凄い・・・。だけど、それで軽度?」
 「そうよ。だからマオの身体についても冷静でいられるのは、もっと凄い被改造者を知っているからなの。だけどその人達の悦びを知っているから、マオも幸せになる、幸せに出来るという確信があるのよ。」

 マオにはほんの僅かの希望、真っ暗闇の中のごく弱い薄明かり程度の希望が湧いてきていた。


 マオには幸いだったが、まだ暗い内に軽井沢へ入った。店は閉まっているが、それでも昼間の賑わいを感じさせる。

 (ああ、普通の身体の内に来ていたら楽しかったろうなあ・・・。)

 涙が滲む。そして車はその本通りを外れて北に向かい、最初の内は高級別荘の並ぶお洒落な道並みであった。そして会社の保養所の様な建物の並びが終えると、暫く人家は無い。そしてかなり奥になる所にそれ程大きくない保養所風の建物が見えた。

 「マオさん、着いたわよ。」
 「ここ・・・ですか?」

 マオは門の入り口に企業の看板が並んでいるのを不思議に思った。

 「ここはどこかの会社の?」
 「そうよ。誰も別荘だとは思わないわ。だからこそ安全なの。別荘と違って、いつでも管理人が居る様に見えるでしょう。それに冬だってもここに来る事が不自然ではないわ。」
 「この中の一番奥に、いつも私が使う建物が在るのよ。」

 門を入る時に会社名が見えた。マオにはそれがただのカムフラージュの名前だとしか思えなかった。

 『株濃』、『河合工務店』、『男鹿工務店』、『合同養成所』。

 それぞれの企業は、きちんとした仕事をしているのだが、マオにはまだ分からない仕事なのだ。
 車は広い敷地内の細い道を通り抜けて進むのだが、マオの思っていたよりもずっと距離が長い。そして保養所というには少し感じの違う建物が見えてきた。真っ白なコンクリートづくりの建物で、一見、何かの研究所の様な建物だった。ガレージに入った車から、弥生とユリエはすぐに下りたが、マオはキョロキョロと警戒しながら中に飛び込むのだった。

 「大丈夫よ。この建物は、崖に面した方だけが大きく開けているの。景色は大した事はないけれど、絶対に他人に見られないで済むの。行くわよ。」

 ユリエはマオの手を引いて、建物の中に入る。


 「ヘーッ、凄い!!」

 無機質な感じの外観とは異なり、内装は完全に豪華な別荘だった。大きな広間は全体がワンフロアで、フローリングである。

 「この部屋が私の専用別荘よ。」
 「マオさん、ごゆっくりね。」
 「アッ、菊野さん。」
 「私は管理人さんに挨拶してくるわ。後でまた様子を伺いに来ますわ。」

 弥生は微笑みながら出ていった。ユリエはさっそく衣服を脱ぎ始めた。

 「ユリエさん?」
 「だから言ってあったでしょう? 私はこの部屋では裸で過ごしているのよ。それにマオにだってその方がいいでしょう?」

 マオは部屋から見える景色や、部屋の中の調度を見回していた。

 「あら?」
 「なあに?」
 「ユリエさん、何を?」

 マオはユリエがビザールに着替えている事に驚いていた。

 「どう、セクシーでしょう? こんな格好は寮では絶対に無理だものね。」
 「だって、それ・・・。オッパイだけでなく、あそこも出たままよ。ううん、わざと見せているみたい・・・。」
 「いいでしょう。だけどこれはM用じゃないのよ。いわば女王様用ね。」
 「女王様・・・。」
 「うーん、少し悔しいわ。私、これでもスタイルには自信があったの。おば様もそうだけれど、私の親戚はいわば巨乳なのよ。だけどマオのオッパイには全然かなわないもの。」
 「だって私は・・・、オッパイのお化けよ。それにオチンチンだって・・・、ウッ・・・。」

 マオはペニスが激しく勃起している事に気が付いた。

 「アハッ、マオは私の裸を見て感じちゃったの?」
 「そんな・・・、私は女なのよ。ウーッ、だけどユリエさんが言った通りみたい。ユリエさんの裸を見ていると、益々オチンチンが切なくなる。」
 「分かったわ。搾って上げるけれど、ちゃんとオチンチンを喰わえたままでよ。」
 マオは素直にベッドに上がり、仰向けから足を上げ、開いて顔の脇に引き寄せた。それ程背を曲げなくても、亀頭はマオの顔の前に来ていた。それはペニスが更に大きく成ってしまっている事を知らせていた。とても口に入らない程の巨大な亀頭で、亀頭にも刺の用に真珠のイボがズラッと並んでいる。悲しさを感じる間もなく、ユリエはペニスをマオの口に押し当てさせ、えら先からオスペを始め、同時に睾丸を弄ぶ指で膣口もいじり回す。

 (ヒギッ! 凄い!! ワッ、我慢出来ないのよ。出ちゃう・・・!!)

 マオは悲鳴を上げて仰け反ろうとするが、ユリエがしっかりと押さえ込んでいて、熱い塊が下腹部で一気に爆発した。長い尿道を快感の塊が迸り出る。

 「ンググーーーッ。」

 マオは夢中で精液を飲み下すのだが、今回はかなりの量が溢れ出てしまった。

 「ヘーッ、凄い量ね。マオのオチンチンは、ちょっと搾るのをやめていると、すぐに沢山溜まってしまうのね。」

 マオは夢見心地で亀頭の周りを嘗め回していた。

 「こんなに周りが見える所でしていてもいいのかしら・・・?」
 「自分が恥ずかしい事をしているって認識はあるのね?」
 「当たり前です・・・。」
 「だったら、精神は正常のままよ。学校に戻れば、まだかなり精神的な抵抗のストレスを受けるでしょ? だからここに居る間は、思いっきりスケベでいていいのよ。私もスケベでいるから。」

 マオはユリエのビザールを眩しそうに見つめていた。

 「私はユリエさんはレズだとは感じていたけれど、こんな変態だとは知らなかったわ。」
 「私はここで目一杯のスケベをしてストレスを解消していたから、学校では清純でいられるのよ。ううん、ここでの生活を楽しみに我慢が出来るの。」

 マオはジッとユリエの剥き出しの股間を見つめていた。その視線にユリエも気が付いた。

 「そうね。マオばっかりではなく、私も気持ち良くなりたいわ。オシッコ飲む?」
 「ええ、飲ませて。」

 ユリエはゆったりとした安楽椅子に腰を下ろして足を広げた。マオはすぐにユリエの股間に吸い付き、下で尿道口を真探るのだが、同時にクリトリスも舌先で転がしていた。

 「ンフッ。まず、オシッコよ。出るわ。」

 マオは流れ出てきた尿を一滴もこぼさずに吸い出す。ユリエにしても尿を吸い出されるのは不思議な快感だった。尿道括約筋に力を入れていないでも、マオの吸圧で尿が出ていってしまうのだ。排尿意欲無しに出てしまう事は快感であった。

 排尿が済んでもマオはひたすらクリトリスを嘗め続け、吸い続けた。

 「ハウッ、上手ね・・・。」

 マオの方がユリエの発情が良く分かる。クリトリスが肥大し、愛液が流れ出してくるのだった。段々ユリエが興奮してくるのとは逆に、マオの下での愛撫にぎこちなさが出てくる。

 「ンフッ。マオ?」

 マオは口を離してユリエを見上げた。

 「ユリエさん、私・・・。」

 マオは真っ赤な顔で自分の亀頭に視線を移した。

 「あら、もう? 飲みたいの?」
 「ううん・・・。違う。オチンチン、挿れたい・・・。」
 「エッ、まだ朝方よ。それにマオには気持ち良くても、私には・・・、ああ、そうだったわ。イボイボで大きく成って・・・。」

 ユリエはベッドに上がって仰向けになり、立て膝を開いてマオを誘った。

 「いいわよ。この前迄だったら、ずっとバイブを挿れて楽しんでいたのだけれど、今度のは活きたバイブだもの。」

 マオは自分をバイブ代わりの道具扱いされ、ムッと・・・、自分でも不思議なのだがむしろ嬉しさを感じてしまっていた。そしてそれ以上に、マオ自身と言うより、マオのペニスは完全に発情してしまっていた。ユリエにしても、いざマオのペニスが自分の膣口に近付いた時、作り物でない本物の迫力と、それよりも今迄のバイブよりもずっと太い事、そして何よりも射精するペニスである事に少し怯えが出てきていた。

 「アッ、マオ・・・。ごめん、心の準備が・・・。」

 しかしマオはユリエの両手を押さえ付け、閉じようとする足の中に割って入っていた。

 「アッ、ちょっと待って。以前のマオの物とは違うわ。セックスはさせて上げるけれど、そんなに強引に・・・。」
 「うるさい!! 私は填めたいのよ。黙ってオマンコを拡げていればいい!!」
 「マオ?」
 「黙っていろ!! ユリエさんのオマンコだって・・・。スケベ女はスケベらしくオマンコをおっ拡げしているんだ!!」
 「イヤよ。まだ私は・・・、アヒッ・・・!!」

 マオの意識はこれから女を犯そうとする男の様であった。そして力も信じられない程に強くなっていて、本気で逃れようとするユリエをしっかり押さえ付けていた。

 「ヒッ、ダメッ・・・。アグッ・・・。」

 マオが腰を揺すりながらペニスの先をユリエの膣口に宛てがってきた。亀頭の先端はユリエの陰唇を押し拡げ、膣口に凶器としての肉棒が填まり込んできた。

 「グッ、大きい・・・。マオ、痛い・・・。やっぱり、ダメーーーッ!!!」

 ユリエは初めて破瓜の痛みを知った。今迄のどんなバイブよりも太い亀頭が膣口に悲鳴を出させる。ギシギシと押し込まれる痛みを和らげるには、ユリエは口を開いて大きく息を付き、股関節の緊張を解くしかなかった。その途端に太い亀頭がユリエの膣口を通り抜けた。

 ヌプヌプヌプ・・・。

 ユリエの広い膣道を限度いっぱいに押し拡げながら異物が進入してくる。

 「ガハッ、グフッ・・・。」

 体内への異物圧入により、肺から息が押し出される。そしてその強う圧入感が段々とユリエを高め始めていた。それは膣内の愛液の分泌を促し、挿入を更に進め易くしていた。そしてマオはついにピストンを始めた。

 「ヒギーーーッпI!」

 ユリエはいきなりのアクメを迎えてしまった。イボイボのペニスは膣内をくまなく刺激するのだが、今迄以上に感度が高くなっていた。そして悲鳴の様なアクメの声を上げたのだが、それでもマオは激しいピストンを続けている。

 「ダメーーッ、死んじゃう・・・。アキーーーッ!!」

 絶頂に達しても、マオのピストンが続く限り墜ちる事が出来ない。いつ迄も続く激しい絶頂は失神さえも許さず、ユリエは狂った様に激しい悶えを続けていた。失神はしていないが、自意識は既に失われている。いつ迄も快感の嵐に揉み続けられていた。

 「ヒッ、ヒッ、ハクッ、ググーーーッ!!!」

 激しいピストンの周期が一気に高まり、グンとペニスを突き込んだ時、大量の精液がユリエの子宮内に一気に放出された。普通の女性では子宮が破裂してしまう程の勢いと量であった。

 「ゲヒーーーッ・・・。」

 子宮の膨張はユリエの胸をグンと膨らませ、ユリエは大きく息を吐き出して、やっと墜ちる事が出来た。痙攣したまま硬直し、そのまま意識を失ってしまった。



 「マオ?」
 「アッ、ユリエさん、気が付いたのね?」
 「何だったの? とんでもないセックスだったわ。アハッ。まだ挿れたままなの?」
 「ごめんなさい・・・、私・・・。本当に精神の色情狂に成ってしまったみたいで・・・。自分でも分からない程・・・。だけど、凄く気持ちいいんです。アッ、ごめんなさい、イヤなら抜きますけど。」
 「アッ、このままでいいわ。ビックリしたけれど、私も凄く気分がいいわ。私もマオの事をちょっと甘く見ていたわね。あんなにオチンチンが催しているのだもの、男だって当然なのよね。マオにストレスを与えてはいけないって事は分かっていたのに・・・。だけど子宮が精液でいっぱいの感じ。これって新しい悦びよ。」
 「済みませんでした。自分ばっかり・・・。アッ、そうだわ。ユリエさん、避妊しています? このままだと・・・。」
 「心配しないで。私達の血筋は、凄く妊娠し難いのよ。自分でも強く望まないと、なかなか妊娠出来ないの。それに、どういう訳か女の子しか産まれないのよ。だから私の親戚は皆養子を迎えるの。それに万が一の時には後避妊薬でも良く効くけれど、私としては、マオの子なら産んでもいいと思うわよ。」

 マオは少し羨ましかった。ユリエには例え自分が父親であったとしても、子を持つ事が出来る。しかしマオを相手にしてくれる男は存在する筈がないと思っていた。ただ無駄に大きいだけの乳房であると思っていた。

 「ウフフ・・・。」

 ユリエが含み笑いをしているのに気付いたマオが尋ねた。

 「ユリエさん、どうしたの?」
 「ええ、マオって、こうしていると、凄く可愛らしくてグラマーな女の子なのよね。」
 「ああ、そうか・・・。オチンチンが隠れているから・・・? あら? 私はオチンチンを隠せなかったのでは?」
 「違うわよ。マオはオチンチンを自慢したいのよ。だから見えない様にする事をオチンチンが抵抗するの。だけど今はオチンチンは凄い自慢をしているのよ。私の中で凄く力強いわ。オチンチンはオマンコに入っていてのオチンチンだもの。だけど変ね。知らない人が見たら、本当のレズに見えるわ。」
 「フーッ、何だか変。だって私のオチンチンが一番男としての機能を発揮している時が、私が一番女らしく見えるなんて・・・。」
 「それにしても凄くいい感じよ。私が使っていたバイブは、マオよりもずっとイボイボが小さかったわ。だけどずっと座りが悪いというか、馴染まないのよ。だけどあれよりずっと大きなイボイボがぴったり填まり込んでいる感じ。」
 「そうですね。ユリエさんのオマンコは私のオチンチンを強く握り込んでいるけれど、真珠をそれ程押し込んでいませんから。」
 「フーッ、意識を集めるとダメね。また催してしまったみたい。」
 「ユリエさんもですか? 私も。いい?」
 「いいわよ。お願い。私は本来スケベなのに、ずっとバージンだったの。いつか満足出来るセックスが望みだったのに、それがいきなりこんな凄いセックスが出来たんですもの。マオがイヤと言う程して欲しい。」

 マオは微笑みながら静かにペニスを引き抜こうとした。

 「あれっ?」

 ペニスはしっかりとユリエの膣内に噛み込まれていた。

 「引っ掛かってる? ユリエさん、何だか真珠が噛み合っているみたいで・・・。」
 「グッ、分かる。オチンチンの真珠が噛み合っているのよ。少し回してから動かして。」

 マオは力を込めてペニスを捻る様に身体をひねった。まるでホックが外れる様な、プチプチという音がしてズルッと外れた。一度外れると、愛液と子宮から流れ出た精液が潤滑油になり、ピストンが出来る様になった。

 「クーッ。マオ、いいわよ・・・。」

 本当の意味での最初のセックスで絶頂に達してしまったユリエは夢中だった。スケベなのにセックス出来なかった劣等感が一気に瓦解してしまったユリエは、セックスの虜になり、まるで変態性欲者の様にただひたすら求め続けるのだった。そしてユリエの絶頂感はマオをも高める。身体の変態化による精神ストレス発散の為、快感はあっても、実際には役に立たないと思えていた巨大ペニスが、これ程迄にユリエに悦びを与えているという喜び、そしてそれが至福感としてマオに戻ってくる。精神の悦びを伴う肉体の悦びが、マオをも至福の中に放り込んでいた。





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